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石川県の特産品おもしろ雑学|ヘルシーな伝統食品「麩(ふ)」は精進料理に大活躍!

石川県の特産品「麩」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

石川県で紹介するのは「麩(ふ)」。白くて柔らかな麩は、日本でいつごろから食べられていたのでしょうか。今回は石川県の麩の世界を巡りましょう。

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目次(index)

【知る】麩はお肉の代用品だった!?色も形もさまざま

中国から日本へ伝わったという麩。いつ伝わったのかについては、奈良時代説と室町時代説があり、はっきりとは分かっていません。当初、麩は仏教とのつながりが深く、肉食がタブーであった修行僧たちにとって大切な食品だったそうです。

麩って何でできているの?

「麩」(イメージ)

体が喜ぶヘルスフード・麩は、種類がとても豊富です。けれど主な原料は、ほとんどの麩の場合、グルテンともち米粉と、シンプルです。グルテンとは小麦粉に水を加えてこねることでできる成分で、粘弾性があります。グルテンともち米粉を混ぜ、水を加えて練り合わせ、麩の生地を作ります。それを蒸す、またはゆでると、もちもちと柔らかな食感の「生麩」ができ上がります。焼くと、ふんわり軽く保存性の高い「焼き麩」になるのです。

健康を維持していくために欠かせない植物性タンパク質が豊富に含まれている麩は、肉や魚の代わりとなる栄養食品として古くから重宝されてきました。

また、麩の主原料である小麦粉にはナトリウムやカルシウム、鉄・亜鉛など、体の調整に欠かせない栄養素・ミネラルが凝縮されています。さらに、保水性が高いので、少ない量でも満腹感を得られます。消化吸収力も高く、ヘルシーな食品として幅広い年齢層の人に親しまれています。

どうして石川県の麩は有名になったの?

麩/出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」

出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」

麩は室町時代から精進料理などに使われていたとされる、日本の伝統食品です。

江戸時代にはグルテンのことを麩と呼んでおり、焼く、炒めるなどして調理していたようです。しかし、グルテンには煮ると分散するという欠点がありました。その課題に挑んだのが加賀藩主・前田家の料理人であった舟木伝内(ふなきでんない)です。

舟木は生地にもち米粉を加え、すだれに包んでゆで、煮崩れしにくい生麩「すだれ麩」を誕生させたと伝わります。すだれ麩は石川県金沢地方の特産品「加賀麩」の一つであり、すだれの跡がついた細長い形状と独特な食感が特徴で、だしを吸いやすく煮物に適しています。

安永4年(1775)に東北地方で書かれたレシピ集「調菜録」や、天明6年(1786)に九州・日田の料理人が書いた「献上料理集」にすだれ麩が記載されており、加賀麩は国内で広く食べられていたと考えられます。

麩は100種類以上あるってホント!?

主な麩の種類/石川県の特産品「麩」

麩は全国各地で、形や大きさ、色合いなどさまざまな特徴のものが生産されており、その種類は100種類にも及ぶといわれます。おもしろいのは、同じ麩でも見た目が大きく異なるところ。原料は似たようなものですが、製法や食感がそれぞれ違う点が興味深いですね。

全国のスーパーで売られている麩の代表格は焼き麩で「小町麩」といい、輪切り状でみそ汁や煮物に使われます。金沢市特有の「加賀麩」にも、いくつか種類があるので紹介します。

【すだれ麩】

加賀地方の特産で、湯葉のような見た目が特徴の生麩です。巻きすの上に伸ばした生地を蒸し、天日干しして作るため、表面にはくっきりと巻きすの跡が残っています。加賀の郷土料理・じぶ煮に必須の食材です。

【車麩】

棒に生地を塗って焼くことを繰り返して作る、タイヤの形をした焼き麩です。煮崩れしにくく、煮込み料理などに向いています。

【よもぎ麩】

生麩によもぎを練り込んだ、鮮やかな緑色の麩。よもぎの香りを感じられ、風味豊かな味わいが特徴です。主に水炊きの具材や田楽にして食べられます。ほかに、ごまやあわ、きびなど、日本の伝統的な食材を練り込んだものもあります。

