電車の運転士さんや車掌さんになりたい!その夢に近づける場所のひとつが、鉄道現場への就職を目指す鉄道高校です。今回は日本最古の鉄道学校・岩倉高等学校運輸科(東京都台東区)に潜入しました!
※この記事は、『JTB時刻表2024年11月号(2024年10月21日発売)』を抜粋・一部加筆のうえ掲載しています。
岩倉高等学校って?
岩倉高等学校は、1897年(明治30)開校という日本最古の鉄道学校。上野駅入谷口の目の前にあります。鉄道開業に尽力した、岩倉具視の名前を校名に冠しています。現在は普通科と運輸科があり、男女共学になっています。
運輸科はこんなところ
運輸科では、生徒の大多数が鉄道・運輸業界を志望。高校一般教科のほか、鉄道に関する科目や実習が入ります。鉄道会社出身の教員も4人いて、実践教育を中心に、ビジネスマナーも含めた指導に当たっています。
鉄道実習や車両基地見学なども行っていて、まさに好きなことに思いっきり打ち込める環境。JR日本や首都圏大手私鉄をはじめ、卒業生が全国各地にいるのは伝統校ならではの強みがあります。
運転実習ができる実習棟
上野駅入谷口の信号前に、SL模型が展示されている建物があります。実はそこが、岩倉高等学校の実習棟。館内は電車運転実習室となっています。211系と651系のモックアップをはじめ、踏切やシート類が設置されています。
この実習室を使用するのは主に3年生なので、心待ちにしている生徒も多いのだとか。
実習室では運転シミュレータや車掌シミュレータで、運転士や車掌体験を実施します。安全な場面だけでなく、非常時のトラブルに際した体験も。「授業を通して安全第一の心構えを学んでほしい」という先生の思いのもと、生徒たちが日々学んでいるのです。
運輸科の生徒には女子生徒も。彼女たちの第一志望は鉄道会社の運転士。
整備に関わる技術なども学べる
工業技術基礎の実習
運輸科は、さまざまな実習が充実しています。電車の運転・車掌シミュレータのほか、技術を学び即戦力として活躍できるよう、工業技術基礎や機械製図なども学びます。高齢者や障がいを持つ人への介助方法を学ぶホスピタリティに関する実習もあるのです。
鉄道関係の部活動も!
課外活動でも鉄道好きが集まります。鉄道模型部や鉄道研究部などがあり、普通科の生徒も入部しています。鉄道模型部(写真)の部員は、約60名という大所帯。
120年の歴史がある岩倉高等学校には、遠方から入学してくる生徒もいます。鉄道学校は、鉄道現場に憧れる子どもたちにとっての近道。夢に向かって努力する生徒たちの目は、みんなキラキラと輝いていました。
岩倉高等学校:https://www.tky-iwakura-h.ed.jp/
『JTB時刻表11月号』では、鉄道業界を目指す学校をさらに紹介!
JTB時刻表11月号の巻頭特集は「鉄道学校最前線」。今回紹介した岩倉高等学校のほか、鉄道業界を目指せる全国の専門学校を紹介しています。冬の臨時列車や、国内線・国際線の航空ウィンターダイヤの掲載も。