本州最南端の町、和歌山県・串本町にある串本海中公園。すぐ目の前には、暖かな黒潮が流れ込む太平洋が広がります。そこからくみ上げられた美しい海水が満たされた水族館の大水槽には太陽の光が降り注ぎ、サンゴの周りを自由に泳ぐ魚の姿は、串本の海中を見ているかのよう。100kgを超す大きなウミガメから、手のひらサイズのちっちゃな赤ちゃんウミガメまでがお出迎えしてくれるエリアでは、餌やりなどのふれあい体験が子ども連れに人気です。
水族館を中心に、海中展望塔やランチにおすすめのレストランなどもご紹介しましょう。
※コロナウイルス対策のために、水族館での一部コーナーや体験が中止、海中観光船ステラマリスは運休となっていますが、水族館でのウミガメのエサやり体験や海中展望塔のエサやり体験など開催中のイベントもあります。おでかけ前には最新情報を公式サイトなどでご確認ください
1日中遊びたい串本海中公園、所要時間は?
串本海中公園の目の前に広がるのは、吉野熊野国立公園串本海域公園地区。ラムサール条約に指定された、世界最北に位置するテーブルサンゴの大群落がある美しい海です。ここでは、海に潜らなくともサンゴをはじめとする海の生き物と出会える施設が充実しています。
まずは「水族館」で自然に近い環境で育つ生き物を知り、次に「海中展望塔」や「半潜水型海中観光船ステラマリス」などで本物の串本の海・サンゴの海を楽しみましょう。
太平洋が目の前に広がる芝生の広場からは海中展望台が見えます
水族館だけなら所要時間は約1時間、海中展望塔は30分くらい、海中展望塔まで景色を眺めながら往復したりお土産を選んだりと併せて2時間ほど。当日に限り何度でも再入館が可能なので、磯遊びをしたり、ランチの後、もう一度ウミガメに会いに水族館に戻ったりと1日のんびり過ごせます。
アクティブなパパやママは、「串本ダイビングパーク」も覗いてみてはいかがでしょう。ダイビングを楽しめてコテージで宿泊もできる施設で水族館のすぐ隣にあります(※コロナ対策のため現在休業中)。
チケットやアクセス、送迎バスもチェック
チケットは水族館の入場券のみから海中展望塔や海中観光船(現在中止)がセットになったものまで用意されているので、プランに合わせて購入しましょう。
【料金】
- 水族館+海中展望塔:大人1800円、小・中学生800円、幼児(3歳以上)200円、シルバー割引(65歳以上)1600円
- 水族館:大人1500円、小・中学生700円、幼児(3歳以上)200円
- 水族館+海中展望塔+海中観光船:大人2600円、小・中学生1400円、幼児(3歳以上)200円
- 海中観光船:大人1800円、小・中学生900円、幼児(3歳以上)200円
※海の状況でショート航路の場合のみ:大人1200円、小・中学生600円、幼児(3歳以上)200円
※現在、海中観光船はコロナウイルス感染症対策に伴い中止しております - 他施設(太地町立くじらの博物館・すさみ町立エビとカニの水族館・白浜エネルギーランド・樫野崎トルコ記念館)とのお得な共通入場券もあります(海中展望塔閉鎖時は販売中止)。
※串本海中公園または各施設のチケット窓口で購入可能(現金のみ)。
JR串本駅と往復する無料送迎シャトルバス
【アクセス】
- JR串本駅から無料送迎バスで約10分(定員28名、予約不可、1日5~7本)
※他、串本町コミュニティバス「海中公園前」下車(1乗車200円、小学生以下無料) - 紀勢自動車道すさみ南ICから約20分(18km)、無料駐車場200台
水族館の見どころは串本の美しい海
左)サンゴの海の魚、正面)大水槽、右)岩礁の魚
水族館にいる生き物は、串本の海にいる生き物だけ。とはいえ約500種・5000点と聞いて驚きです。それもそのはず、温帯の生き物だけでなく、独特の地形と暖かな黒潮が、熱帯の生き物にもやさしい環境を生み出しているからです。
岩礁の魚
サンゴの海の魚
まずは入って右側の「岩礁の魚」を覗いてみましょう。磯遊びで同じ魚を見つけられるかもしれませんよ。左側の「サンゴの海の魚」との対比も楽しんでみてください。
約100tの海水で満たされた大水槽。何種類の生き物を見つけられるかな?
正面の大水槽には、上から太陽の光が差し込んでいます。サンゴにとってこの光は、光合成をするためにとても大事なのです。太陽が作り出す照明とサンゴのステージで優雅にダンスする魚に、時間を忘れるほど見入ってしまいます。
大水槽に沿ってぐるりと周ると、色とりどりのサンゴと熱帯性のかわいい魚が遊ぶ水槽があります。
中央から左にかけて見える大きな切り株のようなサンゴは50歳!
