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2021年、withコロナの夏休み

夏休みは星空観察を!夏の大三角・天の川・さそり座の見つけ方、星座の神話も紹介

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はうちょう座のイメージ

夏の星空は、天の川や織姫・彦星が登場する七夕神話にまつわる星や、12星座でなじみがあるさそり座など、子どもになじみのある星座が観察できます。夜、外に出かけやすい気候でもあるので、実は星空観察デビューにはうってつけの季節!夏の代表的な星座の見つけ方や神話、夏休みの自由研究のアイデアについて、日本科学未来館・科学コミュニケーターの長島瑠子さんに教えてもらいました。

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日本科学未来館・科学コミュニケーター 長島瑠子さん日本科学未来館・科学コミュニケーター 長島瑠子さん
幼い頃から星や石、生き物に触れて育ち、気がつけば科学の道に。その後、私たちの生活を支えるロボットや先端テクノロジーに興味をもつように。日本科学未来館では、科学コミュニケーターとしてロボットの実演をおこなったり、子どもたちと宇宙開発について語り合ったりしている。好きな星座は「や座」、好きな神話は「はくちょう座」の物語。

目次(index)

1.夏の星空、星の特徴は? 

2021年7月20日20時頃の星空

2021年7月20日20時頃の星空

七夕でおなじみの天の川や星座が見られる

「夏は星空観察デビューにおすすめです」と話す長島さん。乾燥した冬の星空とは違い、夏は湿気が多いので星は見にくくないのでしょうか?
「確かに冬よりも星は見にくいのですが、夏の星座は探しやすく、子どもたちにもなじみ深いものが多いのです。七夕でおなじみの天の川、織姫星であること座のベガ、彦星であるわし座のアルタイル。さらに、この2つとはくちょう座のデネブを結ぶ夏の大三角、赤く輝くさそり座のアンタレスなど、華やかで見ごたえのある星が楽しめるのは、夏の星空ならでは!です」(長島さん)
夜寒くないので、気軽に外にでて星空を眺めやすい季節なのもいいですね。

2021年夏のペルセウス座流星群は8/13がピーク!

ペルセウス座流星群

ペルセウス座流星群

日本で観測しやすい流星群のなかでも、ペルセウス座流星群は夏に活動する流星群で、多くの流星を観測することができます。「特に今年は、月明かりの影響が少なく、好条件下でペルセウス座流星群が見られます!ピーク(極大)予想は2021年8月13日の3時ごろ。その前後の数時間で、観測に適した条件がそろえば、1時間に40以上もの流星が見られるでしょう」(長島さん)
ちょうど夏休み期間なので、少しがんばって夜更かしをして観察してみたいですね。

2.夏の代表的な星座の見つけ方

夏の星座には4つの一等星があります。そのうちの3つを結んだ夏の大三角は、夏の星座の目印的存在です。残りのもう1つの一等星、アンタレスは夏の代表的な星座、さそり座に含まれます。それぞれの見つけ方をレクチャーします。

夏の大三角が見える方位と時期

まず、夏の大三角を見られる方位は、何月に見るか、何時頃見るか、で少しずつ変わってきます。21時頃であれば、7月なら東の空、8月9月ならほぼ真上か、南西よりの空になります。

夏の大三角は「はくちょう座のデネブ」から探そう

夏の大三角

夏の大三角を探すときは、まず「はくちょう座のデネブ」を見つけるとわかりやすいです。最初に、東の空にぼんやりと帯状に星が集まっている天の川を探しましょう。そのなかでひときわ明るく光る星が「はくちょう座のデネブ」です。はくちょう座は十字形をしています。そして、天の川を挟むようにして「こと座のベガ」、「わし座のアルタイル」があります。この3つの星を結んでできるのが、夏の大三角です。

七夕の織姫と彦星 「こと座のベガ」と「わし座アルタイル」

夏の大三角をつくる「こと座のベガ」は織姫「わし座のアルタイル」は彦星です。
1年に1度、7月7日、七夕の夜にだけ会うことができる織姫と彦星。この2つの星はすぐ近くにあるように並んで見えますが、実は地球からの距離はそれぞれまったく違い、さほど近くはありません。2つの星の間の距離は14光年。光のスピードでも14年近くかかるほど離れているんです。夜空に同じように並んで見える星たちですが、どれも地球からの距離はさまざまです。宇宙は立体的で奥行きがあるんですね。

天の川ってなに?いつ見える?

長野県・乗鞍高原から見る天の川

長野県・乗鞍高原から見る天の川

七夕のイメージから、夏の印象が強い天の川。確かに、天の川は夏によく見えるのですが、実は一年中見えています。雲のようなぼんやりとした帯状に見える天の川の正体は、地球を含むたくさんの星の集まりである銀河。天の川銀河とも呼ばれています。地球と銀河の位置関係から、夏は銀河の真ん中の部分が見えているため、ほかの季節よりもよく見えるのです。

天の川銀河のイメージ

<これも知ってる?>

  • 未来はベガが北極星に?!
    一年中、ほとんど位置が変わらず北の空に光っている北極星。約1万2000年後にはこと座のベガが北極星になっているだろうと言われています。北極星は地球の自転の軸の延長線上にあるのですが、この軸がこまのように傾いていき、いずれ軸の先がベガになっていくのです。明るい1等星のベガが北極星になったら、今よりも探しやすいかもしれませんね。

さそり座のアンタレス

さそり座のイメージ

南の空、低いところに明るい赤い星が見えます。これが夏の星座に含まれる4つの一等星のうちのひとつ、さそり座のアンタレスです。アンタレスはさそりの心臓にあたる部分で、そこからまわりの星を結ぶとアルファベットのSのように見えます。

