叶 匠壽庵 寿長生の郷（大津市）で里山の自然と和菓子を満喫！梅まつりや梅狩りも

滋賀県大津市の「叶 匠壽庵 寿長生の郷（かのうしょうじゅあん すないのさと）」を徹底レポート。和菓子店の本社がある広大な里山では、お菓子の原料となる梅や柚子などが育てられており、入苑無料で散策も楽しめます。梅まつり、梅狩り、あずきまつりなど季節のイベントも豊富。和スイーツやパン、食事が楽しめる店舗も点在していて、子ども連れにもおすすめです。

» 滋賀県の梅の名所

散策も楽しい菓子づくりの里山、所要時間は？

1958（昭和33）年創業の「叶 匠壽庵」は、滋賀県大津市発祥の和菓子店です。そのお菓子が作られているのは、瀬田川のほとりの約6万3000坪の自然豊かな丘陵地を開墾した「寿長生の郷」。1985（昭和60）年、「お菓子作りの原点は農業から」という思いから作られました。
敷地内には、お菓子作りに使われるこだわりの梅や柚子などの木々が植えられ、自然の谷川が流れる山林の散策路には数百種類の季節の山野草が咲いています。おいしいものを食べながら、豊かな里山の自然を満喫できるのが、寿長生の郷の魅力です。

敷地内に点在するスポットをめぐりながら、高台にある山のテラスや、山頂へ向かう散歩も楽しめます。所要時間は、入口からヤギ放牧地、梅林、山のテラスなどをぐるりと一周すると約1時間。山のテラスから山頂まで往復するならプラス30分ほど、食事や買い物にプラス1時間ほどが目安です。
まずは総合案内所（古民家）などに用意されているパンフレットをゲットして、苑内マップを確認しましょう。苑内各所に看板もあるので、道に迷う心配はありません。オムツ交換台のあるトイレや授乳室の場所もマップでチェックして、さあ出発！

まずはベーカリーの「匠のあんぱん」をゲットしよう！

まず、向かいたいのは「Bakery&Café野坐（のざ）」。1階はベーカリー、２階はカフェになっています。

1階のベーカリーでは、国産小麦や、菓子職人がパン専用に炊き上げる自慢の餡を使ったパンが大人気。
中でも一番人気は、「匠のあんぱん」275円（テイクアウト270円）。しっとりふわふわの生地に、野坐特製のあんこがたっぷり入っています。種類が豊富な午前中に購入しておくのが、おすすめです。

メゾンカイザーのフランスパンに、叶 匠壽庵のつぶ餡とバターをはさんだ「あんこバター」715円（テイクアウト702円）や、食べ応えのある「郷のバゲット」275円（テイクアウト270円）もおすすめです。

2階のカフェスペースは、明るく開放的な雰囲気。里山の景色を眺めながら、ゆったりソファーでひと休みできます。おすすめは、注文を受けてから厳選された豆をサイフォンで淹れるコーヒーや、デザート。ジュースやミルクもあるので、子どもも一緒に楽しめます。ドリンクと一緒に、１階で苑内飲食価格で買ったパンも、こちらでいただけます。

こちらはランチにおすすめの「選べる野坐のパンプレート」1100円。写真は梅まつり限定の梅サンドです。
コーヒーや紅茶などドリンクを注文すると、トーストかサンドイッチが１つ無料でついてくる「モーニング」も大人気！　土・日曜、祝日は、営業時間前から行列ができるファンが多いメニューです（梅まつり期間中は先着30名限定）。

■Bakery&Café野坐

• 時間：
  1Fベーカリー　10～16時（なくなり次第終了）
  2Fカフェ　モーニング10～11時／カフェ11時～16時15分（LO）

里山を楽しみながら高台の「山のテラス」へ

「Bakery&Café野坐」を出てすぐのところに、ヤギ放牧地があります。かわいいヤギが4匹、のどかに草を食んでいる景色にほっと癒されます。まずは、ここでヤギさんにご挨拶。

放牧場の横には、ヤギのえさ（1袋100円）も売っているので、えさやりも楽しめます。えさがカプセルトイのように買えるのも、うれしいですね。子どもたちは大喜びです。

少し歩いたところにあるのは、和菓子の素材で作るジェラートを販売する「里山館」（イベント期間中開店）。自然の中で、ジェラート（シングル400円、ダブル550円）が楽しめるテラス席もありますよ。

