さあ、お子様が楽しみにしている夏休みがやってきました! 一方、宿題をみる保護者にとっては、やや憂鬱な夏休み・・・。なかでも特に面倒なのが「書く系」宿題。今年こそ、早く簡単に終わらせたい! そのコツとポイントをお伝えします!
画期的! 旅行中に絵日記を終わらせる!
2泊3日のご旅行でしたら、宿泊している間に絵日記をやってしまいましょう。
「ええー!?旅先でやるのなんてイヤだわー」と思うでしょうね。でも、考えてみると、忙しい毎日の中、家事や仕事に追われてやる方が大変ではないですか?
少しでも家事の減る旅行中、心に余裕もあるし、夕飯前の30分を使って、その日のうちに楽しい体験をそのまま言葉にしてしまった方が、絶対に効率が良く、お得です。
例えば、お子様にこんな声掛けをしてください。
「川遊び(その日一番のアトラクション)、楽しかったね~。さあ、これからまだまだ楽しいことがあるから、絵日記を先に終わらせちゃおう!」努めて明るく!言ってくださいね。お子さんは、ママの声掛けでだまされます(笑)。そして、次からご紹介する質問をして、それを聞き手の保護者様は、サポートするためにメモしていきましょう。
ここがポイント! メモは本人がするのではなく、聞き手側
つい、私たちがやってしまいがちな声掛けは、「さあ、書いて」「自分で書いて」です。それでお子さんが書くならいいのですが、なかなかそうはいきません。ですから、簡単に宿題を終わらせるためには、私たちはサポート役に徹します。マネージャーですね。結果、そのほうがお子様にとっても、書く近道になるのです。
たとえば、「川遊び、どうだった?」「音はどんな音がしていたかな?」「においはどうだったかな?」「またやってみたい?」「どんな会話をしたかな(誰がどんなこと言ってた? 気になった言葉ある?)」「予想どおりだった? ちがってた?」保護者様は、インタビュアーになりきってください。これ位の数の質問をして、お子様の話しを聞き出せたら、絵日記の分量としては、十分足りています。プロとしてテクニックをお伝えしますと、文章にした時に引き立つのは、「五感で感じたことを言葉にしたもの」です。これが入っていると格段に作文がうまく見えますので、ぜひ、次のテンプレに当てはめて書いてみてください。
書き出しは、作文の命。「五感」を使って書く
通常、お子様は時系列で文を書きます。例えば、「7月○日、夏休みに、家族4人で川遊びに行きました」という様なスタンダードな書き出しです。決してこの書き出しがいけないわけではありません。もちろんそのままでも良いです。でも、すばやく30分で絵日記を終わらせるには、これをやめて、音や言葉から入ってください。
テンプレート例
(1)お子さまに聞き出したなかで一番印象に残る会話や音、においなど
「つめた~いぃ!!」(「いたたた!」岩が痛かった、「ひゃーひゃー」妹が水の冷たさに驚いて出していた声、など)
(2)その瞬間に感じたこと(主語をお子さま自身の「自分」で)
川に初めて入ったとき、ぼくはびっくりしました。外はすごく暑くて汗をたくさんかいていたけれど、プールの水と違って、まるで氷が入ってるみたいにすごく冷たかったです。だから、大きな声をだしていました。
(3)状況説明と感想
7月○日、夏休みなので、おかあさんの実家のおばあちゃんのうちに家族で行きました。近くに水遊びができる川があるので、弟やお父さんと一緒に釣りをして、そのあとバーベキューもしました。自分で釣った魚を食べたら、いつもと違う味がして(※波線か太字かなどで強調)、おいしかったです。
例として出した上記の絵日記の文章で素晴らしいところは、太字の「いつもと違う味がした」というところです。インタビューで聞き取ったこのフレーズを、メモで逃さずキャッチして、お子様の作文に活かしてあげてください。もう少し続けて書く場合は、「同じ魚なのに、なんでおうちで焼いて食べる時と違う味がしたんだろうね」などと質問してみると深まります。「自分で釣ったのがうれしかったからだと思う」なんて、答えてくれたらいいですね。
「わかんない・・・」と言われてしまったら、見本の提示をします。「お母さんはさ、○○がパパと一緒にがんばって赤虫のえさをつけたりしたからだと思うよ。がんばったあとのご飯はおいしいでしょ!」など、客観的に見て予測できることを教えてあげてください。それが見本となってお子様の文章力は上がります。
読書感想文も、旅行に掛け合わせて書きやすく!
さて、夏休みの宿題「お困りランキング」トップで殿堂入りの読書感想文の書き方です。これも、旅先に合わせた本選びをすることによって、格段に書きやすくなりますよ。
1200~1600字という大量の文を、読んだ本の感想だけで書くことは、不可能です。本来、お子さんにとっての感想は、「おもしろかった」「かわいそうだった」「すごかった」の言葉に集約されていますので、長い文章にすることはとても難しいことなんです。
ですから、旅行と感想文の本のテーマをそろえることで、そのうちの半分程度を旅行のエピソードで埋めることができます。例えば、訪れる土地の名士が伝記に出てくるような人である場所や、単純に、世界遺産などの場所でもいいです。静岡に行って富士山に登る旅行をするなら、富士山のごみ問題に取り組んだ人の本を読書感想文の本に選ぶということもいいですね。また、逆に、お子さんが読んでいたり、興味のある本に出てくる場所や、ゆかりのある地域に、旅行に行ってあげることも効率的ですね。アニメの聖地巡礼も流行っていますから、原作が本でアニメになったような物語も、良いですよね。
具体的には、歴史に興味のあるお子様なら、お城を旅行の目的地にして、
(1)まずは、その城はどんな武将が建立してどんな特徴があるのかなどを書いてまとめます。
(2)加えて、その武将の伝記を読めば、本を読んでわかったその武将のすごいところなどを振り返ったり、まとめて書くことができます。ここまでに600字~800字程度は書けていると思います。
(3)残りの600字程度は、「この夏休みに、ぼくは家族旅行で、○○○○が建造した△△城へ行ってきました。本の中に書かれている××の高台から城下を見下ろすと・・・」などと、旅行で得た知識や経験、五感で感じたことを思ったように書けば、文字数達成です。
例えば、福島県のハワイアンズに行ったら、ハワイアンズの震災後の立て直しの本だったり、ディズニーランドも創設者ウォルト・ディズニー氏の本を読めば、つなげられます。ぜひ、この夏休みは、「効率よく書く系宿題を終わらせる楽しい旅行」をしてください!