津山まなびの鉄道館で蒸気機関車「デゴイチ」や国内1台のディーゼル機関車を見よう

津山まなびの鉄道館で蒸気機関車「デゴイチ」や国内1台のディーゼル機関車を見よう

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国内に現存する扇形機関車庫の中で2番目の規模をもつ「旧津山扇形機関車庫」。その扇形機関車庫を利用し、希少な車両などを展示・保存している「津山まなびの鉄道館」。パパやママはその景観にノスタルジーを感じること必至!まさに鉄道遺産とも呼べる施設なのですが、見たこともない車両のオンパレードに、子どもたちは目をキラキラ輝かせること間違いなしです!

目次(index)

レトロな硬券で入館、ノスタルジックな世界へ

入館券は硬券/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

入館券が切符!! しかもボール紙でできた硬券。40代以上のパパやママにとっては、旅行などに行くたびに集めた人もいるのでは。自動改札機とSuica(スイカ)やICOCA(イコカ)などのICカードが主流となった今、子どもたちはキョト~ン!切符自体を知らないこともあるかもしれません。「昔の改札では、駅員さんがこの切符にパンチで穴を開けたり、切り込みを入れてくれたんだよ」などと教えてあげてくださいね。

/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

目の前に広がるのは、1936(昭和11)年に建設された、延床面積約2527平方メートルの「旧津山扇形機関車庫」。ゆる~く曲線を描く扇形の車庫や放射状に延びる線路など、大人にとっては映画の中で見たようなノスタルジックな光景に包まれます。子どもたちにとっては新しい? 古い? 果たしてどのように目に映っているのでしょうか。

「旧津山扇形機関車庫/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

すぐにでも車両に近づきたいところですが、ちょっと待ってください!

動輪と転車台/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

車庫前には、蒸気機関車C57形に装備された、国内では最も大きい直径約1m75㎝、重さ3480kgもある動輪に加え転車台も。

転車台/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)
転車台のジオラマ/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

転車台とは車両の向きを変える機械。おもちゃなどでは目にしたこともあるのでは。しかもこの転車台に加え、1936年に建設された扇形機関車庫も実際に稼働できるというから驚きです。施設内にあるジオラマで俯瞰すれば、その様子が手に取るようにわかります。

規模は国内2番目!美しい扇形機関車庫に眠る大切な13車両

/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

「旧津山扇形機関車庫」は、京都鉄道博物館の「梅小路機関車庫」に次ぐ、国内に現存する扇形機関車庫の中で2番目の規模。当時の金額で11万600円で建設され、現在の金額にすると数億円にものぼるとか。収容線数は17で、13車両が展示・保存されています。

ディーゼル機関車「DE50-1」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

必ず見ておきたいのは、国内で1台のみ製造されたディーゼル機関車「DE50-1」。

ディーゼル機関車「DE50-1」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

ココでしか見ることのできない貴重な車両で1970年に製造。2000馬力という大馬力エンジンを搭載しているのが特徴ですが、急速な電化などにより1両のみの製造で量産化されなかったという経緯が。

「旧津山扇形機関車庫/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)
D51形蒸気機関車/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

子どもから大人まで、1番人気はやっぱり“デゴイチ”の愛称で知られる「D51形蒸気機関車」。黒光りする重量感たっぷりの車両は風格すら感じるほど。日本全国で活躍した“デゴイチ”は、1936年から1945年の間に1115両製造され、ここに展示されている車両は2番目に造られたもの。

「DD15形ディーゼル機関車/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

おもしろい形をした車両は「DD15形ディーゼル機関車」。DD13形をベースに造られた除雪用ディーゼル機関車。

「DD13形ディーゼル機関車」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

こちらは、そのベースになった「DD13形ディーゼル機関車」。1967年に製造されたもので、初めて量産化した入換・小運転用のディーゼル機関車で、貨物運搬の無煙化に貢献。

「キハ181形気動車」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

「キハ181形気動車」は、急勾配線区向けに500馬力のエンジンを搭載した特急列車用気動車で、1969年の製造。

「キハ33形気動車」「DD51形ディーゼル機関車」「10t貨車移動機」など/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

このほかにも「キハ33形気動車」「DD51形ディーゼル機関車」「10t貨車移動機」などの貴重な車両を展示。

車庫内の背面にあるガラス窓/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

車庫内の背面にはガラス窓が配され、黒い蒸気機関車とその煤煙などによって暗くなりがちな庫内に自然光を取り入れる工夫も。

天井の煙り抜けの穴/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

天井には、当時は貫通していたであろう煙り抜けの穴なども確認することができます。

ジオラマショーや鉄道クイズで鉄道博士になってみよう!

1/150のジオラマで津山の街並みを再現/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

車両の展示・保存だけにとどまらないのが「津山まなびの鉄道館」のいいところ。屋内施設では鉄道の歴史や仕組み、豆知識などを楽しみながら、わかりやすく学ぶことができるんです。1/150のジオラマで津山の街並みを再現し、Nゲージが走る「まちなみルーム」は大人気!

 

、「旧津山扇形機関車庫」のジオラマ/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

もちろん、「旧津山扇形機関車庫」なども精巧に再現されており、あたかも街を電車が走っているような雰囲気を楽しめます。

ジオラマショーの案内/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)
ジオラマショー/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

そんな、所要約5分のジオラマショーは1日6回。先着10名の定員制なので施設入場時に必ず整理券をもらいましょう。ナレーションとともに、朝・昼・夜と表情を変える街を電車が走り抜けていきます。

「あゆみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

「あゆみルーム」では、日本の鉄道の始まりや岡山の鉄道の歴史について、こちらもNゲージ模型などの展示を楽しみながら学べます。ところで、岡山県の津山という場所に、なぜ大規模な「旧津山扇形機関車庫」があるのでしょう?

「あゆみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

答えは、瀬戸内海と日本海をつなぐ南北の要所、大阪と広島をつなぐ東西の要所だったことが大きく関係し、鉄道関係者にとっては、それほど意外なことではないとのこと。

制服や昔の切符売り場/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

制服や昔の切符売り場、改札などがあるのは「しくみルーム」。今となってはICカードが主流なので、子どもにとっては初めて見る鉄道世界かもしれません!

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)
「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

実際に、切符にスタンプを押すこともできます。

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

さらに、鉄道好きな子どもなら食い付きそうなのが、列車の行き先確認があったり……

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

車両番号に隠された秘密があったり……

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

クイズなども出題されています!

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

踏切や信号機もこんな間近に!

「しくみルーム」/津山まなびの鉄道館(岡山県/津山市)

さぁ、鉄道博士になって発車オ~ライ!!

津山まなびの鉄道館

住所 岡山県津山市大谷
電話 0868-35-3343
営業時間 9~16時(入館は15時30分まで)
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)・年末
料金 大人310円、小・中学生100円
アクセス 電車:JR「津山駅」より徒歩10分
車:中国道「津山IC」より国道53号を経由して約12分
駐車場 約35台
URL

https://www.tsuyamakan.jp/manabi/index.html

【Photos:tawawa】

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