普段歩いている道ばたや近所の公園などで拾える「落ち葉」を使って、工作遊びをしてみませんか?小さな子でも楽しめる見立てアートや、色鉛筆を使ったフロッタージュというモダンアートの技法を使った遊びもご紹介。クリエイターとして活躍するとみこはん先生と4歳・5歳の子どもたち&ママによるリアルワークショップでお届けします。かわいい葉っぱの動物がたくさん登場しますよ!
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監修:とみこはん
消しゴム版画家・イラストレーターとして、書籍・雑誌・広告・Web等あらゆるメディアで活躍。人物・食べ物・旅などをテーマにした温かみのある作品は、親子そろってのファンも多い。子どもも楽しめるワークショップを国内外で開催し、ものづくりの楽しさを伝えている。オアシズ・光浦靖子さん率いる「ブッス!手芸部」部員。
Instagram:とみこはん◆食べて旅する消しゴムはんこ
1. 落ち葉アートは、特別な道具いらず!
落ち葉アートの準備は、家の周りや近所の公園などで落ち葉を拾い集めるだけ!特別な道具は必要ありません。
「普段使っているクレヨンや色鉛筆があればOK!あとは、親子で一緒に作ることで、子どもの発想はどんどん広がっていきますよ。指先を使うので、脳もたくさん刺激されますね」(とみこはん先生)
もしも余裕があるなら、葉の汚れを軽く拭いたり、押し葉をして丸まりをとる一手間をかけるのもおすすめです。
<押し葉の手順>
- 軽く濡らしたキッチンペーパーやガーゼなどで、やさしく葉をこすり汚れを拭き取ります。
- 拭いた葉の前後を新聞紙やティッシュなどではさみ、分厚い本などに挟んで、2日ほど置きましょう。
2.何に見える?見立てアート
落ち葉といえども、それは自然からの贈りもの。いろいろな形、いろいろな色、ひとつとして同じものはありません。好きな向きに置いたり重ねたりして、自由に形を作ってみましょう。
「あえて貼りつけずに、何度もトライができる気軽さで楽しんで。好きな色の色紙の上でやると、よりウキウキして楽しめますよ。写真映えもします」(とみこはん先生)
ハリネズミ、ライオン、ティラノサウルスも!
●恐竜の足跡
葉っぱを見るなり「これ、恐竜の足みたい!」と目が輝いた子どもたち。ドシドシドシと、足跡みたいに並べたよ。この何気ない見立てから発想が広がり、のちに大作が生まれることに!
●おもしろい顔
なんとも言えない味のある表情!小さい葉っぱを並べて、福笑い風に遊びました。
「実物の形にとらわれない自由な発想は、むしろ子どもの方が得意です。落ち葉は形が不揃いだからこそ、絶妙なバランスや表情が生まれますね!」(とみこはん先生)
●ハリネズミ
大好きなハリネズミを作ったよ。左は5歳児、右はママの作品。追いかけっこをしているみたい!
●ライオン
ガオーー!! と声が聞こえてきそうなライオンさん。 とみこはん先生がオスを作ったら、「私もー!」と子どもたちはメスを作りました。
「葉っぱを使うと、ライオンのモサモサっとした感じや勇ましさがよく伝わりますね。オスとメスの違いもよく出ています!葉の色や形に気づくこともできる工作です。」(とみこはん先生)
●ティラノサウルス VS ステゴサウルス
一番最初の「恐竜の足跡」をきっかけに、なんの恐竜が好き?と会話がはずみ、なんと本物の恐竜を作り出した子どもたち。ティラノに狙われるステゴ、逃げて〜!
●カレーライス
お腹空いたなあ〜と言いながら出来上がったのは、子どもたちが大好物だというカレーライス!
「葉っぱの色合いもカレーライスにぴったり。おままごと感覚で作れるのもGOOD!ご飯やスプーンは、無理をせずに手描きで書いちゃいました。食欲がしなやかな発想力につながって、工作を楽しむヒントになりましたね」(とみこはん先生)
作った作品の活用アイディア1
工作は楽しいけれど、作品の保管に悩むママパパの声もよく聞かれます。
「工作作品はまさに一期一会の世界。その時、その年齢でしか作れないものなので、写真に撮って記録に残すといいですね。デジタルで残せば、プリントしたりなど、工作後も気軽に楽しむことができますよ」(とみこはん先生)
●写真を撮ってプリントして額に
お部屋のインテリアにぴったり!「これ私がつくったのよ!」
●スマホの待ち受け画面に
ママのスマホの待ち受けに!
