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洞窟探検家に聞く!洞窟・鍾乳洞の楽しみ方は?鍾乳洞のでき方や鍾乳石の種類も解説

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洞窟探検家に聞く!洞窟・鍾乳洞の楽しみ方は?鍾乳洞のでき方や鍾乳石の種類も解説
©️吉田勝次

「洞窟」と聞くと、大人が楽しむ場所というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし実は、子どもの好奇心をくすぐる体験スポットとして絶好の場所なのです。国内外で1000以上の洞窟探検をしている専門家の吉田勝次さんに、洞窟の魅力や楽しみ方を教えてもらいました。夏休みの自由研究にもおすすめです!

吉田勝次さんの記事
» 子どもと楽しめるおすすめ鍾乳洞は?洞窟探検家・吉田勝次さん厳選!服装&準備も

目次(index)

吉田勝次さん監修:吉田勝次さん
洞窟探検家。20代後半から洞窟探検(ケイビング)にのめり込み、未踏の洞窟を探し求めて国内外で入った洞窟は1000以上に。洞窟探検を仕事とし、魅力を伝えるため、ケイビングガイドやテレビ撮影のガイドサポート、洞窟に関する学術調査などの活動を行っている。探索洞窟ガイドなどを行う「地球探検社」、洞窟探検プロガイドチームCiaO!」主宰。

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1.洞窟探検家に聞く!鍾乳洞や洞窟の魅力

吉田勝次

©️吉田勝次

洞窟は、先の見えないドキドキワクワクの空間

山や川など地上にあるものは、ある程度その様子を想像することができます。でも洞窟は、先がどうなっているのか、入口に立っていても何もわかりません。地下の空間は、自分で進んでいって初めてその様子がわかります。どんな世界があるのか…少し怖いけれど勇気を出して進んで行くと、想像していなかった景色が見えてきます。そんなドキドキわくわくの空間が待っているのが洞窟の魅力です。

洞窟には、理科の好奇心のタネがいっぱい!

洞窟は、探検心をくすぐる楽しさはもちろんですが、学術的にみても大変貴重なものです。特に、理科への知的好奇心を刺激する要素がたくさんあります。

●数億年前の化石を見られる!<地質学>

洞窟を形作っている母岩となる石灰岩は、炭酸カルシウムという成分を多く含んだ、温かい浅い海に生息していたサンゴや貝類、プランクトンなど生物が海の中で堆積して作られました。そのため、数億年前の化石だらけ!洞窟の中は、数億年前に形成された地質を内部から見ることができる地質学としての楽しさがあります。

●洞窟の生物たちは、独特な進化をする!<生物学>

洞窟とは外界から隔絶された空間です。携帯電話もGPSも使えません。太陽の光も一切、届きません。一年を通して湿度は100%に近く、気温は東北以北の洞窟では10度未満、九州までの洞窟では10~16度、沖縄当たりでは20度ぐらいで、一定に保たれています。

そんな独特の環境の洞窟内で生きる生き物たちは、長い年月の間に環境に適応し、目が見えなくても移動できる独自の進化をしています。洞窟の環境は洞窟ごとに違っているので、まだまだ新種が見つかるかもしれません!生物学への興味関心もかき立てられるでしょう。

●大昔の人たちは、洞窟に住んでいた?!<考古学>

南向きの大きな入口がある洞窟は、かなりの高い確率で太古の人が住居にしていたり、狩の途中の中継地に利用していたようです。遺物が残されていたり、人を含む生物の骨が残されていることも多く、考古学にとっても貴重な場所です。

●今はいない生物の骨や遺跡も発見!<古生物学>

洞窟を形作る石灰岩の主成分は、炭酸カルシウム。炭酸カルシウムは弱アルカリ性なので、洞窟の中に落ちたりして死んだ生物の骨が溶かされず、残りやすい環境にあります。洞窟では、フクロライオンや北京原人の骨、フランスの洞窟の壁画など、今は現存していない太古の生物の骨や遺跡が見つかっています。古生物学への好奇心もくすぐりますね。

入口が埋まっていたり水没しているなどして、誰も入ったことのない洞窟は、地球のどこかにまだまだあると思います。そこには、まだ発見されていない貴重なお宝が眠っているかもしれません。未来の博士が見つけてくれるかもしれませんね!

