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岩手県の特産品おもしろ雑学|肉厚ワカメは三陸の厳しい海流で鍛えられておいしくなる

岩手県の特産品「わかめ」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

岩手県で取り上げるのは「ワカメ」。三陸海岸に面する岩手県は、日本を代表するワカメの産地です。味噌汁の具をはじめ、和食の定番食材ですが、意外と知らないワカメの豆知識もたっぷりご紹介します!

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目次(index)

【知る】質もピカイチ!全国屈指の養殖ワカメの生産量

岩手県は、全国でも有数の好漁場である三陸沖でとれた数多くの水産物を提供しています。とりわけ養殖ワカメの生産量は全国2位(令和4年度)。岩手県と隣の宮城県で、全国の生産量の8割を占めます。「三陸岩手わかめ」の名が付くブランドワカメは、品質も定評があります。

岩手県のワカメが有名な理由

わかめ(イメージ)

画像:PIXTA

肉厚で弾力のある食感が特徴の「三陸岩手わかめ」。この食感を生む大きな理由は、北から親潮、南から黒潮が流れ込み、岩手県沖で交わるから。2つの潮がぶつかる厳しい海流にもまれ、親潮と黒潮から豊富な栄養分が供給されることで、良質なワカメが育つのです。

岩手県でのワカメの養殖は、昭和24年(1949)にスタート。当初は天然の種(胞子)を使っていましたが、昭和30年(1955)には、漁業者自らがワカメの雌株(めかぶ)を使って人工的に種を生産する養殖を開始しました。漁業者はワカメに餌を与えることはなく、天然に限りなく近い条件で養殖しています。

なお、JF岩手漁連(岩手県漁業協同組合連合会)では、岩手県で水揚げされた1等級のワカメを認証する制度を導入。JF岩手漁連が認めた「三陸岩手わかめ」には、認証マークが表示されています。

そもそもワカメって何?

岩手県の特産品「わかめ」の解説

水深の浅いところで育ち、日本の沿岸のほとんどで見ることができるワカメは、コンブ科の海藻で、昆布やヒジキ、海苔の仲間。ワカメと昆布は似ていると思われがちですが、見た目がまったく違います。昆布は一枚の帯状なのに対し、ワカメは葉が広がるようにして育つのが特徴です。

陸の植物と同じく、ワカメも海の中で胞子から芽を出し、少しずつ大きくなります。陸の植物と異なるのは「根」の役割。陸の植物は根から栄養を吸収しますが、ワカメの根は岩などに張り付き、流されないように固定するためのもの。根の代わりに葉や茎など体全体で、海の中の栄養を取り込んで成長します。

養殖では、ワカメの胞子の入った水槽に種糸(たねいと)と呼ばれる糸を沈め、胞子を付けます。胞子が付いた種糸を太いロープに挟み込み、海の中でワカメを大きく育ててから収穫します。

縄文時代から食べられていたワカメ

岩手県の特産品「わかめ」の歴史

日本でワカメが食べられるようになったのは、縄文時代からといわれています。事実、青森県の亀ヶ岡遺跡から縄文土器と一緒に、ワカメなどの海藻が発見されています。飛鳥時代の大宝元年(701)に制定された日本最古の法律、大宝律令(たいほうりつりょう)にも、ワカメが登場。現在の税金にあたる「そ税」の一つとして、ワカメが定められていました。

奈良時代の万葉集には、ワカメなどの海藻のことを詠んだ短歌や和歌、長歌が100首近く記録。平安時代になると、味噌汁やおひたし、佃煮などの料理がすでに食べられていました。

江戸時代には、徳島県の「鳴門(なると)わかめ」など産地の名前でおいしさが判断される、今でいうブランドワカメが出現。昭和30年代後半からは三陸地方(岩手県、宮城県、青森県)を中心に、ワカメの養殖が活発に。このようにワカメは、昔から日本人の食生活に欠かせない食材だといえます。