国産大豆を使用した「豆乳」、宇治抹茶を使用した「抹茶」、職人が炊き上げたこし餡を使用した「しるこ」のジェラートなど、和菓子で使用している素材を使った叶匠壽庵ならではのジェラートが自慢です。「よもぎ餅」のジェラートは、よもぎ餅そのもののような食感が感動的！

■里山館

• 時間：10時～16時30分（16時LO）
• 営業日：イベント期間中　※公式サイト要確認

里山館の先の散策路には、いくつか東屋も設けられています。自然の中でちょっと休憩したいときにぴったり。

四季折々に見られる花などは、公式サイトで紹介されているのでぜひチェックしてみましょう。写真は、取材時に咲いていた「バイカオウレン」。小さい可憐な花に目が釘付けになりました。木々や草花、足元に落ちているどんぐりなど、どこを見ても苑内は魅力的な自然にあふれています。鳥やミツバチなど、生き物もたくさん。

「ぼてじゃこ池」は、環境省のレッドリストで「絶滅危惧IA類」に指定されたぼてじゃこ（イチモンジタナゴ）が生息する貴重な池です。ほかに、木の上に卵を産むモリアオガエルのすむ「モリアオガエルの池」などもあります。5～6月頃は、モリアオガエルの卵を要チェック！

広大な梅林では、花の季節、新緑の季節など、四季折々の移り変わりが楽しめます。梅林の中に、休憩できるテーブルや椅子があるのもうれしいところ。梅まつり期間中はキッチンカーの出店もあるので、梅おはぎやみたらし団子を買って、ゆっくりくつろぐこともできますよ。

高台の「山のテラス」へ向かうときは、こちらから。シカなどの獣害対策のために巡らされたフェンスの扉を開けて進みます。山のテラスまではここからすぐ（寿長生の郷の入口から約30分）。ベビーカーは厳しいですが、子どもの足でも安全に歩ける山道で、ちょっとした山登り気分が味わえます。

開放的な山のテラスに到着！　眼下に一面の梅林と、その後方に寿長生の郷の建物群の瓦屋根が一望できる、とても気持ちのいい眺めです。さらにここから10分ほど登れば、持国天が祀られている山頂に行くこともできます。

「梅まつり」、季節のイベントの楽しみ方

2025年は2月27日～3月20日まで、「梅まつり」が開催されています。約700本の梅の木が満開になると、まるで白いじゅうたんを敷き詰めたような美しい光景が広がり、まさに桃源郷！　「梅まつり」期間中には、マルシェの開催やひな人形展、コンサートや福まき餅まきなど、多彩なイベントがもりだくさん。植樹体験や里山歩き（11歳以上）、笹舟づくり体験などの体験イベントもあるので、公式サイトで日程をチェックしてぜひでかけましょう。ベーカリーや食事処などの、梅まつり限定メニューも要チェックです。

お楽しみ広場の屋台では、和スイーツから、近江牛の串焼き、鮎の塩焼き、梅昆布うどんやおにぎりまで、おいしいものがたくさん！　ベンチで思い思いにくつろげます。

けん玉やだるま落としなど、昔遊びのおもちゃが置かれているコーナーも。

釣り竿で可愛らしい福梅を釣りあげる「福梅つり」や「コリントゲーム」(共に景品付、1回500円)など、子どもから大人まで楽しめるゲームコーナーもあります。

■花の宴 梅まつり2025

• 期間：2025年2月27日(木)～3月20日(木・祝)予定
• 時間：10～17時
• 定休日：水曜

梅林の中腹にある陶房「十〇地（とわぢ）」では、「手ひねり陶芸体験」（イベント開催時・小学生以上）もできます。寿長生の郷の土と信楽の土を混ぜて焼く器はあたたかみがあり、イベントごとに訪れて作品を作るリピータも多いそう。湯呑やお茶碗、お皿など好きな作品が作れます。

■手ひねり陶芸教室

• 場所：陶房 十〇地
• 開催日：寿長生の郷のまつり期間中　※公式サイト要確認
• 時間：11時～、14時～
• 定員：各回6名（小学生以上）※汚れても良い服装で
• 料金：3300円
• 予約：可

梅まつり以外にも、5月の端午の節句まつり、6月の梅狩り、8月のとうもろこしまつり、11月のあずきまつり、12月の餅花づくりなど、イベントが充実。季節ごとに訪れたくなりそうです。

