知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
1991年7月に開館した「葛飾区郷土と天文の博物館」は、東京都葛飾区白鳥にある博物館です。葛飾の歴史をたどる郷土博物館と星の世界をさぐる天文博物館が一つになった博物館で、直径18mの傾斜型ドームでは博物館が制作したオリジナルのプラネタリウムプログラムを上映しています。歴史学、民俗学、考古学、天文学の4部門にまつわる展示が楽しめます。分かりやすく葛飾区の歴史を学ぶことができる郷土展示室や、太陽望遠鏡がとらえた「今」の太陽を観察できる天文展示室など見どころ満載です。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
葛飾区郷土と天文の博物館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!葛飾区郷土と天文の博物館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか、確認してみましょう。
葛飾周辺の歴史を古代から近世、明治、現代へと大きく変化してきた内容を学ぶことができる郷土博物館という側面と、プラネタリウムや太陽望遠鏡を有する天文博物館という顔も持っている施設です。子ども向けのイベントや地元のボランティアも参加するフィールドワークなどもあり、疑問や不思議を見つけ、自ら考える発想力を養ってくれるスポットです。
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葛飾区郷土と天文の博物館ってこんなところ!
都市化のきっかけになった関東大震災や戦後の高度経済成長など、時代ごとに紹介する編年展示を通して、葛飾区の土地の成り立ちや、そこで暮らしてきた人々の生活や文化を学ぶことができます。星や宇宙についての様々な展示と映像を見ることができる天文展示室では、プラネタリウムのほかにも、区民から寄贈された「天文尺時計」など貴重な品も展示しています。
所要:1~2時間
おすすめの年齢:4歳~
住所 | 東京都葛飾区白鳥3-25-1 |
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電話 | 03-3838-1101 |
営業時間 | 火~木曜・日曜・祝日9~17時(金・土曜~21時) |
定休日 | 月曜、第2・4火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
料金 | 大人100円、小中学生50円(プラネタリウム観覧料大人350円、小中学生100円、幼児50円) |
アクセス | 京成線お花茶屋駅から徒歩8分 |
駐車場 | 15台 |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇(1台のみ)
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:✕
- 館内売店:〇
おすすめのアクセス方法は?
駐車場は15台に限られるため、公共交通機関の利用がおすすめです。最寄り駅の京成電鉄「お花茶屋」駅から葛飾区郷土と天文の博物館までは徒歩で8分ほど。駅からすぐの所にある曳舟川親水公園の広場ゾーンから道路沿いに続く南北に長い公園を歩いて行くとプラネタリウムドームが見えてきます。
おすすめの遊び方
施設の目印である直径18mのプラネタリウムドームでは、葛飾区郷土と天文の博物館のスタッフが作成したオリジナル番組を上映されています。音楽と共に映し出される星空を楽しめる番組や「ドームくん三兄弟」が登場したり宇宙旅行に出かけたりする子ども番組など、小さい子どもでも十分楽しめる内容なのでオススメです。
さらに昭和30年代の住居を再現した展示や、太陽望遠鏡がとらえた「今」の太陽など見て楽しむもの、さらに開館以来集められてきた葛飾区の歴史や文化に関する収蔵資料など、ここならではの展示も魅力的です。年齢や興味次第で好奇心を持つ展示はことなるはずです。子どもの成長にあわせて、何度か訪れてもよいでしょう。
星や宇宙の不思議にふれる展示
宇宙を身近なものとして体験できる場としてオリジナル番組が楽しめるプラネタリウムや、天体に関する展示が揃っています。
●プラネタリウム
