小学生の冬休みの宿題でよく出される百人一首。休み明けのかるた大会で活躍しようと、難しい和歌の暗記を頑張っているお子さんも多いのでは? でも、勝つための努力は「ひたすら暗記」だけじゃありません。もっとカンタンに楽しく、かるたに強くなれる2つのコツをご紹介します。この冬は親子で百人一首かるたに親しんでみてはいかがですか。
【こちらもおすすめ】
七草粥の「春の七草」は、百人一首にも詠まれている!
コツ① 「決まり字」を覚えれば、すばやく取れる!
百人一首かるたに強くなるなら「決まり字」を覚えるのが効率的!
決まり字とは、そこまで読まれればどの取り札を取ればよいか分かる、句の頭の数文字のこと。上の句決まり字は1字から6字決まりまであります。
左が読み札、右が取り札
例えば、上の句が「め」で始まるのは紫式部の「巡りあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな」の一首だけなので、「め」が読まれたら下の句を探し始められます。読み手が上の句を読み終わる前に取り札に手を出せるので、スピード勝負のかるたとりでは圧倒的に有利です。
また、下の句が「くも」で始まる和歌は2つありますが、「くもが」で始まるのはこの歌だけ。それを知っていれば、この取り札を取ればよいとわかり、お手つき(間違った札をとってしまうこと)を防ぐことができます。
この和歌の場合、上の句の決まり字「め」の1文字、下の句の決まり字「くもが」の3文字だけを覚えてしまえば、だれよりも早くかるたを取れるようになるというわけです(写真のように濁点がない取り札もあります)。
上の句の1字決まりは「む」「す」「め」「ふ」「さ」「ほ」「せ」の7首しかありません。まずはここから覚えるのがおすすめ!
» 決まり字一覧ポスター付き『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!百人一首』
コツ② 31文字の物語や風景を想像しよう
決まり字さえ覚えれば、31文字を丸暗記せずとも、かるたには勝てるようになるでしょう。でも、歌の意味や背景が分かっていたら、決まり字だって覚えやすいと思いませんか。たった31文字の和歌には昔の人の考え方や感情がぎっしり詰め込まれているだけでなく、当時の生活や人間関係も描かれているんですよ。
『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!百人一首』 から抜粋
例えば、百人一首を題材にしたあのマンガでも有名な「ちはやぶる」の歌。
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれないに 水くくるとは
これは平安時代の貴族、在原業平が、秋の竜田川に紅葉の散っている様子を描いた屏風を見て、その美しさを称えて詠んだ歌。「神々の時代でも、竜田川をこんなに深い赤に染めるのは聞いたことがない」という意味ですが、その屏風の持ち主の皇后・藤原高子は、じつは業平の元恋人なんですって。業平は和歌の才能にあふれるイケメンだったようで、元恋人のこの歌に、藤原高子はどんな気持ちになったことでしょう。想像が膨らみます。
歌に詠まれた風景や、詠まれたシチュエーションを想像できるのも百人一首の魅力。お子さんと一緒に歌の感想を話してみても面白いですよね。
『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!百人一首』発売中!
『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!百人一首』
百人一首の100首すべてを、和歌の意味や詠まれた背景がわかるフルカラーのストーリーマンガや一コママンガで楽しく紹介! 解説文では、当時の情景や難しいことばの意味をわかりやすく説明しています。
漢字にはすべてふりがな付きで、和歌に用いられる歴史的仮名づかいにも読み方を記載しています。さらに、和歌の解説の他にも、百人一首の成り立ちや、平安時代のファッションのイラスト解説、現代にも残る和歌の舞台<歌枕>を「るるぶ」らしく行き方とあわせて紹介しています。お家の壁に貼れる<決まり字>一覧のポスターも付いていて、暗記もバッチリ。
百人一首かるたをもっと楽しむために、この1冊をお子さんと読んでみてはいかがですか?