
学業成就や合格祈願におすすめの「大阪天満宮」を徹底レポート。天満宮職員さんに聞く正式な参拝方法や、境内の見どころ、お守りや御朱印など、参拝前に知っておきたい情報が満載です。受験生には「通り抜け参拝」ができる1月上旬〜3月上旬が特に人気ですが、子どもの成績向上や試験の合格などを願って、1年中いつでも訪ねたい神社です。
天神祭で有名な歴史ある神社

大阪天満宮建立の歴史は奈良時代まで遡ります。このとき、都の西北を守る神として「大将軍社」という神社が建立。時代を経て平安時代に菅原道真公が太宰府に向かう途中、この大将軍社へと立ち寄ったことがきっかけで社が建てられ、「大阪天満宮」として名を馳せるようになりました。
日本全国にある天満宮・天神社と同じく菅原道真公をお祀りする神社とあって、受験シーズンには合格祈願で訪れる参拝者がずらり。また日本屈指の祭典「天神祭」や、毎年2月上旬から3月上旬まで行われる「梅まつり」も賑わいます。
駅が近く、電車でのアクセスが便利
最寄駅はJR東西線大阪天満宮駅で、7番出入り口を出て約50m。またはOsaka Metro谷町線・堺筋線南森町駅4番出入り口から南方面に徒歩約4分でも行けます。
車の場合には、境内に無料で止められる駐車場もあります。ただし神事や行事により利用できない場合もあるので、混雑が予想されるときには電車で行くのがベターです。
学業成就や受験合格を祈願しよう!

一般的な参拝料金はとくに必要ありませんが、ご祈祷やご祈願を受けたい場合や、「梅まつり」などの行事の際は別料金を支払って参加します。
【ご祈願の料金】
- 個人諸祈祷(予約不要)/8000円〜
- 初宮詣・自動車清祓(きよはらい)・安産祈願(予約不要)/1万円〜
- 法人・団体(要予約)/3万円〜
ご祈願の実施時間は9時〜17時(最終受付16時30分)で、お守授与所で受付しています。受付から60分前後でご祈祷となりますが、各種行事の際には待ち時間もあるので時間に余裕を持って訪れるとよいでしょう。

大阪天満宮では、優れた学者であった菅原道真公にあやかって、成績向上や試験の合格をお願いしたいところです。受験シーズンに関わらず1年中祈願ができるので、好きなタイミングで訪れてしっかり願掛けしておきましょう!
おすすめの「合格祈願セット」とは?

向かうのは、正門から入って右手側にあるお守り授与所。お守りをはじめ、おみくじや御朱印を授かる場所です。大阪天満宮では「合格祈願セット」(3000円)が設けられていて、絵馬・お札・祈願用紙の3つがいただけます。入試時期にかかわらず、1年中授与しています。

絵馬にはこのように、合格したい具体的な学校名や試験名と名前を書くほか、学業向上や成績向上といった大枠での記載もOK。神様へのお願いごとなので、ニックネームなどではなく本名にしておくのがベターです。

絵馬の裏側に天満宮を代表する絵柄「御神牛(ごしんぎゅう)」が描かれているのも特徴的。菅原道真公が牛と縁が深かった(牛の鳴き声で刺客から難を逃れることができた、丑年生まれであった、道真公の亡き骸を牛車で運び、牛が座り込んで動かなくなった場所を墓所と定めたなど)ことから、神の使いとして大切に扱われています。

絵馬記入所となっているテントが奥に設けられているので、こちらで絵馬と祈願用紙に名前などを記載し、祈願用紙はポストに投入。絵馬は、その奥にある絵馬掛けに掛けて祈願します。

お札は自宅に持ち帰り、神棚かなるべく高い位置で保管しておくのが良いそうです。付属されている赤い小さなお守りは、筆箱や財布に入れて持ち運ぶのが◎。すべて大阪天満宮で一つひとつ祈祷された神聖なものなので、お札にはなるべく手を触れないようにして、ありがたく奉納しておきたいですね。
さらに毎年10月頃〜期間限定で「合格祈願セット」に封入される「登竜門通り抜けの参拝券」は、毎年1月上旬〜3月上旬で行われる「通り抜け参拝」で使用できます。「通り抜け参拝」とは本殿の下にある廊下を通り抜けることで、受験を“通過する”ことを祈願する神事。通り抜ける際に合格できるようお祈りし、通り抜け後に梅昆布茶もいただけます。
執り行われる日時は毎年7、8日間&それぞれ1時間程度と短いため、必ず大阪天満宮の公式サイトを確認のうえ遅れないように行くようにしましょう。
正式な参拝方法も教えてもらいました

