知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
国立国際美術館は1977年に開館、2004年に大阪の中心地・中之島に完全地下型の美術館として新築・移転しました。以来、現代美術を中心にさまざまなアート作品を収集・展示し、発信し続けています。特別展やコレクション展を通して、さまざまなアート作品を世の中に紹介する一方で、独自の体験イベントなども開催しており、子どもたちを含め多くの人がアートにふれあえる機会を提供しています。美術館の建物自体もみどころのひとつです。完全地下型であるにもかかわらず、開放感あふれる造りで、そこに居るだけでアートを感じる心地良い空間になっています。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
国立国際美術館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 国立国際美術館では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
【アートの達人】浦島茂世さん
うらしまもよ●美術ライター。美術や街、旅を中心に執筆。著書に『東京のちいさな美術館めぐり』(ジービー)『企画展だけじゃもったいない 日本の美術館めぐり』(ジービー)など。
■浦島茂世さんコメント
子ども向けのアートな絵本を常設したキッズルーム・授乳室を設置。また子ども向けのプログラムも定期的に開催しています。
国立国際美術館ってこんなところ!
おすすめの遊び方&過ごし方
特別展とコレクション展の情報は公式HPで内容をチェックしてからでかけるようにしましょう。親子の場合は、「こどもびじゅつあー」などの体験プログラムに参加するのもおすすめです。体験プログラムは、公式HPで開催日や内容をチェックしたうえで、事前予約が必要なので要注意。まずは、開放感満点、居心地抜群の空間でアートを肌で感じる体験をしてください。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合は阪神高速1号環状線土佐堀出口から約5分、阪神高速3号神戸線中之島西出口からでも約5分とアクセス至便ながら、施設に専用駐車場はないので、周辺のコインパーキングなどの有料駐車場を利用します。公共交通機関の場合は、京阪渡辺橋駅から徒歩5分、地下鉄肥後橋駅からでも徒歩10分です。
所要:2時間
おすすめの年齢:3歳~
住所 | 大阪府大阪市北区中之島4-2-55 |
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電話 | 06-6447-4680 |
営業時間 | 10~17時(金・土曜は〜20時)、最終入館は閉館30分前 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日)※展示替え期間に臨時休館あり |
料金 | コレクション展430円。大学生130円、高校生以下無料 |
アクセス | 京阪渡辺橋駅から徒歩5分または地下鉄肥後橋駅から徒歩10分 |
駐車場 | なし |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:△(準備中)
- 館内売店:〇
- 持ち込み:△(館内飲食不可 ※一部エリアで水のみ可)
<主なイベント・体験プログラム>
- こどもびじゅつあー:不定期開催/小学1〜4年生とその保護者/無料(保護者は要コレクション展観覧料)/事前予約制(応募者多数の場合は抽選)
- ちっちゃなこどもびじゅつあー:不定期開催/0歳〜未就学の乳幼児とその保護者/(保護者は要コレクション展観覧料)/事前予約制(応募者多数の場合は抽選)
現代美術やアートを発信するコレクション展
国立国際美術館では約8200点もの美術作品を収蔵しています。これらの収蔵品は年に数回魅力あるテーマで展示替えするコレクション展を中心に公開されています。
収蔵作品は国内外の戦後美術、特に現代美術の作品が中心で、絵画、彫刻、版画、写真などが多数を占めていますが、近年では映像やパフォーマンスなど新しいジャンルの作品も増えています。
コレクション展は、国立国際美術館が現代美術の発信拠点としての役割を果たすうえで重要な展覧会です。また、実際に足を運んで目の前にある作品と向き合った時に感じられる臨場感は言葉では表現できないもので、これは、小さな子どもにとっても同じことです。まずは、親子でコレクション展へ行って感動を分かち合ってください。(コレクション展展示風景撮影:福永一夫)
人と美術の交流を生み出すパブリックゾーン
国立国際美術館は世界的に見ても珍しい完全地下型の美術館で、設計はシーザー・ペリ アンド アソシエーツジャパンによるものです。地下空間であるにもかかわらず、陽光が差し込む造りで、巨大な吹き抜け構造が開放感満点の空間を作り出しています。地下1階にはジョアン・ミロの陶板壁画《無垢の笑い》も展示されています。
竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした建物の地下1階には、自由に出入りできるパブリックゾーンが設けられています。
1階のエントランスロビーは全面ガラス張りで、竹をイメージした金属の柱が天井に向けて勢いよく伸びています。
地下1階のパブリックゾーンには、斬新で、幾何学的な金属オブジェをまとった外観が特徴的な建物の模型も展示されています。
国立国際美術館ならではの体験にトライ!
こどもびじゅつあー
美術館スタッフ、参加者とスライドトークを楽しんでから、コレクション展を鑑賞します。鑑賞後には、展示室で見たことや感じたことなどをみんなで話し合います。美術館がはじめての子どもたちにうってつけの体験ツアーです。
- 【場所】コレクション展
- 【開催日】不定期開催 ※開催日程は公式HPで要チェック
- 【時間】※公式HPで要チェック
- 【対象年齢】小学1年〜小学4年生とその保護者
- 【料金】参加費無料(保護者は要コレクション展観覧料)
- 【定員】5組10名(応募者多数の場合は抽選)
- 【予約受付】往復ハガキで申し込み ※公式HPで詳細確認
ちっちゃなこどもびじゅつあー
作品鑑賞の入口になるような絵本を楽しむことからスタートするツアーです。「美術と絵本を考える会」と美術館スタッフが厳選した絵本を楽しんでからコレクション展を鑑賞することで、絵本と作品が響き合ってたくさんの驚きや発見があります。
- 【場所】コレクション展
- 【開催日】不定期開催 ※開催日程は公式HPで要チェック
- 【時間】※公式HPで要チェック
- 【対象年齢】0歳〜未就学の乳幼児とその保護者
- 【料金】参加費無料(保護者は要コレクション展観覧料)
- 【定員】5組10名(応募者多数の場合は抽選)
- 【予約受付】往復ハガキで申し込み ※公式HPで詳細確認
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
美術館のオリジナルグッズをはじめ、展覧会関連の商品や美術館系の書籍などが揃う「ミュージアムショップ」。地下1階のパブリックゾーンにあるので、誰でも気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイントです。
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
地下1階のパブリックゾーン内に乳幼児向けのキッズルームがあり、美術館開館中であれば自由に使うことができます。子どもたちの安全を考えた作りの部屋に子ども向けの絵本500冊が置かれており、自由に見ることができます。
キッズルーム内には授乳室も完備しています。室内にはオムツ替え台も設置されており、小さな子ども連れのママも安心です。
美術鑑賞というと大人の楽しみのように考える人も多いかもしれませんが、アートとの出会いは五感で感じるものだからこそ、子どもにとっても大人と同等か場合によっては、大人以上に脳を刺激するものであるはずです。国立国際美術館では、子ども向けの体験イベントの実施や、キッズルームなども完備しており、子どもの受け入れ態勢が整った美術館だといえます。小さな子どものうちに、現代美術などのアート作品にふれる機会が得られる国立国際美術館へぜひ親子ででかけてください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。