2020年、内閣府では初となる「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に選ばれ、誰一人取り残さない社会の実現に向けてまちづくりを推し進めている東京都豊島区。東池袋には都内では数少ないインクルーシブ公園「としまキッズパーク」がオープンし、注目を集めています。東池袋駅から徒歩5分のイケ・サンパーク(としまみどりの防災公園)に隣接し、サンシャインシティのすぐ近くということもあり、地域の人々はもちろん、街を訪れるファミリーにも広く愛されています。
としまキッズパークってこんなところ!
としまキッズパークは造幣局跡地に期間限定でオープンした豊島区初のインクルーシブ公園。豊島区の保育園の約8割に園庭がなく、子どもたちが思い切り遊べる環境が少ないことから、子どもたちが自由な発想で遊べる“夢の公園”として、2020年9月にオープンしました。
鉄道ファンにはおなじみ!「あの人」のデザイン
園内のデザインはJR九州の観光列車をはじめ、数多くの工業デザインを手掛ける水戸岡鋭治氏が担当。豊島区の電気バスIKEBUS(イケバス)と同じ赤を基調としています。IKEBUKURO RED(イケブクロレッド)と命名されたこのテーマカラーは、「人々に元気を与える色」として用いられ、訪れる人々を笑顔にしてくれます。
木のぬくもりと緑を感じる空間
他の公園との大きな違いは、床材に木を採用している点。木特有の質感と香りで、屋外にいながらも温かみのある空間に感じられます。万が一転んでもケガをしにくいのだそう。さらに園内には樹木も多く、子どもの目線の高さを意識した花壇には季節の花々や野菜が植えられています。
入場するにはウェブ予約が必要です
としまキッズパークは未就学児から小学校低学年向けで、保護者同伴のうえ利用できます。混雑緩和のため1時間入れ替え制をとっています。2021年10月現在、専用のウェブサイトでのみ予約を受け付けており、平日のみ空きがあれば当日受付の入場が可能です。詳細はとしまキッズパーク予約サイトをご確認ください。
所要:1時間
クタクタ度:★★★
おすすめの年齢:0~5歳
住所 | 豊島区東池袋4-42(イケ・サンパーク隣) |
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料金 | 無料 |
時間 | 10:00~16:00(1時間入れ替え制) |
電話 | 03-4566-2697(豊島区公園緑地課公園活用グループ) |
定休日 | 定期メンテナンス日。ほか臨時休園日あり |
駐車場 | なし |
面積 | 約1,000㎡ |
予約URL |
<パークデータ>
- ボール遊び:×
- スケボー:×
- 花火:×
- ペット:×
- おむつ替え:△(イケ・サンパーク内)
- 授乳室:△(イケ・サンパーク内)
- 園内売店:△(イケ・サンパーク内)
- 園内飲食店:△(イケ・サンパーク内)
- 周辺コンビニ:徒歩2分
- 周辺ファミレス:徒歩7分
おすすめのアクセス方法は?
電車
最寄り駅は東京メトロ有楽町線「東池袋駅」。6・7番出口側にエレベーターが1基付いているので(写真)、ベビーカーや車いすの人はそちらを利用するといいでしょう。としまキッズパークは池袋保健所の裏に位置するので、まずは保健所の建物を目指すとわかりやすいです。
そのほか、都電荒川線「向原駅」やJR山手線「大塚駅」からも徒歩圏内。公共交通の便にとても恵まれた立地です。
バス
豊島区には池袋駅を中心に巡回する電気バスIKEBUS(イケバス)が走っており、イケ・サンパークの停留所で下りると、としまキッズパークは目の前にあります。電気バスのため、速度はゆっくり。車いす昇降機が付いており、高齢者や障がい者のことも考えた交通機関です。
車
公園専用の駐車場はありません。近隣のコインパーキングを利用しましょう。
おすすめの滞在プラン
としまキッズパークは1時間入れ替え制です。さまざまな遊具があり、集中して遊んでいるとあっという間に時間が過ぎるので、どんな遊びがあるのか入場前に話しておくといいでしょう。定員制のミニトレインや三輪車、乗り物遊びなどは待ち時間が発生することがあるので、早めに乗車するのがおすすめです。
としまキッズパークはイケ・サンパークに隣接しています。1時間では遊び足りない!というキッズは、ぜひイケ・サンパークの広い芝生へ連れ出しましょう。園内にはカフェやレストランがあるので、ピクニック気分で過ごすことができます。
としまキッズパーク 全景
写真提供/豊島区
としまキッズパークは奥行のある細長い公園です。中央を1周約65mのミニトレインが走り、線路の内側には展望ブリッジと三輪車広場、奥には小高いさとやま(キッズマウンテン)があります。線路の外周は三輪車のコースが造られ、園内を一周することができます。自由に絵本を閲覧できる「ほんや(図書室)」、屋根付きの遊び場「キッズハウス」など、ゆっくり過ごせる場所もあります。
園内を可愛いミニトレインが走ります!
