関東有数の規模を誇り、子どもと探検気分で楽しめる日原鍾乳洞[にっぱらしょうにゅうどう]を詳しくレポート!美しい音を奏でる「水琴窟」や、ライトアップされた「死出の山」などの見どころが続きます。数万年かけてつくられた鍾乳石の数々が幻想的。所要時間やアクセス、服装の注意点、ランチなどもチェックしてから出かけましょう。
関東有数の規模!所要時間は?
東京都奥多摩町の豊かな自然のなかにある日原鍾乳洞。入り組んだ立体迷路のような鍾乳洞は、全長約800mと関東有数の規模を誇り、都の天然記念物にも指定されています。現在一般公開されている部分は約200mの旧洞と高低差30mあまりの新洞を組み合わせたコースで、見学の所要時間は約40分。ライトアップされた大空間や、1cmのびるのに70~130年かかるという鍾乳石や石筍など、自然の神秘に出合えます。
周辺にも水と緑の美しい風景が広がる奥多摩湖をはじめ、東京都内であることを忘れさせてくれる観光スポットが充実。気軽に行ける日帰り子連れ旅にぴったりです。
アクセスは車に加え、電車+バスでも行ける!
車で向かう場合の最寄りのICは、圏央道の日の出ICや青梅IC。国道411号(青梅街道)を通って奥多摩エリアに向かいます。奥多摩町中心部に入り奥多摩駅を過ぎてすぐ、日原街道入口で右折して日原街道へ。
日原街道に入ってすぐは住宅地もあるものの、少し進めばかなり狭い道が続くので運転に注意。対向車との行き違いが難しく、ところどころに待機用のスペースが設けられているので、無理せずうまく活用しながら進みましょう。
日原街道入口から約10km、20分ほどで到着! 売店近くに30台ほどの駐車場が用意されています。
繁忙期は駐車場待ちの渋滞ができるほどの人気です。手前の駐車場がいっぱいの場合は、200mほど奥に進めば50台ほどの駐車場もありますので、そちらを利用しましょう。
電車+バスの公共交通機関を利用する場合は、JR青梅線の終着駅・奥多摩駅が起点です。都心からなら中央線経由で青梅駅乗り換えが基本。土・日曜、祝日には、東京駅から直通の「ホリデー快速おくたま」も運行されています。
鍾乳洞へは駅出口を出てすぐ右手、1番乗り場から出る鍾乳洞・東日原方面行き西東京バスを利用します。バスの本数は1~2時間に1本ほど。
平日の場合は奥多摩駅から約35分で「鍾乳洞バス停」に到着。そこから徒歩で5分ほどです。
土・日曜、祝日の場合、バスはすべて「鍾乳洞バス停」から2つ手前の「東日原バス停」止まりで、鍾乳洞行きは運行されません。東日原バス停から鍾乳洞まで、25分ほど歩くので注意しましょう。
チケットを買って中へ! 服装や持ち物の注意点は?
到着後、鍾乳洞への降り口から階段を下ると販売所がありますので、ここでチケットを購入しましょう。美しい渓谷にかかる橋を渡れば、すぐに鍾乳洞入口です。
洞内の気温は年間を通して11℃前後。冬は暖かく感じますが、夏は外との気温差でひんやり。ときには寒く感じるので、長袖を一枚持ってきておくと安心です。雨の多い日やその翌日は水滴が多くなるので、カッパやタオルも用意しておきましょう。
さらに、中には写真のように水が溜まっている場所や、滑りやすい岩場、急な階段などもあるのでサンダルやヒールは危険。スニーカーや運動靴など歩きやすい靴で入りましょう。また、洞内は狭いため、特に子ども連れだと子どもに気を取られて頭をぶつけることもあるので、帽子を被っておくのがおすすめです。
鍾乳洞内の楽しみ方。何が見られる?