実は毛が生えている!ワカメの部位を知ろう

岩手県の特産品「わかめ」の部位の解説

ワカメは部位によって食感などが異なります。一般的に「ワカメ」としてスーパーなどで見かけるのは、葉の部分の葉体(ようたい)。味噌汁はもちろん、サラダにも合いますよね。茎(中芯・なかしん)は適度な歯ごたえがあり、煮物や漬物などに向いています。雌株(めかぶ)は根元の部分。ヌルヌルした食感が豆腐やご飯などと好相性です。
根元に近い部分の元葉(もとは)は他の部位に比べて短く、とれる量が限られています。肉厚でシャキシャキ、コリコリとした歯ざわりなので、料理のアクセントに用いるのに最適。

また、ワカメの表面をよく見ると、透明の毛が生えているんですよ。これは毛藻(もうそう)と呼ばれる葉体の一部で、ワカメの器官の一つ。何のための器官なのかは、まだ解明されていません。

【つくる】ワカメを使ったおいしく便利なレシピ

子どもが喜びそうな「ワカメふりかけ」と、いつもの味噌汁を手軽に作ることができる「ワカメの味噌玉」のレシピをまとめました。どちらも調理は簡単なので、試してみてくださいね。

子どものおかわり必至アイテム「ワカメふりかけ」

「ワカメふりかけ」(イメージ)

画像:PIXTA

生ワカメの香りを生かしたふりかけは、おうちで食べるのはもちろん、おにぎりやお弁当にも使えます。保存ができて、使い勝手がいいのもポイントです。

ワカメにはマグネシウムやカルシウム、食物繊維など、子どもの成長に欠かせない栄養が豊富。サクサクの食感、ほのかな甘さといりゴマの香ばしさも加わり、子どもも進んで食べてくれるはず!

簡単レシピを紹介

  1. サッとゆでた生ワカメを細かく刻みます。
  2. フライパンに刻んだワカメを入れ、水分を飛ばすように炒めます。
  3. 水分が飛んできたら粉かつおを加えてください。
  4. さらにしょうゆ、めんツユ、みりん、白ゴマを入れて、焦がさないように炒めます。
  5. 完全に水分が飛んだら完成です!

「ワカメの味噌玉」を作って手軽に味噌汁!

「ワカメの味噌玉」(イメージ)

画像:PIXTA

ワカメを使った汁物といえば、やっぱり味噌汁。いつでも手軽に味噌汁を作ることができる味噌玉は、まとめて作っておくと、いろいろな料理にも使えて便利ですよ。冷凍保存も可能です。味噌玉の材料に用いる味噌は、硬めのものがまとまりやすくておすすめ。

簡単レシピを紹介

  1. ボウルに味噌(4人分なら45g程度)、顆粒かつおだし、乾燥ワカメを入れたら、よく混ぜ合わせます。
  2. 4等分にした①に焼き麩(ふ)を加え、ラップで包んで丸く形を整えます。これで味噌玉は、できがあがり。
  3. 味噌汁を作る際にはラップを外し、お好みで味噌玉の周りにとろろ昆布、青海苔、すりゴマなどを転がしながら付けましょう。
  4. 器に味噌玉を入れて、熱湯を注ぐだけですぐ味噌汁に変身!

【学ぶ】ワカメについて学べるスポット

岩手県宮古(みやこ)市にはワカメの生態を学べる科学館、ワカメラーメン&ソフトクリームを味わえる施設があります。おみやげで本場の肉厚ワカメを買うなら、陸前高田市の道の駅へ立ち寄りましょう。

岩手県立水産科学館(岩手県/宮古市)

岩手県立水産科学館の館内(岩手県/宮古市)

全国初の水産専門の科学館が「岩手県立水産科学館」です。ワカメに関する展示コーナーが充実。ワカメとナンブワカメの標本、胞子から成葉(せいよう)になるまでの成長過程の図、養殖に使用する道具などで、ワカメの生態や養殖の歴史について学べます。

