知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
世田谷文学館は「地域の人々が文化・芸術に親しむための施設が欲しい」という声にこたえ、1995年(平成7)に開館した東京23区初の地域総合文学館。収蔵品の多くは世田谷にゆかりのある文学作品や文学者の資料で、半年ごとに展示が替わるコレクション展で見られます。
子どもから大人まで気軽に文学に触れられる工夫がされており、親子で一緒に文学を楽しむにはぴったりの施設です。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
世田谷文学館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!世田谷文学館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか、絵本に詳しい達人に教えてもらいました。
広松由希子さん
ひろまつゆきこ●編集者、文庫主宰、ちひろ美術館学芸部長などを経て現在は絵本作家・評論家。絵本に関するエッセイや翻訳、展示企画なども手掛けている。
■絵本の達人 広松由希子さんコメント
絵本や児童文学、漫画などをテーマにした特別展も充実していて、親子で訪れやすい文学館です。奥まった居心地のよいライブラリーの中にはキッズ専用スペースがあるのもうれしい。絵本に親しむところから、文学の扉を開いてください。
» 絵本の達人「絵本作家 広松由希子さん」お仕事インタビュー
世田谷文学館ってこんなところ!
京王線芦花公園駅から徒歩5分の住宅街に立つ世田谷文学館。展示室は1階と2階にあり、年に2回入れ替えられるコレクション展のほか、さまざまなジャンルの企画展を開催。定期的に親子で楽しめる企画展も開催されます。
子どもの情操教育を意識した施設を重視しており、そのひとつ、ライブラリー「ほんとわ」のベビー&キッズエリアは、絵本や児童文学を通して子どもたちが文学を身近に感じられる空間になっています。
所要:2時間
おすすめの年齢:0歳~
住所 | 東京都世田谷区南烏山1-10-10 |
---|---|
電話 | 03-5374-9111 |
営業時間 | 10~18時、最終入館は閉館30分前 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日) |
料金 | コレクション展 一般200円、高校・大学生150円、小・中学生100円、65歳以上100円※企画展は内容によって異なります |
アクセス | 京王線芦花公園駅から徒歩5分 |
駐車場 | 15台(無料) |
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、利用者数と利用時間に制限あり。土・日曜、祝日は整理券を配布
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
おすすめのアクセス方法は?
京王線芦花公園駅南口から千歳通りに沿って徒歩約5分。駅にはエレベーターが備わり、世田谷文学館までの道も平坦なのでベビーカーでも安心です。周辺はのどかな住宅地が広がり、小さな子どもでも散歩感覚で歩けます。
車の場合は無料の駐車場があります。ただし台数が限られているので、なるべく公共交通機関を利用しましょう。
おすすめの遊び方&過ごし方
年に2回入れ替えられるコレクション展や定期的に開催される企画展のほか、館内全体が気軽に文学に親しめる空間といった雰囲気。親子連れにはライブラリー「ほんとわ」のベビー&キッズエリアが人気で、このスペースでのんびり絵本を読むというのも素敵な過ごし方です。コレクション展や企画展を鑑賞する時間にもよりますが、ライブラリーで過ごす時間も含めて2時間ほどを考えておけばよいでしょう。
世田谷ゆかりのコレクション展
コレクション展は、世田谷文学館の10万点以上にのぼる収蔵品を活用し、年に2回入れ替えられる常設展です。世田谷を舞台にした文学作品と関連する資料、世田谷にゆかりのある文学者の資料などを展示しています。
作家の自筆原稿から創作ノート、手紙や新聞の切り抜きまで多種多様な資料を独自の視点で紹介しています。
ムットーニ《猫町》1994年(原作:萩原朔太郎『猫町』)
コレクション展と同時開催で、ムットーニこと武藤政彦さんによる、からくり仕掛けの作品も上演されます。こちらはコレクション展のチケットで観覧できます。
多彩なテーマの企画展
企画展は文学に限らずマンガや美術、デザイン、音楽など多様なジャンルからテーマを選んでいるのが特徴。絵本や児童文学の企画展が開催されることもあり、展示により雰囲気が異なります。
どこでもライブラリーで新しい絵本との出会い
ライブラリー「ほんとわ」から、絵本が並んだ本棚が出張。文学サロンの中庭に面した場所に椅子が用意され、自由に読めるようになっています。どんな絵本と出合えるか、お楽しみに。※不定期開催
錦鯉が泳ぐ池
世田谷文学館の前に広がる日本庭園は、館内からも見られる癒しスポット。子どもたちは池を泳ぐ錦鯉が大好き!(実はいちばん人気の施設かも…)。色とりどりの大きな鯉が群れをなして泳ぐ様子は芸術的でもあります。
世田谷文学館ならではの体験にトライ!
世田谷文学館で親子に人気な施設が「新たな本との出会い」をテーマにしたライブラリー「ほんとわ」。各分野の専門家や作家がすすめる本のコーナー、定期的に入れ替わる特集コーナーなどで、多様な本の楽しみ方を提案しています。
ライブラリーの奥側には授乳室を備えたベビー&キッズエリアがあります。キッズサイズのテーブルやクッションマットが敷かれたのどかな空間で、親子が一緒に絵本や児童文学を楽しめます。
こちらは子どもと向き合って過ごせる、秘密基地のような読み聞かせスペース。子どもの反応が手に取るようにわかりますね。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
世田谷文学館には子連れならぜひ立ち寄りたいスポットがあります。ぜひ行ってみてくださいね。
●喫茶どんぐり
1階にある「喫茶どんぐり」は緑を配した庭を眺めながら過ごせるカフェスペース。ふかふかのシフォンケーキセット700円などのスイーツのほか、カレーやピラフといった軽食も用意されています。
- 電話:03-5374-9119
- 営業時間:11~17時(食事は15時、ドリンク16時30分ラストオーダー)
- 定休日:世田谷文学館と同じ
●ミュージアムショップ
エントランスの左側にはミュージアムショップがあります。広いスペースに棚が配され、アートを展示するようにグッズが並んでいます。
アート関連の書籍や企画展の図録が揃うほか、世田谷文学館のオリジナルグッズも販売され、個性的なアイテムを見るだけでも楽しめます。
- 営業時間:10時~17時30分
- 定休日:世田谷文学館と同じ
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
1階と2階にそれぞれトイレがあり、そのうち1階の女性用トイレと多目的トイレにおむつ交換台が設置されています。コインロッカーも1・2階にあるので大きな荷物は預けてから鑑賞しましょう(100円/使用後返却)。
授乳室はライブラリー「ほんとわ」の奥側にあります。シックなソファが置かれ、落ち着いて授乳できます。
世田谷文学館の魅力は、子どもから大人まで誰もが文学に親しめるところ。とくにライブラリー「ほんとわ」には、幅広い年齢の子どもが楽しめる本が並び、親子で一緒に文学に触れられます。子どもが楽しめる企画展も開催されるのでHPなどをチェックしてみてください。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。