餌やりが人気!ホワイトタイガーがいる動物園は?生態・白い理由・目の色も解説

ホワイトタイガー/伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)
伊豆アニマルキングダムのホワイトタイガー。やっぱりトラの顔はカッコいいですね

佐々木隆のアイコン佐々木隆

動物園で白いトラ、ホワイトタイガーを見たことはありますか?「いったいなぜ白いのか?目や肉球は?生態は?」など、動物園で人気者になることも多いホワイトタイガーについて解説してみましょう。
希少なホワイトタイガーが見られる日本の10数施設の動物園・サファリもチェック!施設は全国に点在していますが(東北・関東・東海・北陸・関西・中国・四国・九州)、エサやりなどの体験ができるスポットに注目してみましょう。

目次(index)

ホワイトタイガーってどんな動物?

ホワイトタイガーがどんな動物なのか、キホンから生態、食事、カラダの特徴などについて紹介します。

ホワイトタイガーのキホン

ホワイトタイガーは、その美しさと希少なことから、インドでは“神の使い”、中国や日本では“白虎”として、古くから神聖化されてきた動物です。トラの1種ですのでネコ科です。

  • 【学名】Panthera tigris tigris
  • 【分類】ネコ目 ネコ科 ヒョウ属
  • 【生息地】野生にはほとんどいない
  • 【体長】1.5~2.8m
  • 【体重】110~280kg
  • 【寿命】約15年
ホワイトタイガー/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

東武動物公園のホワイトタイガー。その美しい姿を見ると、神聖化されるのもわかります

ホワイトタイガーはなぜ白い?

では、なぜ白いのでしょう。いわゆる、アルビノ(メラニンの欠乏による遺伝子疾患で白くなる症状)とは異なり、ベンガルトラの白変種(色素の減少によって白くなった)なのです。白変種になる理由は、氷河期に保護色となる白が生き抜くための手段だったといわれています。ただ、氷河期が終わると、白は逆に目立つので、どんどん数が減っていったのでしょう。

ホワイトタイガー/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

現代ではとても稀な存在になったホワイトタイガー。アクビしてますが…

ベンガルトラと生態はほぼ同じ

ベンガルトラの白変種なので、生態等々はベンガルトラとほぼ同じです。カラダの大きさや寿命、食事、繁殖などについても一緒。違うのは色だけです。

群馬サファリパークのベンガルトラ(群馬県/富岡市)

群馬サファリパークのベンガルトラ。トラといえば、このカラーリングですね

ホワイトタイガーは何頭?野生はいない!?

現在は、世界の野生のトラ全体の数が減って絶滅危惧種となっています。ホワイトタイガーは、かつてインドにいたようですが、今では野生ではほぼ確認できず、飼育下でしか見ることができません。世界で約250頭、日本で約30頭が飼育されているといわれています。

ホワイトタイガー/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

ほぼ飼育下でしか見られないホワイトタイガー。その姿を見るのは貴重な体験です

単独行動を好むが母と子は特別

基本的にトラは単独行動を好みます。その姿が“一匹狼”ならぬ“一匹猛虎”として、孤高のカッコよさを見せてくれています。ただし、子育て中のお母さんトラは別で、しっかりと熱心に子どもを育てます。ちなみに、父親は子育てには参加せず“一匹猛虎”に戻ってしまうようです。

伊豆アニマルキングダムのホワイトタイガー親子伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

伊豆アニマルキングダムのホワイトタイガー親子(2021年頃)。お母さんが毛づくろいしたり遊び相手になったり、微笑ましい親子の姿を見られる時期です

ホワイトタイガーの食べ物は?

