withコロナの夏休み、旅行や帰省は大丈夫?小児科パパ医師に聞くポイントと過ごし方

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親子イメージ/withコロナの夏休み、ポイントと過ごし方

誰もが経験したことないwithコロナの夏休み。政府による観光需要政策「Go To トラベルキャンペーン」は7月22日から開始されますが、旅行やお出かけ、帰省はどうしたらいいのでしょうか?子どもがいるご家庭が特に考えるべきポイントを、小児科医で三児のパパでもある帝京大学医学部附属溝口病院の黒澤照喜先生にお聞きしました。

※本記事は取材時(2020年7月14日時点)の情報に基づいています。

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(監修)黒澤照喜先生(帝京大学医学部附属溝口病院小児科)
東京大学医学部卒業。同大学附属病院小児科、都立府中病院、わだ小児科・循環器内科医院などを経て、2017年より現職。

目次(index)

withコロナの夏休み、家族で守るべきこと

親子イメージ/withコロナの夏休み、ポイントと過ごし方

Q.新型コロナの現在の状況は?春の流行時との違いはありますか?

A.7月に入ってから東京都を中心に多くの新型コロナ患者さんが見つかっています。春の流行時と比べて、ウイルスの特性や病気の様相が変化したという報告は特にありませんが、現時点では以下のような違いが見られます。

<最近の新型コロナ感染の状況>

  • 夜の繁華街の従業員・利用者を中心とした、20代・30代の患者が増加。
  • 以前より、PCR検査は必要な層に積極的に実施されているため、前は見逃されていたかもしれない患者も見つかっている。
  • 患者の年齢層が下がったため、重症化している人数は春の流行時ほどにはなっていない。

こうした状況から、現時点では緊急事態宣言などは出されない見込みです。しかし、無症状で活動範囲が広い年齢層の感染者から、新たな感染が広がっている可能性があります。

Q.新しい生活様式/ニューノーマルという言葉をよく聞きますが、やはり大切ですか?

A.withコロナの生活下において、ニューノーマル(新しい生活様式)を家族みんなで共有し、守っていくことが感染予防、そして、コロナの終息につながります。小さなお子さんにも、わかる範囲で、わかる言葉で伝えてあげるといいですね。
これまでの休校対策や外出自粛対策などで、子どもたちはたびたび生活の変化を体験してきましたが、夏休みに入ると、また生活リズムが変わります。ですから、今一度あらためて、家族で守るべきことを話し合い、お互いに協力しながら過ごしていくことが大切だと思います。

<withコロナ、家族で守るべきこと>

  • パパ、ママを含めた大人が、夜の繁華街の利用を控える。
  • 3密の状態となる場所にはなるべく近寄らない。
  • マスク、手洗いをしっかりと。
    (マスクは2歳未満のお子さんは使用しないでください)
  • 風邪気味の時は新型コロナかどうかにかかわらず、できる限り外出は控える。

また、withコロナの「新しい生活様式」の実践例が厚生労働省から発信されているので、見ておくとよいでしょう。
●新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例(厚生労働省)

夏休みの旅行や帰省、考えるべき6つのポイント

川で遊ぶ子供イメージ/withコロナの夏休み、ポイントと過ごし方

Q.今年の夏休み、家族旅行は行ってもいいのでしょうか?

A.ステイホームを続けたことで、お子さんもご家族も疲れ・ストレスが溜まっていると思います。節度のあるお出かけ・旅行は、心身を健やかに保つためにもよいのではないでしょうか。また、旅行に行くことによって、コロナ禍で疲弊した観光地への援助にもなります。
ただし、状況は刻々と変化する可能性もあります。以下のことを家族みんなでよく考え、判断・行動することが大切です。

<夏の旅行、考えるべき6つのポイント>

  1. 山や海など、屋外で換気のよい場所を選ぶ。
    屋内の場合は、入場制限や換気対策などがしっかりされているところを選ぶ。
  2. コロナ対策がしっかりしている観光先、宿を選ぶ。また、可能なら車移動を。
  3. 旅行の予定をたてたら、その数日前からゆとりを持った生活を送るよう心がけ、体調を整える
  4. 政府や自治体が発信する、最新の移動制限情報を随時確認して、判断する。
  5. 家族の中に体調不良の人がいたら、こじらせたり周囲にうつさないためにも、
    キャンセルをためらわないこと。キャンセル無料の宿を探してみるのもいいでしょう。
  6. 体温計を持参するなどして、旅先でも体調管理に務める。

Q.日帰りできる近隣のレジャーなどのお出かけは?

A.基本的には上記の旅行と同じです。日帰りはあわただしいかもしれませんが、計画変更がしやすかったり、体力の消耗が比較的軽いなどのメリットがあると思います。
withコロナの夏休みだからこそ、日帰りで行ける良いお出かけ場所を探してみるというのも、新たな発見や楽しみになるかもしれませんね。

Q.帰省したいのですが、今夏はやはり控えるべきですか?

帰省する親子イメージ/withコロナの夏休み、ポイントと過ごし方

A.現時点では、国民全員に対して移動制限が呼びかけられているわけではありません。ただし、日々状況が変わりますので、必ず最新の情報を確認し、可否を判断してください。
家族全員に風邪症状などが見られず、上記の<withコロナ、家族で守るべきこと>に書いたような感染予防策が守られていて、帰省先の人たちが希望するならば、帰省をしてもよいと思います。

ただし、移動の際に3密が発生しそうな状況(例えば満員電車に乗る)はできる限り避けることが賢明です。飛行機や新幹線は、空気が循環するようにしっかりとした換気対策がされているようなので、とりたてて心配をする必要はないでしょう。各航空会社や交通機関のコロナ対策もチェックしてみると安心できます。

もちろん、オンライン帰省も一つの手です。安全に帰省ができないと考えられる場合や、やはり不安がつきまとうという場合にはおすすめです。

<各航空会社・交通機関のコロナ対策はこちら>

小児科医パパの夏休みの過ごし方

Q.小児科医であり三児のパパでもある黒澤先生は、どのように夏休みを過ごす予定ですか?

A.昆虫好きの子どもがいるわが家は、昆虫観察を楽しめる旅行を計画しています。3密を避けられるような行先やアクティビティを、家族でゲーム感覚で考えています。
また、予約変更できるようにゆとりを持った計画をする、旅行を楽しみにしながらそれを目指して体調を整える、などの工夫も心がけています。

誰もが経験したことのないwithコロナの夏休み。以前のように自由に計画をたてられない制限はあるかもしれませんが、家族みんなで話し合いながら、楽しく過ごしたいと思います。

※本記事は、取材時(2020年7月14日時点)の状況によるものです。
新型コロナウイルスに関する情報は、日夜変化しています。信頼できる情報源をあたるようにしましょう。

<参考>
●厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」最新情報

●文部科学省「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について」最新情報

●日本小児科学会 新型コロナ関連情報

<黒澤先生の記事>
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(配信日:2020年8月19日)
» 小児科のパパ医師がアドバイス。緊急事態宣言下、親子で3密を避けるポイントとは?【コロナ対策】
(配信日:2020年4月23日)
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