所要約40分の洞内は、長い年月をかけてつくられた神秘的な巨大地下空間。大人も子どもも好奇心が刺激される、まさにアドベンチャーワールドです。ここからは数ある見どころのなかから、主なものをチョイスして紹介します。
まずは前半部分の主な見どころとして、したたり落ちる水滴が美しい音を奏でる「水琴窟[すいきんくつ]」。静かに耳を傾ければ、洞内に響く繊細な水音が心を癒してくれます。
次に「水琴窟」の隣にある「弘法大師学問所」。その昔に弘法大師が修行に使ったといわれる場所で、かつて山岳信仰のメッカとしても知られた名残を感じさせてくれる空間です。
さらに、こちらが「天井知れず」。狭い部分も多い洞内で、上が見えないほど高く空間が続いているところで、鍾乳洞の規模の大きさと自然の力を感じさせてくれます。
そしてパッと視界が開け、巨大な空間へ。赤、青、緑、ピンクなど色が変化するライトアップで、幻想的な世界へ誘います。手前に見えるのは巨大なカエルを思わせる「ガマ岩」。さらに正面に見える「死出の山」を登っていくと……。
見学できるなかでは鍾乳洞の最奥部にあたる「縁結び観音」。石積みに囲まれるように鎮座した観音様で、ご利益を求めて熱心にお参りする人もいるそうです。
「死出の山」を正面に、右手に続く通路を進みます。鍾乳洞自体はさらに奥へとは続きますが、見学ルートはここで行き止まり。この先には「大広間」や「底無し井戸」があるそうですが、危険なため非公開になっています。
帰りは昭和37年(1962)に発見された新洞経由で。当時、奇跡的に手つかずのままで発見され、石筍と石柱の発達が著しく、鍾乳石の白いつららが見られるルートです。
ただし、写真のような急な階段が約50mも続いて、少し高難易度。ここを通らなくても行きと同じ旧道を通れば出口には戻れますので、子どもが疲れていたり、体力に不安があれば安全第一で回避しましょう。
新洞に入って写真奥に見える約2.5mにおよぶ細長い石筍が、その名にふさわしい見事な成長ぶりの「金剛杖」。1cmのびるのに100年前後として、2~3万年かけてつくられたことになります。
ふたたび旧洞と合流して、来た道を戻りトンネルを抜ければゴール!
鍾乳洞出口からひさびさに見える明るい外の景色。渓流の清らかな水の流れが美しいです。
清潔なトイレで子連れも安心!
トイレはチケット販売所の手前にもありますが、こちらは汲み取り式なので子どもは驚いてしまうかもしれません。
おすすめはチケット販売所の裏手の、ちょっと分かりづらい場所にあるこちらのトイレ。
最近できた新しいトイレで、中もとても清潔です。
シャワー式トイレでベビーチェアも設置されていますので、ぜひこちらを利用してくださいね。
駐車場近くの売店横にも、奥多摩町の観光用トイレがあります。奥多摩町は「日本一観光用公衆トイレがきれいな町」をうたっているそう。こちらも多目的トイレも備え、利用しやすいのでおすすめです。
売店にはランチメニューにお土産も!
帰りは駐車場近くにある売店「日原鍾乳洞休憩所」で、ランチ&お土産購入ができます。
店内は心地よい風とともに渓谷のせせらぎが聞こえ、とてもすがすがしい雰囲気。
子ども用のイスや食器などが用意されているのも、ファミリーにうれしいポイントです。
おすすめメニューはキッズも大好きなラーメン(650円)。特に店内で手作りしているチャーシューが自慢だそう。しょうゆベースのスープもさっぱりとシンプル、やさしい味わいです。ほかにも、カレーライス(750円)や牛丼(800円)、夏はざるうどんやざるそば(各600円)などもおすすめです。
お土産のおすすめは奥多摩地域で古くから受け継がれてきたユズを使った商品。完熟生柚子こしょう(900円)は中辛と大辛の2種類。柚子バター(800円)と合わせ、計3種類用意されています。
奥多摩産ワサビを使ったわさびジェラート(1個250円)もおすすめ。ワサビがピリッとアクセントになった、爽やかなアイスをぜひ試してみてくださいね!
●日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)
住所 | 東京都西多摩郡奥多摩町日原1052 |
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問合先 | 0428-83-8491 |
料金 | 大人800円、中学生600円、小学生500円 |
営業時間 | 9~17時(12~3月は9時~16時30分) |
定休日 | 無休(但し12月30日~1月3日は休業) |
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