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プロに聞くお絵かきが上手くなるコツ!上手・下手な子どもの特徴は?親の教え方は?

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プロに聞くお絵かきが上手くなるコツ!上手・下手な子どもの特徴は?親の教え方は?

お絵かきは、子どもが大好きなあそびのひとつ。と思いがちですが、4歳〜小学校低学年になると、「自分は絵が下手だ」と思い込み、苦手意識がでてくる子もいます。児童絵画に詳しいあきやま先生によると「自分が思ったとおりに絵を描けないから苦手なだけ。ものの見方を知ると、絵は上手になりますよ」とのこと。絵が上手になるコツや、子どもの絵の見方などを教えてもらいました。

目次(index)

あきやま かぜさぶろうさんあきやま かぜさぶろう
1948年長崎県生まれ。1971年に初出品作品で二科展の特選を受賞し、翌年には二科展の銀賞を連続受賞。○△□の組み合わせで形をとらえて絵を描くメソッドをまとめた『1日10分でえがじょうずにかけるほん』(講談社)が、シリーズ累計100万部を超えるベストセラーとなる。『1日10分で地図をおぼえる大きなパズル』『1日10分で どうぶつが かけるほん』(JTBパブリッシング)など著書多数。現在は画家活動をしつつ、保育園・幼稚園児や小学生に絵画指導を続けている。

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絵が上手・下手の子どもの特徴は?

2つのキリンの絵「どっちがキリンに見える?」

「幼稚園で母の日に描いた似顔絵が、画用紙に棒一本だけだったのです」と、まず教えてくれたのは、あきやま先生の息子さんの幼児期の実話。

“わが子が絵が苦手なのは、私が上手じゃないから?”と心配に思ったことがある親には、少しほっとするエピソードではないでしょうか。

子どもの絵は自由であればよい、とも言われますが、絵の上手/下手、得意/不得意について、お聞きしました。

子どもの絵にも、上手下手はある?

「よく “子どもの絵に上手・下手は関係ない”と言いますが、それは大人の考え。子どもだって、描きたいものを上手に描きたいでしょう。だけど、思ったように描くことができない。そうすると、自分は絵が下手だと苦手意識が芽生えてしますのは当然のことです。

一方で、上手だね!よく描けているね!と褒められる絵を描ける子は、どんどんお絵かきが好きになり得意になります。上手な子は、絵を描くのが楽しいんですね」

上手な絵の特徴は?

上手だね!と褒められる子どもの絵の特徴は、「なにを描いたかがわかる絵です」とあきやま先生は話します。

2つのキリンの絵「上手な絵の特徴は?」

「キリンの絵だ、とわかる絵は、“上手にキリンが描けたね!”と褒められます。つまり、形を捉えている絵です。最初に話した私の息子が母の日に描いた似顔絵は、形どころか棒一本。それはどうしたって上手だねとは言われませんよね(笑)

キリンの形はどんなパーツでできていますか? 顔・長い首・体・足・しっぽの組み合わせです。このパーツさえそろっていれば、一つ一つの形のバランスが多少おかしくても、キリンの絵に見えるのです」

上手と下手の違いは「観察力」

「頭の中にはキリンが浮かんでいるのに、画用紙にはなぜか上手く描くことができない。それは、キリンをひとつのシルエットとして捉えてしまっているからです。絵が上手な子、形を捉えられる子というのは、形の組み合わせとしてみる観察力がある子です」

観察力は育てれば、絵は上手になるのでしょうか?

「絵が苦手な子は、ものの見方を知らないだけ。ものの見方を教えてあげれば、観察力が育まれ、絵は描けるようになりますよ」

では、そのコツも教えてもらいましょう!

