2025年のふたご座流星群を観測したい方へ向けて、見頃の日時や観測方法、家族での楽しみ方を解説します。ふたご座流星群は、毎年12月中旬に安定して観測できる年間最大級の流星群。「ふたご座流星群っていつ見られるのだろう?」「どの方角を見ればいいかわからない……」そんな疑問を解決します。
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ふたご座流星群とは三大流星群のひとつ

画像:国立天文台 ふたご座流星群(放射点方向から広がるように流れる流星)
「ふたご座流星群」とは毎年12月上旬~中旬に出現する流星群で、冬の風物詩として知られています。 日本では、1月の「しぶんぎ座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」、そして12月の「ふたご座流星群」が、三大流星群と呼ばれています。なかでも、ふたご座流星群は毎年安定して多くの流星を観察することができます。
ふたご座流星群を観察する前に知っておきたいポイントは、以下の3つです。
- 普通の流れ星との違い
- 母天体「ファエトン」との関係
- 毎年同じ時期に見られる理由
普通の流れ星との違いとは?
ふたご座流星群と普通の流れ星は、生まれ方がまったく違います。
普通の流れ星は、宇宙に浮かぶ小さなゴミのような物が地球にぶつかって光る現象です。いつどこで見られるかはわからないため、偶然見つけられたらラッキーですね。
宇宙の決まった場所にはたくさんの小さな粒が帯のように並んでおり、ふたご座流星群の場合は、地球がその場所を通るときに、まるで花火のようにたくさんの流れ星が流星群として一度に見られるのです。
ふたご座流星群は決まったタイミングで見ることができるので、あらかじめ観察の予定を立てられ、「今日は流れ星がたくさん見える日だよ」と親子で楽しみにできるのが嬉しいポイントです。
母天体「ファエトン」との関係は?
ふたご座流星群を作り出しているのは「ファエトン」という名前の天体です。
ファエトンは直径が約5キロメートルの岩の塊で、太陽の周りをぐるぐると回っています。大きさを身近なもので例えると、東京駅から品川駅までの距離と同じくらいです。
このファエトンが太陽に近づくと、表面から細かい砂粒のような物質がパラパラと宇宙空間に散らばります。それらが長い時間をかけて宇宙に道を作り、地球がその道を通るときに流れ星として見えるのです。
「宇宙の砂の道を地球が通るから、キラキラした流れ星がたくさん見えるんだよ」と説明してあげるとわかりやすいでしょう。この仕組みを知っていると、流れ星を見たときの感動もより深くなりますね。
参考:» 宇宙航空研究開発機構|世界の宇宙ニュース:ふたご座流星群の発生源は、地上で発見された珍しい隕石タイプの母天体?
なぜ毎年同じ時期に見られるの?
ふたご座流星群が毎年同じ時期に観測できる理由は、地球とファエトンの軌道の関係にあります。
地球は太陽の周りを365日かけて公転しており、毎年12月中旬に母天体ファエトンが残した物質の帯を通過します。この通過タイミングは地球の公転周期により決まるため、観測時期が毎年ほぼ一定になるのです。
また、地球から見た放射点(ふたご座の方向)も毎年同じ位置に現れます。これは、物質の帯が宇宙空間の特定の領域に固定されているためです。
このような天体力学的な仕組みにより、ふたご座流星群は毎年12月14日前後をピークとして安定して観測することができ、三大流星群のひとつとして親しまれています。
ふたご座流星群は2025年12月13日~15日が見頃

