神奈川県・江の島の最奥端に、ぽっかりと口を空ける洞窟があることをご存知ですか? その名は「江の島岩屋」。龍神伝説が残る江の島信仰発祥の地として知られ、現在では観光洞窟として整備されているので、島内散策を楽しみながらアドベンチャー気分で親子で楽しめます。
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竜宮城に抱かれる!?全長約400mの江の島弁天橋を渡って江の島を目指そう
江の島の最奥端にある「江の島岩屋」。子ども連れなら歩いて片道1時間はみておきたいところ。しかも島内には神社・眺望スポット・カフェ・おみやげ屋さんなど、つい立ち寄りたくなってしまう魅力的なスポットが盛りだくさん! あれこれ見ながら「江の島岩屋」を目指すなら、片道2時間くらいの余裕をもったスケジュールが必要です。
小田急線「片瀬江ノ島駅」から出発! と駅を振り返れば、竜宮城を思わせるような立派な造り。スタート地点から、子どももテンションアップすること間違いなしのスタートダッシュ!!
駅前の弁天橋を渡って・・・
藤沢市観光センター脇から地下道を抜けると・・・
江の島へと一直線に伸びる江の島弁天橋に出ることができます。取材時は快晴! 澄み渡る空がどこまでも続き、なんとも気持ちいいこと。凛として冷たい空気は心地好いのですが、頬に刺さる海風が冷たいこと。防寒対策はしっかりして出かけてください。
江の島へ向けて歩いていると、すぐ右側にあるのが「べんてん丸」乗り場。1~2月は、土・日曜・祝日のみの営業ですが、約6分で「江の島岩屋」近くの稚児ヶ淵まで、海上遊覧を楽しみながら乗船(大人400円・小人200円)できます。下船場から「江の島岩屋」までは1分もかからない距離。
これでショートカットするのもあり! 島内散策を楽しめなくなるぅ~? という心配もいりません。往復どちらか利用すればかなりの時間短縮になり、島内散策も楽しめますよ。ただ天候や海の状況によっては欠航になることもあるので注意が必要。
今回は、島内散策を目一杯楽しみたいので、歩いて行くことに。
全長約400mもある江の島弁天橋をどんどん進んで行くと、正面にこんもり大きくなってきたのが江の島。
江の島の入り口にはお店がいっぱい!
サザエやハマグリ、カキなどと、ついつい誘われてしまいそうですが、まだ江の島の入り口に辿り着いたばっかり。ガマン、ガマン・・・
にぎやかな参道を抜けて江島神社・辺津宮で旅の安全を祈願
「江島大明神」と記された青銅の鳥居が江の島への入り口。ここからがいよいよ江の島散策の大本番。
鳥居を抜けると、石畳みの坂道が続く弁財天仲見世通り。「江島神社・辺津宮(へつみや)」へ続く参道で、両脇には飲食店やおみやげ屋さんがぎっしり。
江の島名物の「丸焼きたこせんべい」400円は、店頭でタコをプシュ~と丸ごとプレスした一品。その長さは35㎝もある大きなもので、厚さは1ミリもない薄さ。両手で持たないと折れてしまうほどで、香ばしくパリッとした食感とタコの旨みがジュワ~ッと口に広がります。
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にぎやかな参道を抜けると正面に現れるのが朱の鳥居。向こうに見えるのがお宮かと思いきや、これは竜宮門のような瑞心門。
朱の鳥居の脇には、高低差約46mの頂上まで約4分で行けるエスカレーター「江の島エスカ―」(大人360円・小人180円)があるので、これを利用するとさらなるショートカットできますが、今回は歩いて行くことを選択すると・・・
瑞心門を抜けたら、こんな急階段が待ち受けています! 子どもは元気いっぱいに登っていきますが、パパやママのほうが疲れてしまいそう。
息を切らせて辿り着いたのが「江島神社・辺津宮」。江島神社は3社からなる神社で、その最初にあるお宮が「辺津宮(へつみや)」です。3つのお宮には三姉妹の海の女神様が祀られているのですが、この「辺津宮」は田寸津比賣命(タギツヒメノミコト)がご祭神。無事に「江の島岩屋」に行けることを祈願しましょう。
» 江島神社・辺津宮(るるぶ&more.のスポット詳細)
江島神社は、日本三大弁財天に数えられることでも有名ですが、八角のお堂「奉安殿」では、八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と、裸弁財天として知られる妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)の姿を見ることもできます。
八方睨みの亀や龍神様もいる中津宮・奥津宮をまわって江の島最奥端へ
小田急線「片瀬江ノ島駅」からだと、この「辺津宮」までが約半分の距離。「江の島岩屋」まではあと半分! 次は2つ目の神社「中津宮(なかつみや)」を目指します。
石段を登った先には展望スポットがあり、江の島ヨットハーバーを眼下に片瀬海岸東浜を一望。鬱蒼とした緑に包まれていたので、視界も開けて気分も一新!
