子どもが苦手になりがちな野菜には、苦い、辛いといった理由があることが多く、切り方や調理法のちょっとした工夫が実は大切。この記事では苦手野菜を克服できる調理法やレシピを、子ども料理研究家のごはんさんが伝授!
第六弾は、香りや食感、見た目が独特な「しいたけ」。子どもが苦手な野菜の王道ですが、組み合わせや調理次第でお肉のような食感になるんです。
子ども料理研究家 ごはん
予約のとれない訪問調理師として大人気。1500軒件以上のお宅を訪問し、好みやアレルギーの有無、家族構成に合わせた身体に優しい料理を日々提案中。
しいたけ嫌いな子どもが食べるレシピを動画で紹介!
パリパリ揚げ餃子
かやくご飯
しいたけ嫌いな子どもが多いのは、香りやグニュッとした食感から
苦手な理由には、しいたけの強い香りやグニュッ、ヌルッとした歯ごたえが挙げられます。ほかにも、焼いて水分が抜けた時のゴムのような食感、軸や石づきの固い歯ざわり、ひだの見た目、黒や茶色といった警戒心を持つ色味など、苦手になりがちな要素が多め。
しいたけの克服ポイント 干ししいたけのエキスで少しずつ慣れる
■そのものを使わず、出汁のみを使う
しいたけ独特の香りや風味に慣れるには、干ししいたけの出汁が有効です。煮物やお味噌汁に少しずつ混ぜ、抵抗をなくしていくことから試してみてください。しいたけそのものを混ぜるのは、それからでも問題ありません。
■細かくする
見た目に特徴があるので、大きめなカットではひだや色味で苦手意識を持ってしまい、口にしてくれないことが多いです。できるだけ細かく切って使いましょう。
■油と合わせる
グニュッ、ヌルッとした食感は、油分が多い食材と噛み応えが似ています。お肉が好きな子どもには特に、脂身の多いお肉や油と合わせて調理するのがおすすめ!
<しいたけの選び方のコツ>
傘の部分を下にして売られているものは乾燥していることが多いので、傘を上にして売られているものが◎。また、袋詰めのものも乾燥しがちです。乾燥すると軸が木のように固くなってしまうので、買うのを避けるか、固い軸は切り離しましょう。
◆知ってる?しいたけが特産物の都道府県
各都道府県には特産物として知られる野菜がいろいろあります。旅行に出かけた時に、その土地の食べ物をおいしく感じるのは、気分だけではなく、作るのに適した土地で栽培され、採れたてで新鮮なものが多く出回っているため。いつもは苦手な食材も旅先で食べたり、産直センターなどで買ったり、通販で取り寄せてみたりすると、克服できるかもしれません。
<しいたけの収穫量ランキング>
1位:徳島県
2位:北海道
3位:岩手県
ごはんさんが伝授!子どもがしいたけをおいしく食べた!人気レシピ
これから紹介するのは、ごはんさんが実際に訪問調理先で子どもたちに大人気だったレシピばかり。「今まで全然食べなかったのにこれは食べてくれた!」という親御さんの声も多いのだとか。簡単に作れて、なるべく材料が少ないレシピを選定しています。
親子で一緒にできる工程には、写真にこのマークをつけています。子どもが自分で作ると、達成感から克服のきっかけになるかも!
1.パリパリ揚げ餃子
主に使う道具は、ハサミとビニール袋だけ!揚げる前の工程では、子どももできる作業がたくさんあるので、ぜひ一緒に作ってみましょう。油で調理されたしいたけは、お肉のような食感で食べやすいですよ。
<調理時間>約30分
<材料>※親子4人分の目安です
しいたけ 5個
豚ひき肉 150g
ピザ用チーズ 20g
ケチャップ 大さじ1
マヨネーズ 大さじ1
塩コショウ 少々
ぎょうざの皮(大判) 10枚
揚げ油 適量
<作り方>
① しいたけは石づきをハサミでカットし、軸と傘を分ける。それぞれ5mm角になるようにカットする。
【ポイント】
包丁を使わずにできるので、子どもと一緒にハサミで切ってみましょう。大きさにはあまりこだわりすぎず、折り紙を切るような感覚でチョキチョキと切ってみて。
② ビニール袋に①と豚ひき肉、ピザ用チーズ、ケチャップ、マヨネーズ、塩コショウを入れて、ミンチ状になるまで揉み込む。
③ 餃子の皮で包み、180度の油で2分揚げて完成。
【ポイント】
包むときはひだを作らなくてOK。油で揚げるので、肉汁が出ないようにぴったりと閉じましょう。親子で会話を楽しみながら包んでみて!
2.かやくご飯
しいたけやにんじんといった子どもが苦手とする材料を使いながらも、パクパク食べてくれる大人気のレシピ。ご飯を炊く前に鶏肉と一緒に他の材料を炒めるのがポイント!独特のにおいや風味を薄めながら旨みを閉じ込めます。
<調理時間>約50分
<材料>※親子4人分の目安です
干ししいたけ 3枚
にんじん 1/3本
タケノコ 100g
油揚げ 1枚
鶏もも肉 150g
ごま油 大さじ1
★醤油 大さじ2
★みりん 大さじ1
★砂糖 大さじ1
★塩 小さじ1/3
米 2合
<作り方>
① 干ししいたけは1カップの水で戻し、柔らかくなったら石づきを取って、5mm角にカットする。
【ポイント】
干ししいたけを戻した水は、ご飯を炊くときに使うので残しておきましょう。
② にんじん、タケノコ、油揚げを5mm角にカットする。
③ フライパンにごま油を熱して、中火で鶏もも肉を炒め、色が変わったら①と②と★を入れて2分炒める。
【ポイント】
炊き込みご飯は具材や調味料の汁をお米にしみ込ませることで、味がぎゅっと締まります。炊く前に具材を炒めて簡易的な煮物を作っておくことで格段においしくなるので、ぜひ実践してみて。
④ 研いだお米に③で出た汁をすべて注いでから、炊飯器の2合の目盛りまで①の干ししいたけの戻し汁を加え、上から③の具材をのせる。炊き込みモードで炊飯して完成。
【ポイント】
干ししいたけの戻し汁をすべて入れてしまうとべちゃべちゃになってしまうので、炊飯器の目盛りを守りましょう!
細かくカットしてひき肉と合わせて揚げたり、エキスも残さず利用して旨みたっぷりの炊き込みご飯にしたり、しいたけが苦手な子どももきっと気に入ってくれるはず!一緒に作業する時間も楽しみながら、ぜひ作ってみてくださいね。
子どもが食べる野菜レシピ!リンク
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