肉食動物ですので、お肉が主食です。野生の場合、狩りをして、イノシイ・シカ・ウシなどに加え、鳥・魚などを食べます。動物園では、鶏肉や馬肉などを食事にする場合が多く、カラダの大きさで変わりますが、1日に5~8kgは食べるそうです。

秋吉台サファリランドのホワイトタイガー“ロンド”秋吉台サファリランド(山口県/美祢市)

秋吉台サファリランドの“ロンド”が食事中

ネコ科なのに水が大好きで泳ぎが得意

ネコといえば水が苦手なイメージがありますが、トラ、そしてホワイトタイガーも水が大好きで、泳ぐことが得意なんです。ただ、ネコ科のカラダ自体は泳ぐには適していないので潜るのは大変。ホワイトタイガーが泳いだり潜ったりしているとき、必死の形相が見られるかもしれませんね。

ホワイトタイガーの“アクア”/NIFREL(大阪府/吹田市)

ニフレルの“アクア”も水が大好き。上手に泳ぎます

ホワイトタイガーの目は青い!

ホワイトタイガーのカラダの大きな特徴として、白いこと以外に目の色が青いことがあげられます。正確には、ブルーやスカイブルーではなく、アイスブルーとでもいうような透き通った美しい色です。

ホワイトタイガーの目のアップ

目のアップです。青っぽいでしょ。ちなみにアルビノなら、メラニンの欠如で瞳孔は赤く透けるので、アルビノではないことがわかります

ホワイトタイガーの肉球はピンク!

肉球の色も、普通のベンガルトラとは異なります。下の画像でもわかるように、肌色に近いピンク色なんです。ベンガルトラは黒色なので、これははっきりとした違いですね。

ホワイトタイガーのピンクの肉球

なんだか可愛いホワイトタイガーのピンクの肉球です

ホワイトタイガーのガイドがあってエサもあげられる動物園

ホワイトタイガーを飼育展示している動物園・サファリは10数施設あります(2022年12月現在)。そのなかで、飼育員さんのガイドもあって、自分でエサをあげる体験もできるのが東武動物公園です。

東武動物公園(埼玉県/宮代町)

とうぶどうぶつこうえん

園内「どきどきストリート」のキャットワールドには、ライオンやジャガーのほかにホワイトタイガーが暮らしています。その獣舎はどこか神秘的で、水の神殿などもあります。大きなガラス越しに見るホワイトタイガーは迫力満点。「ホワイトタイガーガイド」と「ホワイトタイガーおやつタイム」があります。いずれも実施日にはご注意を。

【ホワイトタイガーガイド】

  • 開催:土・日曜、祝日に1日1回
  • 場所:キャットワールド「ホワイトタイガー舎」
  • 料金:入園料以外に不要
ホワイトタイガー/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

「ホワイトタイガーガイド」は、飼育員さんによる解説とともに、おやつを食べているシーンが見られます

【ホワイトタイガーのおやつタイム】

  • 開催:土曜に1日1回
  • 場所:キャットワールド「ホワイトタイガー舎」
  • 料金:入園料以外に1組500円
  • 定員:先着15組限定(1組4名まで)※当日受付
「ホワイトタイガーおやつタイム」/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

「ホワイトタイガーおやつタイム」は、自分でホワイトタイガーにおやつをあげることができます

2022年12月現在、東武動物公園にいる5頭のホワイトタイガーを紹介しましょう。オス3頭、メス2頭の計5頭です。

ホワイトタイガー最年長の“カーラ”/群馬サファリパーク(群馬県/富岡市)

最年長の“カーラ”。2005年、群馬サファリパーク生まれのメスです。これまで10頭ものホワイトタイガーを育て上げました

ホワイトタイガー。オスの“ロッキー”/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

2008年にカナダから来園したオスの“ロッキー”

ホワイトタイガーの“スカイ”/東武動物公園(埼玉県/宮代町)

“ロッキー”と“カーラ”の子ども“スカイ”は2013年当園生まれ。一番元気なホワイトタイガーです

ホワイトタイガーのオス“シュガー”伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

2018年、伊豆アニマルキングダム生まれのオス“シュガー”

2015年、チェコ生まれのメス。2022年11月に仲間入りしました。

問合先 0480-93-1200
住所 埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110
料金 【入園料】大人1800円/中学・高校生1500円/3歳~小学生800円/2歳以下無料/60歳以上1100円 ※2023年4月に改定あり

