アートの達人「美術ライター 浦島茂世さん」に聞きました!アートの魅力やお仕事って?

画像:ふなばしアンデルセン公園 子ども美術館(千葉県/船橋市)
画像:ふなばしアンデルセン公園 子ども美術館

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子どもが親しむおもちゃや絵本など、子どもの生活にはアートが溢れています。幼少期からさまざまなアートを体験することは五感を刺激します。ものの形や色を見る力、感じる力が育まれ、日常でも「おもしろいな」「すてきだな」と感動できる気持ちが育まれ、心が豊かになるでしょう。図画工作や美術の素地となるだけでなく、立体を見る力、数学的思考にもつながります。
そんなアートというテーマを通して、美術ライターなど幅広い活動をしている浦島茂世さんに、アートの魅力やお仕事のことなどを教えてもらいました!

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目次(index)

アートについて聞いたのは、浦島茂世さん!

浦島茂世さん

子どもの頃から美術館へよく通い、今でも美術館の訪問が日課という浦島さんに教えてもらいました。るるぶKidsだけに語ってくれたご自身のエピソードは、子育ての参考にもなるはずです!

浦島茂世さん
うらしまもよ・美術ライター。大学では美学美術史を専攻。1920年代の西洋美術・工芸について学び、博物館学芸員免許も取得する。現在は雑誌やWebでの執筆のほか、情報サイトAllAboutの美術館ガイドなど幅広く活躍中。著書に『東京のちいさな美術館めぐり』(ジービー)、『企画展だけじゃもったいない 日本の美術館めぐり』(ジービー)など。文化庁文化審議会博物館部会委員のほか、美術講座講師なども務める。

ズバリ!アートの魅力を教えて!

突然、心が揺さぶられるような感覚に陥るところです。アートとは「美しいもの」と誤解されがちですが、心を強く揺さぶってくるものはグロテスクな見た目をしていたりもします。そんな見た目でも、心を掴まれると愛おしく見えちゃいます。

アート好きになったきっかけは?

母親が美術好きで、近所の美術館にジャンルを問わず連れていかれたこと。母親は、子どもである私のためではなく、自分が見たいものだけを見ていました。母親にも夢中になるものがあるんだな、ということを幼いながらに理解することができたのはよかったなと感じています。

子どものころはどんな子でしたか?

音楽が好きで、ピアノばかり弾いていました。ファミコンやなどで作曲ができるゲームが出るたびに買ってもらっていた気がします。子どものころから月に1〜2回は美術館に通っていたものの、高校3年くらいまで「美術が好きだ」と意識したことはありませんでした。

アートの仕事でおもしろいと感じるのは?

普通に生活していると出会えないような価値観の人や、その価値観で作られた作品に対峙したとき、強くおもしろいと感じます。展覧会にひとつはそんな作品があるので、毎日おもしろいと感じて生活しています。アートは刺激が強いので、疲れたときは家で寝ています。

アートの仕事で大変なことは?

常識から外れたところで生まれる作品や、生きているアーティストが多いので、「常識とはなにか」「普通とはなにか」を常に意識しています。近年は、作品を発表する場所の歴史的背景を踏まえたものも多いので、世界史、日本史、地理を勉強しなおしています。

アートの達人になるために頑張ったことは?

時間があれば美術館やギャラリーに通っていました。ただ見るだけじゃなくて、見たときの言葉にならない感情を言葉にしておく訓練も続けました(単に日記を書いてるだけですが)。美術関係の仕事は、ライターだけでなくアーティストも抽象的な思考を言葉で説明する能力が求められていると思います。

子どもに紹介したいアートは?

撮影:大高隆 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

ICCに所蔵されたグレゴリー・バーサミアンの《ジャグラー》という立体作品です。複数の曲芸師や物体が、点滅するストロボによって動いているように見えてきます。物体の動きや造形の美しさはもちろん、アニメーションの原理も学ぶことができます。

お気に入りのアートスポットは?

画像:東京都現代美術館

画像:東京都現代美術館

東京都現代美術館です。レストランや図書室はもちろん、企画展示も常設展示も充実しています。特にリーズナブルな料金で入れる常設展示は、絵画作品だけでなく彫刻やメディアアートなどさまざまな現代美術の作品にふれられる場所。広々としていて心が安らぐ空間です。

アートの達人を目指す子どもたちへメッセージ

好き嫌いせず、いろいろな作品を見て体験して、ときには自分で作ってみてください。美術館やギャラリーで気に入ったものがあったら「自分はこの作品のどこが好きなんだろう」と考えてみることも大切です。目だけでなく、頭と心も一緒に動かしましょう。

そのほかのテーマの達人によるQ&Aにも注目!

アートのほかにも、いろいろなテーマごとにその道の“達人”に話を聞きました。紹介スポットへのコメントに加え、そのテーマ自体の魅力や仕事について、達人たちが子どもの頃のエピソードなどのQ&Aを今後公開していきます。将来何になりたいかについて考え始める時期の子どもたちに伝えたい内容が満載なので、こちらもお楽しみに!

■各テーマの達人

恐竜くん【恐竜】恐竜くん|恐竜専門サイエンスコミュニケーター、イラストレーター

佐々木隆さん【動物】佐々木隆さん|遊園地専門家

堀川ランプさん【昆虫】堀川ランプさん|昆虫芸人、イラストレーター

黒田有彩さん 【宇宙】黒田有彩さん|宇宙タレント

田代浩一さん 【乗り物】田代浩一さん|JTB時刻表編集長

広松由希子さん 【絵本・アニメ】広松由希子さん|絵本作家、評論家

河合敦さん【にほんの歴史】河合敦さん|歴史作家

» 【恐竜が大好き!!】
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» 【動物が大好き!!】
» 【鉄道が大好き!!】
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