麩はどうやって食べる?金沢の食文化

麩を使った金沢の郷土料理/石川県の特産品「麩」

和洋中の料理からスイーツまで、幅広く活用できる栄養満点の伝統食材、麩。肉の代用品やフレンチトーストなど、調理法が多彩なことでも知られています。

石川県で麩を使った料理として特に有名なのが、すだれ麩を鴨肉や野菜などと一緒に煮込む「じぶ煮」です。山や海が身近にある石川県金沢市は、海の幸や加賀野菜など、新鮮でおいしい食材が手に入りやすい恵まれた土地です。金沢では地元の食材を「じわもん」と呼び、「じわもん」をふんだんに使った料理を、九谷焼や金沢漆器などの美しい器に盛り付けたものが加賀料理です。「じぶ煮」は加賀料理の一つで、江戸時代から武家や庶民の間で親しまれた。昔は冬の味覚でしたが、今は四季折々の旬の食材と組み合わせることも多く、1年通して食べられます。石川県では結婚式など、お祝いの席に欠かせません。

「金沢おでん」も金沢市を代表する郷土料理です。昆布やかつお節、煮干しなどでとっただしで、車麩や赤と白の渦巻き模様が鮮やかなかまぼこ・赤巻き、加賀野菜の源助だいこんなどを煮込みます。

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【つくる】麩料理を作って食べてみよう!

煮物や揚げ物、スープ、スイーツなど、いろんな料理で重宝される麩。ここでは、自宅で楽しく作れる麩レシピを紹介します。親子でぜひチャレンジしてみてくださいね。

石川県の郷土料理・じぶ煮づくりに挑戦!

石川県の郷土料理・じぶ煮づくり/出典:農林水産省「うちの郷土料理」

出典:農林水産省「うちの郷土料理」

じぶ煮とは、鴨肉とすだれ麩、季節の野菜などを煮た金沢市の郷土料理です。鴨肉が手に入りにくい場合は、鶏肉で代用しましょう。お肉に片栗粉をまぶすことでうま味を閉じ込め、汁にとろみをつけることができます。薬味としてわさびをつけて食べるのが一般的ですが、苦手な人はつけずに味わいましょう。

●簡単にレシピを紹介

  1. 鴨肉(なければ鶏肉)をそぎ切りにします。すだれ麩はたっぷりの水(分量外)で戻して、水気をかたく搾り、食べやすい大きさに切ります。サトイモは皮をむいて下ゆでし、シイタケは石づきを取ります。青菜(ホウレンソウ、小松菜、せりなど)はゆでて、2~3cmに切ります。
  2. 鍋に調味料(薄口しょうゆ、みりん、酒、砂糖、だし汁)を入れて火にかけ、煮立ったら①で用意したすだれ麩、サトイモ、シイタケに、花麩やよもぎ麩などの生麩を入れて煮ます。火が通ったら、鍋から一旦取り出します。
  3. 鴨肉に小麦粉をたっぷりまぶし、②の鍋に入れ、火が通るまで煮ます。
  4. 器にゆでておいた青菜を入れ、②、③を盛り、だしをかけたらできあがりです。

だしが染み染みの麩は食べごたえ十分! 車麩の卵とじ

車麩の卵とじ(イメージ)

食べごたえのある車麩を卵でとじて、ジューシーにいただきましょう。じゅわ〜っとだしが染み込んだ麩はご飯にのせて丼にするのもおすすめ。肉、魚がないときでもしっかりとタンパク質をとることができますよ。ニンジンやタマネギを入れたり、みつばを添えたりしてもおいしいので試してみてくださいね。

●簡単にレシピを紹介

  1. 車麩は50℃ぐらいのぬるま湯に20分ほど浸して戻します。水を含んでスポンジ状になったら、取り出して手のひらでぎゅっと2、3回水気をしぼり、半分に切ります。
  2. 鍋に水300ml、めんつゆ100mlを入れて煮立て、①を加えて7〜8分煮て味を含ませます。
  3. 卵を軽く溶きほぐして鍋に回し入れ、フタをします。卵が半熟状になったら火を止めます。
  4. 鍋に入れた状態で3分ほど放置してから器に盛りつけ、刻んだ青ネギをのせます。

おやつ感覚で味わう!麩ラスク

麩でラスクを作ろう/石川県の特産品「麩」

スーパーでもよく見かける一般的な焼き麩を使って、簡単に作れる麩のラスクのレシピを紹介します。バターとミルク、砂糖を絡めて焼き上げるので、サクサクと香ばしくまろやかな味です。軽い食感でかみ砕きやすいので、子どもから大人までおいしく楽しめます。

