※掲載内容は取材時点での情報です。最新状況は各施設にご確認ください。

イヤイヤ期って、本当にたいへん

世界最大のエイ「マンタ」がいる水族館は?種類や人なつっこい性格など徹底レポート

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「マクセル アクアパーク品川」のナンヨウマンタ“カイト”くん

「マクセル アクアパーク品川」のナンヨウマンタ“カイト”くん

大きなエイで、とっても希少なマンタ。日本の水族館では「マクセル アクアパーク品川」と「沖縄美ら海水族館」の2カ所でしか見ることができません。そのマンタにはナンヨウマンタとオニイトマキエイという2種類がいることや特徴・性格などについて「マクセル アクアパーク品川」の飼育スタッフさんに教えてもらいました。もちろん、2つの水族館で会えるマンタもすべて紹介。マンタの観察ポイントやうんちくも要チェックですよ。

※この記事は2020年9月8日現在の情報です。マンタの展示は状況により展示を終了したり変更する場合があります。
※各水族館で入館方法などの指定や臨時休館している場合もあります。おでかけの際は公式サイトなどで事前にご確認ください。また、シニアや学生はチケット購入時に証明書が必要な場合がありますのでご注意ください。

目次(index)

教えて飼育スタッフさん! マンタってどんな生きもの?

マンタとはどんな生きものなのか「マクセル アクアパーク品川」の飼育スタッフ・村山さんにうかがってみました。

「マクセル アクアパーク品川」の飼育スタッフ・村山さん

村山 早紀(むらやま さき)さん。「マクセル アクアパーク品川」飼育スタッフ。水族館の飼育員やミュージアムの学芸員など“人に見せる”ことにつながる仕事に魅力を感じて、6年前、株式会社横浜八景島に入社。「マクセル アクアパーク品川」に勤務して3年、マンタやノコギリエイなどを担当

マンタは2種の総称

ナンヨウマンタもオニイトマキエイもマンタです

『世界最大のエイといわれるマンタですが、マンタとはナンヨウマンタとオニイトマキエイの総称なんです』と村山さん。あっ、マンタには2種あるんですね。『2009年12月に別種であることがわかったのですが、それまでは、どちらも同じマンタと呼んでいたんです』とのことでした。わりと、最近の話なんですね。

上から見た「マクセル アクアパーク品川」のナンヨウマンタ

「マクセル アクアパーク品川」のナンヨウマンタ、上から見たところです。この画像は、大きなクワガタにも見えますね

種類別にみるマンタのキホン

2種のマンタは属と大きさに違いがあります

2種いるというマンタの基本的なデータを、ナンヨウマンタとオニイトマキエイ、別に示します。ちなみに、ナンヨウマンタの学名がこれになったのは2018年。以前は「Manta alfredi」という学名でオニイトマキエイ属だったのですが、研究によりイトマキエイ属に属することが判明し変更されました。また、体盤幅とは横の幅のことです。

■ナンヨウマンタ

  • 【学名】Mobula alfredi
  • 【分類】トビエイ目 トビエイ科 オニイトマキエイ属
  • 【生息地】沖縄以南のインド洋・太平洋(温帯・熱帯域の外洋域)
  • 【体盤幅】2~4mくらい

■オニイトマキエイ

  • 【学名】Mobula birostris
  • 【分類】トビエイ目 トビエイ科 イトマキエイ属
  • 【生息地】沖縄以南のインド洋・太平洋(温帯・熱帯域の沿岸域)
  • 【体盤幅】3~6mくらい
ほかのエイに比べてもかなり大きいナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

ほかのエイに比べてもかなり大きいナンヨウマンタ

2種マンタの見分け方

ナンヨウマンタとオニイトマキエイ! ココが違います

ナンヨウマンタとオニイトマキエイの違いは、まず、パッと見て大きい方がオニイトマキエイ。そのほか、村山さんによると『背中の模様、口周辺の色、鱗の形と生え方、歯の形と生え方』と4つの違いを教えていただきました。詳しくは下の画像を参照ください。『一番わかりやすいのは、2つめの口周辺の色ですかね。ナンヨウマンタは白いんです。それと、ナンヨウマンタの背中の模様はハートマークみたいなんですよ。チェックしてみてください』とのことでした。