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ホワイトタイガーにエサをあげられる動物園・サファリ

ホワイトタイガーに自分でエサをあげられる動物園1施設とサファリ3施設を紹介します。いずれも有料です。なお、動物情報は2022年12月現在のもので、以降、他園への移転などで変更になる場合があります。

宇都宮動物園(栃木県/宇都宮市)

うつのみやどうぶつえん

ホワイトタイガーは「猛獣舎」にいます。ほかにも、エサをあげられる動物や、飼育員さんのガイドがある動物も。

【ホワイトタイガーのお昼ご飯】

  • 開催:毎日1日1回
  • 場所:猛獣舎
  • 料金:入園料以外に1組300円
  • 定員:5組限定(当日受付)
ホワイトタイガーのオス“グーナ”/宇都宮動物園(栃木県/宇都宮市)

飼育員さんのホワイトタイガーについてのガイドも聞けます

宇都宮動物園には、オス3頭、メス1頭の計4頭のホワイトタイガーがいます。その一部を紹介します。

ホワイトタイガーのオス“グーナ”/宇都宮動物園(栃木県/宇都宮市)

2019年当園生まれのオス“グーナ”。父親は“アース”、母親は“シラナミ”です

ホワイトタイガーの“アース”/宇都宮動物園(栃木県/宇都宮市)

“グーナ”のお父さん“アース”のアップ。2013年、東武動物公園生まれのオスです

問合先 028-665-4255
住所 栃木県宇都宮市上金井町552-2
料金 【入園料】大人1400円/3歳~小学生700円/2歳以下無料

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群馬サファリパーク(群馬県/富岡市)

ぐんまさふぁりぱーく

サファリの「トラ・ライオンゾーン」にホワイトタイガーがいるほか、指定のバスに乗れば「ウォーキングサファリゾーン」でエサやり体験もできます。土・日曜と祝日は、エサ作りからスタートしてホワイトタイガーのエサやり以外にも体験盛りだくさんの「飼育体験バス」。平日は、ホワイトタイガー以外にもエサやりができる「フルコースバス」があります。

【飼育体験バス】

  • 開催:土・日曜、祝日に1日3回(所要約1時間50分)
  • 場所:専用コース
  • 料金:入園料以外に2600円
  • 定員:あり(当日受付)

【フルコースバス】

  • 開催:平日に1日3回(所要約1時間40分)
  • 場所:専用コース
  • 料金:入園料以外に2000円
  • 定員:あり(当日受付)
エサやりのシーン/群馬サファリパーク(群馬県/富岡市)

ホワイトタイガーが目の前に迫ってくるエサやりのシーン

群馬サファリパークには10頭ものホワイトタイガーが暮らしています。1頭だけ紹介しましょう。

ホワイトタイガーのメスの“メープル”/群馬サファリパーク(群馬県/富岡市)

息子の“バズ”といることが多いメスの“メープル”は2008年生まれ

問合先 0274-64-2111
住所 群馬県富岡市岡本1
料金 【入園料】大人2700円/3歳~中学生1400円/2歳以下無料/65歳以上1900円

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伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

いずあにまるきんぐだむ

「アニマルゾーン」一番の人気者がホワイトタイガーです。エサをあげられる「ホワイトタイガーえさやり」のほか「レストラン アニマルキングダム」では、ホワイトタイガーを窓越しに見ながら食事ができます。

【ホワイトタイガーえさやり】

  • 開催:毎日1日1~2回
  • 場所:ホワイトタイガー舎
  • 料金:入園料以外に500円
  • 定員:各25組限定
ホワイトタイガー/伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

目の前にホワイトタイガー! 迫力満点です

●レストラン アニマルキングダム

大きな窓の外にはホワイトタイガーが/伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

大きな窓の外にはホワイトタイガーが。またとない貴重な体験です

伊豆アニマルキングダムには、オス4頭、メス4頭の計8頭のホワイトタイガーがいます。2020年には三つ子が生まれて、その可愛さで大きな話題になりました。その親子を紹介しましょう。

ホワイトタイガーの三つ子/伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

すっかり大きくなった三つ子たち。2020年生まれのオス“バニラ”とメス“ホイップ”“メレンゲ”

