「青い空見えてますか?」福島県南相馬市で理想の田舎暮らし。リアルな声、移住支援金も知りたい

(福島県/南相馬市)

南相馬市サポーターのアイコン南相馬市サポーター

満員電車に疲れてしまって、田舎でのんびり暮らしたい。地方移住って最近よく聞くけど、仕事はあるの?田舎の暮らしには興味があるけど、生活に不便はないの?脱サラして起業することは現実的なの?
など、地方移住に漠然と憧れがあっても、たくさんの不安がありますよね。今回は福島県南相馬市にある、平均年齢27歳(若い!) の農業法人「紅梅夢(こうばいゆめ)ファーム」で働いている鈴木さんに、インタビュー。普段の暮らしや農業のお仕事について話を伺いました。
みなみそうま移住相談窓口「よりみち」での、リアルな移住相談レポートも!住環境や起業、充実した支援制度など、気になる情報がいっぱいですよ。

また、記事後半では「南相馬市のおいしいもの」が当たるInstagramキャンペーンをお知らせ。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

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(この記事を書いたライター)南相馬市サポーター
2023年9月よりスタートした、南相馬市の魅力を発信するライティングスクール。募集した南相馬市サポーターのなかから9名が全国から集まり、プロの指導のもと、半年にわたり取材・編集活動を行いました。

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南相馬で働くひとインタビュー【紅梅夢ファーム/鈴木ふみかさん】

「紅梅夢ファーム」の鈴木ふみかさん(福島県/南相馬市)

「紅梅夢ファーム」の鈴木ふみかさん

スマート農業の導入や若手の積極的な採用など、今後のモデルとなるような農業を体現している「紅梅夢ファーム」。今回インタビューした鈴木ふみかさんは入社4年目で、生産管理や広報業務までもこなす社員さん。和気あいあいとした社風と、働きやすい環境を知れば、農業のイメージがいい意味でひっくり返されるのでは?日々の流れやお仕事についてお話を伺ってきました。

意外とサラリーマンに近い?1日のスケジュールとオフの過ごし方

「紅梅夢ファーム」鈴木さんの1日のスケジュール(福島県/南相馬市)

―鈴木さんの1日について教えてください。

鈴木さん:まずは朝5時半の起床から始まります。7時ごろ自宅を出発し、コンビニなど立ち寄りながらゆっくり30分ほどかけて通勤。朝礼をして8時から仕事が始まります。12時ごろまで午前中の作業を行い、みんなで事務所に戻って1時間のランチ休憩。13時から17時までは各自作業を行い、その日の作業報告と次の日の段取りをして帰宅という流れです。

田植えの忙しい時期などは1時間早めに出勤することもあるようですが、勤務中の休憩などは各自に任されているので、無理なく働くことができるのだとか。また土日はお休みなので、休みの日には旅行もしているそうです。

―勤務体系、サラリーマンのようですね。

鈴木さん:よくイメージする会社員と同じような勤務体系ですよね。同僚みんなが仲良く、社長もフランクで話しやすい…とにかく会社の雰囲気がよくて居心地がいいことが魅力です。

「紅梅夢ファーム」(福島県/南相馬市)

仕事終わりは社員同士で飲み会なども

―仕事が終わってからは、どう過ごされることが多いですか?

鈴木さん:仕事が終わってからの時間は、友人と食事に行ってリフレッシュすることが多いです。最近は地元・南相馬のいろんなところから集まった農業従事者たちで、飲み会を開催することも多いですね。同じ農業を志す者同士がつながり、グループLINEを作って悩みを相談したりして、切磋琢磨しながら充実した日々を過ごしています。

農業って忙しいの?農業の繁忙期と閑散期・1年のスケジュール

農業の繁忙期と閑散期・1年のスケジュール(福島県/南相馬市)

取材のために紅梅夢ファームを訪れた際、最初に目に入ってきたのがホワイトボードに記入された年間スケジュール。紅梅夢ファームでは、メインの作物であるお米をベースに、大豆、菜種、玉ねぎなどの作業予定を決めています。そのため、繁忙期は田植えの時期となる5~6月、稲刈りの時期となる9~10月とのこと。
反対に最も仕事が落ち着く閑散期は1~2月。作物に関する農作業はあまりありませんが、この期間を利用して機械のメンテナンスを行なったり、作物のことを学ぶ勉強会をしているそうです。

米の栽培がスタートする4月。種まきの準備作業の様子(福島県/南相馬市)

米の栽培がスタートする4月。写真は種まき作業の様子

―農業に従事していて、大変なことはありますか?

