知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
都心だとなかなか昆虫に親しむ機会がありませんよね。見られる昆虫も限られていますし、数も多くはないと思います。虫が苦手、という子も多いかもしれません。しかし、苦手なのは、そもそも昆虫に親しむ機会が少ないから。JR西日暮里駅から12分ほどの所にあるファーブル昆虫館では、標本として世界中の多種多様な昆虫に親しめるほか、昆虫採集のイベントや、昆虫の標本をつくる体験ができます。昆虫に対する理解を深め、身近にいるさまざまな昆虫に対する興味を持つきっかけにもなるかもしれませんね!
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
ファーブル昆虫館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!ファーブル昆虫館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか見ていきましょう。
ファーブル昆虫館は、現代の日本の子供たちを中心に、自然に対する健全な感覚を養い育てることを目的としたNPO法人 日本アンリ・ファーブル会が運営しているだけあり、虫や自然に親しむ体験イベントが充実しています。標本の観察や標本づくりでは洞察力が、自然の中で虫や自然と親しめば思いやりの心が、それぞれ養われていく効果が期待できます。
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ファーブル昆虫館ってこんなところ!
東京都文京区千駄木にあり、基本的に土日のみ開館している、規模としては大きくない昆虫館です。なんといっても不定期開催のイベントが最大の魅力。公式HPでイベントの告知や募集などを行っているため、来館する前にしっかりとチェックし、イベントに参加したい場合は事前に申し込みましょう。
所要:2時間
おすすめの年齢:6歳~
住所 | 文京区千駄木5-46-6 |
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電話 | 03-5815-6464 |
営業時間 | 土・日曜のみ開館13~17時 |
定休日 | 月~金曜 |
料金 | 入館無料 |
アクセス | JR山手線西日暮里から徒歩約12分 |
駐車場 | なし |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:✕
- 授乳室:✕
- ベビーカー利用:✕
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:✕
- 館内飲食店:✕
- 館内売店:〇
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おすすめのアクセス方法は?
駐車場がないため、車ではなく公共交通機関の利用がおすすめ。公共交通機関では、JR山手線西日暮里駅から徒歩12分ほど。もしくは東京メトロ南北線本駒込駅2番出口から徒歩10分ほど。バスを利用する場合は、JR田端駅北口から都営バスに乗車し、駒込病院前バス停で下車して徒歩3分ほどです。
おすすめの遊び方&過ごし方
館内を見学するだけなのか、イベントに参加するのかで過ごし方が大きく変わります。おすすめはイベントへの参加です。イベントへ参加する場合、イベントの時間を軸にしてスケジュールを組みましょう。採集会イベントの場合、一日丸々使うことになります。また、館内の見学のみの場合、おおむね2時間もあれば見学し終えられるはずですので、次の予定を考えておくとよいかもしれません。
標本を通して昆虫に親しむ!
昆虫たちの形状や羽の模様、造りなどを学ぶのに最適なのはやはり昆虫標本です。図鑑でしか見たことのない虫たちをじっくり観察してみましょう。
ファーブル昆虫館では、様々な昆虫の標本を見ることができます。日本では見ることができない大きな虫や、色鮮やかな虫など、見ごたえのある世界各国の虫の標本は圧巻のひと言。虫が苦手な子でも、その美しさや大きさに興味がかき立てられるはずです。
開館日に一般公開される1階展示室には、この施設に収蔵されている約10万点の昆虫標本のコレクションの一部が展示されています。
●ゴライアスオオツノハナムグリ
ゴライアスオオツノハナムグリの標本。一見するとカブトムシにも見える大型のコガネムシ。アフリカでは最も大きいコガネムシで、世界一大きなハナムグリともされています。
●メネラウスモルフォ
メネラウスモルフォの標本。翅の表面が金属のような青い光沢をもっているモルフォ蝶の特徴をしっかりと見ることができます。この不思議な光沢は、翅の表面にある櫛形の鱗粉で光の干渉が起きるために生まれるものです。
●ゴライアストリバネアゲハ
ゴライアストリバネアゲハの標本。世界最大の蝶の一種で、メスの翅(はね)は21㎝にもなります。雄はエメラルドグリーンと黄色が混じった翅で、雌の翅は黒と白が混じった色をしています。写真の標本は雄のゴライアストリバネアゲハのものです。
ファーブル昆虫館ならではの体験にトライ!
ファーブル昆虫館の一番の目玉はイベント。昆虫観察&採集会、標本教室、昆虫教室など様々なイベントを開催しています。場所はファーブル昆虫館であったり、別の場所であったりと様々です。イベントは不定期開催なので、こまめに公式HPをチェックして、イベントの告知を見逃さないようにするのが参加するコツです。
昆虫たちの生態や習性など、実際に生きている昆虫たちからでないと学べないこともたくさんあるのでぜひ積極的に参加することをおすすめします!
昆虫標本教室(初級標本教室参加費5000円 ※詳細はHPにて)では、標本とはどのようなものか、標本をどのように作ればいいのかを実際に作りながら学ぶことができます。また、標本の長期の保存の仕方や、乾燥の正しいやり方などについての知識も学べるので、実際に自分が捕まえた虫で標本を作れるようにもなるはずです。
標本教室は、初級・中級といった経験別に開催されます。中級では、標本の作り方以外にも、昆虫にまつわるさまざまな相談をすることもできます。
施設を運営するNPO日本アンリ・ファーブル会の会員が自己啓発と相互の交流を目的に結成した同好会「昆虫塾」に入ると、ファーブル会の昆虫に関するイベントや昆虫の採集・観察会(中級以上のコースなど)にも参加することができ、もっと昆虫に詳しくなりたいという人にオススメです。
昆虫観察&採集会では、自然豊かな場所にまで出向き、昆虫の観察や採集を行います。都心ではなかなか出会うことのできない自然、自然の中で生きる昆虫たちにふれることで、自然への興味や思いやりの心を学ぶことにつながるはずです。イベントの告知はHPで行っているので確認してみましょう。
写真は、色鮮やかなナミハンミョウ。自然豊かな場所はもちろん、都内の公園などにも生息している、意外と身近な虫。昆虫採集会でどんな場所に住んでいるのかを学ぶと、自然と普段の生活の中でも身近な虫を見つけられるようになるはずです。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
書籍や絵はがき、昆虫グッズ、標本用具などを販売している館内売店。標本教室で標本の作り方を学び、売店で標本用具を買い、夏休みの自由研究などで活かすこともできるのでおすすめです。
- 場所:館内1F
- 営業時間:施設に準ずる
ファーブル昆虫館では、都会的な環境で暮らす生活の中で、自然や、自然の中に住む虫たちとふれあう機会を得ることができます。さまざまな標本コレクションや、昆虫採集会、標本作りを学ぶ標本教室を通して、自然に対する健全な感覚や美意識を養えるはず。生きた昆虫を自分で育てることで、命の大切さや尊さを学ぶきっかけにもなる東京ではなかなかない貴重なスポットです。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録しています。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。