庭での自然遊びも楽しい!三鷹市星と森と絵本の家(東京都)で、自然科学や芸術文化の興味を広げよう

三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

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知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
国立天文台の協力のもと、世界天文年の2009年にオープンした三鷹市にある「三鷹市星と森と絵本の家」。図書館やアートギャラリーとしての役割のほか、自由に触れて、動かして、学べる体験型展示もいろいろ展開しています。自由に遊べる庭では昔遊びのほか、虫や植物の観察も。子どもたちが宇宙や自然、科学、芸術文化など、さまざまなジャンルに興味をもち、主体的に好奇心や探究心を育む場となっています。「何かに夢中になる体験をさせたい」と考えているママパパには、いいきっかけになるおすすめのスポットです!

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目次(index)

子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!

子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。

瀧 靖之(たき やすゆき)先生監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。

知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“

育つ力:各種

子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。

» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力

»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!

三鷹市星と森と絵本の家で育つ力

知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!三鷹市星と森と絵本の家では、特にどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか、絵本に詳しい達人に教えてもらいました。

育つ力:コミュニケーション力育つ力:語彙力育つ力:想像力

広松由希子さん絵本の達人 広松由希子さん
ひろまつゆきこ●編集者、文庫主宰、ちひろ美術館学芸部長などを経て現在は絵本作家・評論家。絵本に関するエッセイや翻訳、展示企画なども手掛けている。

■広松さんコメント

国立天文台の森にたたずむ大正時代の日本家屋と庭でくつろぎながら、絵本と自然と科学に親しめる空間はここだけ。毎年替わる特別展示「見る・知る・感じる絵本展」は、天文と絵本を融合させた遊びながら学べる参加型展示。絵本が宇宙や生命の入り口になります。

» 絵本の達人「絵本作家、評論家 広松由希子さん」お仕事インタビュー

三鷹市星と森と絵本の家ってこんなところ!

三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

三鷹市星と森と絵本の家は、国立天文台の協力のもとに、三鷹市が設置・運営する展示施設。JR武蔵境駅または京王線調布駅からバスで15分ほどの、国立天文台の敷地内に位置します。野鳥のさえずりが響く豊かな自然に囲まれた環境で、1915(大正4)年完成の日本家屋を保存活用しています。さらに広い庭も使いながら、絵本の展示や絵本を楽しむ環境をつくり、名前にもなっているキーワード「星」「森」「絵本」「家」それぞれへの関心につながる活動を行っています。

所要:2時間
おすすめの年齢:0歳~

住所 東京都三鷹市大沢2-21-3 国立天文台内
電話 0422-39-3401
営業時間 10:00~17:00(2022年1月現在は10:00~12:00、14:00~17:00)
定休日 火曜、メンテナンス日、年末年始(12月28日~1月4日)
料金 無料
アクセス JR武蔵境駅または京王線調布駅からバスで15分、バス停天文台裏下車、徒歩2分
駐車場 54台(3時間500円、以降1時間200円)

<施設データ>

  • 子ども用トイレ:
  • おむつ替え:
  • 授乳室:
  • ベビーカー利用:
  • ベビーカー貸出:
  • コインロッカー:
  • 館内飲食店:
  • 館内売店:

おすすめのアクセス方法は?

国立天文台敷地内の駐車場/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

車の場合は、国立天文台敷地内の駐車場を利用します。利用時間は8:30~17:30。国立天文台の裏門から入りましょう。

「天文台裏」バス停/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

公共交通機関の場合、JR中央線「武蔵境駅」、京王線「調布駅」からバスでそれぞれ15分ほど。武蔵境駅では南口3番乗り場から小田急バス(境91系統)。調布駅では北口13番乗り場の京王バス(武91系統)または14番乗り場の小田急バス(境91系統/鷹51系統)を利用しましょう。バス停「天文台裏」からは徒歩2分程度です。

おすすめの遊び方&過ごし方

館内の様子/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

三鷹市星と森と絵本の家では、子どもたちが主体的に自分の感覚や発見に導かれて過ごすことを大切にしています。入館手続きを済ませたら、子どもの興味の赴くまま、ノスタルジックな日本家屋(旧1号官舎棟)を探検したり、絵本や図鑑を手に取ってみたりしましょう。
旧1号官舎棟には大きな荷物は持ち込めないので、管理棟のコインロッカーに貴重品以外を預けて身軽になるのがおすすめです。