出典:» 国立天文台|ふたご座流星群が極大(2025年12月)
2025年のふたご座流星群は、12月14日から15日にかけてが一番の見頃となります。流れ星を楽しむために知っておきたいポイントは、以下の3つです。
- 最も見られる時間帯は12月14日夜~15日明け方
- 北東の空から流れ星が四方八方に飛ぶ
- 街明かりの少ない開けた場所がおすすめ
ふたご座流星群が見れる時間帯は?
ふたご座流星群が一番たくさん見られるのは、12月14日夜から15日明け方にかけてです。
14日21時頃にはすでに1時間あたり30個の流星が見えると予想されています。最もたくさんの流れ星が見られるのは14日23時から15日2時頃にかけて、1時間あたり50個程度となる見込みです。
小さな子がいる家庭では、夜9時から11時頃までの時間帯がおすすめです。この時間でも十分にたくさんの流れ星を楽しむことができますし、翌日のことを考えても無理のない時間設定です。また、13日夜から14日明け方にかけても、かなり多くの流星が見えるため、天候に合わせて観測日を選ぶとよいでしょう。
ふたご座流星群が見れる方角は?
ふたご座流星群は、北東の空から四方八方に向かって流れ星が飛んでいきます。
ふたご座にある放射点は、ほぼ一晩中夜空で見えているため、特定の方角だけを見続ける必要はありません。「お空全体を見回してみよう」と声をかけてください。
深夜の2時頃には、放射点がほぼ天頂に位置するため、流れ星が真上から降ってくるように見られます。レジャーシートを敷いて寝転がって観測すると、子どもも楽な姿勢で空を見上げられます。
家族みんなで違う方向を担当して「あっち!」「こっち!」と教え合うのも楽しい方法ですね。
ふたご座流星群が見えやすい場所は?
ふたご座流星群をより多く観測するには、街明かりが少なく空が開けた公園やグラウンド、河原などがおすすめ。マンションの場合は、ベランダからでも観測可能ですが、高い階層で周囲に建物が少ない方向を選んでください。
比較的明るい流星が多いため、都市部の街明かりがある場所でも観測できます。
観測場所選びは安全を最優先に。夜間立ち入り可能か事前確認し、足元が安全で車の通行が少ない場所を選んでください。トイレが近くにある場所だと、小さな子連れでも安心です。
参考:» 国立天文台|ふたご座流星群が極大(2025年12月)
子どもと一緒にふたご座流星群を楽しむための準備

12月の夜空観測では、防寒対策と観測に必要なアイテムの準備が重要です。快適に流れ星を楽しめるよう、しっかりと準備を整えましょう。
●防寒具
12月になり気温が一気に低くなるので、しっかりと防寒を。焦らずにゆっくりと眺めることも星空観察の楽しみのひとつです。家のベランダから眺める場合にも、上着や毛布などで防寒対策をしておくといいですね。
●レジャーシート
星を見るためにずっと上を向いていると、疲れたり首が痛くなったりと、長い時間は見ていられません。
家のベランダからちょこっと眺めるのもいいですが、近くの公園などに出かけてレジャーシートに寝ころびながらの星空観賞もおすすめです。
●ノートと筆記用具
見た日時、方角、見えた星座などを、ぜひメモしておきましょう。時間や日によって見える星が違うことがわかる記録にもなります。絵に描いて記録しておくのも◎。
●懐中電灯
足元や記録するときの手元が見えやすいよう、明かりを持っていると安心。ヘッドライト型だと両手が空くのでより便利です。
●観測に便利なアプリ
星座アプリと天気予報アプリがあると便利です。「Star Walk」や「SkySafari」でふたご座の位置を確認でき、子どもと一緒に星座探しも楽しめます。「tenki.jp」や「ウェザーニュース」では天体観測に適した詳細な天気情報を確認できます。
ただし、観測中にスマホの明るい画面を見ると暗い流れ星が見えにくくなるため、アプリの確認は観測前に済ませましょう。
スマホでの撮影も可能ではありますが、流れ星は一瞬で消えるため撮影タイミングが難しいため、実際に目で見て楽しむことに集中したほうがよいでしょう。記録として残したい場合は、星空全体の写真を数枚撮影し、見えた流れ星の数や時間をメモするだけでも十分な思い出になります。
まとめ|2025年のふたご座流星群を最高の条件で楽しもう!
2025年のふたご座流星群は12月13日から15日にかけてが最大の見頃となります。
夜9時頃から観測を始めれば、子どもでも無理なく楽しめます。北東の空から四方八方に飛ぶ流れ星は、空全体を見渡すことでより多く観測できるでしょう。
観測を成功させるポイントは事前準備です。防寒対策をしっかり行い、レジャーシートや懐中電灯などの必要なアイテムを揃えてください。年に一度の特別な天体ショーを、家族みんなで楽しい思い出にしてくださいね。
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