「中津宮」までは、10分もかからない距離。ご祭神は市寸島比賣命(イチキシマヒメノミコト)。
子どもにとっては初めてかもしれないけど、境内の裏手には水琴窟も設けられているので、その澄んだ音色に耳を傾けてみては。
かわいらしい縁結びの絵馬などもあります。
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「中津宮」を後にすると、3区間からなる「江の島エスカ―」の最後の乗り場が。エスカ―を使えば江の島の頂上まで楽々アクセス可能ですが、島内散策の醍醐味からすれば歩きに軍配。ただし、エスカ―は上りのみ。帰りは歩きか「べんてん丸」の船を使うことになります。
つづら折りの坂道を登って到着するのが、江の島の頂上にある「江の島サムエル・コッキング苑」。高さ59.8mの展望灯台「江の島シーキャンドル」が目印。「江の島エスカ―」の終着点でもあります。
ここからは、ショートカットコースはナシ! 自分の足に頼るしかありません。ここまでの道のりもそうですが、島内には石畳みや坂道、石段などがたくさんあります。小路なども多いのでベビーカーでの散策は困難。「江の島岩屋」を徒歩で目指すなら、小学生低学年以上でないと途中休憩を何回もすることになりそう。
散策道はしっかり整備され、迷ったりすることはありません。飲食店や自動販売機も点在し、トイレも要所に設置されています。
少しにぎやかになったのは、明治35(1902)年に創業した「中村屋羊羹店」。青海苔を使った「元祖海苔羊羹」のほか、店頭で湯気を上げる饅頭なども。
» 中村屋羊羹店(るるぶ&more.のスポット詳細)
この「山ふたつ」と呼ばれる江の島がくびれたエリアには、洗練されたレストランやカフェなどが点在。
「中津宮」からは20分ほどの距離で、3つ目、最後のお宮となる「奥津宮(おくつみや)」に到着。多紀理比賣命(タギリヒメノミコト)が祀られ、拝殿の天井には、どこから見てもこちらを睨んでいるように見える「八方睨みの亀」が描かれているので注目!
» 江島神社・奥津宮(るるぶ&more.のスポット詳細)
「奥津宮」に隣接するのは、龍神伝説を彷彿させる「龍宮(わだつみのみや)」。もちろんご祭神は龍宮大神。威光を感じる力強さをもち、なんと岩屋の真上に建立されているんだとか。
大絶景の富士山!青い海とのコントラストが美しすぎる
ここまで来ればあとひと息! 海へと下っていく急階段を下りていけば・・・
視界がパッと開け、青々とした海の向こうには雪を頂いた富士山の美しい姿!
木々で覆われた暗がりの中からいきなり視界が開け、真正面に望む富士山がきれいなこと。思わず立ち止まってしまうほどの美しさです。
稚児ヶ淵を超えて見えてくるのが「江の島岩屋」へと続く岩屋橋。橋のたもと、右側が「べんてん丸」の下船場になっています。赤い欄干の緩くカーブした橋を進めば・・・
本日の一番のお目当て「江の島岩屋」が見えてきます。早速、洞内に入りたいところですが、振り返ってみてください!
赤い橋・青い海・白い富士山のコントラストが際立つ絶景が広がります。
蠟燭の灯りで探検!期間限定の洞窟イルミで幻想世界
洞内はひんやり。江の島信仰発祥の地と崇められる「江の島岩屋」は、長い年月をかけ波で浸食された海食洞窟。第一岩屋と第二岩屋のふたつからなり、まずは第一岩屋から探検開始!
な、な、な、ナント! 蝋燭の灯りを頼りに洞内を進みます。
これには、子どももおっかなびっくり! お化け屋敷とは異なる不気味さを感じますが、洞内には照明も設けられているので真っ暗ということはありません。
内部で2股に分かれている第一岩屋は、全長約152m。信仰の対象になった石像や石仏なども残されています。
こちらは、富士山の氷穴につながっているといわれるポイント。冷た~い風を感じるかもしれませんよ!
最深部には、江島神社発祥の地とされる社も祀られているので、安全に旅ができたお礼を。大人は少し身をかがめないと進めないポイントもあるので、頭上に注意しながら探検してください。
歩いてきた洞内を戻って・・・
海岸線に連なる橋を進むと第二岩屋の入り口に。
第二岩屋の全長は約56m。最深部には龍神様が祀られているとのこと。こちらは蝋燭なしでの探検です。
第一岩屋より天井高があり広々とした洞内は、青白くゴツゴツした岩が続いています。
と、思いきや! いきなり洞窟内がイルミネーションでライトアップ! まばゆいばかりの光であふれ、“スゴ~イ!! キレイ!!”と子どもも突然の演出に大興奮。実は、2022年2月28日まで開催されている「湘南の宝石~江の島を彩る光と色の祭典~」のイルミネーションイベントの一環。江の島周辺スポットがイルミネーションで彩られるんです。
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光があふれた洞内は、ゆっくりと星が輝く夜の海に。
全国的にも珍しい洞窟内のイルミネーションですが、通常時は行われていないので注意。
最深部まで行って、レインボーに色を変える龍神様もお見逃しなく。
子どもと一緒に「江の島岩屋」まで来るとかなりの長丁場。往路か復路は「べんてん丸」を利用したり、往路で「江の島エスカ―」を利用したりするのがおすすめ。それでも行きか帰りかでしっかりと島内散策は楽しめるんですから!
江の島岩屋
住所 | 神奈川県藤沢市江の島2 |
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電話番号 | 0466-22-4141(藤沢市観光センター) |
営業時間 | 9:00~17:00(季節により異なる) |
定休日 | なし |
料金 | 大人500円 小人(小・中学生)200円 |
アクセス | 小田急線「片瀬江ノ島駅」より徒歩30分 |
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●2022年1月現在、新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間やサービス体制などが通常と異なることがあります
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください
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【Photos:tawawa】