3.フロッタージュでこすりアート
フロッタージュとは、モダンアートの技法のひとつで、こすり絵のこと。フランス語の「frotter(こする)」に由来します。今回は、落ち葉を使ってフロッタージュで遊んでみましょう。
フロッタージュのやり方と素材
●フロッタージュのやり方
凹凸がある素材の上に紙をおき、色鉛筆やクレパス、クレヨンなどの描画材でこすることで、素材の凹凸や形を写し取ります。素材の凹凸具合、紙の素材、描画材の違い、こする強度など、すべてが偶然性によってオリジナルな形が生まれるのが、フロッタージュの楽しみです。
●フロッタージュのおすすめ素材
- <凹凸がある素材>
葉っぱの中でも、特に秋冬の落ち葉は、水分が少なく、乾燥して葉脈がくっきりとしているものが多いので、フロッタージュには特におすすめ。そのほか、木目、石やマンホール、コイン、レースなど、適度に凹凸があるものを、身近で探してみるのも楽しいですね。 - <紙>
薄めの紙で、こすっても破けにくいもの。コピー用紙などの上質紙、和紙、トレーシングペーパーなどがおすすめ。厚紙は向いていません。 - <描画材>
色鉛筆、クーピー、クレパス、クレヨンなど、適度な硬度があるもの。色鉛筆とクーピーは葉の凹凸がきれいに出やすいですが、芯が細い分、手が小さな年齢の子は手数がかかる面も。2-3歳ぐらいの子は、力があまり要らないクレヨンやクレパスからチャレンジしてみるといいでしょう。水彩などの絵の具は、フロッタージュには不向きです。
葉っぱのフロッタージュに挑戦!
●誰もがリトルアーティスト!
好きな色で自由に葉っぱをこするだけで、誰がやっても立派なアート作品が仕上がります。
「葉っぱというアイテムだけでも、こんなにいろいろな世界が生まれますよ」(とみこはん先生)
●2色使いやレインボー
2本の色鉛筆を使ったら、カラフルでとてもきれい!
「3−4歳ぐらいの子は、芯が柔らく、力があまり要らないクレヨンやクレパスを使うのがおすすめ。5-6歳になると鉛筆の持ち方が上手になるので、こうした2本使いなどのアイディアもどんどん出てきますね」(とみこはん先生)
●フロッタージュでハリネズミとライオン!
見立てアートで作ったハリネズミとライオンを、親子でフロッタージュでも作ってみました。
「葉っぱの重なりをたてがみや針に使うアイディアがいいですね!“落ち葉動物園”が作れそうですね」(とみこはん先生)
作った作品の活用アイディア2
できた作品を写真にとり、ママのオンライン会議で壁紙に使用。「背景が素敵!」と仕事仲間に好評!
4.落ち葉でペタペタアート
スタンプ用インクパッドで、落ち葉のペタペタアートを作ってみましょう。
「子どもはスタンプが大好きですよね!インクパッドはスポンジなので力が要らず、小さな子でも楽しくペタペタできますよ。スポンジならではの、ふわっとした独特の風合いもぜひ楽しんで」(とみこはん先生)
インクパッドは、文具店や雑貨店、100均などで購入することができます。
とみこはん流!ペタペタアートのやり方
今回のポイントは、インクパッドを手に持ち、葉っぱにインクを直接ペタペタすること。
「スタンプというと、普通はスタンプを手に持ってインクをつけますが、今回は逆です!インクパッドの方を持って、葉にペタペタします」(とみこはん先生)
では、ポストカードを作ってみましょう。
まず、ポストカードの上に、葉を置きます。
インクパッドを持ち、葉の輪郭のまわりにスポンジ側をポンポンと押すようにして色づけします。
葉っぱの形が浮き上がりました!
動物、お手紙、お寿司まで?!
●かわいい動物たち
みんなでチャレンジした葉っぱのペタペタアートで、かわいい動物たちの作品が出来上がりました!
「複数の葉を使ってみたり、インクの色を変えたりなど、自由なアイディアがたくさん出てきますね!」(とみこはん先生)
緑の犬のポストカードはとみこはん先生の作品。葉っぱを犬に見立てました!
●お手紙を贈ろう
こちらは、浮き上がった葉の部分に絵を描いたり、お手紙にした作品。
「こういう時代だからこそ、手書きのお手紙は嬉しいですよね。かわいいポストカードができたから、おばあちゃんに送ろうかな、というきっかけにもなったら素敵です」(とみこはん先生)
●寿司食いネエ!
さらに、ペタペタしてインクがついた葉っぱを活用して、とみこはん先生がこんな大作を作成!
葉っぱを白と赤に塗って重ねただけで、本当にマグロに見えるから不思議です。どれもおいしそう〜!
「工作は、正解がありません。きれいに作ろう、上手に作ろうと思わずに、子どもと一緒に自由に手を動かしながら、“発見”を楽しんでください!」ととみこはん先生。今度の週末は、さっそく落ち葉を拾いに行って、落ち葉アートをしてみませんか?
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