ここには串本海中公園オープン以来ずっと生活している大きなサンゴがいます。自然に近い環境が長生きの秘訣なのかな。
こんな大きなエビも串本の海にはいるんだね
下にいるウツボのお腹にくっついているのはちっちゃなエビ
怖そうなウツボとかわいいエビはとっても仲良し。エビはウツボの体をきれいに掃除します。ウツボが口を開けて口の中の掃除をねだることもあるのです。マイ虫眼鏡を持っていくと、小さな生き物の動きもじっくり見ることができますよ。
史上最大のウミガメ・アーケロンって?
史上最大のウミガメ・アーケロン
ふわ~と漂うクラゲ水槽で癒されて進むと、紀州杉で作られたほぼ実寸の「アーケロン」がお出迎え。アーケロンは世界最大のウミガメで、全長は約4m、甲羅だけでも2m以上といわれています。残念ながら今は生きている姿を見ることができません。恐竜が生息していた時代に海中を泳いでいたのです。
「アーケロン」がいる部屋は「マリンアートギャラリー」です。アーケロンの背後に見えるブルーの壁には、水中写真が展示されたり、海の生き物をモチーフにした作品などが展示されることも。
特別展などの会場として様々なイベントが開催されるマリンアートギャラリーでは、椅子に腰かけてちょっとした休憩もできます。すぐ側にあるトイレ前には、オムツ交換スペースが用意されています。
赤ちゃんから親までウミガメがいっぱい!餌やりも
壁がウミガメの形になっています
古代のウミガメの次は、いよいよ本物のウミガメとご対面です。ウミガメの形の壁を抜けると、子ガメプールにタッチングプール!ガラス扉の屋外には大きなウミガメプールも。
壁際のタッチングプールを覗くと…
10cmほどのウミガメの赤ちゃんとご対面!
人工産卵場で誕生したアカウミガメの赤ちゃんが、ぱちゃぱちゃと泳ぐ様子が見られます。
かわいいね。ウミガメの赤ちゃんにタッチ!
通常であれば、こちらのコーナーでウミガメの赤ちゃんと触れ合えます(無料/現在は開催を中止)。赤ちゃんとはいえ、力強くヒレを動かす様子はたくましくて、自然の中で生きるパワーをもらえそうです。
タッチングプールの左手奥にあるウミガメの餌の販売コーナー
ウミガメの餌はコロコロとした粒状
屋外のウミガメプールへ行く前に、ウミガメの餌をゲットしましょう(1袋200円)。
※ゴールデンウイークやお盆シーズンなどで、たくさん餌をもらった際は、餌やりを制限される場合があります。
人工産卵場(砂場)を備えた大きなウミガメプール
たくさんのウミガメが集まってきた!どれも大きいなぁ
ウミガメプールに張り出したウッドデッキからは、優雅に泳ぐウミガメの姿を眺めたり餌をあげることもできます。ここにいるのは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類。餌を投げると、約100kgもある大きな体がゆっくりと近づいてきます。
パクリ!上手に食べてくれました
ウミガメはあまり目が良くないので、顔の20~30cm位前を狙って餌を投げてあげるのがポイントです。すぐに見つけて食べてくれます。
ウミガメプールは、浅いところ、深いところ、陰になっているところなど様々な場所があります
ウミガメは海面で一度呼吸をすると約1時間も海中で過ごせるそうです。深い場所にいるウミガメはお昼寝中かもしれませんね。
「人工産卵場」では、500匹以上ものウミガメがふ化することもあるのだそう。多くのウミガメの赤ちゃんは太平洋に放たれます。ウミガメは黒潮の流れと共に、成長しながらアメリカ西海岸やハワイなど世界中の海を泳ぎます。中でも、アカウミガメが産卵するのは北太平洋では日本だけ。20~40年をかけて日本各地の海岸へ戻ってきます。
水族館飼育体験でウミガメの赤ちゃんにタッチ
水族館飼育体験に参加すると、ウミガメの赤ちゃんにタッチできる!
