株式とは?子ども向けにわかりやすく解説!証券取引所は何をしているところ?小学生の金融教育は親子一緒に!

株式とは?子ども向けにわかりやすく解説!証券取引所は何をしているところ?小学生の金融教育は親子一緒に!

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ニュースを見ているとよく出てくる「株式」、「日経平均株価」などという言葉。「株式会社」に勤めているママパパも、子どもに株式のことをしっかりと説明できる人は多くないかもしれません。そこで、東京証券取引所の方に、わかりやすく会社や経済の仕組みを教えてもらいました。小学生の金融経済教育は、親子で楽しく興味関心をもつことから!記事の最後には、東京証券取引所とるるぶKidsのコラボイベントのお知らせも。ぜひお見逃しなく!

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鈴木深 先生・町田貴子 先生鈴木深 先生・町田貴子 先生
株式会社 東京証券取引所 金融リテラシーサポート部
金融経済教育担当。子ども向けに経済の仕組みや株式など、金融経済教育を行っている。

目次(index)

株式って何?

会社が活動するためには、多くのお金が長期にわたって必要です。銀行にお金を借りる方法もありますが、好きなだけお金を借りられるわけではありませんし、いつか利子をつけて返さなくてはなりません。そこで代わりの手段として、会社は株式(かぶしき)というものを発行し、多くの人たちに買ってもらうことでお金を集めます。

そもそも会社ってなんだろう

会社の目的は、みんなに良い商品やサービスを提供して、お金を稼ぐこと。自動車会社だったら、新しい自動車を作るための研究や開発を行い、工場で自動車を生産し、自動車が売れるように広告や販売活動を行います。新しい仕事をするためには多くのお金が必要となるため、このお金を集めるために株式を発行している会社が「株式会社」と呼ばれます。私たちの身の回りの商品やサービスを提供しているのは多くが株式会社です。おうちや学校で毎日使っているものはどんな会社がつくっているのか調べてみると、より身近に感じられるかもしれません。

どうして株主は会社にお金を出すの?

会社の株式を買った人は、株主(かぶぬし)と呼ばれます。株主は、会社のオーナーのようなもので、配当金(はいとうきん)がもらえたり、株主総会に参加できたり、株主優待がもらえるなど、さまざまな権利を持つことになります。純粋に会社を応援するために株式を買う人もいますが、これらの権利を得られることが、魅力と考える人も多いです。

【株主の権利 その1】配当金がもらえる

会社の売上が良ければ、株主は持っている株式の数に応じて、会社から配当金をもらうことができます。1株あたり100円の配当金がでる場合、100株を持つ株主なら100円×100株で10,000円が受け取れます。ただし、会社の事業がうまくいかなければ、配当金はもらえません。

【株主の権利 その2】株主総会に出席できる

株主は、会社の経営者や今後の活動方針など決める株主総会(かぶぬしそうかい)に参加できます。株主総会は、株式会社に義務づけられていて、株主がオーナーとして、会社に関わっていることを実感できる場といえますね。

【株主の権利 その3】株主優待が受けられる

株主優待とは、株主へのおまけのプレゼントです。会社の商品やサービスなどを受け取ることができます。例えば、ファミリーレストランを運営している会社なら、お店で使えるクーポン券をもらえたり、おもちゃを作っている会社であれば、おもちゃを安く買えることも。
※株主優待を実施していない株式会社もあります。

証券取引所の役割って?

証券取引所外観

株主は、株式を売ってお金に換えることもできます。そこで株式を売りたい人と買いたい人をつなぐ場所となるのが証券取引所です。株式を売りたい人、買いたい人は世界中にたくさんいて、その中から条件に合った相手を見つけるのはとても大変。証券取引所は売り買いをスムーズに行うための株式の市場なのです。

証券取引所で働く人たちは、株式の売り買いの監視、取引がルールに従って正しく行われているかのチェック、取引をするためのシステムの開発・運用、上場(じょうじょう)の審査、などたくさんの仕事をして、だれもが安心して取引ができる環境を作っています。

上場って何?

