横須賀美術館（神奈川県・横須賀市）は、周囲の環境に溶け込む建築デザインに注目！

知的好奇心がすくすく育つ学びスポット！
2007年（平成19）に開館した「横須賀美術館」は、目の前に東京湾、背後に県立観音崎公園が広がる自然に恵まれた美術館。スタイリッシュな建物は周囲の自然と調和し、景観に溶け込む美しいデザインが魅力です。
館内では日本の近現代美術作品を展示する所蔵品展のほか、国内外の美術作品を紹介する企画展を開催。絵本の原画展など親子で楽しめる企画展もあります。

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子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む！

子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之（たき やすゆき）先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい！面白い！」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。

知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“

子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が８つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。

» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く！「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載！

横須賀美術館で育つ子どもの力

知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック！横須賀美術館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのでしょう？

館内に展示されたアートはもちろんですが、美術館の建築デザインにも注目してみてください。吹き抜けを効果的に使った展示室や、天井や壁に開いた大小の丸穴といった印象的な意匠は子どもの好奇心を刺激するはず。美術館の前に広がる芝生や東京湾を望む屋上など、周辺の環境を含めた空間デザインが素敵です。

» アートの達人「美術ライター 浦島茂世さん」お仕事インタビュー

横須賀美術館ってこんなところ！

バス停観音崎京急ホテル・横須賀美術館前から徒歩2分の横須賀美術館。白い鉄板の箱をガラスで覆ったような不思議な外観が目を引きます。低層の建物は景観に溶け込み、広い空、森、芝生、海へと続くランドスケープは芸術作品そのもの。
館内は地下2階、地上2階になっており、地下1階で所蔵品展、1階で企画展が開催されます。また隣接する谷内六郎館では、横須賀にアトリエを構えた谷内六郎さんの作品世界に触れられます。

所要：2時間
おすすめの年齢：6歳～

＜施設データ＞

• 子ども用トイレ：✕
• おむつ替え：〇
• 授乳室：〇
• ベビーカー利用：〇
• ベビーカー貸出：〇
• コインロッカー：〇
• 館内飲食店：〇
• 館内売店：〇

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おすすめのアクセス方法は？

京急本線馬堀海岸駅から京急バスの観音崎行で10分の観音崎京急ホテル・横須賀美術館前で下車し徒歩2分。バス停からは県道を渡り、緩やかなスロープを上ります。JR横須賀線横須賀駅の場合はバス停まで35分です。
車の場合は横浜横須賀道路馬掘海岸ICから3kmまたは横須賀ICから11km。有料ですが地下に駐車場があります。

おすすめの遊び方＆過ごし方

1階の企画展を見た後、地下1階の所蔵品展、併設の谷内六郎館と回るのがスムーズ。展示を見たら、美術館前に芝生を配した「海の広場」や東京湾を見渡す「屋上広場」でのんびり過ごすのが定番です。美術館の後ろの「山の広場」から県立観音崎公園へと散策を楽しむのもいいでしょう。併設のイタリアン「ACQUAMARE」でカフェやランチをとるのもおすすめです。
ひと通り展示を見て、美術館の周辺を散策すると2～3時間ほど。県立観音崎公園はプラス1時間ほどを見ておくといいでしょう。

充実の所蔵品展＆多彩なテーマの企画展

横須賀美術家が所蔵する美術作品は「横須賀・三浦半島にゆかりのある作家の作品」「横須賀・三浦半島を題材にした作品」「海を描いた作品」「日本の近現代美術を概観できる作品」を基準に収集されています。絵画や彫刻を中心に日本の近現代美術作品を約5000点所蔵し、年に4回内容を変える所蔵品展で見ることができます。

また日本と海外の近現代美術をさまざまな角度から紹介する企画展は、年に6回ほど内容を変えて開催。絵本作家の作品展や横須賀市立の学校・園の子どもたちによる作品展など、親子で楽しめる企画展も開催されます。

所蔵品展の観覧料には、隣接する谷口六郎館の観覧料も含まれます。谷口六郎さんは横須賀市のアトリエで創作活動を行った作家で、26年間にわたって『週刊新潮』の表紙絵を担当したことで知られています。