鈴木さん:2023年は猛暑が続き、お米の生産に大打撃を受けてしまいました。お米の味は変わりませんが、見た目が白っぽくなってしまうと、等級が落ちてしまうんです。
農業は自然との関わりが深い仕事。天気予報を考慮しながら、作物の成長に合わせて作業を入れ替えるなど、日々の状況と相談しながらより良い生産体制を目指しています。

農業に従事するみなさんの臨機応変な対応、試行錯誤によっておいしいお米が食べられるんですね。春夏秋冬、1カ月ごとの具体的な作業内容は紅梅夢ファームの公式サイトでも紹介されています。興味がある方はぜひ見てみてくださいね。

» 紅梅夢ファーム 1年の流れはこちら

趣味の写真を生かして、紅梅夢ファームで広報も!

食べるオイル「浦里の雫」(福島県/南相馬市)

6次化商品のひとつである、食べるオイル「浦里の雫」(鈴木さん撮影)

1日や1年の農業の流れを伺って、農業の楽しさが取材陣にも伝わってきたところで、鈴木さんに好きなお仕事や日々のやりがいを聞いてみました。

鈴木さん:農業法人のいいところは、さまざまな個性が集まり得意・不得意を補完しあえる点。力仕事のできる人、機械に強い人、細かな事務が向いている人など、それぞれの強みを活かしたチームワークで会社が成り立っています。私は得意の写真を生かして広報もやっています!

鈴木さんが担当するのは、6次化商品の開発や「紅梅夢ファーム」ブランドの広報。学生時代に先生から「将来役に立つから」と勧められ、いつしか趣味になった写真の腕前が随所に生かされています。社会人になって最初のボーナスで買ったのも実はカメラだったとか。

鈴木さん:広報は、みんなで大切に育てたお米や農作物を発信する大切な役目。自分が撮影した写真や思案を重ねた商品デザイン、パンフレットを目にした人から問い合わせや反響があったときが、やりがいや手ごたえを感じる瞬間です。

おすすめの商品は?どこで買えるの?

自社製品の「パン専用食べるオイル」(福島県/南相馬市)

鈴木さんが手にしているのは自社製品の「パンに合う食べるオイル」

―紅梅夢ファームで人気の商品を教えてください。

鈴木さん:紅梅夢ファームでは昨年、新米を使い、みんなでおむすびを握って食べるイベントを行いました。そこで人気だったのが「ごはんに合う食べるオイル」。
この食べるオイルシリーズは5種類あり、ファームで育てた菜種を焙煎し、絞って味付けをした製品です。食べるオイルはおむすびにもすごく合って、お気に入りなんです。パンに合う食べるオイルもあり、こちらはバゲットと相性抜群。ほかにもお好みで肉や野菜に付けて楽しまれている方もいました。

オイルのパッケージデザインは、まず社員で考えた上で、デザイナーさんと相談して開発したそうです。オイルが綺麗なので、製品の中身がよく見えるように透明のラベルを使ったデザインとなりました。

「紅梅夢」自社ECサイト(福島県/南相馬市)

オンラインショップでは新米を販売している

―今後の展望があれば教えてください。

鈴木さん:まず、自社ECサイトでは新米を発送し始めています(2023年11月現在)。今後は取扱商品を増やし、食べるオイルシリーズとパックご飯のセット販売や、新しい商品開発もしていき、サイトを充実させたいです。
また、会社ではクラウドファンディングにも挑戦しました。商品や南相馬をより多くの消費者に知ってもらえるように始めて、集めた資金で消費者の方と交流する場を作りました。今後も、消費者や農業法人を集めて、芋煮会の開催なども企画していきます。

朗らかな笑顔と、真剣な眼差し。若いエネルギーが支える紅梅夢ファームのこれから

紅梅夢ファームの皆さん(福島県/南相馬市)