●簡単にレシピを紹介

  1. フライパンに砂糖、バター、牛乳を入れて弱火で溶かします。
  2. 溶けたら焼き麩を入れ、汁気がなくなるまで手早く混ぜながら弱火で①を絡めます。全体に絡めたら、そのまま弱火で1分ほど炒めます。お麩がくっついたらはがしましょう。
  3. ②をフライパンから取り出します。このまま食べてもサクサクしておいしいのですが、よりカリッと香ばしく仕上げたいときはトースターで1分ほど加熱します。焦げやすいので気をつけて。
  4. 粗熱がとれたら器に盛りつけて、めし上がれ。

【学ぶ】麩について学べるスポット

石川県内にある、加賀麩の老舗でおみやげをゲットしましょう。また、加賀麩を使った料理やスイーツを味わえるカフェ、麩まんじゅうや生麩ソフトをテイクアウトできるお店にも足を運んで、麩の奥深い魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

加賀麸司 宮田 本店(石川県/金沢市)

加賀麸司 宮田 本店(石川県/金沢市)

明治8年(1875)の創業以来、麸一筋で丹念に手作りする「加賀麩司 宮田」の本店は、金沢の古い町並みが残る一角にあります。

国産小麦グルテンに国産小麦粉を加え、よく練って木の棒に巻き、こんがりと焼き上げた「車麸」(16枚入550円)は、煮物、鍋物、すきやきなどにぴったりです。

住所 石川県金沢市東山3-16-7
問合先 076-252-0071
営業時間 10時~16時30分
定休日 水曜、毎月最終日曜
アクセス 公共交通:JR金沢駅→金沢ふらっとバスで約10分、バス停:彦三北から徒歩3分
車:北陸自動車道金沢東ICから県道200号経由4.8km12分
駐車場 あり/2台/無料
URL

http://www.kagafu.co.jp/contents/shop.html

カフェ 加賀麩不室屋(石川県/金沢市)

カフェ 加賀麩不室屋(石川県/金沢市)

※写真はイメージ。料理内容は変更の場合があります

慶応元年(1865)創業の老舗「加賀麩不室屋」が手がけるカフェ。創業当時の製法、味、技を150年以上守り続ける加賀麩を使ったスイーツや料理を味わえます。

小皿料理のお膳「加賀麩とりどり膳」(写真・2400円)をはじめ、車麩を用いたフレンチトーストや、生麩のもちもちとした食感を楽しめるあんみつやパフェなど、多彩なメニューで加賀麩のヘルシーなおいしさを堪能できます。

住所 石川県金沢市木ノ新保町7-1-1 JR金沢駅構内金沢百番街・あんと西 百番キッチン1F
問合先 076-235-2322
営業時間 9~21時(20時LO)
定休日 金沢百番街に準ずる
アクセス 公共交通:JR金沢駅改札すぐ
車:北陸自動車道金沢西ICから4.9km13分
駐車場 なし ※近隣に提携駐車場あり(タイムズ百番駅西パーキング・タイムズ金沢駅屋上駐車場・金沢駅西口時計駐車場)
URL

https://www.fumuroya.co.jp/shop-list/cafe-kagafufumuroya/

加賀麸匠 一(石川県/金沢市)

加賀麸匠 一(石川県/金沢市)

国産原料にこだわり、一つずつ丁寧に手づくりする生麸、麸まんじゅうの専門店「加賀麸匠 一」。

店内には「蓬」、「柚子」、「胡麻」、「粟」、「棒茶」、「白」と6種類の生麩などが並びます。生麩は加熱せず、黒蜜をつけて「デザートとしておいしくいただけることも知ってほしい」という思いから考案された「生麩ソフトクリーム」(650円)を食べて、生麩のすばらしさを満喫しましょう。

住所 石川県金沢市藤江北3-301
問合先 076-204-6709
営業時間 10~17時
定休日 日曜
アクセス 公共交通:JR金沢駅→北鉄バスで14分、バス停:藤江北から徒歩1分
車:北陸自動車道金沢西ICから国道8号経由4.3km8分
駐車場 あり/3台/無料
URL

https://www.instagram.com/kagafusho.hajime/

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【SDGs】石川県の麩を自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

石川県の子ども向けSDGsの取り組み

1:貧困をなくそう/SDGsの目標3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

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1:貧困をなくそう/SDGsの目標2:飢餓をゼロに/SDGsの目標3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標5:ジェンダー平等を実現しよう/SDGsの目標10:人や国の不平等をなくそう/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標12:つくる責任 つかう責任/SDGsの目標13:気候変動に具体的な対策を/SDGsの目標14:海の豊かさを守ろう/SDGsの目標15:陸の豊かさも守ろう/SDGsの目標16:平和と公正をすべての人に/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

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