ナンヨウマンタとオニイトマキエイの違いメモ書き/マクセル アクアパーク品川

村山さんに書いていただいたメモ書き。イラストが可愛かったので掲載させていただきました

マンタのカラダの特徴

大きくて、ひし形で、口は正面についてます

マンタのカラダの特徴を村山さんにうかがうと『まず、カラダが大きいのが一番の特徴です。形は『平らなひし形で、口はほかのエイと違って正面にあります。そして、頭部にある2つの突起、これはヒレなんです』。ああ、あれはヒレだったんですね。『はい、エサを食べるときは伸ばし、そうでないときは丸めるなど自由に動かせるんですよ』とのこと。これは注目ポイントですね。

マンタの正面からのショット/マクセル アクアパーク品川

正面からのショット。口を少しあけているのがわかります

マンタの生態や寿命

飛ぶように泳ぎ、自然界ではジャンプもします

マンタの生態について『まるで飛ぶようにゆっくりと泳ぎ、海面からジャンプするというのも知られています』と村山さん。マンタ、飛ぶんですね! 寿命は20年以上くらいと考えられていますが、まだ、はっきりしいてないようです。繁殖は、卵を胎内でふ化させて子どもを産む卵胎生で、大人になるまで10年くらいといわれています。

飛ぶように泳ぐマンタの姿/マクセル アクアパーク品川

飛ぶように泳ぐマンタの姿はカッコいいですね

マンタは何を食べる

プランクトンが主食! 宙返りしながらお食事

マンタの食事については『エサはプランクトンです。マンタが宙返りをするシーンを見られることがあるんですが、このとき、大きな口をあけて海水と一緒にプランクトンを吸い込んでいるんです。プランクトンだけを食べて、海水は鰓孔(えらあな)によって排出しています』。へぇ~、あの宙返りは食事なんですね。あんなに大きいのにプランクトンだけなんですか?『「マクセル アクアパーク品川」では、エサの時間にオキアミなどをあげています』と村山さん。

上下方向に宙返り中のナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

上下方向に宙返り中のナンヨウマンタ

マンタの性格

おとなしくて人なつっこい愛らしいマンタです

マンタの性格については『人なつっこいんです! 人に興味津々でダイバーが水槽に入ると、必ずといっていいほど寄ってきます。特に新人ダイバーのときは絶対に見に来ます(笑)。基本、とっても穏やかでおとなしい性格ですが好奇心旺盛なんです』と、村山さんが楽しそうに教えてくれました。

ナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

水槽前でお話をうかがっていると、ナンヨウマンタが何度も何度も見に来ました。ホントに愛らしいですね

マンタという名前の由来

“黒くて大きなマント”から“マンタ”に

ところで、マンタはなぜマンタというのでしょう?『黒くて大きいその形態がマント(ラテン語)のようだったので、マント…それが転じてマンタとなったようです』と村山さん。なるほど、確かに黒いマントのようですね。

黒いマントのようなマンタ/マクセル アクアパーク品川

撮影した画像の中で黒いマントっぽいものをセレクト

マンタに会える2つの水族館

マンタ全般について、いろいろと知ったところで、日本の水族館にいるマンタを紹介しましょう。東京の「マクセル アクアパーク品川」にナンヨウマンタ1体、「沖縄美ら海水族館」にナンヨウマンタ4体と日本唯一のオニイトマキエイ1体が暮らしています。

マクセル アクアパーク品川(東京都/港区)

まくせる あくあぱーくしながわ

「マクセル アクアパーク品川」にはナンヨウマンタがいます。東京でマンタを見られるのは貴重ですね。引き続き、村山さんに「マンタ観察ポイント」や「マンタのうんちく&飼育での工夫」をうかがってみました。

