子どもが苦手になりがちな野菜には、苦い、辛いといった理由があることが多く、切り方や調理法のちょっとした工夫が実は大切。この記事では苦手野菜を克服できる調理法や、子どもが苦手な野菜を美味しく食べられるレシピ、略して「子どもが苦手な野菜レシピ」を、子ども料理研究家のごはんさんが伝授!
第一弾は、苦手食材の代表格である「ピーマン」です。
子ども料理研究家 ごはん
予約のとれない訪問調理師として大人気。1500軒件以上のお宅を訪問し、好みやアレルギーの有無、家族構成に合わせた身体に優しい料理を日々提案中。
ピーマン嫌いな子どもが食べるレシピを動画で紹介!
ピーマンと玉ねぎのチーズお焼き
くるくるピーマンパイ
ピーマン嫌いな子どもが多いのは、苦みやえぐみから
ピーマンの苦手ポイントは、苦味やえぐみ、青臭さといった味の面、濃い緑色という食べることに警戒心をもつ見た目、シャキシャキとした独特な噛み応え、種の異物感などさまざま。また、身近な兄弟や友達がピーマン嫌いだから自分も苦手、という“みんなの嫌われ者”という先入観で、食わず嫌いな場合もあるかもしれません。
ピーマンの克服ポイント 苦みを抑えるのは切り方がコツ
ピーマンが食べやすくなる切り方
まず試してほしいのは、繊維を横に断つ横切りです。ピーマンは細長い見た目に沿って、縦方向に繊維があります。横切りにすることで水分が出やすくなり、苦味やえぐみ、青臭さが軽減できるのです。また、繊維を断って加熱することで、柔らかく、食べやすくなります。
ピーマンが食べやすくなるコツ
【コツその1】塩もみする
塩もみすると、浸透圧でピーマンの水分が出るとともに、苦味やえぐみも軽減します。横切りとの合わせ技で効果がよりアップ。
【コツその2】油分と合わせる
マヨネーズやバター、チーズなど、油分の多い調味料・食材と合わせると、青臭さがカバーできます。
【コツその3】味を含ませる
ピーマンは味を吸いやすい食材。調味料で甘さをしっかりと含ませると食べやすくなります。
【コツその4】加熱する
しっかりと加熱することで、濃い緑色が薄れ、食感も柔らかくなります。
◆知ってる?ピーマンが特産物の都道府県
各都道府県には特産物として知られる野菜がいろいろあります。旅行に出かけた時に、その土地の食べ物をおいしく感じるのは、気分だけではなく、作るのに適した土地で栽培され、採れたてで新鮮なものが多く出回っているため。いつもは苦手な食材も旅先で食べたり、産直センターなどで買ったり、通販で取り寄せてみたりすると、克服できるかもしれません。
<ピーマンの収穫量ランキング>
1位:茨城県
2位:宮崎県
3位:鹿児島県
ごはんさんが伝授!子どもがピーマンをおいしく食べた!人気レシピ
これから紹介するのは、ごはんさんが実際に訪問調理先で子どもたちに大人気だったレシピばかり。「今まで全然食べなかったのにこれは食べてくれた!」という親御さんの声も多いのだとか。簡単に作れて、なるべく材料が少ないレシピを選定しています。
親子で一緒にできる工程には、このマークをつけています。子どもが自分で作ると、達成感から克服のきっかけになるかも!