天満宮職員の三宅さん
ここからは、知っているようで知らない“正式な参拝方法”をご紹介。教えてくれたのは大阪天満宮で広報企画を担当する三宅隆室長です。

まず鳥居をくぐる際、神様の通り道は真ん中であることを考慮。道を塞がないよう真ん中よりも少し逸れた位置に立ち、一礼してから境内に入ります。

次に手水舎(てみずや)に立ち寄り、手と口を清めます。一般的には柄杓を置いている手水舎が多いですが、大阪天満宮では自動で水が流れるシステムを導入しているので、前に立ち、流れてくる水を手で受けて右手・左手の両方を洗います。さらに手で水を受けて口の中へ入れ、軽く含んでから溝の中に吐き出しましょう。

清めたら本殿の前に。まずは正面に立って一礼します。そして一歩前へ進み、さらに深く一礼します。

顔を上げ、手を高めに上げて「パン」「パン」と二回柏手を打ち、両手を合わせてお祈りします。願い事があればこのときに心を込めて祈りましょう。

祈り終わったら手を下ろし、同じ場所で深く一礼をします。これが「二拝二拍手一拝」と呼ばれる神社での正式な参拝方法です。

お賽銭をする際は、「二拝二拍手一拝」の前に。賽銭箱に届くぐらいの距離から、手のひらを上にして弧を描くような形で放り投げましょう。
参拝後は境内の中を自由に見て回って問題ありません。回る順番などはとくに気にしなくてもよいそうなので、合格祈願セットを授かるもよし、境内を散策するもよし、好きなように自分の時間を過ごしましょう。
大阪天満宮、ここは見ておきたいポイント
歴史ある神社なので境内には見どころがたくさん。訪れた際にはぜひ見ておきたい、重要ポイントを3つご紹介します。
大将軍社

菅原道真公が太宰府へ向かう際に参拝されたとの由縁がある「大将軍社」が今も境内に残されています。かつて道真公がどんな思いでこの地を訪れたのかに思いを馳せながら参拝しましょう。参拝方法は「二拝二拍手一拝」で。
表大門の方位盤

大門を見上げると、装飾性のある丸い大きなものが見えます。これは十二支で方角を示す方位盤。この中で注目したいのが「酉(とり)」の絵柄です。一般的にはにわとりで描かれることの多い「酉」ですが、ここでは鳳凰で描かれています。これは、菅原道真公が太宰府へ向かう途中で道明寺の叔母・覚寿尼(かくじゅに)を訪ね、夜を明かして別れを惜しんでいたところ、にわとりの鳴き声で夜明けが告げられ出立を促された、という言い伝えにちなんだもの。悲しい別れを思い起こすにわとりではなく、艶やかな鳳凰を用いたのだとされています。
境内に咲く梅と「梅まつり」

菅原道真公は生涯にわたって梅花を愛したそうで、大阪天満宮の境内でも梅の花があちこちに植えられ、2月上旬から3月上旬の梅の時期にはより一層華やかになります。

梅の時期には毎年「梅まつり」が行われ、その年ごとの展覧が楽しめます。2025年は「盆梅と刀剣展」と題し、2月11日(火祝)から 3月2日まで開催。参集殿にて樹齢約300年の古木をはじめさまざまな梅とともに、近年人気を集める刀剣を展示していました。
通り抜け鉛筆やお守りをお土産に

受験生がこの鉛筆で勉強したり試験を受けたりすると“通る”と信じられる、「通り抜け鉛筆」(初穂料700円)。大事なときのお守りとしても持っておきたいですね。

大阪天満宮の参拝記念に、お守りをお土産にするのはいかがでしょう。学業成就はもちろん、金運や安産、仕事運などさまざまな祈願ができます。

一味違う形なら、「ランドセル守」(初穂料1000円)などが楽しいです。お守りは常に身につけておくものなので、せっかくなら気分の上がるデザインを選んで持ち歩き時間も楽しみたいところ。

また、御朱印も複数用意されています。手書きで書いてもらえる一般的なものはもちろん、季節限定の華やかな御朱印もあり、収集欲がムズムズ。好みのデザインを探して選んでくださいね!
歴史ある「大阪天満宮」でお祈りすれば百人力!? 学業、仕事、恋愛など、困ったときに訪れてたっぷり祈願してはいかがでしょう。
大阪天満宮
問合先 | 06-6353-0025 |
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住所 | 大阪府大阪市北区天神橋2-1-8 |
参拝時間 | 夏期 5時30分〜18時30分 冬期 6時〜18時 ※ご祈祷やご祈願の受付は9時〜16時30分 |
拝観料 | 無料 |
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