子どもの絵が上手になるコツ

子どもの絵が上手になるコツ

実際に、あきやま先生が描きながらレクチャーしてくれました。

形を、○や△や□で捉えよう

形を、○や△や□で捉えよう

「キリンはどんなパーツでできているか、○△□の簡単な形で捉えてみましょう。顔・首・体・あし・しっぽの5つのパーツがそろえば、全てが□でもキリンにみえます。もちろん○で描いてもいいですよ。子どもたちになじみがある簡単な形でいいのです」

パーツを実物に近い形にしていけばよりキリンらしい絵が描ける

親子で一緒に、やってみよう

続いてあきやま先生が描いてくれたのは、顔、たてがみ、体、足…もうこの段階で「ライオン」とわかりますね。

あきやま先生が描いてくれた「ライオン」

「○△□などの記号で捉える方法は、想像力をなくしてしまうのでは…と思う方もいるかもしれませんが、ぜひ親子で一緒にやってみてください。決して一枚として同じ絵にはならないはずです。○はその子なりの自由な○になりますし、十分に子どもらしさが発揮された絵になりますよ」

あきやま先生が描いてくれた「ライオン」

顔の形がちがっても、手足の位置が少しおかしくても、パーツがそろっていれば、どれもライオンの絵にみえますね!

描きたかったライオンが描けた!という体験は、子どもにはとても嬉しいもの。形の捉え方のコツさえわかれば、もっと描いてみたいな、描くのが楽しいなというふうになっていくはずです」

なるべく大きく描こう

「絵は、画用紙をいっぱいに使って、大きく描いてみましょう。画用紙のすみっこに小さく描いてしまう子は、画用紙全体ではなく手元しか見えていないので、“大きく描こうね”と声をかけてあげてください。できないのではなく、気づいていないだけなのです」

基礎力は、幼児期のうちに!

「大人は“子どもは自由にのびのびと絵を描いてほしい”“絵の描き方は教えるべきではない”と思いがちです。しかし、ピアノを習ったことがない子に自由に弾いていいよと言っても、音は出ますが、音楽にはなりませんよね。プールで自由に泳いでいいよと言っても、泳ぎ方を知らなければ、水遊びの域をでないままです。絵も全く同じです。記号は描き方ではなく、形を捉えるという考え方、絵の基礎力です。ぜひ幼児期にのうちに身につけて、お絵かきを好きになってほしいと思います。楽しく描くほど、観察力はどんどん育まれていきますよ」

お絵かきで身につく力

お絵かきで観察力が育まれると、いろいろな良い効果もあるそうです。

お絵かきをする子どもたち(イメージ)

【観察力は知能とも相関性あり!】

キングスカレッジロンドンで行われた大規模な子どもの絵画の実験があります。15000人以上の4歳児に絵を描いてもらい、その採点法はどれだけ多くの特徴(頭、体、二本の手足、目、耳など)を正しく描けたかによって行われました。全体のサイズ、プロポーション、表現力などは採点の要素からは除かれました。そして、彼らが14歳になった10年後にも知能テストを行いました。

「これは、まさに子どもの観察力をみた実験です。そして、絵の上手さは10年後の知能にも相関性があるという研究結果がでているのですよ」

【字が上手になる】

4歳をすぎた頃から、ひらがなやカタカナ、数字を覚えはじめます。あきやま先生によると、お絵かきと字の習得はとても似ているのだとか。

字の習得も、形を捉える力です。字はお手本をなぞったり真似したりすることで覚えていきますが、観察力がある子はやはり上手に真似ることができます」

【図工だけでなく、理科にも役立つ】

小学生になると、絵が得意なことは、図工だけでなく理科の授業でも役立ちます。

「小学1年生から、朝顔などの観察日記が必ずあります。朝顔の絵が上手に描ける子は、観察もよくできますよ」

お絵かきにまつわる親の迷いQ&A

子どもがお絵かきをしている様子

子どものお絵かきにまつわるママパパの迷いを、あきやま先生にたずねてみました。

Q.描くのに時間がかかる子は、待った方がいい?

描き出せないのは、描き方がわからないから。待っていても同じなので、ぜひ先述の形を捉えるコツを教えてあげてください。何度か親子で一緒にやれば、形を捉えられるようになり、自然と手を動かせるようになります」

Q.いつも同じ色しか使いたがりません

「いろいろな色があるから使ってみよう、と声掛けしてあげましょう。色があることに気づいていない場合もあります。ただ色を使えばいいということではなく、色を使う、色を知る練習です。使ってみたら好きになった、ということも大いにありますよ」

Q.手の形が変、色が実物と違う、バランスがおかしいという時は直した方がいい?