管理棟と旧1号官舎棟に囲まれた庭/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

管理棟と旧1号官舎棟に囲まれた庭でも自由に遊べます。庭には外灯がありませんので、特に日の短い季節は太陽が出ているうちに外遊びをして、陰ってきたら室内へ入って読書を楽しむのがいいでしょう。
※2022年1月現在、10:00~12:00と14:00~17:00の2部制をとっています。クラフト体験など一部活動は休止しているので、詳しくは現地へお問い合わせください。

館内マップ

三鷹市星と森と絵本の家は、玄関のある管理棟と、図書室や展示室のある旧1号官舎棟に分かれています。2つの建物は繋がっており、庭へは中玄関かホールから出入りできます。

館内マップ/©三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

©三鷹市星と森と絵本の家

歴史的に貴重な日本家屋で、ほっこり絵本の世界に浸る

「旧1号官舎棟」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

施設のメインとなるのが、1915(大正4)年に建てられた「旧1号官舎棟」。和室がない家も珍しくない昨今、板張りの廊下が続く日本家屋はまるでタイムスリップしたような感覚になります。和机の置かれた書斎、広々とした畳敷きの客間など、子どもの目には新鮮に映るはず。

読書室の本棚/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

蔵書8,000冊、常時約2,500冊を開架する読書室の本棚は、「ほし」「ちきゅう」「もり」「しょくぶつ」「どうぶつ」「ひと・くらし」といった独特な分類になっています。さらに「水」「川」「大地」などと細かくテーマに分かれているので、子どもでも探しやすいのが特長です。
残念ながら本の貸し出しはできないので、気になったものは手に取って客間などで楽しみましょう。

「理科室」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

台所だった場所は、自然科学系の調べものに便利な「理科室」になっています。庭で見つけた植物や花、虫などの生きものについてさらに調べたいときは、ここに来るのがおすすめ。床暖房完備なので、真冬でも冷えることはありません。

自由にさわれる戸棚や引き出しも!

自由にさわれる戸棚/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

書斎や客間などの和室には、「さわってOK」マークの付いた家具が置かれています。戸棚の中には本がぎっしり入っていますので、自由に開けてみましょう。書斎には天文学の本が多数。大人向けの本も多いので、親子で読書が楽しめますよ。

展示されている調度品/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

展示されている調度品は、実際に昭和30年以前に使われていたものです。書斎の和机の引き出しの中には、昔使われていた文具や時計、カメラなどが入っています。このほか、古い電話機や足踏み式のミシンなどが置かれて、ノスタルジックな雰囲気です。

ファンなら必見!神沢利子さんの本棚

児童文学作家の神沢利子さんの本棚/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

理科室の一角には、『くまの子ウーフ』などで知られる児童文学作家の神沢利子さんの本棚があります。神沢さんは三鷹市在住で、2017年に開催された「トコトン!神沢利子展」で製作されたジオラマも、展示物として設置しています。

神沢さんの作品のジオラマや手芸品/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

市民ボランティアが製作した神沢さんの作品のジオラマや手芸品は、館内のいたるところに飾られています。本棚や戸棚の中などを隈なく探してみてくださいね!

広い庭で、昔懐かしのアナログ遊びを楽しもう

/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

三鷹市星と森と絵本の家には、管理棟と旧1号官舎棟が囲むように、広い庭がつくられています。国立天文台の豊かな森の中にあるので、とても静かです。奥にはみんなで作ったという池があり、春になるとカエルが産卵にやってくるのだそう。

手作りの遊具/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

草が広がる庭では、昔ながらの遊びが楽しめます。遊具もすべて手作り。竹馬やぽっくり、輪回しなど、親~祖父母世代も懐かしく感じるでしょう。

庭の中央に置かれた竹の一本橋/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

庭の中央に置かれた竹の一本橋は意外と頑丈で、大人が乗っても大丈夫。親子で遊んでいる姿も見かけます。
庭でただ遊んでいるだけ…のようにも思えますが、実はこういった体験が大事。「パパが歩いても割れなかった」「ジャンプしたら、しなってた」などと、遊びの中で竹の性質を理解することができるんです。

緑の中のハンモック/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

緑の中のハンモックは、大人も子どもも大好き。でも、安全に乗るにはちょっとしたコツが必要です。乗り方は立て札に書かれているのですが、「どうやったら安全に寝られるか」親子で試行錯誤してみてもいいですね。

手作りのビー玉迷路/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

パズル好きな子どもには、手作りのビー玉迷路がおすすめ。庭の中央には竹製の大型装置もあります。受付でビー玉を借りて、自由に遊んでみましょう。

その季節ならではの遊びもあります!

