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子どもの頭痛、体のだるさ、眠れない…体調不良の特徴や原因は?対処と予防法

専門家監修 子どもの頭痛 だるさ・不眠【原因・予防法をママ小児科医が解説】

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子どもでも、頭痛や体のだるさ、よく眠れないなど、発熱や風邪症状とは異なる体の不調をうったえることがあります。「気象病」「梅雨不調」という言葉も最近よく聞かれますが、子どもにもあるのでしょうか?子どもの体調不良の原因や対処法について、ママ小児科医の高原先生にお聞きしました。

※当記事は2023年6月20日の取材に基づいています。

髙原麻里子先生(かるがも藤沢クリニック)髙原麻里子先生(かるがも藤沢クリニック)
浜松医科大学卒業。慶應義塾大学病院小児科、伊勢原協同病院などを経て、2015年より現職。

目次(index)

子どもの体調不良の原因となるもの

気象病、梅雨不調は子どもにもあり

気象病や梅雨不調という言葉が聞かれるようになりました。特に、湿気が高くじめじめしている梅雨の時期などは、大人も体調が不安定になりがちです。その大きな理由は、朝晩の寒暖差や低気圧によって自律神経が乱れること

子どもの場合は、大人ほど体調が天候に左右されることはありません。ですが、梅雨時は疲れがたまりやすい時期です。新学期が始まり、ようやく新しい環境に慣れたところに大型連休をはさみ、宿泊学習、運動会などの行事も重なりがち。そんななかで、じめじめとした天候の日が続くと、朝起きられなくなる、頭痛やだるさなどの体調不良を訴えるお子さんも少なくないのです。

子どもはストレスの自覚が苦手

これらの体調不良には、単に体が疲れているだけでなく、精神的なストレスが影響していることも。子どもは「ストレス」を自覚することができず、うまく言語化することもできません。大人は、食欲があるか、よく寝れているか、疲れがたまっていないかなど、日頃の様子をよくみてあげてください。

ストレスがたまっていたとしても、大人の場合は趣味を楽しんだり、外出したり、お酒を飲んだりといった発散方法がたくさんあります。でも子どもにはストレスを発散する選択肢が少ないのです。週末はゆっくり休む、あるいは好きなところに連れて行って思いっきり外で遊ぶなど、子どもがしたいことをする時間をつくってあげましょう。親子で話す時間を多くとり、リフレッシュする方法を一緒に考えるのもいいですね。

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子どもの頭痛の特徴は?

子どもの不調でもっとも気になるのが頭痛や、それに伴う体調不良です。子どもの頭痛で代表的なものは、片頭痛や緊張型頭痛です。片頭痛は、大人と違い頭全体がズキズキ痛む、光や匂いに敏感になる、吐き気がするなどと訴えることがあります。緊張型頭痛は、痛みの程度は軽く、日常生活は問題なく過ごせますが、長く痛むこともあります。

頭痛の原因は? なりやすい子はいる?

寝不足や運動不足、ストレスなどが頭痛の原因になります。最近ではゲームや動画の視聴も頭痛の原因となっています。同じ姿勢や近距離でモニターを見ていると、目の筋肉に力が入り緊張している状態になります。そのため、目や肩などの筋肉の血液の流れが悪くなり、頭痛を引き起こします

また、ママやパパなど家族に頭痛がある場合は、子どもも頭痛になりやすいです。

何科を受診? 受診の目安は?

一般的には、子どもに頭痛の症状が見られたら、まずは小児科を受診しましょう。子どもは頭痛の症状をうまく表現することができません。周りの大人がいろいろ聞いてみても、正しく症状を把握するのは難しいもの。小児科では「どんなときに頭痛になるのか」「何をしたら悪化するのか」など、細かく症状を聞いたうえで、必要であれば痛み止めを処方します。処方した薬が効かない場合や、頭痛が悪化する場合は、再度受診するようにしてください。

つい、「頭痛くらい寝ていれば治る」「たいしたことではない」などと思いがちですが、まれではあるものの、危険な病気が隠れていることもあります。なにより、頭が痛くていちばんつらいのは子ども自身です。運動も勉強も遊びも、頭痛があればできません。子どもの不安を解消し、元気に活動できるようにしてあげるためにも、早めに受診しましょう。また、いつもより激しい頭痛や夜眠れないような頭痛、意識がもうろうとする、といった場合は緊急性が高く、CTやMRIといった画像検査が必要な場合もあるため、すぐに受診してください。

市販の頭痛薬を飲んでもいい?

アセトアミノフェンまたはイブプロフェンの成分が使われているものなら、市販の小児用頭痛薬を服用してかまいません。飲ませるときは、必ず用法用量を守るようにしてください。ただ、何日も痛みが緩和されない場合は、小児科を受診したほうがいいでしょう。

増えている!子どもの「眠れない」不調

頭痛以外にも多くみられる子どもの体調不良には、体がだるい、朝起きられない、食欲不振、吐き気などがありますが、最近多いのは「眠れない」という悩みです。時期に限らず1年を通して見られ、「眠りにつくのに1時間かかります」と相談されることもよくあります。

原因は、頭痛と同様「ゲームや動画視聴」です。寝る直前までスマホやタブレットでブルーライトの明るい画面を見ていると、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制され、眠れなくなってしまうのです。

「ベッドに入る30分から1時間前には、明るい画面を見るのをやめましょう」とお伝えしていますが、これには家族の協力が必要です。周りの大人も、子どもが眠りにつくまでは、スマホやタブレットを見ないようにしましょう。

一番の対策は、生活習慣にあり!

子どもの体調不良の原因

さまざまな頭痛を含め体調不良をなくすには、基本的な生活習慣を整えることがもっとも大切です。新型コロナウイルス感染症の自粛期間をきっかけに、睡眠不足や運動不足の子どもや大人が増えています。家にいる時間が長いと、ついスマホやゲームに手が伸びてしまいます。長時間視聴にならないよう時間制限をする工夫が大切ですが、子どもにだけ押しつけるのではなく、大人も意識をして、家族みんなで習慣を変えることがもっとも効果的です。

また、親子で公園で思いっきりあそぶなど運動習慣も取り入れると、全身の血流もよくなり、適度に疲れ眠りの質もよくなります。特に体調不良が出やすい梅雨時や季節の変わり目には、普段の生活リズムを親子で見直すきっかけにできるといいですね。

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