約2週間前までの要予約で、漁師の仕事である「ワカメの芯抜き」体験も実施。生ワカメをゆでて塩漬けにした塩蔵(えんぞう)ワカメを使います。茎(芯)と葉を分ける作業に、親子で挑戦してみてください。

住所 岩手県宮古市日立浜町32-28
問合先 0193-63-5353
営業時間 9時~16時30分(最終入館~16時)
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)、12月28日~1月4日
料金 一般310円、学生140円、高校生以下無料、ワカメの芯抜き体験300円
アクセス 公共機関:JR・三陸鉄道宮古駅から岩手県北バス宮古病院行で15分、バス停:浄土ヶ浜パークホテル入口から徒歩1分。または同駅から同バス奥浄土ヶ浜行で21分、バス停:浄土ヶ浜ビジターセンターから徒歩5分
車:三陸沿岸道路宮古南ICから11km20分
駐車場 あり/15台/無料
URL

https://www.city.miyako.iwate.jp/suisan/suisan_kagakukan.html

宮古市重茂水産体験交流館『えんやぁどっと』(岩手県/宮古市)

宮古市重茂水産体験交流館『えんやぁどっと』の「天然わかめラーメン(塩・醤油)」(岩手県/宮古市)

重茂(おもえ)漁業協同組合が運営する「えんやぁどっと」は、漁業や水産加工品の製造、漁師グルメなど、水産業を丸ごと体験できる施設です。食堂では地元産のワカメとめかぶがたっぷりの「天然わかめラーメン(塩・醤油)(750円)」、「カレーライス(600円)」などが楽しめます。黄緑色の「わかめソフトクリーム(400円)」は、どんな味がするのか気になりますね。

地元産ワカメの直売も行っており、新鮮な「肉厚わかめ(300g、1566円)」が買えます!

住所 岩手県宮古市重茂7-33-5
問合先 0193-68-2301(重茂漁業協同組合)
営業時間 売店9時~16時30分、食堂11~14時
定休日 火曜、年末年始
アクセス 公共機関:JR・三陸鉄道宮古駅から岩手県北バスで64分、バス停「自然観察林口」から徒歩2分
車:三陸沿岸道路宮古南ICから13km18分
駐車場 あり/9台(臨時駐車場あり)/無料
URL

https://www.jfomoe.or.jp/

道の駅 高田松原(岩手県/陸前高田市)

道の駅 高田松原の店内(岩手県/陸前高田市)

高田松原津波復興祈念公園内の、新たな賑わいの場として開業した「道の駅 高田松原」。店内にはワカメ、カキ、ホヤなどの海産物、りんごやゆずといった農産物が並び、地元食材をさまざまなメニューで食べられる食堂も注目です。

地元・広田湾でとれたワカメの直売は150g545円~。加工品の「茎わかめ佃煮」「ごま薫る茎わかめ佃煮(各100g289円)」や、珍しい「ワカメソーセージ(5本)(579円)」なども販売。

住所 岩手県陸前高田市気仙町字土手影180 高田松原津波復興祈念公園内
問合先 0192-22-8411
営業時間 9~18時(10~3月は~17時)
定休日 無休
アクセス 公共機関:JR大船渡線BRT奇跡の一本松駅から徒歩1分
車:三陸縦貫自動車道陸前高田長部ICから3.5km5分
駐車場 あり/257台/無料
URL

https://takata-matsubara.com/

【SDGs】岩手県のワカメを自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

岩手県で収穫されるワカメは、環境に負荷をかけず生態系と調和しながら養殖が行われています。この先も、ワカメを変わらず自由に食べたり、守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればいいか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

岩手県の子ども向けSDGsの取り組み

4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標16:平和と公正をすべての人に/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

» マルカングループ

4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標5:ジェンダー平等を実現しよう/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

» 岩手めんこいテレビ