落ち葉を集めるイベントの様子/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

落ち葉が増える晩秋には、スタッフやボランティアの方々と一緒に、国立天文台の敷地で落ち葉を集めるイベントも。プラタナスの大きな落ち葉をほうきで集めた後、落ち葉をつかんで投げ合ったり、枯れ葉の山の中に隠れてみたり、近所の公園ではまずできない自然の遊びができます。
集めてきた落ち葉は庭の片隅に広げて、細かくして腐葉土にします。それを知らずとも、子どもたちは枯れ葉の中にどんどん入って飛び跳ねたり、踏みつけたりしていくのだからスゴイ! 子どもたちが「楽しそう!」「やってみたい!」と思ったことを存分にできる環境が、そこにはあります。

生きものや草花観察も! みんなで作る「はっけんノート」

「はっけんコーナー」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

庭には、葉や実を入れる収集箱や図鑑などが置かれた「はっけんコーナー」があります。ここでは敷地内で発見した生きものや草花、木の実などのことを調べることができ、虫捕りをしたときは、専用の箱に入れて虫メガネでじっくり観察することもできます。

「はっけんノート」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

発見した事柄は「はっけんノート」に絵を描いたり、メモを書き留めたりしておけます。これらは1枚1枚が大切な観察記録。三鷹市星と森と絵本の家では年度ごとに「はっけんノート」をまとめて製本していますので、来館者全員が小さな研究者となっているわけですね。

過去の「はっけんノート」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

過去の「はっけんノート」は、理科室で自由に閲覧することができます。ただ観察するだけで終わりではなく、わからないところは図鑑で調べて、「はっけんノート」に記録を残すアウトプットまでできるんです。
三鷹市星と森と絵本の家は、子どもたちの「もっと知りたい!」「だれかに教えたい!」という気持ちを応援してくれます。子どものやる気に火が付いたら、じっくり時間をかけて取り組ませてあげたいですね。

三鷹市星と森と絵本の家ならではの体験にトライ!

三鷹市星と森と絵本の家では3つのテーマ展示を行っていますが、絵本を通して天文への興味を広げる体験型の企画展示「見る・知る・感じる絵本展」が一番の見もの。国立天文台の知的資源の活用や天文学者などに協力が仰げるのは、ここならではです。

展示「宇宙のとちゅう いま・むかし・みらい」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

展示内容は1年ごとに変わり、2021年度のテーマは「宇宙のとちゅう いま・むかし・みらい」(会期は2022年6月30日まで)。“宇宙のなかの、地球という星の、わたしたちが感じている時間のこと”を、絵本や自由に動かして遊べる展示物を通して、皆で一緒に考える内容となっています。
目に見えないものがテーマなので難しく感じるもしれませんが、遊び感覚で展示物に触れて、動かして、学べるので、小さな子でも存分に楽しめます。

「はじまりにむかうとびら」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

「はじまりにむかうとびら」は、まるでタイムマシンのよう。自分のいる“いまのとびら”を開けていくと、次から次へと扉が出現! 時代をさかのぼって、果ては138億年前の宇宙の誕生までを見ることができます。難しいことは考えず、ただドアを開けていくだけでも楽しいはずです。

「はじまりにむかうとびら」/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

四季の移り変わりもりっぱな時間の流れ。箱の中にはそれぞれの季節の様子を再現したジオラマが入っていて、小窓から見えるようになっています。子どもたちは夢中になって覗きこみ、ジオラマをくるくる動かして遊んでいます。

小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備

授乳室/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

三鷹市星と森と絵本の家は、赤ちゃんウェルカムの施設。中庭を散歩したり、和室でくつろぎながら絵本を楽しんだりすることができます。授乳室は旧1号官舎棟に1室用意されているほか、おむつ替えにはユニバーサルシート完備のだれでもトイレが使えます。

受付横のロビー/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

水分補給や休憩には、受付横のロビーが利用できます。子ども用のハイチェアやベビーベッドもあるので、パパママも少しの間ゆっくり過ごせますね。マザーバッグなどの大きな荷物は、奥のコインロッカーや受付に預けるといいでしょう。

可愛らしい手作りのおもちゃ/三鷹市星と森と絵本の家(東京都/三鷹市)

コインロッカーの横には、可愛らしい手作りのおもちゃが!受付の列に並んでいるときや、荷物の支度をしているときなど、子どもたちはここで遊んでいれば、待ちくたびれることもなさそうです。
※2022年1月現在、おもちゃ室は休止中です。

三鷹市星と森と絵本の家には、好奇心の種があらゆる場所にちりばめられています。植物のこと、生物のこと、宇宙のことなど、さまざまなジャンルに興味のアンテナを張れるので、親子でリピートしたくなること間違いナシ。特に小学生は、探究学習や夏休みの自由研究の調べものをするのにおすすめですよ!

●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』

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子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録しています。
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