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秋田県の特産品おもしろ雑学|米の一大産地では、祭りも郷土料理も米でいっぱい

秋田県の特産品「米」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

秋田県で紹介するのは「米」。ブランド米「あきたこまち」を育み、米の一大生産地となった秘密を大調査! さらに伝統的な祭り、郷土料理など、米にまつわるエトセトラを紹介します。

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目次(index)

【知る】郷土料理から祭りまで!米づくしの秋田県

昔から米の産地として名高い秋田県。全国でもトップクラスの生産量を誇り、長く愛され続ける人気ブランド米「あきたこまち」、注目を集める新品種「サキホコレ」など、数々の良質な米を生み出しています。

どうして秋田県は、日本有数の米どころとなったのでしょうか。

秋田が日本の米どころになったワケ

イメージ/秋田県の特産品「米」

秋田県には、豊富な水、高温多雨の気候、広大な平地と米づくりに適した条件が揃っています。

秋田県と青森県にまたがる白神(しらかみ)山地は、世界自然遺産に登録された太古の原生林です。13万ヘクタールととても広く、冬に降り積もった雪が春の雪解けで天然のダムとなり、ミネラルたっぷりの水を田畑へ届けます。また県を流れる三大河川、雄物川(おものがわ)、子吉川(こよしがわ)、米代川(よねしろがわ)によって、山の栄養豊かな土が堆積してできた大地は、有機質を多く含み、農業に向いています。

日本海に流れ込む暖流、対馬(つしま)海流の影響で夏は高温となり、南北にそびえる奥羽(おうう)山脈が冷たく湿った北東の風「やませ」をせきとめます。また、山脈を越えた一部の風は「宝風(たからかぜ)」と呼ばれます。フェーン現象で気温が上がり、稲の成長を促すためです。

県内でも米の一大産地として知られる大潟村(おおがたむら)は、日本で2番目に大きな湖だった八郎潟(はちろうがた)を埋め立ててできた日本最大の干拓地でした。もともと湖だった土地の大部分を田んぼに変えたため、さらに米を増産できたのです。こうして秋田県は、日本の米どころの地位を確立していきました。

「あきたこまち」だけじゃない!米どころの品種

秋田県の主な米の種類/秋田県の特産品「米」

秋田県の米といえば、「あきたこまち」を思い浮かべる人が多いでしょう。

「あきたこまち」は、秋田県で作られる米のうち、7割以上を占めます。寒冷な気候の秋田県で栽培できるおいしい米を目指し、コシヒカリと奥羽292号を掛け合わせて昭和59年(1984)に誕生しました。ツヤツヤと輝くような透明感があり、安定した品質と収穫が魅力です。

令和4年(2022)にデビューした「サキホコレ」は、味のよさを徹底的に追求した新品種。ふっくらとした粒立ちと、かむほどに広がる深い甘み、上品な香りが特徴です。

ほかに、粘り、光沢、うま味、甘み、香りのバランスがいい宮城県生まれの「ひとめぼれ」、米粒が大きくて丸い「めんこいな」、弾力性がありふっくらとした「ゆめおばこ」などの品種があります。

「きりたんぽ」はどうして誕生したの?

「きりたんぽ」誕生の解説/秋田県の特産品「米」

「きりたんぽ」は秋田県を代表する家庭料理です。つぶしたご飯を木の棒に巻きつけ、表面を焦げ目がつくまでこんがりと焼いたもので、細長い形をしています。親から子へと受け継がれるおふくろの味であり、客をもてなすときや冠婚葬祭に欠かせないごちそうでもあります。

発祥についてはさまざまな説があり、猟師や木こりが山で仕事をするとき、山中で食べた携帯食がきりたんぽの始まりといわれています。もともとは大きなおにぎりを作って山に持参し、それをたき火であぶって温めるために木の棒に巻きつけたものだったそう。その形が植物のガマ(水草の一種)の短い穂に似ていたことから、「たんぽ(短穂)」と呼ばれるようになったのだとか。「きりたんぽ」の名は、たんぽを切って鍋料理に入れたことに由来するそうです。

また、秋田県には「だまこ鍋」という郷土料理もあります。「だまこ」とはご飯をすりこぎでつぶし、塩水を軽く含ませた手で一口サイズに丸めたものです。秋田ではお手玉のことを「だまこ」と呼ぶ習慣があり、形がお手玉に似ていたことから名付けられたと伝わります。

「秋田竿燈まつり」の提灯は米俵!?

