
5月の連休明けから「新体力テスト」や「運動会」が実施される小学校が多いですね。種目の一つでもある「50メートル走」は、スタートダッシュをマスターすると、あと1秒速くなれます。直前でも間に合うコツをご紹介します。
遠山健太 先生
株式会社ウィンゲート代表取締役。子どもの運動教室「WingateKids」の運営のほか、子どもの適合するスポーツを見つけ出す「マイスポ」も監修。ワシントン州立大学教育学部卒、現在は順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。現在は「子どもの体力」について研究しながら保護者や指導者向けの講演活動も行っている。「運動できる子、できない子は6歳までに決まる!」(PHP研究所)、「コツがつかめる! 体育ずかん」(ほるぷ出版)など著書多数。
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50メートル走のやり方をチェック

小学生は、立った状態からのスタンディングスタートです。合図とともに50メートルの直線を全力疾走します。実施は1回のみ。ゴールライン上に身体の胴が到達したタイムで測定します。
直前でも間に合う!1秒速くなるスタートダッシュ

画像:PIXTA
50メートル走で特に重要なのはスタートダッシュ。スタートダッシュができれば1秒タイムがアップするぐらいのインパクトがあります。スタートダッシュは以下の4つがポイントです。
- 利き足を前に出し、出した足とは逆の手を前に出す。
- 体は前傾姿勢で、重心は前の足にのせる。
- 目線は数メートル先の地面を見る。
- スタートの合図がなったら、前の足で強く地面を蹴る。
スタート姿勢は利き足が前!
右左どっちの足から走り出すか、決まっていない子も多いものです。利き足を確認し、利き足を前に出すスタート姿勢をかためましょう。
重心は前足に
スタートポーズをとっていても、重心が後ろにいっていませんか?素早く走り出すには、前足に重心をおいて前傾姿勢になりましょう。子どもはつい、スタート合図を出す先生を見てしまいがち。目線は少し前の地面を見て、合図と同時に走り出せるように集中しましょう!
はじめの5歩目くらいまでは低い姿勢を保ち、勝手に足が出ていくような、体ごと前に倒れ込む感覚で走ると加速できます。スピードに乗ってきたら離陸する飛行機のように徐々に体を起こしましょう。「飛行機をイメージしてね」と声掛けするのも◎。
ゴールは5メートル先まで駆け抜けよう
ゴールラインを過ぎた後すぐに足を止めてしまうと、ゴール直前にわずかに減速してしまいます。ゴールラインよりも5メートル先を目標にして、最高スピードで駆け抜けることを意識しましょう。
50mのタイムは、先述の「やり方」で説明した通り、胸を突き出すようにゴールするのもポイントです。コンマ数秒を縮める重要なポイントになります。
靴は履き慣れたもので挑もう

画像:PIXTA
本番は、練習のときから履き慣れていて足になじんだ靴が一番!新しい靴は靴擦れや途中で靴が脱げるなど、予期せぬトラブルも起こりやすくなります。本番でも安定した走りができるよう、慣れた靴で走りましょう。
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50メートル走 年齢別・身長別の平均記録は?

こちらは文部科学省により2024年度に実施された「体力・運動能力調査」のうち、50メートル走の年齢別平均記録です(2025年3月28日更新)。


『新・日本人の体力標準値2』(不昧堂出版/首都大学東京体力標準値研究会)を参考に作成
こちらは50メートル走の身長別平均記録です。年齢別・学年別の平均記録を意識してしまいがちですが、小学生のうちは誕生月などによって発育速度の個人差が大きいため、身長別の平均記録を目安にするのがおすすめです。
記録を伸ばすためには、目標を持つことも大事なポイント!親子で目標を立てて、子どもの体格に見合った記録を目指しましょう。
運動能力のアップは、日頃の運動習慣やトレーニングの継続が大切なのはもちろんですが、親子で一緒に種目のやり方やポイントなどを押さえておくだけでも、子どもの自信につながります。親子で一緒に走るのも、競争心が刺激されたり、大人の速いペースにひっぱられて良い効果がありますよ。「本番で練習したことを発揮する」ことを目指して、親子で楽しく挑戦しましょう。
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