株式が証券取引所で売買できるようになることを上場(じょうじょう)と言い、上場した会社は上場会社と呼ばれます。上場するには、証券取引所が決めた厳しい基準をクリアする必要がありますが、上場すると、会社の名前が知られやすくなり、信頼度もアップ。その結果、多くの人からお金を集めやすくなります。

証券取引所は日本に4つある

日本には東京、札幌、名古屋、福岡の4つの証券取引所があり、証券取引所で扱われる株式は、上場会社の株式のみ。東京証券取引所がもっとも多くの上場会社の株式を取り扱っています。どの取引所でも、株式の取引は平日のみ行っており、土日祝日はお休みです。

どうやったら株式の売買ができるの?

株式を買いたいと思っても、証券取引所から買うことはできません。証券会社に口座を作り、その証券会社を通して注文をし、その株式の購入資金を支払うことで、株式を買うことができます。かつては証券会社の窓口で直接、購入したり、証券会社に電話をかけて株式の注文を行っていましたが、現在ではパソコン、スマートフォンなどから注文できます。

株式の売買は子どもでもできる?

実は、子どもでも株式を売買することができます。親や保護者の同意が必要ですが、証券会社で未成年口座というものを作れば、0歳からでも株式の売買が可能です。ただし、株式は1株ではなく100株単位で購入する必要があり、金額が大きくなるため、子どもの意思だけで実際に株式を購入するのは難しいかもしれません。ですが、もし子ども自身が興味関心をもっている場合は、会社や経済に対する学びが深まり、金融教育にもなるので、親子で話し合って検討してみるのもいいですね。

株式の売買には2つの大きなルールあり

証券取引所での株式の売買は、すべてコンピュータが行っています。株式を買いたい人が証券会社に注文を出すと、その注文はコンピュータを通じて証券取引所に伝わり、取引が行われます。取引はオークション形式で行われ、価格優先と時間優先の2つの原則で成り立っています。

■価格優先の原則

価格優先の原則

株式を売る注文は、値段が一番安い人が優先されて、買う注文では値段が一番高い人が優先されます。株式を120円で売りたいDさん、株式を130円で売りたいEさん、株式を140円で売りたいFさんの3人がいた場合、一番安いDさんが優先。株式を100円で買いたいAさん、110円で買いたいBさん、120円で買いたいCさんの3人がいた場合、一番高いCさんが優先され、120円で取引が成立することになります。これを価格優先の原則と言います。

■時間優先の原則

時間優先の原則

時間優先の原則とは、同じ値段で2つ以上の注文が入った場合、受付時間の早い注文が優先されることを言います。100円で買いの注文を9時に出したAさん、9時15分に出したBさん、9時30分に出したCさんがいた場合、最も早い時間に注文を出しているAさんが優先されます。

株価ってどうやって変わるの?

需要と供給のバランス

株式の値段のことを、株価(かぶか)と言います。買いたい人(需要)と売りたい人(供給)のバランスで決まり、株式を買いたい人が多いと株価は上がって、売りたい人が多いと株価は下がります。会社の業績がよかったり人気があがると、その株式を買いたいと思う人が増えて株価も上がると考えてください。政治や国際的な出来事、気象なども株価の動きに影響します。

TOPIXや日経平均株価って何?

一つの会社だけでなく、日本の株式市場全体の動きを追うならTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価を調べるのがおすすめ。TOPIX(東証株価指数)とは、東京証券取引所に上場している主な会社2000社以上の時価総額に基づく株価指数のこと。日経平均株価とは、日本経済新聞社が選定した225銘柄に基づく株価指数のことです。インターネットで「TOPIX 今日」などで検索すれば、すぐに調べることができます。

親子で一緒に株式を学ぼう!

子どもが実際に株式を買うのは難しいかもしれませんが、まずは身近な会社の株価を調べることから始めてみるのがおすすめです。たとえば、好きなゲームを作っている会社や家の車を作っている会社、テレビやYouTubeでよくCMを見る会社などです。上場している会社であれば、インターネットで「〇〇株式会社 株価」と検索すると、簡単に株価を調べることができます。毎日調べてノートに記録するなどして、株価の変動に対して「なんでかな?」と親子で一緒に考えてみるといいですね。夏休みの自由研究にもなります。

また、株式市場を通してたくさんの会社を知ることもできます。モノづくりの国・日本には約4,000もの上場会社があり、普段あまり耳にしない会社でも世界シェアトップである(=株価が高い)会社もたくさんあります。宝探しの気分で、世の中にはどんな会社があるのか、その会社がなぜ人気なのか、親子で調べてみるとキャリア教育にもつながり、子どもの未来の可能性が広がりそうですね。まずは、経済の扉をたたいてみましょう。

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