大阪・堺市に、四季折々の味覚狩りが楽しめる「観光農園南楽園(なんらくえん)」があります。「南大阪の中核都市で味覚狩り?」と思われる方もいるかもしれませんが、ここは自然豊かでのどかな農園。大阪市内から少し足を延ばすだけで、季節を感じる味覚狩りをはじめ自然とのふれあいを堪能できます。特にみかん狩りは、アスレチックや釣りなど遊びながら1日中家族で楽しめるからおすすめ。都会であることを忘れるほど、気軽に自然を感じられる“遊び”をご紹介しましょう。
みかん狩りは時間制限無しの食べ放題!
農林水産大臣賞を2度も受賞している「観光農園南楽園」(以降、南楽園)。一歩そこに踏み入れば、都会の喧騒が、鳥のさえずりや虫の鳴き声に代わります。約12ヘクタールの敷地(甲子園球場の約3倍の広さ)には、みかんを中心とした果樹をはじめ、畑やつり池、フィールドアスレチックなどなど、1日中楽しめるしかけが盛りだくさん。その日遊べる内容は受付でチェック!スタッフに気軽に声をかけてくださいね。
おいしそうな温州みかん
10月上旬から12月上旬のお楽しみは、みかん狩り。南楽園では、営業時間内なら何個でも温州みかんが食べ放題なんです。みかんを食べて、広場で遊んでのどが乾いたら、またみかんを食べて…なあ~んて、思いのままにみかん三昧。
取材時は9月中旬、青々としたみかんが実っていました
みかんの木がある畑は、他よりも少し急な斜面です。足元はスニーカー必須。改札から畑の下までは、スロープなのでベビーカーでも入ることが出来ますが、ガタガタ振動が気になる方は抱っこ紐やベビースリングなどのご用意を。
お目当てのみかん畑に入りましょう。みかんの枝は、重みで下がっています。小さな子どもの手が届く場所にもみかんがいっぱい。
おいしそうなみかんを見つけたら、優しくみかんを持って、水平に同じ方向にくるくると3回ほど回しましょう。みかんはスルッと枝から離れ手のひらの中へ。ハサミは使わなくても大丈夫だから、小さな子どもも安心です。
写真はイメージです
美味しいみかんは、皮の表面のきめが細かいのが特徴。採れたてのみかんは酸味をより感じるそうなので「ちょっと酸っぱいな」と思ったら、次に選んだみかんは、皮をむく前に両手で優しくもんであげると酸味が和らぎ、甘味を感じやすくなります。
酸味は収穫後の時間の経過と共に徐々に薄れてゆきます。酸っぱさを感じるのは、新鮮であることの証なんです。
広場を中心にぐるっと植えられたみかんの木は約2000本。虫好きの子どもは虫かごや網を持って行っても楽しめます。
広場ではピクニックシートや簡易テントを広げてもOKなので、好きな場所でくつろげます。広場の隣にある、屋根付きの大きなテラスは、ちょっと休憩をしたりお弁当を食べたり、雨がパラパラ降ってきた時の待避所としても便利です。雨具やウエットティッシュを準備しておくと安心ですね。
園内ではゴミの分別を徹底しています。こちらは梨狩りのゴミの分別
食べ終わったみかんの皮は受付で渡されたビニール袋に入れます。帰り際、改札口(入口)で用意されたゴミ箱に分別しましょう。南楽園の外から持ち込んだもののゴミは、持ち帰るのがマナーとルールです。公共の乗り物などで持ち帰るのが面倒だと感じたら、スタッフに声掛けをしましょう。環境保全費(50円/1名)を支払って処分してもらえます。
■みかん狩り
- 収穫時期:10月上旬~12月上旬
- 品種:温州
- 本数:約2000本
- 食べ放題:あり/時間無制限
- 料金:時間無制限食べ放題:大人1000円、子ども(小学生)750円、幼児500円
※入園料込 - 収穫販売:12月以降に限り、自身で収穫したみかんの量(重さ)に応じて購入可能
※入園時に受付で確認
秋は、ぶどう狩り・梨狩り、さつまいも掘りも!
