SDGs(えす・でぃー・じー・ず)は、子どもたちの未来に関わる世界共通の目標。子ども自身がSDGsを“自分ごと”として理解していくには、好きなものや身近なものから知るのが一番。今回は、無印良品の動物Tシャツシリーズの大ファンという9歳のまあちゃんが、株式会社良品計画に直撃取材。Tシャツに描かれている動物たちには、実はある共通点がありました。
◇ SDGsとは? ◇
»子どもの未来を守るSDGsとは?簡単な遊びからサステナブルな取り組みを始めよう
1.かわいい動物柄に一目惚れ!お気に入りのTシャツ
まあちゃんが3歳の頃、無印良品の店頭でウザギのTシャツを見つけ「かわいい!」と一目惚れをした動物Tシャツシリーズ。以来、成長とともにサイズアップしているほどのお気に入りなのだそう。また「この前学校でSDGsを習ったよ。難しかったけど、無印良品にはどんなSDGsがあるのか知りたいな」と興味津々です。
2.無印良品に聞く!動物Tシャツの秘密
教えてくれたのは、無印良品を展開する株式会社良品計画・衣服雑貨部で子供服を担当している中原さん。にこやかに取材スタートです。
モチーフの動物は、実は絶滅危惧種!
まあちゃん「今日はラッコのTシャツを着てます!見えますか?」
中原さん「見えます、嬉しいです!」
まあちゃん「ホッキョクグマも持ってます。ほかにも、無印良品のTシャツにはたくさんの動物の柄があるけど、どうして動物にしたんですか?」
中原さん「Tシャツの柄には、ボーダーやドットなどさまざまな柄がありますが、無印良品では、Tシャツを着る人はもちろん、社会全体にも何か役に立つことをマークにできないかと考えたんです。Tシャツに描かれている動物には、ある共通点があるんですよ」
まあちゃん「え?なんだろう??」
中原さん「実は、気候変動や環境破壊などによって生息地が減っている状況にある絶滅危惧種の動物たちなんです」
まあちゃん「絶滅危惧種?知らなかった……動物園で見ることができる動物ばかりなのに!」
中原さん「身近に感じる動物たちが、実は絶滅の危機にあるということを、このTシャツを通して知ったり、地球環境に興味を抱くきっかけとなってほしいという思いを込めて作っています」
まあちゃん「そうだったんだ…」
Tシャツを着ることが、自然保護につながる
まあちゃん「ほかには、どんな動物が描かれてますか?」
中原さん「2021年の春からは、全部で12種類の動物柄を販売します。パンダ、レッサーパンダ、ジュゴン、ナマケモノなど従来のシリーズにある動物に加え、キリンやライオン、アジアゾウなど新しく登場する動物もいます(※5月下旬販売予定)。また動物が親子で描かれたバージョンも登場しますよ(※5月下旬販売予定)」
まあちゃん「キリンやライオンも!かわいくて楽しみだけど、絶滅危惧種なのか……将来、動物園でも会えなくなっちゃったらさびしい。どうしたら救えるのかな…」
中原さん「Tシャツを買って着てもらうことが、絶滅危機を救う活動に繋がるしくみになっています。Tシャツの売上金の一部を、IUCN-J(国際自然保護連合日本委員会)に寄付しているんですよ」
まあちゃん「すごい!じゃあもっともっと着たいな」
中原さん「大人用のサイズもあるので、親子でおそろいで着ると、外出先でも小さいお子さんが見つけやすく、パパやママの目印になりますね」
まあちゃん「そっか!じゃあ弟にも着せよう!」
Tシャツ素材にも、人と地球へのやさしさが
まあちゃん「Tシャツの柄だけでなく、素材にもこだわりがありますか?」
中原さん「はい、素材はオーガニックコットンを使っています。オーガニックコットンというのは、農薬や化学肥料を使わずに、天然の畑でとれた綿のこと。綿花は虫がつきやすいので、農薬などを使わずに育てるのは大変なのですが、無印良品は、綿を作る農家の人にも地球環境にもやさしく配慮した原料を大切に育てて、継続的に使えるようにしています」
まあちゃん「地球のことをいっぱい考えてるTシャツなんだね!」
中原さん「動物Tシャツだけでなく、無印良品の綿製品の多くはオーガニックコットンを使っています。サステナブル、持続可能な未来のためにできることを大切に考えて、商品を作っているんですよ」
SDGsの目標は何番?
