東京・池袋にあるサンシャイン水族館では、日本で初めてゾウギンザメの孵化に成功。2020年6月8日から一般公開がスタートしました。日本では2つの水族館でしか見ることができないゾウギンザメ。その赤ちゃんが見られるのは現在、サンシャイン水族館だけ。親と同じ姿の小さな赤ちゃんが一所懸命に泳ぐ姿がかわいらしく、水族館の新しい人気者になりそうです。
不思議がいっぱい!「ゾウギンザメ」ってどんな魚?
特徴的な尖った長い口先がゾウの長い鼻のように見えることから名づけられた「ゾウギンザメ」。軟骨魚綱 ギンザメ目 ゾウギンザメ科に分類され、3種いるゾウギンザメ科はいずれも南半球の海(太平洋南西部)に生息。生息環境は大陸棚・砂泥底環境。普段は水深200m付近に生息し、産卵時には浅瀬に移動してきます。
特徴は名前の由来にもなった長い口先。泳ぎ方も特徴的で成魚は大きな胸ビレを羽ばたくように上下に動かして優雅に水中を泳ぎます。でも、赤ちゃん(幼魚)は優雅というよりも一所懸命に泳いでいるように見えます。
また、進化速度がシーラカンスよりも遅い、免疫細胞がほとんど存在しないのに長寿、人間の医学分野への応用も期待されるなど、研究が続けられている謎がいっぱいの魚です。
ゾウギンザメの赤ちゃん公開までの道のり
ゾウギンザメの孵化は国内で初めてのことだったので、卵や幼魚の飼育に関する事例がまったくありませんでした。産卵から孵化、飼育まで初めての取り組みに挑んだのは若手飼育員のみなさんでした。
飼育チームによる飼育の様子
2019年3月からゾウギンザメの飼育を開始したサンシャイン水族館。2019年5月に産卵が確認されました。
産卵中のゾウギンザメ
生まれた卵は生息地の水温を参考に飼育温度を設定。ゾウギンザメの卵は意外に大きく、飼育スペースを確保するのは大変だったそうです。
ゾウギンザメの卵
ゾウギンザメの卵の飼育も初めて。いろいろな資料を参考にしながらの飼育だったそうです。そして2020年1月27日に最初の孵化を確認。その後も1個体ずつ確認され、合計5個体の孵化を確認されました。
ゾウギンザメの赤ちゃんが成長していく過程を見られるのも日本では初めてです。生まれたときは15cmほどだった赤ちゃんも、現在(2020年6月5日)では全長約25cmまでに成長しています。
おうちにいながらでもゾウギンザメの赤ちゃんが泳ぐ様子をみることもできますのでチェックしてみてくださいね。
サンシャイン水族館では新型コロナウィルス感染拡大予防のための対策を講じて、6月8日から営業が再開されました。おでかけの予定ができたら、ゾウギンザメの赤ちゃんにも会いに行ってみてくださいね。
サンシャイン水族館
住所 | 東京都豊島区東池袋3-1サンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上 |
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問合先 | 03-3989-3466 |
料金 | 入館料:大人(高校生以上)2200円、子ども(小・中学生)1200円、幼児(4歳以上)700円 ※変更になる場合あり |
時間 | 9:30~21:00、秋冬は18:00まで(最終入館は終了1時間前) ※変更になる場合あり |
定休日 | 無休 |
アクセス | JR池袋駅東口から徒歩10分、東京メトロ東池袋駅6・7番出口から地下通路で徒歩3分/首都高速東池袋出入口から直結 |
駐車場 | 1800台(有料) |
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