南楽園の秋は、みかん以外の果物もたくさん実っています。
ぶどう狩り
8月中旬から9月中旬まで楽しめるのが、ぶどう狩りです。中粒で味が濃厚なぶどうには種がありますが、ホルモン剤を使っていないことの証です。
ぶどう畑の入口で、バケツ2種類(収穫したぶどうの水洗い用、食べた後のゴミ用)とハサミを借ります。水洗い用のバケツには水を張って畑に入ります。
ぶどうを被っている袋は、横をそっと開くと中の成長状況がわかる仕組みです。大きく育ったぶどうを見つけたら袋のすぐ上にハサミを入れて袋ごと収穫します。
■ぶどう狩り
- 収穫時期:8月中旬~9月中旬
- 品種:アーリースチューベン、キャンベル、スチューベン、ベリーA
- 本数:約70本
- 食べ放題:あり/時間無制限
- 料金:時間無制限食べ放題:大人1300円、子ども(小学生)1000円、幼児700円
※入園料別途要、大人300円、子ども(小学生)250円、幼児200円
梨狩り
プラスチック製のナイフを上手に使える子どもも
梨狩りは、8月中旬~10月上旬。10月からは、みかん狩りも一緒に楽しめますよ。梨畑の入口でプラスチック製のナイフとゴミを入れるバケツを借りて畑へ。
大きくて、しっかりと色づいたものを収穫しましょう。袋で被われたものは、袋がパンパンに張ったものを選んでね。採れたての梨は、みずみずしくてとってもジューシーです。新鮮だから味わえるサクッとした歯ごたえも楽しんで。
■梨狩り
- 収穫時期:8月下旬~10月上旬
- 品種:豊水、新興、長十郎
- 本数:約100本
- 食べ放題:あり/時間無制限
- 料金:時間無制限食べ放題:大人1300円、子ども(小学生)1000円、幼児700円
※入園料別途要、~9月/大人300円、子ども(小学生)250円、幼児200円、10~12月は入園料がみかん狩りとセット/大人1000円、子ども(小学生)750円、幼児500円
さつまいも掘り
9月上旬~10月下旬は、さつまいも掘りができます。貸し出してくれるしゃもじと手を使って、掘り出したさつまいもはお土産に。持ち帰ったさつまいもはどう料理して食べる?なんて家族でおしゃべりしながら土と触れ合ってくださいね。
■さつまいも掘り
- 収穫時期:9月上旬~10月下旬
- 品種:ナルトキントキ他
- 本数:約5000本
- 食べ放題:なし
- 料金:味覚狩り料金:1株300円
※入園料別途要、~9月/大人300円、子ども(小学生)250円、幼児200円、10~12月は入園料がみかん狩りとセット/大人1000円、子ども(小学生)750円、幼児500円
その他の味覚狩り
受付へ続く道路の左には、さつまいもなどの畑やいちごのビニールハウスが
他にも、11月上旬から中旬は「だいこん引き」、3月から6月上旬は「あまなつみかん狩り」、4月上旬から6月中旬は「いちご狩り」、5月下旬から6月下旬は「じゃがいも掘り」、6月下旬から7月上旬は「すもも狩り」と、味覚狩りは年間を通して9種類あります。
詳しい情報は、公式サイトをチェックしてくださいね。
ランチはお弁当持ち込みや園内レストランを利用
屋根付きの休憩スペース隣の赤い屋根はバーベキューハウス
お弁当持込みOKの南楽園。園内にある広場でピクニックシートを広げたり、屋根があるテラスのテーブルやイスを利用してお弁当を食べましょう。現在はコロナ禍で休止中ですが、バーベキューハウスや食堂、洞窟喫茶もあります。
焼肉Bコース(ごはん付)写真は大3人前
バーベキューハウスでは、緑を感じながら焼肉ランチもいただけます。事前予約をしておけば、手ぶらでOK、屋根があるので、雨ふりでも安心です。
- Sコース:大5500円、小3500円
- Aコース:大3500円、小2500円
- Bコース:大2800円、小2000円
- Cコース:大人2300円、子ども(小学生)1800円、幼児1500円
予約が基本ですが、Cコースは当日申込みがOKの場合もあるので、受付で確認してください。
また、食堂売店では、うどん(600円)やカレーライス(600円)などもいただけます(コロナ禍に関わらず、閑散期は営業していません)。
洞窟喫茶かがしの店内
洞窟喫茶「かがし」は、第二次世界大戦中に旧陸軍が医薬品を貯蔵するために掘った奥行き約25m、幅約2mの洞窟を喫茶店にしたもの。店名の「かがし」は、案山子のことをこの地域では“かがし”と言い、そこから名づけられました。
ドリンク中心のメニュー
かがしでは、南楽園で採れた果物を使ったドリンクが人気です。夏は涼しく冬は暖かいという洞窟内は天然の空調が効いています。ちょっと薄暗い雰囲気は、大人も子どももワクワク。どの施設も再開するのが楽しみですね。
アスレチックや釣りなど遊びもいっぱい
南楽園には、味覚狩り以外にも遊べる場所が沢山あります。
フィールドアスレチック
獅子の谷のぼり
園内に入れば自由に利用できるフィールドアスレチックは子どもたちに大人気。全身を使う遊具は、全て手作りで、その数19種類というから驚きです。
遊具の側には、ユニークな名前と共に遊び方も記されています
受付で配置図を手に入れて、全種類制覇するのもよし、お気に入りに何度もチャレンジするもよし、好きなところで好きなだけ遊んでね。
釣り
美しい噴水は池の魚に酸素を送るため、寒い時期以外は一定時間毎に水を噴出
南楽園の一番高い場所にある「つり池」では、金魚や鯉が釣れます。道具や餌(有料)を受付で借りれば、家族みんなで遊べますよ。釣った金魚や鯉は大きさに関わらず1匹100円で持ち帰ることも!
