知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
奈良県営馬見丘陵公園は、香芝市・広陵町・河合町など2市3町にまたがる丘陵地に広がる都市公園です。4・5世紀に造られた大型の古墳が集まる馬見古墳群の一部を整備して開園。乙女山やナガレ山などの多くの古墳が保存され、うち2カ所の古墳が史跡として認定されています。南北に細長く伸びる敷地は、緑道、北、中央、南の4エリアに分かれており、中央エリアには、古墳に関する資料が展示された「公園館」があります。古墳のほかにも、北エリアの大型遊具や園内全体で見られる四季折々の花々など、みどころたっぷりのスポットです。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
奈良県営馬見丘陵公園で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック!奈良県営馬見丘陵公園では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
■ライターコメント
中央エリアで見られる前方後円墳の「ナガレ山古墳」は、全長約105mもの大きさを誇り、インパクト抜群。園内はとても広いので、夏場は必ず水分補給用の水筒を持参しましょう。トイレは随所にありますが、事前に場所をチェックしておくと安心です。
奈良県営馬見丘陵公園ってこんなところ!
豊かな緑に囲まれた園内は散策にもぴったり
おすすめの遊び方&過ごし方
公園内は4エリアに分かれていますが、古墳の学習が目的の場合は資料を展示する「公園館」がある中央エリアを中心に回るのがおすすめです。中央エリアには復元した埴輪列が見られる「ナガレ山古墳」をはじめとした7つの古墳があり、フィールドワークにもぴったり。北エリアには大型遊具や休憩所の「花見茶屋」などがあるほか、南エリアからは「巣山古墳」を見ることができます。すべてのエリアをじっくり回ると丸1日かかるので、親子の場合は中央と北エリアのみで無理なく楽しみましょう。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合は、西名阪自動車道法隆寺ICから県道5号経由で4kmほど。駐車場は北、中央、南のそれぞれのエリアにあり、合計で982台駐車できます。園内はとても広いので、エリア間を車で移動するのも方法のひとつです。
公共交通機関を利用するなら、近鉄五位堂駅から奈良交通バスで15分、バス停馬見丘陵公園で下車してすぐでアクセスできます。
どちらも中央エリアへのアクセスなので、ほかのエリアに行く場合は事前に道順などをチェックしておきましょう。
所要:2時間
おすすめの年齢:6歳~
住所 | 奈良県河合町佐味田2202 |
---|---|
電話 | 0745-56-3851 |
営業時間 | 24時間 ※公園館は9~17時、最終入館は閉館30分前 |
定休日 | 無休 ※公園館は月曜(祝日の場合は翌日) |
料金 | 入園無料 |
アクセス | 西名阪自動車道法隆寺ICから県道5号経由で約4km/近鉄五位堂駅からバスで15分、バス停馬見丘陵公園下車、徒歩すぐ(どちらも中央エリアへのアクセス) |
駐車場 | 無料982台(北駐車場460台、中央駐車場426台、南駐車場96台) |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:✕
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:✕
- 持ち込み:〇
中央エリアに位置する「ナガレ山古墳」と「乙女山古墳」をめぐってみよう
公園の中央エリアにある、前方後円墳の「ナガレ山古墳」は、国指定史跡に認定されています。全長約105mという大きさも特徴のひとつ。端から端まで何歩か数えて、その規模を体感してみましょう。
ずらりと並ぶ約700個もの復元埴輪はまさに圧巻の光景です。整然と並ぶ埴輪のおよそ3割は近隣住民による手作り。一つ一つ観察して、気に入ったものをノートにスケッチしてみると新しい発見が見つかるかもしれません。
古墳の隣には、解説パネルも設置しています。パパママが内容をわかりやすくかみ砕いて教えてあげてください。
「ナガレ山古墳」は、埴輪の特徴などから5世紀初頭の築造といわれています。墳丘から園内を見下ろせば、爽快な気分を味わえます。
そのほかにも、中央エリアには国指定の史跡に認定されており、代表的な帆立貝式古墳としても知られる「乙女山古墳」があります。帆立貝式古墳とは、前方後円墳の一種で、前方部を短くした古墳のこと。帆立貝にも似た見た目から、その名がつけられました。「乙女山古墳」は全長約135mで、同式の古墳としては国内最大級の規模を誇ります。