ウミガメの赤ちゃんとふれあいたいファミリーは、家族単位で参加できる「水族館飼育体験」(要予約)はいかがでしょう。いい思い出になるはずです。
スタッフの説明を聞きながら、ウミガメの赤ちゃんを抱きあげます
水族館飼育体験は、専門スタッフと共に2時間みっちり、水族館を丸ごと楽しめます。詳しい説明を聞きながらの生き物観察から始まり、飼育係さんのように生き物に餌をあげたり触ったり、バックヤードから見る景色も通常では体験できないことばかりです。
甲羅に前ヒレを添わせてプカプカ浮いているのは、赤ちゃん独特のお昼寝スタイル
参加に年齢制限はありませんから、赤ちゃんも抱っこで参加できます。通常は希望者が集まり実施されますが、現在はコロナウイルス対策のため、1家族(2名以上10名以下)単位での実施となっているので安心ですね。
■水族館飼育体験
- 【期間】通年
- 【時間】午前の部:10~12時、午後の部:13~15時
- 【料金】大人:3500円、高校生2500円、小中学生:1700円、幼児(3歳以上):200円
※料金には「水族館・海中展望塔」入場料が含まれます(割引クーポン使用不可) - 【最少催行人数】2名 ※現在はコロナウイルス対策のため1家族(2名以上10名以下)で実施
- 【服装】汚れても構わない服装、歩きやすい靴
- 【申し込み】電話(0735-62-4875/前日17時まで)
サメやエイも泳ぐトンネル大水槽
頭の上でお魚と一緒にウミガメやサメ、エイも泳いでいるよ
水族館の最後は「トンネル大水槽」で海底散歩を楽しみましょう。見上げてもまぶしくないように太陽光が降り注ぐ量を調整しています。頭の上や体の真横を大きな生き物がゆったりと泳いでいたり、群れで泳いでいる魚の様子をじっくり眺めることができます。
海中展望塔で見る魚の群れに親子で感動
太平洋に突き出た海中展望塔
水族館から一度外に出て遊歩道を進んだ先にある「海中展望塔」は、沖合140mに水族館より1年早く建設されました。水深6.3mの海底では、どんな生き物を見ることができるのでしょう。
海中展望塔の周りに群れるメジナの群れ
海中展望塔の外側ではいつでも餌やりが出来き、警戒心の強い「メジナ(グレ)」が数百匹も集まっています。釣り好きにはうらやましい光景ですね(餌代:200円/1袋)。
いよいよ、海底の青い世界を眺めに、急な螺旋階段を降りていきましょう。
突然目の前に現れた魚の群れにびっくり!
周辺一帯は魚釣り禁止区域となっているため、様々な魚が自由に泳ぐ姿を360度、眺められます。冬場は透明度が最も高く、秋頃は見ることができる魚の種類が最も多いのだとか。
半潜水型海中観光船ステラマリス
海中展望塔のさらに先の海中の景色を楽しめる「半潜水型海中観光船ステラマリス」(※現在運行見合わせ中)。
まるで潜水艦から海の中を見てるみたい。今見ている景色は…
串本のサンゴの海!
スタッフによる海中のサンゴをはじめとする生き物の説明に耳を傾けながら、ゆっくりと海中散歩を体験できます。早く再開されるといいですね。
ランチはレストラン派?お弁当派?
ランチは、水族館お隣の「アクロポーラ」で。海を見渡せる広々とした店内は心地よい空間です。
お子さまカレーをはじめとする子どもメニューも
串本の海の幸を中心としたファミリー向けの料理が揃っています。子ども向けメニューがあるだけでなく、取り分け用の器や子ども用のスプーン・フォークも準備という嬉しい配慮も。
アクロポーラの海側にある芝生の広場
天気のいい日ならピクニック気分で、芝生の上でお弁当を広げるのもおすすめの過ごし方です。遮るものがない空と海に囲まれた最高のロケーションでランチタイムを楽しみましょう。
お土産にはウミガメのぬいぐるみが人気
お土産は、水族館の出口にある「水族館売店」でゲットしましょう。ここは、水族館利用者以外でも利用できるよう、海岸沿いの入口から自由に出入りができます。
串本海中公園限定の「もちもちアオウミガメベイビー・アカウミガメベイビー」(1100円~)は、赤ちゃんでも掴めるサイズから、一緒にベッドで眠りたくなるサイズまであり、もちもちとした感触と相まって人気のお土産です。
かわいいパッケージに入った「お魚さぶれ」(9枚入380円)は、気軽なお土産にぴったり。
サンゴの上をウミガメやお魚が泳ぐ姿が美しい「ペーパーウェイト」(500円)は、串本の美しい海が再現されています。家族旅行の記念になること間違いなし。
水族館屋上から太平洋、本州最南端の潮岬を望む
串本海中公園では、磯観察(夏場開催)やウミガメの甲羅磨き(秋頃)などのイベントも用意されています。開催を見合わせ中のショーや体験なども併せて、公式サイトをチェックして、串本の海を丸ごと楽しんでくださいね。
串本海中公園
問合先 | 0735-62-1122 |
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住所 | 和歌山県東牟婁郡串本町有田1157 |
料金 | 【水族館・海中展望塔・海中観光船】大人2600円、小・中学生1400円、幼児(3歳以上)200円 【水族館・海中展望塔】大人1800円、小・中学生800円、幼児(3歳以上)200円、シルバー(65歳以上)1600円 【水族館】大人1500円、小・中学生700円、幼児(3歳以上)200円 【海中観光船】大人1800円、小・中学生900円、幼児(3歳以上)200円 ※障がいをお持ちの方:ご本人及び介助の方1名の入場料金を半額(手帳またはカードを提示) |
営業時間 | 9時~16時30分 (チケット販売は閉館の30分前まで) |
定休日 | 無休 |
アクセス | JR串本駅より無料送迎シャトルバスで約10分/紀勢自動車道「すさみ南IC(ハーフインター)」から国道42号線経由18km(20分) |
駐車場 | 200台 |
特徴 | キッズおすすめ、雨でもOK、飲食施設あり、ベビーカー利用可、オムツ交換スペースあり、ペット同伴可(抱っこまたはキャリーバッグ使用 ※水族館事務所での預かり可) |
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