ホワイトタイガーの親子/伊豆アニマルキングダム(静岡県/東伊豆町)

三つ子たちが生後5カ月頃の親子ショット。手前が母親の“シロップ”で2014年生まれです

問合先 0557-95-3535
住所 静岡県賀茂郡東伊豆町稲取3344
料金 【入園料】大人2500円(2700円)/4歳~小学生1250円(1350円)/3歳以下無料/65歳以上2400円(2600円)※( )内は土・日曜、祝日、繁忙期の料金

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秋吉台サファリランド(山口県/美祢市)

あきよしだいさふぁりらんど

サファリの「トラエリア」と「動物ふれあい広場」にホワイトタイガーがいます。ふれあえるわけではありませんが、土・日曜、祝日限定で「ホワイトタイガーエサやり体験」を実施しています。

【ホワイトタイガーエサやり体験】

  • 開催:土・日曜、祝日に1日1回
  • 場所:動物ふれあい広場「ホワイトタイガー展示場」
  • 料金:入園料以外に300円
  • 定員:30回分
ホワイトタイガーエサやり体験/秋吉台サファリランド(山口県/美祢市)

「ホワイトタイガーエサやり体験」では、オリ越しにエサをあげることができます

秋吉台サファリランドにはオス・メス1頭ずつのホワイトタイガーがいます。メスは2011年生まれの“ユキ”でサファリにいます。オスが「動物ふれあい広場」にいる画像の“ロンド”です。

ホワイトタイガーの“ロンド”/秋吉台サファリランド(山口県/美祢市)

食事をもらってうれしそうな“ロンド”は2010年生まれのオスです

問合先 08396-2-1000
住所 山口県美祢市美東町赤1212
料金 【徒歩での入園料】大人1200円/3歳~小学生800円/2歳以下無料 ほか

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

まだある! ホワイトタイガーがいる動物園など

ほかにも、ホワイトタイガーを飼育展示している動物園やサファリがあります。なかでも、間近に見られておすすめなのがニフレルです。
ニフレル以外は、公式サイトへのリンクだけ一覧にします。トラやベンガルトラとして飼育展示し、サイトでも特にホワイトタイガーとはいっていない施設もあります。

NIFREL(大阪府/吹田市)

にふれる

2015年の施設オープン時から、施設内で1、2を争う人気を誇っているのが、ホワイトタイガーの“アクア”。屋内施設で、小さくても個性的な生きものが目の前で見られるニフレルでひときわ目立つ展示です。ミニカバやイリエワニもいる「みずべにふれる」ゾーンで見られます。

ホワイトタイガーの“アクア”/NIFREL(大阪府/吹田市)

“アクア”は2013年、東武動物公園生まれのオス。お父さんは“ロッキー”、お母さんは“カーラ”。2頭とも東武動物公園で元気に暮らしています

問合先 0570-022060(ニフレルインフォメーション)※ナビダイヤル
住所 大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内
料金 【入館料】大人2000円(2200円)/小・中学生1000円(1100円)/3歳以上幼児600円(650円)/2歳以下無料 ※( )内は2023年3月1日以降の料金

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

東北サファリパーク(福島県/二本松市)

» 公式サイト

いしかわ動物園(石川県/能美市)

» 公式サイト

アドベンチャーワールド(和歌山県/白浜町)

» 公式サイト

姫路セントラルパーク(兵庫県/姫路市)

» 公式サイト

池田動物園(岡山県/岡山市)

» 公式サイト

しろとり動物園(香川県/東かがわ市)

» 公式サイト

愛媛県立とべ動物園(愛媛県/砥部町)

» 公式サイト

アフリカンサファリ(大分県/宇佐市)

» 公式サイト

平川動物公園(鹿児島県/鹿児島市)

» 公式サイト

ホワイトタイガー、実際に見てみると本当に美しくてカッコいいんです。エサやり体験などで間近に体感できるのも魅力的ですが、ただ会いに行くだけでもOK。カラダが白くて、目が青くて、肉球がピンクのホワイトタイガーの姿を一度見に行ってみてください。

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