「囲炉裏茶房」の朝定食と「梅窓庵」のランチ

「囲炉裏茶房」の、卵かけご飯がうれしい「丹波の美味しい卵と水菜と本枯節の朝定食」660円。デザートに叶 匠壽庵の代表銘菓「あも」も付いています。こちらも土・日曜は行列ができる人気メニュー。食べたいときは、早めに向かうのがおすすめです。

■囲炉裏茶房

• 時間：10～11時（LO）

その隣にあるのが、地元・近江で活躍した杉浦梅窓にちなんで名づけられた食事処「梅窓庵」。大きな窓一面に広がる梅林を眺めながら、近江の食材を使ったメニューが楽しめます。

滋賀県の伊吹山麓で古くから伝わる、伊吹蕎麦も人気です。「ざる蕎麦」990円は、香りとのど越しが絶品で、ランチにおすすめ。梅まつり限定の、近江牛を使ったメニューにも注目です。

抹茶クリームあんみつ1155円など、甘味メニューも豊富です。

■梅窓庵

• 時間：食事11時30分～14時（LO）、甘味10時～16時15分（LO）※土・日曜、祝日、イベント期間中は受付開始10時30分／案内開始11時
• 予約：不可

古民家で代表銘菓の「あも」も楽しめる

寿長生の郷の入口からすぐのところにあるのが、総合案内所にもなっている「古民家」。江戸時代末期に建てられた茅葺きの建物は、大石良雄（内蔵助）縁の家と伝わり、大石という地名にも由来しているそう。お菓子の販売や、甘味処も併設しています。

古民家の甘味処で楽しめるおすすめスイーツは、代表銘菓の「あも 香煎茶セット」440円や「すない焼きセット」550円など。夏季には、かき氷も登場します。

■総合案内所（古民家）

• 時間：売場10～17時、甘味10時～16時15分（LO）

おみやげにおすすめのお菓子

長屋門の先にある菓子売り場には、寿長生の郷内の工場で作られたお菓子が、定番商品から季節限定商品まで、ずらりと並んでいます。買って帰りたいお菓子がいっぱいで、迷ってしまいそうですね。

「あも」1296円（1本）は、丹波大納言小豆を使用した、ほろほろとやさしくほどけるような小豆が特長の、叶 匠壽庵を代表する銘菓です。定番のつぶ餡のほか、なめらかなこし餡も人気です。

「標野」216円は、古の近江大津宮の時代に詠まれた恋の歌を題材に、茜色に染めた恋心を表して作られたお菓子です。梅林で収穫した「城州白梅」を苑内の梅蔵で熟成させ、鮮やかな赤色の梅「露茜」を加えて、宝石のようなゼリーに仕上げています。

こちらは梅まつりの限定の「梅大福」540円。蜜漬けした梅が丸ごと1粒包まれた贅沢な一品で、毎年大人気。ほかにも梅にまつわるお菓子がたくさん用意されています。

寿長生の郷で、谷川の流れる音、鳥のさえずりを聞いて、花の香りや、自然を楽しみながら苑内を歩き、おいしいスイーツを味わえば、五感が満たされてリフレッシュできることまちがいなし。寿長生の郷は、お菓子と里山の自然が楽しめるスペシャルなワンダーランドです。

アクセスはシャトルバスが便利

自然がいっぱいの里山にある寿長生の郷ですが、無料送迎シャトルバスがあるので電車でのアクセスも便利です。

• 電車：JR琵琶湖線石山駅からタクシーで約20分、「寿長生の郷シャトルバス」（無料）で約30分
  ※無料送迎シャトルバス「寿長生の郷シャトルバス」は、JR琵琶湖線石山駅北口（改札を出て左）の発着所から。「寿長生の郷」と書いた紫色のバスが目印。
  石山駅発（10時05分、12時、14時、15時）、寿長生の郷発（13時30分、14時30分、15時30分、16時30分）
• 車：名神高速道路瀬田西インターから約20分(大阪方面から)
  名神高速道路瀬田東インターから約20分(名古屋方面から)
  京滋バイパス笠取インターから約20分(大阪・宇治方面から)
  京滋バイパス南郷インターから約16分(草津方面から)
• 駐車場：あり（約50台）無料、イベント開催時は1000円(当日苑内で利用できるお楽しみ券1000円分と引き換え）

叶 匠壽庵 寿長生の郷

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