  • 会える場所:ワンダーチューブ
  • 現在の飼育数:オス1体
約10種以上のエイが泳ぎ回るワンダーチューブ/マクセル アクアパーク品川

ナンヨウマンタがいるワンダーチューブには、ノコギリエイやシノノメサカタザメ(名前はサメですが実はエイです)など、約10種以上のエイが泳ぎ回っています

■3つのマンタ観察ポイントを要チェック

ナンヨウマンタの、ココに注目してほしい観察ポイントをうかがうと『まず、背中のハートマークですね。頭上を泳ぐナンヨウマンタなどを見られるワンダーチューブでは、白いお腹部分が見えることが多いのですが、宙返りしたりもするので、背中が見えるチャンスもけっこうありますよ』と村山さん。ハートマーク、見られたら、なんだかラッキーな気がしますね。

ダイバーさんの近くで宙返りしているとき、キレイにハートマークを拝めました

2つめのポイントは『ダイバーさんが水槽に入ったら要注目です。必ずナンヨウマンタが近くに寄ってきます』と村山さん。取材中も、そのシーンが見られました。本当に、ず~~っとダイバーさんの近くを泳ぎ回っていました。好奇心旺盛で人なつっこいんですね。

ダイバーさんに大接近するナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

ダイバーさんに大接近するナンヨウマンタ。なんだか可愛らしいんです

3つめのポイントとして村山さんがあげてくれたのが『エサを食べるシーンも見逃せません』とのこと。えっ、見えるの? 『はい、水槽の上部から飼育スタッフがエサをあげるとき、ワンダーチューブ下の通路からも、エサを食べるシーンを見られます』とのこと。これも注目ポイントですね。

ナンヨウマンタの食事シーン/マクセル アクアパーク品川

ワンダーチューブの下から見たナンヨウマンタの食事シーン。口の右に見えるのがオキアミなどのエサです

■マンタのうんちく&飼育での工夫

村山さんに、お父さん・お母さんが子どもたちに話せるようなうんちくはありませんか、と質問してみました。すると『小さいマンタはいないんです』とのこと。えっ? どういうことですか? 『生まれたばかりのマンタで、すでに体盤幅が1m以上もあるんです。親でも2~4mくらいなので、よくある、そのまま小さい赤ちゃんマンタ、というのは存在しないんです』とのこと。なるほど、生まれたときから大きいんですね。

マンタの赤ちゃんの横幅を示してくれる村山さん/マクセル アクアパーク品川

「生まれたときからこのくらいあります」とマンタの赤ちゃんの横幅を示してくれる村山さん

飼育で苦労したこと、工夫したことをうかがってみると『海面でジャンプするくらいなので、飛び出さないように、ぶつからないように工夫しました。各所にネットや緩衝材を設置して、ナンヨウマンタがケガをしないようにしました』と村山さん。ナンヨウマンタ、けっこうアクティブなんですね。

ナンヨウマンタについての説明を受ける/マクセル アクアパーク品川

ナンヨウマンタについて、実際に見ながら説明していただきました

●ナンヨウマンタ(オス)

  • 【愛称】カイト
  • 【飼育開始】2006年8月
  • 【体盤幅】約2m50cm
  • 【体重】約200kg

2020年で「マクセル アクアパーク品川」にやって来て14年になるナンヨウマンタ。一般公募によって“カイト”くんという愛称をもらいました。まさに“凧”のごとく、空を飛ぶように泳ぐナンヨウマンタにピッタリですね。

ノコギリエイとナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

「マクセル アクアパーク品川」の人気者、ノコギリエイと共演

シノノメサカタザメとナンヨウマンタ/マクセル アクアパーク品川

ナンヨウマンタをねらっていたら、シノノメサカタザメもちゃっかり写真に入ってました

ワンダーチューブの上部で“カイト”くんにエサをあげるところを見せていただきました。バックヤードツアーに参加すればエサやり体験も可能ですが、2020年9月現在休止中。再開については、公式サイトで要チェックです。では“カイト”くんの食事シーンを連続写真でどうぞ。