まあちゃん「SDGsの目標でいうと、何番になりますか?」
中原さん「12番『つくる責任つかう責任』です。先ほどお話しした絶滅動物を救うための寄付は14番『海の豊かさを守ろう』や15番『陸の豊かさも守ろう』にもつながっていますね」
3.無印良品のSDGs、こんなのも見つけた!
絶滅危惧種の動物Tシャツシリーズのほかにも、無印良品にはサステナブルな未来のことを考えた商品がたくさんあります。株式会社良品計画・オープンコミュニケーション部の関根さんにもお話を聞きました。
未来を救う食べもの! コオロギせんべい
まあちゃん「コオロギせんべい、最初はいやだったけど、食べたらおいしくってびっくりした!どうしてコオロギにしたんですか?」
関根さん「これから地球上の人口が増え続けると、栄養素のひとつである“たんぱく質”が、牛肉などのお肉だけでは足りなくなる可能性があるのです。そこで、牛肉や豚肉に変わるたんぱく質として、“昆虫”を食べることが注目されているのです。コオロギは体が小さいので、牛や豚よりも飼育場所が狭くても可能なこと、成虫になるのが約35日と早いこと、雑食なので専用のエサを用意しなくても育てられること、といった理由から、コオロギを選びました」
まあちゃん「最初に食べたときは、コオロギって聞いてなかったから、全然わからなかったよ!」
関根さん「無印良品では、コオロギをそのまま食べるのはいやだな、と思う人でもおいしく食べられるように、コオロギをパウダー状にしておせんべいにしました。コオロギはエビやカニなどに近い成分を持っているので、普段なじみのあるエビせんべいに味が似ていますよね」
まあちゃん「うん!いっぱいおかわりしちゃう。これから、コオロギ以外の昆虫も考えられますか?」
関根さん「食品にしやすい昆虫も考えていくかもしれません。まあちゃんはどんな昆虫なら食べてみたいですか?」
まあちゃん「トノサマバッタとかトンボとか…バッタの仲間なら食べられるかも?!」
マイバッグを持とう!
まあちゃん「無印良品のお店で、マイバッグのポスターが貼ってあったよ」
関根さん「お買いものの度にレジ袋をもらうと、どんどんレジ袋が溜まっていき、ゴミになってしまうレジ袋も多いです。また、地面や海がポイ捨てされてゴミとなったレジ袋でいっぱいになってしまいますよね。そこで、無印良品では、繰り返し使えるマイバックを持ってお買いものをしようという働きかけをしているのです。マイバッグを持つことが、地球のゴミの量を減らすこと、そして、地面や海に暮らしている生きものを守ることにつながります」
まあちゃん「私もマイバッグ持つようにする!」
関根さん「お店では、マイバッグでお買いものをすると、 MUJI passport(ムジパスポート)という無印良品のアプリで530マイルがもらえるサービスもしていますよ」
まあちゃん「530マイル!ゴ・ミ・ゼロだ!」
おいしさはそのまま!不揃いバウム
まあちゃん「不揃いバウムは、大好きなおやつ。どうして“不揃い”ってついているの?」
関根さん「工場でバウムを作るときに、両端の形が崩れてしまったり、焼きムラや凸凹になってしまう部分がどうしてもあります。けれど、そうした部分を規格外として廃棄せずに、商品にしているんですよ。見た目は少し不揃いでも、おいしさは変わりません!」
まあちゃん「すっごくおいしい!捨てたらもったいない」
関根さん「“もったいない”も減らせるし、価格もお得なので、おうちでのおやつにぜひどうぞ!」
4.ぼくの・わたしの行動宣言!!
キラキラとした表情でお話を聞いていたまあちゃん。「学校で習ったSDGsの話は難しかったけど、自分にもできることがわかった!」と話してくれました。そして『[1]なるべくマイバッグを持つ [2]動物にやさしくする』と行動宣言。お気に入りのTシャツをきっかけに、商品に込められた意味や思いを知り、今できることを考え、実行するーー未来は今日からはじまっています。