2018年にリニューアルしたプラネタリウム。直径18メートルのドームスクリーンも一新され、光学式プラネタリウム『インフィニウムΣ』により映し出す星は2万7000個。天の川も約380000個の星の集合体として表現されるリアルな星空が楽しめます。
季節で変わる大人向けのプログラムだけでなく、土・日曜、祝日には親子で楽しめる子ども向けプログラム「かつしかドームステーション」が上映されています。
●天文展示室
星や宇宙についての様々な展示と映像で、天文に関する歴史と最新の情報にふれることができる「天文展示室」。望遠鏡が発明される前に星の位置を非常に正確に測定したデンマークの天文学者ティコ・ブラーエが使用した器具「大アーミラリー」の展示も。晴れていれば屋上にある太陽望遠鏡がとらえる太陽の姿を観察することもできます。
●フーコーの振り子
フランスの物理学者レオン・フーコーが地球の自転を説明するために作った装置「フーコーの振り子」。観測地の緯度によって振り子の振動面を1回転するまでの時間が異なり、北極点では約24時間、葛飾では約41時間かけて1回転します。長い歴史のある天文学に思いをはせる展示ですね。
●宇宙を見上げてみよう
天文展示室にあるパネル展示「宇宙を見上げてみよう」では、星の動きや月の満ち欠けなど、身近な空の現象を映像で解説しています。また、最新の宇宙に関するニュースも紹介しているので、星を身近に感じることができます。
葛飾区の歴史や文化を示す貴重な資料
葛飾区郷土と天文の博物館は、地元にスポットを当てた展示が充実しています。古代から近代にいたるまでの歴史や文化にふれて、現代までにこの地域においてどのような変化があったのか想像する力を養ってくれます。
葛飾区の土地の成り立ちや、そこで暮らしてきた人々の生活や文化を時代の流れを時代ごとに展示している「郷土展示室」。地域の方々から提供を受けた資料や文化財など貴重な品を収蔵資料として保存・展示しています。
古代から時代順に紹介している展示室はこの地域が歩んできた歴史を、年表を軸に時代にそって分かりやすく紹介しています。動線が分かりやすい広々とした空間でゆうたり見学できます。
リニューアルを経て、白を基調としたデザインで館内が明るくなり、展示資料が見やすくなっています。映像などを活用したスクリーン展示が多く取り入れられています。
昭和30年代の葛飾にタイムスリップ!
関東大震災・戦後の高度経済成長を経て飛躍的に都市化が進んでいった葛飾区の変化の過程が紹介されています。ノスタルジックな雰囲気の住居や電化製品は必見です!
葛飾区の暮らしが大きく変化した時代の生活が分かる展示です。今も形を変えて残る家電もあれば、現代の家には置いていないようなものも見ることができます。
近世以降の葛飾区の人々の生活文化とその変化の過程を紹介している展示「かつしかのくらし」では、戦後の葛飾の花形産業であったボルト・ナット製造工場と昭和30年代の住居を再現しています。
当時の電化製品である冷蔵庫や洗濯機などの展示に加え、昭和47年まで生産・販売されていた三輪自動車「ミゼット」や昭和30年代当時を象徴する品々が並んでいます。私たちが生まれる前の時代や生活にふれることができる貴重な展示です。
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
施設内にはコインロッカーを完備。展示を見て回る時はもちろん、イベントに参加する時に手がふさがらないように荷物を預けられるので助かります。
本館の1階と2階にには「だれでもトイレ」があります。車椅子や妊娠中の方、子ども連れの方が使えるようにさまざまな機能が付いています。1階のトイレにはベビーチェア、2階のトイレにはおむつ替えシートがあり、小さい子どもを連れていても安心です。
1階女性用トイレの向かい側には「授乳室」が完備されています。ほかにも、車いすやベビーカーでも不便がないよう段差の少ないバリアフリーに配慮して設計されるなど、配慮が行き届いた施設です。
葛飾区郷土と天文の博物館は、葛飾の歴史を古代から現代にかけての変化を貴重な展示とともに紹介しています。また、子どもも楽しめるプラネタリウムや長い天文学の歴史にふれることもできます。郷土博物館と天文博物館の二つの魅力が詰まった博物館になっているので興味や成長に合わせて、学びを深められるのも魅力です。講座やイベントも実施しているので、子どもの興味に合わせて何度も足を運んでみてくださいね。
※コロナ感染予防のため展示の休止や一部入場を制限している場合があります。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。