見どころ満載「鳴沢氷穴」をガイドと探検!洞窟のでき方・服装・所要時間もチェック

天井の高さがわずか91cmの溶岩トンネル/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

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鳴沢氷穴[なるさわひょうけつ]は4階建てのビルの高さにあたる地下21mの深さをもつ縦穴型洞窟で、富士山の山麓、青木ヶ原樹海[あおきがはらじゅかい]の東の入口に位置しています。自然の起伏に富んだ全長153mの見学コースは、所要時間約15分のアドベンチャーワールド! コースは環状型で内部を一周できるので、さまざまな洞窟の表情が楽しめます。今回はすぐ近くにある富岳風穴とともに、ネイチャーガイドの和光恵美子さんが見どころを案内してくれました。

富岳風穴の記事:
» 幼児も楽しめる洞窟「富岳風穴」と樹海散策!ガイドに教わった自然の不思議とは?

目次(index)

縦穴型でスリル満点!年齢制限や所要時間は?

身長制限の柱/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

富士山噴火の際の溶岩流でできた山裾のたくさんの自然洞窟のなかで、鳴沢氷穴は富岳風穴と並ぶ代表的なスポットです。どちらの洞窟も貞観6年(864)の大噴火で生まれ、昭和4年(1929)に国の天然記念物に指定されました。起伏がなだらかで歩きやすい横穴型の富岳風穴と比べ、鳴沢氷穴は縦穴型で急勾配。途中で子どもが自分で歩けなくなってもおんぶや抱っこができないため、4歳未満・身長100cm以下は不可の入場制限があります。しかしその分、道中はまるでゲームのダンジョンのようにハラハラドキドキ! 特に小学校低学年ぐらいのキッズに大人気です。年齢や身長が足りなければ、入場制限のないお隣の富岳風穴に行ってみてくださいね。

また、ネイチャーガイドと回るツアーは1時間や2時間など、時間制のコース(入洞料金は別途)が用意されています。1時間コースなら鳴沢氷穴か富岳風穴のどちらか+周辺の東海自然歩道で樹海散策。洞窟をふたつとも見学したい場合は、2時間のコースを選びましょう。

服装や用意する持ち物の注意点は?

洞窟内に入る服装例/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

洞窟内の気温は一年を通して0~4℃。服装の基本は長袖、長ズボンの動きやすい服に、スニーカーなどの運動靴で。階段や歩道は滑りやすいのでサンダルやヒールは危険です。特に夏は洞窟内と外との気温差が大きく、半袖でそのまま入ってしまうと寒いので、上に薄手のウインドブレーカーを1枚羽織るのがおすすめ。中では傘がさせないので、雨天時にも重宝します。洞窟入口にベンチが置かれているので、直前までは半袖で、そこで上を着て準備しましょう。
また、忘れがちなマストアイテムが帽子。洞窟内は天井が低く、頭をぶつけると切れて出血しやすい溶岩質なので、頭を守るために必ず用意しておきましょう。大人はヘルメットの貸し出しも行われています。

氷穴はどうやってできたの? なぜ氷穴と呼ばれるの?

案内人:和光さん/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

そもそも氷穴がどうやってできたのか、なぜ氷穴と呼ばれるのかは、子どもだけでなく大人も気になるところ。今回案内してくれた和光さんが、氷穴のでき方を詳しく解説してくれました。

天然氷の氷柱/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

「富士山の噴火によって流れ出た溶岩がだんだん冷めて縮まっていき、内部の高熱ガスがドカンと吹き上がった後に残った縦穴の空洞が鳴沢氷穴です。もうひとつの大きな特徴が溶岩樹型といって、溶岩流が大きな木を飲み込んだときに木が燃えてしまって、溶岩が冷えて固まった後でだんだんと木の部分だけ消失して、まわりの溶岩だけが残った空間をいいます。この2つの自然の力で、深さ20m以上の巨大な溶岩洞窟ができたんですよ。洞窟内の平均気温が低く、一年中氷におおわれていることからこの名が付きました。毎年冬から初秋まで、天然氷の氷柱も見られます。」

洞内は不思議と発見がいっぱい

洞窟入口/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

洞窟入口脇のベンチでウインドブレーカーを羽織り、頭を守る帽子を被って装備を整え準備万端!