「細部の正確性よりも、まずはパースがそろっていればOKです。人物の頭が極端に大きい、手足が棒状といった、バランスを欠いた絵は子どもにはよくありますが、観察力が育まれれば年齢に応じて変わってきます。色も自由でよいです」

Q.絵がいつも小さいです

「画用紙をめいいっぱい使えることは大切です。 “画用紙がこんなに大きいから、絵も大きく描いてみよう”と声掛けしましょう。小さくしか描けずに余白がある場合は、背景を描いたり、色を塗ったりして、画用紙をいっぱい使えるように声掛けしてください」

Q.美術館に行くのは、絵の上達に効果的ですか?

「もちろんとてもおすすめです。有名な絵画を見たからといって、すぐ上手になるわけではありませんが、いろいろな絵を見ることは美術への興味関心にもつながりますし、よい経験だと思います」

子どもの絵の褒め方&NGワード

「絵を褒められると、もっと描きたくなり、絵が好きになります」とあきやま先生。しかし「子どもの絵の褒めかたがわからない」というママパパの声もよく聞かれます。

そこで、るるぶkids編集部員の子の絵を、実際にあきやま先生に見ていただきました。絵の見どころの参考になりますよ。

あきやま先生の絵の見方

3歳児の絵「ママと自分」

3歳児の絵「ママと自分」

「顔、耳、体、手足、パーツがちゃんと描けているね。手の形がおもしろいけど、これこそ自由な表現でOK。よく見ると五本の指なのかな。色を塗ってみると、もっといい絵になるよ」

4歳児の絵「春」

4歳児の絵「春」

「桜の木かな?真ん中に大きく描けているね。まわりにハートを描いたのもとてもいい。花びらかな? 余白がないから絵がさびしくないね。青い空と地面の緑もいいね」

6歳児の絵「幼稚園の運動会」

6歳児の絵「幼稚園の運動会」

「上手に描けているね!人の形がはっきりみえる。楽しそうなのがわかるよ。背景の紫は、色の濃淡があるのがいいね。一色じゃなくて二色つかってみると背景に奥行きが出て、もっと絵がにぎやかになるよ」

言ってはいけないNGワード

絵を嫌いにさせてしまいかねないNGワードをお聞きしました。

“形がちがうよ” “そうじゃないんじゃない?”と絵を否定する言い方は、苦手意識を助長させてしまいます。先述のように、絵の観察力は、まずパーツがそろっているかということ。細部の正確性にこだわらず、形が捉えられていれば、大いに褒めてあげてください。もしパーツが不足しているなら、否定ではなく、気づかせてあげる声掛けをしてあげましょう」

子どもがお絵かきを好きになるのには、大人がまずフレキシブルな目線で絵を見てあげることが先決なのかもしれません。親子で一緒に、楽しく観察力を育んでいきたいですね。

絵の先生って?おしごとインタビュー記事

神楽坂でのイベントの様子

子どもが憧れている職業、興味がわくような職業に就いた人にインタビューする、るるぶKidsで好評のおしごとインタビューシリーズ。
第8弾ではあきやまさぶろう先生にたっぷりお話を伺いました!
子どものときにどんなことが好きだったのか、どんな生活をしていたのかなどを伺いながら、今に至るまでのエピソードをたどります。気になるお仕事内容もたっぷり紹介!

おしごとインタビュー記事はこちら
» 子どもに人気のお仕事に注目!|絵の先生(あきやまかぜさぶろうさん)

あきやま先生のお絵かきが楽しめる本

好評発売中の「十二支のおはなしと十二支がかけるほん」

「十二支のおはなしと十二支がかけるほん」

十二支がまるごとわかる楽しい絵本です。「十二支のはじまりのおはなし」の読み聞かせは2歳~、ひとりで読むなら4歳~対象。十二支の描き方(ねずみ、うし、とら、うさぎ、たつ、へび、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、いのしし)や「君はなに年生まれ? 西暦・和暦・干支 早見表・十二支がおぼえられる表」も付いています。

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