軽い竿は、子どもでも楽々
金魚や鯉は、金魚で有名な奈良県郡山市から定期的に購入したものが放たれています。きれいな模様の金魚狙いで釣りに来るお客さんもいるそう。
池の前には屋根付きの休憩スペース
池の前にある屋根付きの休憩スペースでは、食事もOKです。心地よい風が抜けるこの場所は、南楽園全体を見渡せるビュースポット。荷物を持って登ってきた疲れも、ここで一気に吹き飛んでしまいます。
■釣り
- 料金:時間無制限料金:850円(他に、つり具保証金500円、予備針1本50円が必要。終了後元通りに返却時は返金)
※入園料別途要、~9月/大人300円、子ども(小学生)250円、幼児200円、10~12月は入園料がみかん狩りとセット/大人1000円、子ども(小学生)750円、幼児500円
アヒルの餌やり
餌を投げると、パクリ
南楽園の中央にある大きな池にいるアヒルに餌をあげることが出来ます。餌を、小さくちぎって投げると、美味しそうに食べます。おこぼれにあずかろうと、時々鯉もやってきます。
アヒルにあげる餌は、改札の右横で販売(3個100円)されています。改札を通る前に購入しましょう。池でアヒルを見つけたら、大きな声で「ガーガー」と呼んでください。すると…
池の反対側にいたアヒルが、「ガーガー」と返事をしながらスイスイと泳いできました!アッという間にこちらへ到着です。
販売されている餌以外のものをあげたり、沢山あげすぎるのはNG。ルールを守って、みんなでかわいがってね。
赤ちゃん連れも大丈夫!授乳室やおむつ替シートあり
広場横のバーベキューハウスに授乳室が用意されています。バーベキューハウスは、現在、コロナ過で食事の提供を控えているので、使用を希望する際は、受付でお声がけしておくと安心です。
広場近くの女性トイレ内に、おむつ替えシートが用意されています。また、園内のトイレのほとんどが洋式・簡易水洗なので、子どもの利用も安心です(受付前のトイレは水洗)。
ルールを守ってペットも一緒に!
南楽園ではペットの入園制限(一部の施設では入場禁止)はされていませんが、他の来園者への配慮(必ずリードをつけ、ムダ吠えをさせない等)やマナー(排泄物の処理等)を守って誰もが気持ちよく過ごせるように気をつけましょう。
お土産は受付横の売店で
受付横の売店では、採れたての旬の果物が並びます。プレゼントする人の顔を思いながらのお土産選びも楽しいひと時。
果物以外も販売されています
南楽園で育てている果物や野菜は、有機肥料をたくさん使い、出来るだけ農薬を使わないようにしています。美味しさのヒミツですね。
お家でお土産の果物を味わえば、楽しかった味覚狩りを思い出したり、次の計画を立てたりと、話題は尽きないでしょう。
アクセスは?電車・バス利用も便利
府道61号から南楽園への入口。看板後も南楽園駐車場
【電車・バスを利用】
南海難波駅から泉北高速鉄道「和泉中央」行準急行30分、栂・美木多(とがみきた)駅下車→南海バス栂・美木多駅(南側2番乗り場)から国分峠東行で15分、バス停:別所南下車、府道61号を南へ徒歩10分。
- 栂・美木多駅(南側)から乗車する南海バスの「行き」は、1日3便(10時台、12時台、14時台各1便)。「帰り」は、1日6便(11~16時台、各時間帯1便)
- 9・10・11月の日曜・祝日に限り、栂・美木多駅(北側5番乗り場)から南楽園臨時直行バスを運行。「行き」3便(10時、11時20分、12時発)、「帰り」3便(14時30分、15時30分、16時20分発)。
※緊急事態宣言中は、臨時直行バスの運行はありません
なお、小さな子ども連れや荷物が多い場合などは、タクシーを利用すれば受付前で乗降できるので便利です。
この道路をまっすぐ進めば受付横の駐車場へ
【車利用】
阪和自動車道 堺ICから府道61号経由約9km(約20分)
駐車場:有料駐車場300台 普通車500円(終日)
自然の中でいっぱい遊べる「観光農園南楽園」。1日のんびり過ごしたら、リフレッシュしたパパやママが、遊び疲れた子どもたちとたくさんのお土産を抱えて笑顔で帰れることでしょう。
■観光農園南楽園
住所 | 大阪府堺市南区別所1457 |
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問合先 | 072-298-5037 |
開館時間 | 10~16時 |
定休日 | 火曜(火曜が祝日の場合翌平日) |
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