知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
「見る、さわる、体験する」をテーマにしたスケールの大きなミュージアム。蒸気機関車から新幹線まで、実物の車両をなんと54両も展示!見るだけではなく、さわったり実際に乗車できる車両も展示されています。また、幅約30mの巨大な鉄道ジオラマをはじめ、鉄道の仕組みや安全性を高めるための工夫などがわかる展示も興味深く、本物の蒸気機関車が牽引する車両に乗る体験や、運転シミュレータなど体験展示も充実しています。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
京都鉄道博物館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 京都鉄道博物館では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
【乗り物の達人】田代浩一さん
たしろこういち●第18代JTB時刻表編集長。2001年株式会社JTBに入社後、るるぶ情報版国内ガイドブックの編集、るるぶのWEBサイトの制作運営を経て、2021年4月より現職。
■田代浩一さんコメント
車両見学も楽しいけれど、橋梁やトンネル、電気など鉄道に関わる物事についても詳しく展示。さまざまな仕事に興味がわくはず。
京都鉄道博物館ってこんなところ!
おすすめの遊び方&過ごし方
スケールが大きいミュージアムなので、休みながらゆっくり見て回るのがおすすめ。「鉄道ジオラマ」や「SLスチーム号」など上演時間や運転時間が決まっているものは、どのタイミングで訪れるかをあらかじめ決めて全体をスケジューリングするのがベター。運転シミュレータは事前に電子チケット等の購入が必要なので要注意。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合は名神高速京都南ICから約15分、施設に専用駐車場はないので、周辺のコインパーキングなどの有料駐車場を利用しよう。公共交通機関の場合は、JR嵯峨野線梅小路京都西駅から徒歩2分、JR京都駅からでも徒歩約20分と徒歩圏内です。
所要:2時間
住所 | 京都府京都市下京区観喜寺町 |
---|---|
電話 | 0570-080-462 |
営業時間 | 10~17時、最終入館は閉館30分前 |
定休日 | 水曜(祝日の場合は開館)※臨時休館あり。公式サイトで要確認 |
料金 | 1500円。大学・高校生1300円、中学・小学生500円、3歳以上200円 |
アクセス | JR梅小路京都西駅から徒歩2分、またはJR京都駅から徒歩20分 |
駐車場 | なし |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
- 持ち込み:〇
<主なイベント・体験プログラム>
- 運転シミュレータ:体験チケットは電子チケット等で販売/1回100円
- SLスチーム号:高校生以上300円、3歳〜中学生100円
京都鉄道博物館フロアマップ
敷地内には巨大な吹き抜け空間をもつ3階建ての本館のほか、扇形車庫やプロムナード、旧二条駅舎などがあります。
駅のプラットホームをイメージしたプロムナード
受付を通って入館すると最初に出る場所がこの「プロムナード」です。エントランスホールと本館とをつなぐ全長約120mの屋外スペースで、蒸気機関車のC62形、在来線のクハ86形、0系新幹線という鉄道の歴史を語る3両の実物車両が目の前に現れます。まずは日本の鉄道の歴史上においても欠かすことができない名車両たちにあいさつしましょう!
国指定の重要文化財「扇形車庫」と蒸気機関車を見学
国指定の重要文化財の「扇形車庫」と、蒸気機関車がダイナミックに回転しながら方向を変える「転車台」、明治から昭和にかけて活躍した代表的な蒸気機関車などが展示されているエリアです。車庫内に入ることもでき、目の前に蒸気機関車の迫力ある勇姿を見ることができます。
昭和20年(1945)〜昭和22年(1947)の間に15両製造されたB20形の蒸気機関車。ほかにも「デゴイチ」の愛称で親しまれているD51形やC62形などがズラリと並ぶようすは壮観です。
車体をすぐ近く見ることができるので、車輪や運転室など、さまざまなパーツをじっくり観察することもできます。子どもたちも蒸気機関車を目の前で見ると、重量感あふれる車体が蒸気の力だけで動くことに驚きを感じるでしょう。
本館1階に並ぶ実物車両をじっくり観察してみよう
開放感満点の吹き抜け構造の本館、その1階にも実物車両が10数台展示されています。500系新幹線をはじめ、世界初の昼夜両用列車として知られるクハネ581形など希少価値の高い車両が並んでいます。展示車両の中には、車内をのぞいて見たり、乗車することができるものもあります。
巨大「鉄道ジオラマ」はみどころいっぱい!