「秋田竿燈まつり」のイメージ/秋田県の特産品「米」

秋田で米に関連するイベントといえば、毎年8月上旬に開催される「秋田竿燈(かんとう)まつり」があります。

約270年もの歴史を誇る伝統的な祭りで、長い竹ざおにたくさんの提灯を吊るした「竿燈」を、「差し手」と呼ばれる腕自慢たちが手のひら、額、肩、腰に乗せ、絶妙なバランスで操ります。竿燈全体を稲の穂に、提灯を米俵に見立てて五穀豊穣を祈願します。最大サイズの竿燈は「大若」と呼ばれ、12mのさおに46個もの提灯が取り付けられ、重さはなんと50kgもあるのだとか。

約280本もの竿燈の明かりが会場の大通りを埋め尽くす様子は、まるで夜空に揺れる黄金の稲穂のよう。米俵を模した提灯には、町に住む人々の幸せを願い、町内の象徴となる町紋が描かれています。

【つくる】ご飯をもっとおいしく食べたい!

炊飯器で手軽に炊けるご飯ですが、よりおいしく味わうには、どんなポイントに気をつけて炊けばよいのでしょうか。ここでは、ご飯がおいしくなる炊き方と、家庭で簡単に作ることができる「きりたんぽ」のレシピを紹介します。

おいしいご飯の炊き方

イメージ/秋田県の特産品「米」

ご飯を上手に炊くには、米の洗い方、水加減、吸水、蒸らしなど、それぞれの工程で気を付けたいポイントがあります。1つずつチェックしながら、試してみてくださいね。

簡単にレシピを紹介

  1. 米を計ります。計量カップ(180ml)にすりきりまで米を入れ、正確に計りましょう。
  2. 手早く米を洗います。ゆっくり洗うとご飯がぬか臭くなってしまいます。ボウルに米を入れてたっぷりの水で数回、軽く混ぜるようにしてサッと洗い、すぐに水を捨てます。2~3回水を換えて洗い、最後は水気を切りましょう。
  3. 洗った米を炊飯器に移し入れ、水を注ぎます。水加減によってご飯のおいしさが左右されるので、計量カップできっちりと水を計りましょう。おいしいご飯を炊くには、白米の場合、洗う前の米の量の20%増しが標準の水量です。
  4. 米に水を吸わせます。炊く前に米を水に浸し水分を吸わせると、ふっくらとしたご飯が炊きあがります。水に浸しておく時間は水温によって異なります。夏なら約30分、冬は2時間ほどがよいでしょう。急ぐときは、40~50度のぬるま湯に15~20分ほど浸してから炊いてください。
  5. 炊き上がったらそのまま10~15分ほど放置して、ご飯を蒸らします。蒸らすと飯粒の水分が均一になり、蒸らしが充分でないと水っぽいご飯になってしまいます。蒸らしている途中でフタを開けないように注意!
  6. 蒸らしたあとは、しゃもじでご飯をほぐしましょう。余分な水分が逃げて、ご飯がふっくらと仕上がります。釜の底の方から掘り起こすようにふんわりと混ぜてください。

やってみよう!きりたんぽの手作りクッキング

きりたんぽの作り方/秋田県の特産品「米」

家で簡単にできる、きりたんぽのレシピです。ご飯と塩水を用意しましょう。ご飯の粒感がやや残る程度にすりつぶすのが、おいしさの秘訣です。味噌ダレを塗って、オーブントースターで焼き上げます。

簡単レシピを紹介

  1. 温かいご飯をボウルに入れ、ぬらしためん棒ですりつぶします。つぶし過ぎるときりたんぽ特有の食感がなくなるので、粒が残るように注意しましょう。めん棒がない場合は、冷凍用保存袋などの厚手の食品用ビニール袋にご飯を入れ、ビンなどで叩いてつぶします。
  2. 手に塩水を付け、等分に分けた①を丸くまとめます。それを割り箸に刺して、棒状に形を整えます。
  3. 味噌、砂糖、料理酒を混ぜ合わせ、甘辛い味噌ダレを作ります。
  4. オーブントースターの天板にフライパン用ホイルシート(なければアルミホイルにサラダ油を塗ったもの)を敷きます。その上にきりたんぽを並べ、表面の上に③の味噌ダレを塗り、約10~12分加熱します。オーブントースターで焼くときは、燃えないよう割り箸にアルミホイルを巻いておきましょう。
  5. きりたんぽに焦げ目がつけば完成です。手で触れるくらい冷めたら割り箸を抜きます。完全に冷めると抜きにくくなるので忘れずに!