アンタレスという名前は、反対・対抗などの意味を持つ言葉「アンチ」の語源と、ギリシャ神話で火星と結びつけられている「アレス」の組み合わせで出来ていて、「火星に対抗する星」という意味があります。年によっては、アンタレスの近くに火星が輝くこともあり、明るい赤い星が2つ見られることがあります。

北斗七星だけじゃない?! いて座の一部「南斗六星」

いて座のイメージ

さそり座のアンタレスから、天の川を挟んだ反対側に6つの星が柄杓の形のように並んでいるのが見えます。これは「いて座」の一部で、北の空にある北斗七星に対して南斗六星と呼ばれます。北斗七星は春の代表的な星座としてよく知られていますが、実は夏も北の空に見ることができます。

★こちらも参照!» 春の星空観察は北斗七星から~

3.夏の星座にまつわる神話

星座にまつわる神話を知ると、星空観察はますますおもしろいものになります。いろいろな神話を編み出した昔の人々の創造力に触れて、星を見ながらオリジナルの物語を考えてみるのもいいですね。

やっぱり夏は七夕伝説

現在でも私たちがなじみのある七夕伝説はもともと中国から伝わったもの。中国の神様の中でいちばんえらい神様・天帝が娘である織姫とまじめな牛飼いの彦星を結婚させたところ、仲良くなりすぎてしまい仕事がおろそかに!それに怒った天帝が二人を天の川の両岸に引き離してしまいました。ところが、二人は離されたことで毎日のように悲しみにくれ、仕事になりません。憐れんだ天帝が、年に一度7月7日の夜に会わせる約束をしたという物語です。日本では、織姫の仕事が機織りであることから、裁縫や芸事の上達を願う意味もあったようです。

一方、天の川は英語で「ミルキーウェイ」とも呼ばれ、ギリシャ神話では女神ヘラの母乳が飛び散ってできた川とされています。

<これも知ってる?>

  • 織姫と彦星をのせたものは…?!
    七夕は旧暦の7月7日に行われていました。この日の夜の月は上弦の月といわれる半月で、それを天の川を渡る船に見立てたという説があります。また鵲(かささぎ)という鳥が翼を並べて橋を作り、川を渡す役目を担っているという説も。なんとか2人を会わせようと考えられたのでしょう。

はくちょう座の神話

ギリシャ神話には欠かせない全知全能の主神・ゼウス

ギリシャ神話には欠かせない全知全能の主神・ゼウス

ギリシャ神話では、はくちょう座の白鳥は、大神ゼウスが変身した姿だと言われています。美女である王妃レダにひかれたゼウスが白鳥になって会いに行きます。レダはその白鳥をやさしく抱き寄せると、大きな卵を2つ生みます。一つの卵からは双子の兄弟、カストルとポルックスが生まれ、ふたご座となります。そしてもう一つの卵からは女の子の双子、クリュタイムネストラとヘレネが生まれます。妹のヘレネは美しく、トロイア戦争の原因にもなりました。

わし座の神話

みずがめ座の美少年?!

みずがめ座の美少年?!

わし座にまつわる神話は多くありますが、2つご紹介しましょう。まず1つはみずがめ座となった美少年・ガニュメデスをゼウスが気に入り、神々の給仕役として迎えに行かせたのがわしだったというもの。そして2つ目はゼウスが使う雷の矢を運んでいたのがわしだったという説。わし座のとなりには「や座」があるのもそれに関係しているのかもしれません。

4.夏の星空観察、おすすめの場所と持ちもの

栃木県・戦場ヶ原から見る夏の大三角

栃木県・戦場ヶ原から見る夏の大三角

関東圏のおすすめ星空スポット

季節に関わらず、星空観察におすすめの場所は、街明かりが少なく、高い建物がないひらけたところ。

「少し遠出をするだけでも、街中でみる星空とはやはり異なるもの。キャンプ場などで見上げる夜空はとても美しいです。関東であれば、奥多摩や栃木県の戦場ヶ原、茨城県の筑波山などがおすすめですよ」(長島さん)。

ぜひ夏休みを利用して、足を伸ばしてみたいですね。

夏の星空観察の持ちもの

星座早見表はあると便利です。また、夏の屋外は虫が多いので、虫よけスプレーは必須!地面に寝転がるなら少しクッション性のある銀色マットを敷くのがおすすめです。
懐中電灯を持っていく場合は、光の部分に赤いセロファンを貼って明るさを抑えておくと、目に影響なく星を見ることができます」(長島さん)

★こちらも参照!» 親子の星空観察Q&A

5.夏休みの自由研究アイデア

夏の星空観察は、家族の思い出になるだけでなく、夏休みの日記や自由研究にも大いに活かせます!

オリジナル星座ストーリーを創作

「星の形を自由に見立て、自分でストーリーを創ると楽しいです。星座名や神話にとらわれず、空想を思いっきり楽しんでみてください。誰とも似ていない、唯一無二の自由研究になりますよ」(長島さん)

ペルセウス座流星群の観察記録は今年のおすすめ!

先述したように、夏にみられるペルセウス座流星群が、今年は好条件下! ピーク予想は2021年8月13日3時ごろ。その前後の数時間で、1時間に40もの流星が見られそうです。
「1時間ごとに、星がどのくらい見えたかを観測して記録するだけでも、立派な夏休みの自由研究になります。特に今年は数年ぶりの好条件なので、きれいに見えるでしょう」(長島さん)
いつもなら寝ている時間帯ですが、この日ばかりは親公認で夜更かしができるのも子どもには嬉しいことかもしれませんね。ぜひ家族で夏の星空を楽しんでください。