洞窟入口への階段/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

最初の階段から急なので気をつけて。洞窟内も含め、階段は全部で下りが91段、上りは101段もあります。

縦穴の洞窟内/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

縦穴の洞窟内をどんどん下っていきます。階段は滑りやすいので、手すりを持ってゆっくり下りましょう。下には何があるのかな?

天井の高さがわずか91cmの溶岩トンネル/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

途中には天井の高さがわずか91cmの溶岩トンネルが5mも続く難所も。1100年ほど前の巨木の跡で、しゃがんで進まなくてはならない大人は大変です。

鳴沢氷穴を守る黒龍神様/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

溶岩トンネルの先には、鳴沢氷穴を守る黒龍神様がまつられています。古代中国の自然哲学である五行思想では、黒は方角の北と同様に水に対応する神聖な色で、水(=富士五湖)の北方を守る神様と大切にされてきました。

地獄穴/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

そして、鳴沢氷穴を代表する見どころのひとつである地獄穴へ到達! 落ちると二度と帰ってこられない危険な穴で、実際にどこまで続いているかは科学的にもわかっていません。遠く相模湾・江ノ島の洞窟まで続いているという江ノ島伝説もあります。

狭い通路/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

続いて、またもや狭い通路を抜けていくと……。

天然氷の氷柱/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

これぞ鳴沢“氷穴”たるゆえん! 実際に氷の貯蔵庫として使用されていた時代を再現した氷の壁に、冬から春にかけて作られ初秋まで残る天然氷の氷柱、さらに足元の下も2~3mの万年氷という氷ゾーンです。

天然氷の氷柱/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

上の写真のように冬は氷の量も増えて、もっと壮観な光景に。ライトアップが幻想的です。

江ノ島の神様/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

さらに、先ほどの江ノ島伝説にちなんだ江ノ島の神様も祀られています。実際に江島神社から分祀された弁財天様と白龍神様で、水の神様という共通点もあります。

探検終了の記念撮影/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

その後101段の階段を上り地上に出たら、無事に探検終了の記念撮影。和光さん、ありがとうございました!

ご褒美はご当地パフェ&おみやげ!

桔梗信玄パフェ/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

洞窟を出て順路をそのまま進むと、軽食やスイーツ、おみやげ探しなどが楽しめる管理棟の売店に着きます。おすすめは甲州名物の信玄餅とコラボレーションした桔梗信玄パフェ(550円)。

桔梗信玄パフェ/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

きな粉、黒蜜、お餅、そしてソフトクリームのバランスが絶妙な和風テイスト。甲州各地でよく見られる信玄餅のパフェは、ここが発祥で元祖だそうです。

おみやげ売り場/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

おみやげ売り場にも信玄餅やほうとうをはじめ、山梨名物が盛りだくさん。なかでも注目は鳴沢氷穴の限定オリジナルグッズです。

鳴沢氷穴の限定オリジナルTシャツ/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

Tシャツは大人用に加え、キッズサイズも用意されています(各2000円)。鳴沢氷穴の黒龍神様にあやかり、先日のブラックムーンの夜に祈祷もしたそう。かわいいだけでなく、着ているとご利益も期待できますね!

女性用トイレにはおむつ交換台もある!

管理棟の隣にあるトイレ/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

管理棟の隣にあるトイレはとても清潔で使いやすいのでおすすめ。

おむつ交換台/鳴沢氷穴(山梨県/鳴沢村)

女性用のトイレには、おむつ交換台も設置されていて便利。子ども連れにも優しいスポットなので、ぜひファミリーで訪れてみてくださいね。

●鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)

住所 山梨県南都留郡鳴沢村8533
問合先 0555-85-2301
料金 入洞大人(中学生以上)350円、子供200円(富岳風穴とのセット券は大人600円、子供300円。ネイチャーガイドは1時間8000円~/要予約)
営業時間 9~17時(季節変動あり)
定休日 無休(12~3月は不定休)
URL

https://www.mtfuji-cave.com/contents/ice_cave/

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