【学ぶ】米について学べるスポット

秋田県内には、米のおいしさにふれられるスポットが目白押し! きりたんぽ作りを体験できる「道の駅」のほか、「あきたこまち」の味わいを満喫できるおにぎり専門店や、駅から近くて品揃えも豊かなおみやげ処もあります。

道の駅かづの あんとらあ(秋田県/鹿角市)

道の駅かづの あんとらあ(秋田県/鹿角市)

県北東部にある「道の駅かづの あんとらあ」は、秋田県の歴史や伝統、物産などに触れられる複合施設です。「きりたんぽ館」では、手作りのたんぽを鶏だしスープでいただく「きりたんぽ鍋」(1200円)や「みそ付けたんぽ」(300円)を味わえます。また、きりたんぽ館に併設する「手作り体験館」では、ご飯を串に握り付けてこんがり焼き、甘味噌で仕上げる「みそ付けたんぽ体験」に挑戦できます。

ほかにも、鹿角産の米「萌えみのり」を使った「萌えみのりジェラート」(450円)などのおみやげが買える売店や、「あきたこまち」を中心に「めんこいな」、「淡雪こまち」など、地元産の米を扱う直売所もあります。

住所 秋田県鹿角市花輪字新田町11-4
問合先 0186-22-0555
営業時間 9〜18時(店舗・季節により変更あり。詳細はHPを要確認) ※みそ付けたんぽ体験は10時〜、11時〜、14時〜、15時〜(所要時間は30〜40分)
定休日 無休(店舗により不定休あり。詳細はHPを要確認)
料金 みそ付けたんぽ体験800円(2024年12月〜、1000円に変更予定) ※2名〜、予約優先
アクセス 公共機関:JR鹿角花輪駅から徒歩10分
車:東北自動車道鹿角八幡平ICから国道282号経由2km3分
駐車場 あり/250台/無料
URL

https://antlerkazuno.jp

おにぎり専門店 一文字(秋田県/秋田市)

おにぎり専門店 一文字(秋田県/秋田市)

“お米屋さん”が営む「おにぎり専門店 一文字」では、減農薬・減化学肥料にこだわった「特別栽培米あきたこまち」を使い、ふんわりおいしいおにぎりをテイクアウトできます。
26種類もメニューがあり、秋田名物のいぶりがっことチーズを具にした「いぶりがっこチーズ」(280円)のほか、「ぼだっこ(紅鮭)」(300円)、「焼きおにぎり」(280円)、「筋子」(335円)などが人気です。

<施設データ>

住所 秋田県秋田市中通7-1-2 秋田駅ビル トピコ2階
問合先 018-825-2888
営業時間 10~20時
定休日 無休
アクセス 公共機関:JR秋田駅直結
車:秋田自動車道秋田中央ICから17.5km20分
駐車場 あり/305台/有料(ホテルメトロポリタン・トピコ・アルス共同駐車場)
URL

http://oni-ichimonji.info/index.html

秋田県産品プラザ「あきたの」(秋田県/秋田市)

秋田県産品プラザ「あきたの」(秋田県/秋田市)

おみやげを探すなら、約4000点もの特産品を扱う秋田県産品プラザ「あきたの」へ。
分厚いきりたんぽを電子レンジで温めて、お湯を注ぐだけで簡単に食べられる「きりたんぽカップスープはるさめ入り 比内地鶏醤油味」(594円)や、北秋田市で40年以上前から食されているという郷土菓子「もちもち三角バター餅」(6個入・530円)など、秋田名物がたくさん揃います。また、「あきたこまち」や「サキホコレ」など、秋田産の米も入手できます。

住所 秋田県秋田市中通2-3-8 アトリオンB1F
問合先 018-836-7830
営業時間 9時30分~18時30分
定休日 12月31日、1月1日(ほか不定休あり。詳細はHPを確認)
アクセス 公共機関:JR秋田駅から徒歩5分
車:秋田自動車道秋田中央ICから県道233号経由18.5km26分
駐車場 あり/400台/有料(アトリオン南駐車場)
URL

https://www.a-bussan.jp/shop/

【SDGs】秋田県の米を自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

秋田県から出荷される米は、環境にも配慮しながら生産が行われています。この先も、米を変わらず自由に食べたり守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればいいのか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

秋田県の子ども向けSDGsの取り組み

1:貧困をなくそう/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標13:気候変動に具体的な対策を/SDGsの目標

» ブラウブリッツ秋田

1:貧困をなくそう/SDGsの目標2:飢餓をゼロに/SDGsの目標3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標

» 秋田ノーザンハピネッツのこども食堂“みんなのテーブル”