古墳に関する資料を展示する「公園館」で詳しくお勉強
中央エリア入口すぐにある「公園館」には、園内で見られる古墳に関する資料を中心に展示している施設です。ドーム部分が飛び出た、ユニークな見た目が目印です。
館内の入り口すぐのコーナーには、「古墳とは何か」という基本的な説明を行う展示もあるので、子どもでも学習に取り組みやすくなっています。ほかにも、公園内の自然に関する展示もあるので、そちらもチェックを。
古墳時代に使用されていた道具や衣服などの展示も。「どんなふうに使われていたのかな?」と積極的に声掛けをして、子どもの興味を惹きつけましょう。
園内の古墳について詳しく解説するコーナーや、古墳の模型など、展示内容は豊富に揃います。難しい部分は、パパママが知識のサポートしてあげましょう。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
奈良県営馬見丘陵公園には子連れならぜひ立ち寄りたいスポットがあります。ぜひ行ってみてくださいね。
●花見茶屋
北エリアにある「花見茶屋」は、自由に利用できる休憩スペースです。ガラス張りで開放的な空間の中、ほっとひと息をつきましょう。周辺にはドリンクやアイスクリームの自動販売機が設置されています。
施設内は広々としており、テーブル席のほか、カウンター席もあり、のんびりと過ごすことができます。授乳室もこちらに設置されているので、小さな子ども連れファミリーの休憩場所にもぴったりです。
奈良県営馬見丘陵公園が位置する広陵町にある、新山古墳から出土した直弧文鏡(ちょくこもんきょう)を、ダリアの造花で表現した作品も展示されています。直弧文鏡とは、直線と弧線を組み合わせた直弧文という古墳時代特有の文様で装飾された銅鏡のことです。園内随所で古墳の学習ができる工夫が施されています。
- 【場所】北駐車場すぐ
- 【時間】利用自由(団体が研修室として利用する際など、一般利用不可の場合あり)
●Cafe +f
花見茶屋のエリア内にあるカフェは、旬の野菜や果物といった食材を砂糖などと一緒に煮込んだコンフィチュールを使ったメニューが自慢です。本日のコンフィチュール&バニラジェラート1000円は、しっとりふわふわのパンケーキとこだわりのコンフィチュールのハーモニーが味わえる一品。
食事メニューも充実しています。写真のチーズ入りとろとろ玉子の大和牛ハヤシライス1100円は、奈良が誇る和牛ブランド大和牛を使用したぜいたくな味わいです。
- 【電話】0745-56-6025
- 【場所】北駐車場すぐ(花見茶屋内)
- 【時間】10~16時LO
- 【定休日】不定休
●大型遊具
北エリアには、カーブを描いた長いローラー滑り台を備える大型遊具が設置されています。大小複数の滑り台やボルダリング風の遊具も備え、遊びごたえ抜群。古墳についてたっぷり学んだあとは、こちらで息抜きをしましょう。
- 【場所】北駐車場から歩道橋を渡ってすぐ
●大型テント
北エリア西側にある芝生や花々が広がる「集いの丘」には、大型のテントがあります。大きな屋根で覆われており、夏場の休憩場所にも最適です。イベントが開催されることもあるので、気になる方は事前に公式サイトをチェックしてください。
●花の道
中央エリアに広がる「花の道」は、その名のとおり、季節ごとの美しい花が鑑賞できるスポットです。特に高い人気を誇る夏のひまわりは、園内全体で約25品種15万本もが咲き誇ります。
- 【場所】中央エリア北側
●バラ園
同じく中央エリアの「花の道」では、26品種、約500株のバラを植栽した「バラ園」があります。初夏と秋の2回、満開のバラを楽しむことができます。
- 【場所】中央エリア北側
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
園内には緑道エリアに1カ所、北エリアに4カ所、中央エリアに4カ所、南エリアに1カ所の計10カ所にトイレがあります。すべてのトイレに多目的トイレが備わっており、おむつ替え台も設置されています。
休憩所の「花見茶屋」にある授乳室は1畳ほどの小上がりがあり、落ち着いたスペースでおむつ替えや授乳を行うことができます。ほかにも、「公園館」にも授乳室が設置されています。そちらは受付で声をかけてから使用してください。
広大な敷地の中に広がる美しい緑と、多数の古墳が楽しめる奈良県営馬見丘陵公園。親子で訪れるなら、中央エリアから入場し古墳についてとことん学んだあと、北エリアに移動し、花見茶屋で休憩したり、大型遊具で遊ぶコースがおすすめです。季節ごとの花々など、みどころもたくさんあるので、何度訪れても楽しめるはず。親子で日本の歴史と自然にふれる1日を過ごしてください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。