小学生夏休みの自由研究にもおすすめ!

下記に、鍾乳洞のでき方や、鍾乳石の種類などを紹介します。ぜひ、自分の目で見て、体験して、実際の迫力や自然の造形美に触れてみてください。そして、体験をまとめたり、イラストで描いたり、さらに気になったことを図鑑で調べたりすれば、素晴らしい自由研究にもなりますね。

2.子どもや初心者でも、洞窟探検はできる?

子どもや初心者でも楽しめる入水鍾乳洞(福島県)

子どもや初心者でも楽しめる入水鍾乳洞(福島県)

洞窟にはさまざまな種類が

洞窟には、僕たちが行くような道なき道をたどり、入り口を探り当てて掘り進めていくような場所から、人工的に管理され観光地となっているものまで、さまざまあります。観光用の鍾乳洞でも、照明設備や通路が整備された中を進むものから、水につかりながら狭い道を這って進むような冒険コースを設けているところもあります。

子どもの場合は、まずは管理された鍾乳洞から体験させてあげるといいですね。そこで鍾乳洞に興味を持ち、もう少し冒険したそうな様子があったら、次はややスリルのある冒険コースに挑戦させるというように徐々にハードルを上げるのがいいでしょう

ガイドツアーの利用もおすすめ!

洞窟の中に入ると、好奇心旺盛な子どもは「あれなに?どうしてこうなってるの?」と疑問がいっぱいわいてくると思います。好奇心の芽をつまないためには、親は事前に少しでも基本的な予備知識を入れて、説明してあげられるといいと思います。また、ガイド付きの鍾乳洞ツアーに参加するのもおすすめです

親が狭いところや暗いところが苦手な場合は、子どもだけで参加できるガイドツアーもあります。

小学生中学年以上なら、友だち同士で入洞させるのもOK。管理された鍾乳洞なら子どもだけでもまず心配はいりません。観光地の鍾乳洞は、出口付近にお土産店や飲食店があったりするので、親もきっと楽しく待っていられます。

入洞までは、多少不安や恐怖を感じる子もいるかもしれません。でも、勇気を出して鍾乳洞を制覇できたら、きっと大きな達成感を得られ、とてもいい経験になると思います!

洞窟を楽しんでもらうために!吉田勝次さんの活動

洞窟探検のことを、ケイビングと言います。最近では、ケイビングを体験できるツアーが増えてきましたが、僕たちは、25年前からケイビングの楽しさを一般の方に知っていただくためにプロのケイビングガイドが引率する体験ツアーを開催してきました。
また、洞窟という特別な環境で、環境を守りながら安全に体験してもらうために、洞窟の学術的要素や環境保全知識を習得し、洞窟レスキュースキルを獲得したプロガイドの育成にも力を入れています。

洞窟をくぐり抜けると、待っているのはマリンブルーの地底湖!子どもは元気よく、大人は童心に返ってドロドロになり、参加者全員が探検家になれる…そんなケイビングツアーを岐阜県、富士山の樹海、石垣島をはじめ全国で実施していますよ。

▶︎吉田さんのケイビング体験ツアーの情報はこちら!

» 「ちゃお ケイビング」公式ホームページ

3.鍾乳洞とは?でき方をわかりやすく紹介

鍾乳洞のでき方のイラスト

出典:あぶくま洞ホームページ

鍾乳洞の由来、でき方は?

鍾乳洞とは「鍾乳石」がある洞窟のことをいいます。鍾(釣鐘)のように垂れ下がっている乳房型(乳)の石のある洞というのが名称の由来です。
海中のサンゴや貝などが堆積してできた石灰岩が、地殻変動で陸上に現れると、主に雨水によって長い年月をかけて溶かされ削られていきます。その結果、地下に空洞ができ、数万年以上かけて縦横に広がっていきます。それが鍾乳洞です。

鍾乳石のでき方

石灰岩を削った雨水には、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが溶け込み、次第に飽和状態(溶け込める量の最大限度に達していること)になっていきます。炭酸カルシウムがしっかり溶け込んだ水が地下空洞の天井のひび割れから滴り落ちると、空洞の中の壁、天井、床で炭酸カルシウムが結晶化していきます。その結晶こそが鍾乳石。鍾乳石は、ストロー・つらら石・石筍・石柱など、さまざまな種類があります。次は、写真を見ながら代表的な種類をご紹介しましょう。

4.面白い鍾乳石、不思議な光景がいっぱい!