谷内六郎館では、谷内さんの1300点あまりの作品を年に4回内容を変えながら展示。日本のさまざまな情景を描いた作品が郷愁を感じさせます。

景観に溶け込む建築デザイン

横須賀美術館は、国内外で活躍する山本理顕設計工場による建築デザインも見どころのひとつ。三方を森に囲まれ、目の前に東京湾が広がる豊かな自然なかに、白をベースとしたスタイリッシュな建物が溶け込んでいます。外観は鉄板をガラスで覆ったような二重構造になっており、ミニマルなスクエアデザインも印象的です。

地下1階から2階までの吹き抜けの展示室や、エントランスホールの天井と壁には、大小の丸穴が開いています。二重構造の鉄板に丸穴を開け、外側のガラスを通して光を取り込むデザイン。これが館内に光のグラデーションを生み出しています。

淡い光をまとう丸穴からは海や空、広場の緑が見え、自然とのつながりを感じさせます。

自然を生かした3つの広場

横須賀美術館の「立地を生かした建築」という側面を際立たせているのが3つの広場。建物の前に芝生が広がる「海の広場」は、家族連れがのんびり過ごす憩いの場です。なだらかな斜面になっており、イベントが開催されることもあります。

建物の上部は東京湾を一望する「屋上広場」になっています。椅子が置かれ、海と森の両方とつながるデザイン。9～19時に開放され観覧券がなくても無料で利用できます。

美術館の背後には芝生を敷き詰めた「山の広場」があります。そこから県立観音崎公園へと遊歩道が続いており、森の中をのんびり散歩するのもおすすめです。

屋外にも彫刻を展示

美術館の外や中庭にも作品が展示されているので探してみましょう。こちらは「海の広場」にある若林奮さんの鉄の彫刻「Valleys ; 2nd Stage」。無機質な鉄の渓谷が美術館へと誘います。

美術館の前のコンクリートブロックに注目すると、１ヵ所だけ形が違っています。これは高田安規子・政子さんのインスタレーション作品「修復（中庭）」。同じコンクリートを異なるスケールで敷き詰めた不思議な作品です。とても小さな作品なので、足元をよく見て。ほかにも思わぬところに展示作品がありますよ！

子連れにおすすめ！館内の立ち寄りスポット

横須賀美術館には子連れにうれしい施設や、立ち寄りスポットがあります。ぜひ行ってみてくださいね。

●ミュージアムショップ

美術館のエントランス横にあるミュージアムショップには、企画展のカタログや谷内六郎さんの作品集、美術館のオリジナルグッズなどが揃っています。所蔵品の絵はがきやおしゃれなデザイン雑貨など、自分用にも欲しくなるアイテムが充実していますよ。

人気は館内で見られるピクトグラムをあしらった、横須賀美術館のオリジナル文房具。ロルバーンとコラボしたノート(770円)やA4クリアファイル(440円)など、どれもかわいい！
ミュージアムショップには観覧券がなくても入れます。

• 【電話】046-842-0125
• 【営業時間】横須賀美術館と同じ
• 【定休日】横須賀美術館と同じ

●アクアマーレ

併設のレストラン「アクアマーレ」は、東京・南青山の名店「リストランテ アクアパッツァ」の日髙良実シェフが総料理長を務める本格イタリアン。ガラス張りの店内では芝生の広場と東京湾を眺めながら食事を楽しめます。晴れた日はテラスで過ごすのもおすすめ。

彩り鮮やかな料理には、三浦半島を中心とした旬の食材が使われます。この土地ならではの新鮮な魚介やとれたての野菜を味わって！
ランチはサラダとドリンクがセットになった「おすすめパスタセット（1400円）」や「自家製ピッツァセット（1600円）」などカジュアルなメニューから、充実のコースまで揃っています。

• 【電話】046-845-1260
• 【営業時間】11～15時（ラストオーダー）、17～20時（ラストオーダー）※CAFEは10～20時の利用可
• 【定休日】なし

小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備

トイレは地下1階と1階にあり、1階の多目的トイレにはオムツ交換台が設置されています。また隣には授乳室も用意されています。

同じく1階にコインロッカーを完備（100円／使用後返却）。全館バリアフリーなのでベビーカーを押して美術鑑賞というのも可能です。

美術作品の鑑賞はもちろん、景観と一体化した建物や館内の個性的なデザインが子どもの好奇心を刺激しそう。芝生の広場や眺めのよい屋上で過ごすのも気持ちがよいもの。作品を見るだけでなく、周囲の環境も含めて「美術館で過ごすこと」の楽しさを教えてくれる施設です。

●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』

子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。

監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。

子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。

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