キャンプでできる自然遊び②【泊まりで使える!夜・朝のネイチャーゲーム編】

キャンプでできる自然遊び②【泊まりで使える!夜・朝のネイチャーゲーム編】

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テントを張って寝泊まりをする、それだけで子どもは十分わくわくするもの。そのわくわくを、自然への興味や好奇心につなげてくれるのが「ネイチャーゲーム」。親も一緒に楽しめて、自然の1日のうつり変わりを感じることができるアイデアがいっぱいです!

ネイチャーゲームインストラクター 宮川知之さん<お話をうかがった人>
ネイチャーゲームインストラクター 宮川知之さん

(公社)日本シェアリングネイチャー協会・戸隠高原自然学校ディレクターを経て、大学や短大、専門学校でのネイチャーゲームリーダー養成など、ネイチャーゲームの普及事業に携わる。山岳ガイドの経験もあり、山キャンプが趣味。思春期の子どもの成長を見守る2児の父親でもあり、幼少期のネイチャーゲーム体験、キャンプ体験が子どもの心にずっと息づいているのを実感中。

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目次(index)

夕方から夜のネイチャーゲーム

キャンプで自然の中に身を置くだけでも1日の変化を感じますが、ネイチャーゲームをすることで、時間によって異なる自然の姿をより深く観察でき、いろいろなおもしろさ、不思議に出合えます。夕方や夜にぜひトライしたい、おすすめのネイチャーゲームを紹介します。

夜へのうつろいを感じる「サンセットウォッチ」

夕暮れどきの空や雲、風、まわりの風景に気持ちを向け、変化を感じとるアクティビティ。
夜ごはんの準備前や、準備中のちょっとした時間に気軽にできます。

「サンセットウォッチ」のやり方

  1. 太陽が沈むころ、日没前に好きな場所で、まわりの自然を眺める。
  2. どんなものが見えたか、どんな音が聞こえたか、肌に何か感じたかなど、思ったことをお互いに話す。

あえて何かを見つけようとしなくてもOK。「暗くなってきたね」「あ、お月さま見えて
きたよ」など、うつろう様子を見ながら親子で一緒に過ごす時間を大切にしましょう。

日中に気づかなかった音が聞こえてくる⁉「音いくつ」

耳をすませて、聞こえてくる音に意識を向けます。どんな時間でもできるゲームですが、日中に比べて静かになる夜に楽しんでみたいゲーム。朝や日中には聞くことのできない音が聞こえたり、気にしていなかった音に気づいたりできます。

「音いくつ」のやり方

  1. 目を閉じて、まわりの音に耳をすませ、いくつ音が聞こえたか数える。

サイトから少し離れた安全な場所、夜寝る前のテントの中でもできます。「風の音がするね」「動物の足音かな⁉」など親子で聞こえた音を伝え合うと、そこから会話もふくらみます。

月明りで見える自然の色に着目する「色いくつ」

自然の色に着目し、いくつ色があったかを数えるゲーム。日中のほうが明るく、色がよくわかりますが、夜の月明りの下でどんな色が見えるのか観察するのも楽しいもの。昼間とは違う自然の色、姿が見えてきます。

「色いくつ」(夜のキャンプバージョン)のやり方

  1. 安全な場所で、周囲の自然のなかにある色を数える。

色をたくさん探そうとしなくてOK。「夜になるとあんまり色がないんだね」「月の光が当たっているところは色が違うね」のように、夜の色に気づくだけでも楽しいです。

1日の始まり!朝のネイチャーゲーム

朝ごはんの用意をして、食事が済んだら、片付けを始めて…と家に帰る段取りを考えると、意外と時間が少ない朝。けれど、昼間とも夜とも違うキラキラするような自然に出合える時間でもあります。起きた後、朝ごはん前の短い時間でも気軽に朝の自然を楽しめるネイチャーゲームを紹介します。

カメラになって、自然一瞬をとらえる「カメラゲーム」

写真家役、カメラ役とペアになって、自然の美しさや不思議さ、おもしろさを瞬間的にとらえるゲーム。カメラになったつもりで目をつむり、パッと見開いた先に見えたものは、キャンプの思い出としても印象深く残るはず。

「カメラゲーム」のやり方

  1. 親が写真家、子どもがカメラになって、親が子どもに見せたいなと思う自然、素敵だな、きれいだな、おもしろいなと思う風景を探す。
  2. 見せたいものが決まったら、子どもに目をつむるように伝え、親は子どもが見える位置に誘導する。
  3. 子どもに、肩をたたいたら目を開けて3秒見て、また目をつむるように伝える。

その場ですぐに、何を見せたかったのかを伝える必要はなく、また、見せたいものと見えたものが違っていても問題ありません。「何が見えた?」と子どもに聞いて、見えたままを受け止めましょう。あとで見えた自然や風景を絵に描いてみるのもおすすめです。

雨だから気づく自然の姿も! 雨のネイチャーゲーム

キャンプで雨が降ると「遊べない…」「テントで過ごすしかない」と思いがち。雨がっぱを着て外に出られる程度の雨であれば、今まで紹介したネイチャーゲームはすべてできます。雨でも外で遊べたら、子どもは大喜び! しかも、雨が降っていることで気づく自然の様子もあります。

宮川さんは、息子さんとのキャンプで雨が降ったときに「音いくつ」をしたことがあるそう。
「タープで過ごしているときに、中学生の息子が『こんなときだから楽しもうよ』と目をつむって音を数え、指を折っているんです。『雨の音が聞こえるよ』と。そして、雨が止んだあとに外に出て、また音いくつを親子でやりました。こうして雨を楽しめるのも、ネイチャーゲームの魅力だと思います」

キャンプとSDGs、「ものがないことの豊かさ」を知る

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私たちの身の回りには食べるもの、着るもの、遊ぶもの、さまざまなものがあふれ便利になっています。しかし同時に、必要以上にものが作られ、消費され、捨てられ、多くの廃棄物が生まれることにつながっています。

そのような暮らしは自然環境に悪影響を与えるとして、SDGsの目標のひとつに「つくる責任、つかう責任」が掲げられています。

キャンプやネイチャーゲームをすることで「つくる責任、つかう責任」や「豊かさとは何か」を考えるきっかけになると宮川さん。
「キャンプの道具はいろいろありますが、すべて持っていくことはできません。運べるだけのものに限られます。その限られた、ものがないなかでやりくりをする。自然があることだけで親も子どもも楽しめる、感動できる。キャンプやネイチャーゲームを通して、ないことの豊かさに気づくことができると思います」

ネイチャーゲームの楽しさを知ると、自然が遊ぶ道具になり、シンプルなことが心地よく感じられます。あふれるものの中、必要なものと、そうではないもののことを親子で考えることができるようになるかもしれません。

ネイチャーゲームのイベントに参加してみよう!

記事で紹介した以外にも、楽しく自然体験ができるネイチャーゲームはたくさん!親子でのネイチャーゲームに慣れてきたら、大人数で楽しめるイベントに参加してみるのもおすすめ。日本全国で、さまざまなネイチャーゲームイベントが開催されているので、週末や夏休みにぜひ参加してみては?

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