煙を出して走る真っ赤なボディのミニトレインは「イケデン」の愛称で知られ、としまキッズパークの一番人気アトラクションです。1回2周を2分弱で走ります。
イケデンは無料で乗れます。入場の際に「イケデンきっぷ」が配られるので、乗る前に係員にみせましょう。
イケデンの前方の座席には小さなとびらが付いています。これは足が上がりにくい障がい者のためのもの。健常者が普段何気なく行っている動作にも、このように細やかな配慮がみられます。
いろいろな子どもが一緒に楽しめる遊具
としまキッズパークは多様な子どもが遊べる遊具が設置されています。なかには幅広の滑り台や大人と子どもが横並びで座れるブランコなど、親子で一緒に楽しめるものもあります。
ブランコ
としまキッズパークのブランコは背もたれの付いたいす型。さらに床と座面がひもでつながっているため、やさしく揺らして楽しむようにできています。右側は2人乗りOKの「おやこブランコ」になっていて、大人と子どもが並んで座れます。
体幹が未発達の乳児向けのブランコも用意されています。足からすっぽり入るシートなので、バランスを崩して前に倒れるのを防げます。こちらも床とひもでつながっているので、やさしく揺らして遊びましょう。
滑り台
としまキッズパークの滑り台は2種類。どちらもらせん階段で展望ブリッジに上がって滑ります。1本は幅が広めの「おやこ滑り台」。横並びでは少し窮屈ですが、大人が一緒に滑るには十分の大きさです。
もう1本は幅の狭い子ども専用の滑り台です。両方とも着地場所には緩衝材が敷かれているので、少しスピードが出過ぎてしまっても安心です。
砂場
砂場は花壇の奥のほうに設置されています。しゃがまずに遊べるよう、子どもの身長に合わせた高さになっています。車いすの人も利用しやすい高さです。
体力が付いたら、三輪車遊びも楽しい♪
ミニトレインの線路の内側には三輪車に乗れる広場があります。チェッカー模様になった広場内をぐるぐる回ったり、外周コースへ出たりと、月齢や体力に合わせてチャレンジできます。2人乗りの三輪車もあるので、足の不自由な子どもは後ろの席に座って、きょうだいや友だちが前に乗ってこいであげてもいいでしょう。
日差しの強い夏場には、広場全体を覆うようにタープが設置されます。照り返しでフロアが熱くなり過ぎないので、安心して遊ばせることができます。
ベビーが遊べるスペースもあります
キッズハウスは乳児向けの屋根付きスペースです。小上がりのようになっており、靴を脱いで利用します。ロッキングチェアやおままごと用のテーブルといすなども用意されています。
木のボールプールと滑り台
キッズハウスで一番目立つのは、屋内の遊び場にあるような木のボールプール。ベビーサイズの滑り台が付いていて、赤ちゃんを遊ばせるのにぴったりです。
おもちゃもたくさん!
キッズハウスには自由に遊べる木のおもちゃもあります。にぎったりたたいたりして手指を動かせる乳児向けの玩具から、線路をつなげて走らせる電車までさまざま。特に電車遊びは幼児にも大人気です。
その他、ちいさな子ども連れに嬉しい設備をチェック!
遊具以外にも、としまキッズパークにはみんなにやさしい設備が用意されています。なかにはスペシャルニーズのある子どもに配慮されたものもあります。
お散歩しやすい園路
歩き始めたばかりベビーや足の不自由な子どもが歩きやすいよう、園路は段差の少ないフラットなつくりになっています。たいこ橋には滑り止め加工がされているなど、細やかな気遣いも見られます。
カーテン付きのあずまや
緑の多い一角には車いすでも入れる休憩スポット(あずまや)があります。カーテンが付いているので、強い日差しが苦手な子の遊び場にぴったり。また、カーテンを引けば外の音も遮断できるので、気持ちを落ち着けたいときのカームダウンスペースにも利用できます。
ほんや(図書室)
「ほんや」はおもに絵本を集めた読書コーナーです。一段上がったところに、本棚と閲覧用の子どもいすが設置されています。絵本は読み聞かせ向きのものが多く、部屋から持ち出すことも可能なので、ベンチなどに座って、親子でゆっくり過ごしてみましょう。
イケこどもトイレ
園内には男女共用の「イケこどもトイレ」があります。名称はこどもトイレですが、車いすの方も使える“だれでもトイレ”です。補助便座完備なので、トイレトレーニング中のキッズも助かります。ただしおむつ替え台はありませんので、その際は係員にひと声かけて、隣のイケ・サンパークの施設を利用しましょう。
としまキッズパークは完全入れ替え制のインクルーシブ公園なので、予定が決まったら早めの予約がベター。隣接するイケ・サンパークにはカフェやレストランもあるので、時間の許すかぎりのびのびと公園遊びを楽しみましょう。