実物の約80分の1スケールの車両模型が走る幅約30mの巨大ジオラマは絶対見逃せない展示です。オペレーターが運転・解説するライブ感あふれる約15分のショーは、昼から夜へと移り変わる時間の流れの中で、ジオラマ全体をフルに使って走り回るさまざまな車両を見ることができます。
- 時間:10時45分、12時15分、13時、13時45分、14時30分、16時の1日6回
※時間は変更する場合あり
ジオラマ内には、街や山、ターミナル駅などが設置されており、複数の車両が同時に動いたり、停車したりと複雑な動きを見せてくれます。
写真の「ドクターイエロー」などの人気の車両も走っています。オペレーターがその都度、「○○○が、今○○○を通過しています。」などと解説してくれるので、オペレーターの解説に耳を傾けるのが、鉄道ジオラマを存分に楽しむためのポイントです。
鉄道を知ることができるさまざまな展示にも注目!
館内では、鉄道についてさまざまな角度から理解を深めることができる展示物の数々を見ることができます。写真のレトロな雰囲気漂うスペースには、特急の食堂車で提供されている料理や、車内の内装などについて知ることができる展示が並んでいます。
鉄道の安全性を高めるための工夫や、鉄道が動く仕組み、実際の踏切が設置されているスペースなど鉄道に関わる多種多様の展示はどれも興味深く、一つずつじっくり見ていると丸1日あっても足りないほどの充実ぶりです。
レトロなたたずまいの旧二条駅舎にも立ち寄り
京都鉄道博物館の敷地内には京都市指定有形文化財の旧二条駅舎があります。レトロなたたずまいの駅舎内にはミュージアムショップなどもあり、さまざまな鉄道模型や、蒸気機関車の運転室なども展示されています。時間があればこちらもぜひチェックしてください。
蒸気機関車の運転室は乗り込むこともでき、運転室内をじっくり観察することもできます。
京都鉄道博物館ならではの体験にトライ!
●SLスチーム号
本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗車できる体験展示は、日本全国でも数少ない展示で、この希少な体験は子どもたちにとっても生涯忘れることができないものになるはず。C56形160号機やC62形2号機など往年の名機関車が引く客車に乗って往復約1㎞の旅を親子で満喫してください。
<体験データ>
- 【場所】SLのりば
- 【開催日】毎日
- 【時間】公式HPで要確認
- 【料金】高校生以上300円、3歳〜中学生100円
- 【予約受付】予約不要 ※SLのりばに設置されている券売機で乗車券を購入
●運転シミュレータ
運転士が実際に訓練で使用するシミュレータをもとに、お仕事体験ができる人気の体験です。体験には事前に体験チケットが必要ですので、電子チケット等で購入してください。チケットは館内で販売していないので注意が必要です。
運転台は在来線と新幹線からチケット購入時に選ぶことができます。シミュレータで運転する際の天候や時刻、停車駅などの条件はすべてランダムになっており、運転士の制服や帽子などの貸し出しもあります。
<体験データ>
- 【場所】本館2階
- 【開催日】毎日
- 【時間】事前のチケット購入時に時間指定あり。体験開始時間の10分前が集合時間
- 【料金】100円
- 【予約受付】利用日前日の20時〜アソビューサイトで予約・購入
まだあるさまざまな体験展示!
●券売機のきっぷ購入体験
券売機を使ってきっぷを購入することができる体験展示です。大人にとっては当たり前の日常体験でも、小さな子どもたちにとっては大興奮の初体験になることがあるといういい例です。購入したきっぷは隣接するスケルトンの自動改札機を通すこともできます。
<体験データ>
- 【場所】本館3階
- 【開催日】毎日
- 【時間】常時体験可能
- 【料金】無料
- 【予約受付】不要
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
旧二条駅舎内にある「ミュージアムショップ」には、本格的な鉄道ファン向けの商品から、子ども向けの商品まで多種多様なアイテムが揃っています。館を訪れた記念に鉄道グッズや館オリジナルグッズなどを親子で選んで、おみやげにするのもおすすめです。
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
京都鉄道博物館の大きな特徴の一つが小さな子ども連れのファミリーに優しいことです。
ポップな色彩でおしゃれな子ども用のトイレもあります。これなら子どもたちも進んでトイレに行きたくなるかもしれないですね!
いつの時代も子どもたちの興味の対象として上位に入る「乗り物」。そのなかでも特に鉄道が好きな子どもはたくさんいます。そんな子どもたちの欲求を満たして余りある鉄道の聖地ともいえるミュージアムが「京都鉄道博物館」です。そして鉄道に興味がない子どもでも、ここで一日過ごせば鉄道好きになってしまうようなパワーがあるようにも感じます。さまざまな角度から鉄道を知ることで、その先にある自然科学や社会科学の世界へと好奇心の連鎖が起こることも期待できます。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。