まとまりがありながらも個々の強みが活かせる風通しのいい環境

紅梅夢ファームがあるのは、震災の避難指示や居住制限によって一度は人口がゼロになった小高区。避難指示が解除された2016年の翌年に法人としてのスタートを切ってから、高卒・大卒などの若い人材を毎年積極的に採用し、ファームの将来を支える担い手を着実に増やしています。

「紅梅夢ファーム」の鈴木ふみかさん(福島県/南相馬市)

「若者が生き生きと働く姿を通じ、農業の魅力を発信していきたい」と語る鈴木さん

―働くスタッフの平均年齢が27歳と知って驚きました!

鈴木さん:農家のおじいちゃんたちにかわいがってもらえるのかな〜なんて思って入社したら、今ではすっかり先輩になっちゃいました…(笑)ここ南相馬では、農業をもう一度盛り上げたいと思う若手も多く、経験ゼロだけど農業に進みたい!と移住してくる人もいるんです。

とはいえ未知の世界ともなると、やっぱりキツイ・泥臭い・プライベートな時間が取れない…そんな不安もありますよね。

鈴木さん:農業だって最新の機械を取り入れ、お揃いのユニフォームを着てかっこよく働いてる、ということをもっと知ってもらいたいです。

そう語ってくれた鈴木さん。
若い人の仕事選びの一つとして農業の魅力をもっと知ってほしい。若手の多い紅梅夢ファームだからこそできる情報発信にも、力を入れています。

(福島県/南相馬市)

ちなみに、トラクターやコンバインを動かす際に必要な大型特殊免許は、農業に携わる上で欠かせない資格ではありますが、南相馬では免許取得にかかる経費の一部(受講料の1/2相当分)を市が負担してくれるんです!

そもそも普通自動車の運転すらまともにできるか不安…という移住者の方には、ペーパードライバー講習の受講料助成制度も。ほかにも市外から移住して就農した場合、最長2年間の家賃補助が受けられる制度もあります。

農業が気になっているけど飛び込むのが不安!という方もたくさんいると思いますが、こうした手厚いサポート体制はとても心強いですよね。

「移住を検討中」「新規就農を目指している」これらに当てはまる人も、そうでない人も、ここまで記事を読み進めてくれたあなたはぜひ、南相馬市の支援制度に目を通してみてください。かゆいところに手が届く、そんな言葉がぴったりです。
※支援制度には詳細な要件がありますので、活用の際は公式サイトなどでご確認ください。

» 南相馬市の新規就農者支援はこちら

南相馬市の実際の暮らしってどう?インタビュー記事はこちら

» 南相馬市での子育てや住みやすさって?移住者のホンネをインタビュー

ガチ移住相談してみた!みなみそうま移住相談窓口【よりみち】

みなみそうま移住相談窓口【よりみち】(福島県/南相馬市)

「よりみち」の小南さん(写真左)に相談するライターのナオ(写真右)

続いて、南相馬市で移住に関するさまざまな情報を提供してくれる、みなみそうま移住相談窓口「よりみち」を取材!移住&飲食店開業を検討しているライターのナオがガチで相談してみました。その様子をレポートします。

≪相談者 ナオ(仮名)≫
・埼玉県在住(30代女性)
・移住したら、地元の食材を活かした飲食店を開業したい

気になる住まい。賃貸物件はエリアで特徴が。

―将来は南相馬市などで、飲食店をオープンしたいと考えています。まずは、生活基盤を整えてから2段階移住を検討しているのですが…市内で単身用の物件を借りる場合、どんな賃貸住宅がありますか。

よりみち小南さん(以下小南さん):はい!南相馬市は主に北から鹿島、原町、小高エリアに分けられ、それぞれ以下のような特徴があります。

  • 鹿島(北部):駅前にアパートが数件ある。市内で一番仙台に出やすい。
  • 原町(中部):市内で一番物件が充実している。新築のアパートや不動産屋さんもある。
  • 小高(南部):一時期、全域が避難区域になり、人口が一番少ないが空き家物件がある。
南相馬市のお試しハウス(福島県/南相馬市)

写真は南相馬市のお試しハウス(よりみち公式サイトより)

―家賃相場はどのくらいですか。ちなみに、小南さんはどんな物件にお住まいですか。

小南さん:駅から近いなどの条件がなければ、4~5万円で借りられる物件がある程度あります。私は、よりみちのIターンメンバーで家賃が約12万円、5DKの家に3人で住んでいます。社宅兼事務所として使っています。

移住生活に車は必須?南相馬市は田舎なのか?