エサが入ったカップに近づいてくるカイトくん/マクセル アクアパーク品川

長い棒の先にエサが入ったカップ付き。これが見えると“カイト”くんが近づいてきます

水面のカップにやってくるカイトくん/マクセル アクアパーク品川

水面にカップを静かにおくと“カイト”くんがやって来ます

エサをまく様子/マクセル アクアパーク品川

口が近づいたところで水面にエサをまきます

エサをまく様子/マクセル アクアパーク品川

カップを素早く離すと、そのまま“カイト”くんがエサを口の中へ。このタイミング、ちょっと難しそうでしたが、さすが村山さん、お見事でした

問合先 03-5421-1111(音声ガイダンス)
住所 東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル内
料金 【入場料】大人2300円/小・中学生1200円/4歳以上幼児700円/3歳以下無料

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

沖縄美ら海水族館(沖縄県/本部町)

おきなわちゅらうみすいぞくかん

日本でもっとも多くのマンタを見られるのが「沖縄美ら海水族館」です。ナンヨウマンタとオニイトマキエイの両方がいて、しかも、ナンヨウマンタの1体は通称“ブラックマンタ”と呼ばれる背中もお腹も黒い珍しい種類です。

  • 会える場所:「黒潮の海」水槽
  • 現役飼育数:5体(オニイトマキエイ オス1体/ナンヨウマンタオス1体・メス3体)

※以下の全画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

ナンヨウマンタが並ぶように泳ぐ様子/画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

ナンヨウマンタが並ぶように泳ぐ様子は圧巻です

●オニイトマキエイ(オス)

  • 【飼育開始】2018年5月
  • 【体盤幅】約4m66cm
  • 【体重】約630kg

水族館で展示しているのは世界唯一というオニイトマキエイ。体盤幅は5m近くあります。「黒潮の海」水槽で一番大きいマンタがオニイトマキエイです。

オニイトマキエイ/画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

口のまわりが黒いのもオニイトマキエイの特徴。“ブラックマンタ”を除くナンヨウマンタは白です

●ナンヨウマンタ(メス)

  • 【通称】ブラックマンタ
  • 【飼育開始】2015年10月
  • 【体盤幅】約3m20cm
  • 【体重】約240kg

通称“ブラックマンタ”と呼ばれるメスのナンヨウマンタ。全身真っ黒なので、最初はナンヨウマンタかオニイトマキエイかわからなかったそうですが、DNAを調べてナンヨウマンタであることが判明。どこでエサをまいても一番に見つけて食べに来る、水槽の中でも一番の食いしん坊だとか。

存在感たっぷりの“ブラックマンタ”/画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

大水槽の中でも存在感たっぷりの“ブラックマンタ”

●ナンヨウマンタ(オス)

  • 【飼育開始】2015年9月
  • 【体盤幅】約3m
  • 【体重】約200kg

●ナンヨウマンタ(メス)

  • 【飼育開始】2015年9月
  • 【体盤幅】約3m60cm
  • 【体重】約320kg

●ナンヨウマンタ(メス)

  • 【飼育開始】2018年7月
  • 【体盤幅】約2m50cm
  • 【体重】約120kg
メスのナンヨウマンタ/画像提供:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

オニイトマキエイとブラックマンタのほか、ナンヨウマンタが3体います

問合先 0980-48-3748
住所 沖縄県国頭郡本部町石川424 国営沖縄記念公園(海洋博公園)
料金 【入館料】大人1880円/高校生1250円/小・中学生620円/未就学児無料

スポット詳細・MAPはるるぶ&more.へ

大きいけれど可愛らしいマンタ。人なつっこい“カイト”くんも“ブラックマンタ”もオニイトマキエイもみんなステキですね。水族館のオフィシャルショップへ行けば、マンタデザインのグッズもありますよ。あわせてチェックしてみてくださいね。

「マクセル アクアパーク品川」ショップオリジナルのマンタグッズ

「マクセル アクアパーク品川」のオリジナルマンタグッズ

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