1.ピーマンと玉ねぎのチーズおやき
細切りにしたピーマン&玉ねぎの生地に、とろけるチーズを混ぜて焼きます。表面はカリカリに、中はチーズがとろ~り。ピーマンらしい食感は控えめに、玉ねぎと合わせることで、ピーマンの苦味とえぐみが抑えられます。
<調理時間>約15分
<材料>※親子4人分の目安です
ピーマン 6個
玉ねぎ 1/2個
塩 少々
★小麦粉 100g
★片栗粉 50g
★水 1カップ
★卵 1個
ピザ用チーズ 50g
ごま油 大さじ1
<作り方>
① 玉ねぎは横半分に切ってから、繊維に沿って縦に薄切りにする。ピーマンは繊維を断つように、横に細切りにする。
ピーマンのヘタと種は、縦半分に切ってから種の部分を上に引き上げると綺麗に取れます。
② ①に塩を入れて揉み、10分置いてから、キッチンペーパーで水気を絞る。
【ポイント】
10分間放置する時間がない時は、揉み続けて汁気が出てくればOK。繊維を断つように、ギュギュっと揉んでください。
③ ボウルに★と②を入れて混ぜ合わせ、ピザ用チーズを加えてさらに混ぜる。
④ フライパンにごま油を引いて、③を流し込み、中火で両面2分半ずつ焼く。フライ返しで薄く伸ばして焼き付ければ完成。
【ポイント】
大きく広げると裏返すのが難しいという場合は、小さいサイズで作ってみて。できるだけ薄くパリパリに焼いた方がおいしいですよ。
2.くるくるピーマンパイ
ピーマンとベーコンを炒めて、味付けはケチャップで。具材をパイシートでくるくると巻いてトースターで焼きます。見た目もかわいく、お弁当に入れるとすぐになくなる人気者です。
<調理時間>約20分
<材料>※親子4人分の目安です
ピーマン 3個
ベーコン 2枚
塩 ひとつまみ
サラダ油 大さじ1/2
★粉チーズ 小さじ2
★ケチャップ 大さじ2
★砂糖 小さじ1
冷凍パイシート 1枚
<作り方>
① ピーマンは横に細切りにし、塩揉みして10分置いてから、キッチンペーパーに包んで水気を絞る。ベーコンは5mm幅にカットする。
② フライパンにサラダ油を引き、中火で熱し、①を入れて3分炒める。★を入れて軽く混ぜたら火を止める。
③ 冷凍パイシートに②を乗せて、手前からくるくると巻く。
【ポイント】
具材が熱いと冷凍パイシートが柔らかくなって巻きにくいので、少し冷ましてください。具材があふれてしまう時には、巻く量を調整してくださいね。親子でやると楽しいですよ。
④ 1cmの厚さにカットして、トースターで1000w・10分焼いたら完成。
3.ピーマンポタージュ
ピーマンの苦味を抑える玉ねぎ、色味を柔らかくするじゃがいも、香りをブロックするニンニクを入れて作るのがポイントです。栄養満点なうえに、ピーマンだと気がつかない子も多数です。実は親がはまってしまうという家も多いのだとか。
<調理時間>約30分
<材料>※親子4人分の目安です
ピーマン 6個
玉ねぎ 小1個
じゃがいも 小1個
塩 ひとつまみ
サラダ油 大さじ1
にんにく 1かけ
水 1カップ
牛乳 1カップ
生クリーム 1/2カップ
塩コショウ 少々
<作り方>
① ピーマンは横に薄切りにして、塩揉みして10分置いてから、キッチンペーパーで水気をよく絞る。玉ねぎは縦にスライスし、じゃがいもは皮をむいて薄くスライスする。
② フライパンにサラダ油を引き、①を中火で3分炒め、ニンニクと水を入れて、蓋をして弱火で10分煮る。
③ 粗熱が取れたらブレンダーを使ってなめらかにする。
④ 牛乳と生クリームを加え、塩コショウで味を整えて完成。
【ポイント】
生クリームは苦みがある野菜には心強い存在♪マイルドでコクのある味に仕上げてくれます。
食べやすくなるよう細かい工夫が凝らされたピーマン料理。いつもと違う見た目の料理だから、ピーマンが苦手な子どももきっと食べてくれるはず!食材の買い物や調理の作業を一緒にすることでも、達成感が感じられ、克服するきっかけになるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。
子どもが食べる野菜レシピ!リンク
ピーマン/トマト/なす/玉ねぎ/にんじん/しいたけ/ほうれん草/ゴボウ/小松菜/ブロッコリー