「N700S」は、2020年7月1日に東海道・山陽新幹線で運行を開始した新型車両。その乗り心地のよさなどから投入以来大人気で、一部編成に設置されている個室ワーキングスペース(ビジネスブース)が、2024年度中には全編成での導入を予定するなど、今もなお進化を続けています。そこで、N700sの車内の特徴や従来のN700Aとの違いを、るるぶKidsがあらためて調査してみました!「絶対にN700Sに乗車したい!」という人も注目。乗車や予約方法もご紹介します。
新型車両「N700S」とは?
左がN700A、右がN700S
N700Aとの違い
二つの車両は一見似ていますが、実は見分けられるポイントがいくつもあります。
・シンボルマーク
すぐに判別できるのが、シンボルマークの違い。
N700Aは青い横帯の上に「A」の文字が乗せられていましたが、N700Sは奇数車両に金色の「S」の文字がトレードマークです。N700Sの「S」とは「最高の」という意味の英語「supreme」の頭文字。象徴的なSを中心に文字をバランスよく配置することで、鉄道としての安定感・安心感を表現しているのだとか。
・先頭車両の形状
後に述べる「N700Sの進化のポイント」で詳しく説明しますが、N700Aは先頭部分がややつるんとしているのに比べて、N700Sは角ばっています。
・先頭部分の青帯
先頭部分の青帯は、N700Aと比べると運転席の下まで伸びています。これは横から見ると「S」に見えるようなデザインになっています。
車内の違いは?
見た目の違いももちろんありますが、「supreme」の意味の通り、車内には、さまざまな人が長時間の移動でも疲れにくく、より快適に過ごせるようになったこだわりが詰まっています。意外と知られていない(?)その一部をご紹介!
・座席のリクライニング
N700Sの座席は、座ると座面と背もたれが連動して動くため、リクライニングすると腰が沈んですっぽりと収まります。疲れにくい姿勢が維持できるので、長時間の移動になるほど疲労感の軽減に。
・全席コンセント完備
N700Aまでの普通車では、コンセントは車両の先頭座席または窓際席の足元だけに設置されていました。全席完備になったことで、電子機器のバッテリー残量を気にしない過ごし方ができるように。アームレスト(ひじ掛け)の先端にあります。
・窓側のテーブル(小物置き)が大型化
ちょっとしたものを置きたい窓側席のテーブル。これまではペットボトルを置くとカーテンが下ろせなくなりましたが、ペットボトルを置いても下ろせるサイズまで大型化しました。
・水に濡れていると感知できる座席
座席の表地には、「水濡れを検知する新しいシート素材」が使用されています。水に濡れると、柄のラインが濃く浮かんでくる仕組みです。
・S Work車両やビジネスブースの設置
7号車指定席をS Work車両とし、パソコンなどが気兼ねなく使えます。また、7号車および8号車では、従来の約2倍の通信容量で接続時間制限のない無料Wi-Fiサービスの利用も可能です。
一部の編成には7・8号車間デッキ部に個室ワーキングスペース(ビジネスブース)の設置もあり、2024年度中にはN700S全編成に導入される予定です。
※S Work車両の予約はスマートEXもしくはエクスプレス予約からのみ(2024年春頃には、駅の窓口や券売機等でも購入可能に)
N700Sの進化のポイント
N700Sの注目点は車内だけではありません。車体の改良により、快適性や安全性が大きく向上しているのです。
N700Sの先頭車両。「デュアル スプリーム ウィング形」という、左右に張り出した形
まずは先頭部分。N700Aから形状が進化したことにより、空気抵抗やトンネル走行時の騒音が軽減しました。走行風が整流できるようになり、走行時の乱れも抑えられるため、後方車両の揺れの軽減にもつながっています。
また、高速列車としてははじめて「バッテリ自走システム」が採用されています。車体の下部にリチウムイオンバッテリが搭載されており、もし架線からの給電が行われなくなったとしても、トンネルなどを避けて乗客が安全に避難できる場所まで自力で走行可能に。緊急時にトイレが使用できなくなるというトラブルも、このシステムによりなくなりました。
N700Sの運転時刻・時刻表の見方
N700Sの運転時刻は、JR東海のホームページで公開されています。
毎日N700Sで運行することが決まっている列車と、その日の朝5時頃にN700Sで運行することが決まる列車の2種類があります。事前に予約したい人はホームページ内の『N700S車両で「毎日」運行する予定の列車はこちら』を、当日現地などで予約をする人は、当日すべてのN700Sで運行する列車が掲載されている『N700S車両で「本日」運行する予定の列車はこちら』をチェックしてみてください。
東海道・山陽新幹線の時刻表:» https://railway.jr-central.co.jp/jikoku/
※「お知らせ」の【N700S運行予定】の欄
また、N700Sは時刻表でも確認できるんです。
JTB時刻表の場合、新幹線のページ上部「車両形式」の欄に掲載があるので、こちらも活用してくださいね。
N700Sの予約方法・乗車方法
N700Sなど東海道・山陽・九州新幹線の予約は、EXサービス「スマートEX」及び「エクスプレス予約」では乗車日の1年前(前年同日)の午前5時30分時から、窓口では乗車日の1か月前の午前10時から開始します。事前にJR東海のホームページや時刻表で、N700S運転日と運行時間を確認するとスムーズ。
スマートEXはチケットレスなので、少しでも身軽に動きたい人におすすめ!変更・取消(払い戻し)は列車の発車時刻の直前まで可能です。