―自分はあまり車に乗らないのですが、生活するのに車は必要になりますか。

小南さん:基本的に車での生活がメインです。ただ、原町周辺でしたら、ある程度、徒歩や自転車でなんとかなりますよ!

南相馬市原町区周辺

原町区周辺の様子。買い物や教育環境も整い、ほどよく田舎暮らしも感じられる

―普段、お買い物はどうしてますか。

小南さん:私自身、1年半前にこちらに移住してきましたが、ユニクロやニトリも市内にあって、生活するのに困りませんでした。大きなショッピングモールや映画館が市内にないのは寂しいですが、そんな時は仙台(電車で約90分、車で約60分)まで行きます。あと、東京まで電車で一本なので、そこは便利ですね。

出店はブルーオーシャン?市内飲食店の様子。

―私が目指すのは、ゆったりとした時間が流れる空気のおいしい環境で、地元の食材を活かしたお店です。お店を開くのに、狙い目の地域はありますか。

小南さん:市内の人口はおよそ5万6000人で原町エリアだと約4万人いると言われています。人の多さで狙うなら原町ですかね。昨年度、原町にコーヒー店がオープンしたので、おつなぎして、集客や収益についてお話を聞けるかと思います。

ハイセンスなレストラン(MADY)(福島県/南相馬市)

市内には移住者が開業したハイセンスなレストラン(MADY)もある

―飲食店のチラシを見ると、日曜定休のお店が多いですよね。

小南さん:はい。市内の飲食店は平日働いている人向けにランチを提供しているお店が多いですね。なので、日曜のお昼にお店が開いていたら人が集まると思いますよ。

―こんな店があったらいいなとか、ニーズはありますか。

小南さん:ファミレスやファストフードのチェーン店は多いですが、休みの日にリラックスできるカフェや、Wi-Fiが繋がり作業ができるカフェがほとんどないので、そんなお店があったら嬉しいです!

支援制度は豊富!開業に関する助成について。

南相馬市移住定住サイト(福島県/南相馬市)

南相馬市移住定住サイトでは支援制度や移住者インタビューなどさまざまな情報が

―開業する場合に受けられる支援制度はありますか。

小南さん:支援メニューが多いので、あくまで一例ですが、福島県12市町村起業支援金ですと、補助対象経費4分の3以内で、最大400万円の支援金があります。他に南相馬市独自の支援金制度もあります。実際、この制度を利用してカフェの開業を検討している「よりみち」のメンバーもいますよ。

―支援メニューが豊富すぎて、申請する窓口が多く迷いそうですね。

小南さん:「よりみち」にご相談いただければ、必要な窓口をご案内するので安心ですよ!

~ライター・ナオの取材memo~

今回の相談で、移住した場合の生活についてイメージすることができ、開業する場合の支援制度の利用の仕方もクリアになりました。また、「よりみち」メンバーはU・Iターンで南相馬に移住した先輩でもあり、当事者目線で親身に相談に乗ってくれて、移住への不安が和らぎました。今後「よりみち」では移住後の地域交流会を増やし、移住から定住へのサポートも充実させるとのことです。南相馬市への移住や開業について、ご興味のある方は、「よりみち」でのご相談がおすすめできます。

» みなみそうま移住相談窓口「よりみち」の公式サイトはこちら

るるぶKidsのInstagramでは、南相馬市のおいしいものが当たるキャンペーンを実施中!

「るるぶKids」公式Instagramアカウント(@rurubu_kids)では、「#みなみそうまからはじめよう」のハッシュタグ投稿を大募集します。投稿者のなかから抽選で5名様に、南相馬市のふるさと納税返礼品にもなっている特産品(5000円分相当)を進呈いたします。
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