鍾乳石の種類

鍾乳石には、そのでき方や形によって15種類以上もの種類に分類されます。なかでも、鍾乳洞でよくみられる代表的な鍾乳石の写真をピックアップしました。

鍾乳石は、鍾乳洞の環境によっても異なりますが、一般的に「1cm成長するのに、100年ほどかかる」と言われています。特に上に向かって伸びる石筍は、下に伸びるつらら石よりも3倍以上時間がかかります。ぜひ下の写真を見て、壮大な時間を親子で想像してみてください!

●鍾乳管(しょうにゅうかん・ストロー)

鍾乳管(しょうにゅうかん・ストロー)

©️吉田勝次

鍾乳洞の壁や天井からストローのように細長い管状に成長した鍾乳石。

●つらら石

つらら石

©️吉田勝次

鍾乳洞の壁や天井から氷のつらら状に垂れ下がって成長した鍾乳石。

●石筍(せきじゅん)

石筍(せきじゅん)

©️吉田勝次

鍾乳洞の床面からたけのこのように上に向かって伸びている鍾乳石。

●石柱(せきちゅう)

石柱(せきちゅう)

©️吉田勝次

天井から伸びたつらら石と床面から伸びた石筍が連結し柱状になった鍾乳石。

●流石(ながれいし・フローストーン)

流石(ながれいし・フローストーン)

©️吉田勝次

鍾乳洞の壁や床面を覆う、流れるような模様のある鍾乳石。

●畔石(あぜいし・リムストーンプール)

畔石(あぜいし・リムストーンプール)

©️吉田勝次

鍾乳洞の壁や床面を覆う、水田のような畔模様のある鍾乳石。

鍾乳洞にある不思議な光景

鍾乳洞内では、鍾乳石のほかにも、次のような独特な光景がみられます。

●百枚皿、千枚皿

秋芳洞(山口県)の百枚皿

秋芳洞(山口県)の百枚皿

斜面を流れる水が波のような形で固まったもの。たくさんの皿を並べたように見えることから、百枚皿、千枚皿と呼ばれます。

●地底湖

龍泉洞(岩手県)の第一地底湖

龍泉洞(岩手県)の第一地底湖

鍾乳洞内の地層から湧き出た地下水がたまってできたもの。水の透明度が高く水深が深いものほど、湖が青く見えます。

●湧き水

鍾乳洞を形成する石灰岩は、水を通しやすいため、鍾乳洞内、鍾乳洞付近には水が豊富に湧き出る場所が多いのです。

鍾乳洞の生き物

郡上鍾乳洞(岐阜県)のコウモリ

郡上鍾乳洞(岐阜県)のコウモリ

鍾乳洞内には光が差し込まないため、光合成を必要とする植物が育ちません。そのため、栄養分が乏しくても生きていける種類の限られた生物が住み、閉鎖された場所内で独特な進化を遂げている場合も多くみられます。また、コウモリが生息する鍾乳洞では、そのフンや死骸などが栄養分となるため、生物の種類が多くなります。

●哺乳類・鳥類

夜は外に出てエサを取り、昼間は洞穴の中で休み繁殖するコウモリやアナツバメなどの動物が住み着くことがあります。それらの集団が住む鍾乳洞では、そのフンや死骸がエサとなり、さまざまな生物が集まります。

●魚

日本ではハゼの仲間やサンショウウオの仲間、エビの仲間などがよくみられます。いずれも目が退化し、体色を失うなど独特の進化(退行的進化)を遂げています。

●昆虫

コウモリなどが生息する場所では、そのフンや死骸を栄養分として、さまざまなハエやゴキブリ、クモの仲間が繁殖しています。

●両生類、多足類

イモリの仲間、ムカデやヤスデの仲間が住み着き、目が退化し、体色を失うなど独特の進化(退行的進化)を遂げていることが多いです。

5.行ってみよう!全国の洞窟・鍾乳洞スポット

るるぶKidsでは、エリアごとにおすすめの洞窟・鍾乳洞を紹介しています。子どもと気軽に楽しめる、観光用に整備されたスポットがいっぱい。まずは近くのスポットからチェックしてみましょう。

エリア別にチェック
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