西九州新幹線だけじゃない!路面電車ほか親子で楽しい長崎の乗り物あれこれ

長崎の路面電車(長崎県)

星 裕水のアイコン星 裕水

注目の西九州新幹線以外にも、港町・長崎には路面電車などの魅力的な乗り物があります。長崎観光で体験してみたいのりものをご紹介!

■関連記事
» 西九州新幹線乗車体験レポはこちら
» ふたつ星4047の乗車体験レポはこちら
» 子どもも楽しい!長崎県島原半島・小浜温泉グルメ旅【西九州新幹線沿線】

目次(index)

個性豊かな車両がいっぱい!長崎の路面電車

長崎の路面電車(長崎県)

長崎市民に親しまれ、観光客の頼れる交通機関といえば路面電車。長崎電気軌道が運行しています。長崎新地中華街、出島といった観光スポットへも、JR長崎駅から路面電車に乗れば気軽にアクセスできちゃいます。

長崎電気軌道が開業したのは大正4年(1915)。100年を超える歴史があり、戦争も乗り越えてきた長い歴史を持っています。

車両の種類が豊富!

同社が所有するのは約70両。古いものでは、昭和25年(1950年)に製造された車両も在籍しています。他社からの譲渡車両もあり車種が豊富なうえ、広告のラッピング車両も多いため、見た目も仕様も多彩。どんな車両がやってくるかはその時のお楽しみ!

水戸岡鋭治デザイン 310号「みなと」(長崎電気軌道サイトより)

水戸岡鋭治デザイン 310号「みなと」(長崎電気軌道サイトより)

2017年に路面電車リニューアルした車両。デザインは西九州新幹線「かもめ」や「ふたつ星4047」をはじめと多くの鉄道車両を手掛けた水戸岡鋭治さん。青い車体の先端には長崎の「尾曲がり猫」のかわいいイラストが描かれています。

バリアフリー車両がリアルタイムにわかる!

路面電車6000形(長崎県)

長崎電気軌道提供

最新形車両は2022年3月に導入された6000形。バリアフリー対応で、若葉をイメージしたスプリンググリーンが目印です。

小さい子ども連れの場合、ベビーカーの利用で気になるのがバリアフリー対応。現在、全部で7両のバリアフリー車両を保有し、ベビーカーや車椅子利用者、高齢者も段差を気にせずに利用できます。従来の車両になかった車椅子スペースも設置。さらにバリアフリー対応車専用のダイヤが設定されているうえ、バリアフリー車両がどこを走行中か調べることができる運行情報サービス「ドコネ」もあります。

» 運行情報サービス「ドコネ」

交通系ICカードも利用可!

運賃は大人140円、子ども70円。SuicaやPASMO、ICOCAなど県外の交通系ICが利用できるのも便利。そのほか、1日乗車券は紙のきっぷだけでなく、スマホアプリ版などもあるので、たくさん乗る場合はこちらのほうがお得です。

毎月第3日曜は小学生以下運賃無料!

毎月第3日曜日は「路面電車こども無料の日」で、なんと小学生以下は運賃無料!小学生の子どもと乗るならこの日を狙うという手もありますね。

なお、路面電車の電停は乗り場と車両の空間が狭いので、子どもとはしっかり手をつなぐか抱っこしたほうが安心です。また、電停にトイレはないので、出掛ける前に済ませておきましょう。

2023年5月閉館予定、長崎路面電車資料館に急げ!

長崎路面電車資料館(長崎県)

原爆資料館電停に隣接した長崎西洋館の3階には「長崎路面電車資料館」があります。路面電車の部品展示のほか、写真やパネル展示で長崎の路面電車の歴史を学べるだけでなく、フォトスポットも。

車掌が使用していたはさみの展示/長崎路面電車資料館(長崎県)

昔、車掌が乗務していた時代に使用していたはさみなども展示されています。

路面電車のレールの断面図/長崎路面電車資料館(長崎県)

路面電車のレールの断面図を解説しているのはなかなかレアです!

無料なのも魅力。残念ながら、2023年5月閉館予定なので、長崎観光の際はぜひこちらも訪ねてみて。

» 公式サイトはこちら

夜景見物の新定番「長崎稲佐山スロープカー」

稲佐山展望台からの眺め(長崎県)

展望台からの眺め。長崎駅もよく見えます。

長崎といえば稲佐山の夜景が有名。モナコ、上海と並び、「世界新三大夜景」に選ばれています。標高333mの山頂には展望台があり、市内を一望できます。昼間、天気のいい日は雲仙、天草、五島列島までも見えるとか。

昼間は遊具広場や草スキー場、鹿放牧場などもあり、地元の親子連れでにぎわいます。

長崎稲佐山スロープカー(長崎県)

山頂の展望台に行くためにはロープウェイ淵神社駅よりロープウェイに搭乗するか、中腹駐車場から稲佐山中腹駐車場から山頂までを結ぶ「長崎稲佐山スロープカー」を利用します。スロープカーは2020年1月に運行開始。今回はスロープカーで山頂を目指しました。

長崎稲佐山スロープカー(長崎県)

黒を基調とした、ツヤのある塗装は大人も納得のかっこよさ。自然に溶け込み、稲佐山の木々が映り込むように鏡面塗装を施したそう。デザインは工業デザイナーの奥山清行さんが率いる「KEN OKUYAMADESIGN」によるものです。奥山さんといえば鉄道車両では北陸新幹線E7系や「TRAIN SUITE四季島」などを手掛けたことでおなじみですね。

稲佐山展望台からの眺め(長崎県)

車両は2両編成。車内には森をイメージした樹木形の支柱を設置。丸みのあるベンチがあります。中腹駅から山頂駅まで、スロープカーで約8分。移動中もパノラマを楽しめます。山頂発の最終は22時なので乗り遅れないように。中腹駐車場の乗り場、山頂にもトイレがあります。

» 公式サイトはこちら

稲佐山展望台からの眺め(長崎県)

ハートマーク見つけられるかな?

展望台から町を眺めているとハートのマークが!実はこれ「長崎・星物語 in稲佐山」という取り組みの一環。長崎港からすり鉢状の地形になっているのを生かして、西坂方面にハート、風頭方面に星座の形が浮かび上がります。時間、季節、イベントによって色や星座の形が変化するのでお見逃しなく!

鉄道の歴史好き必見!廃線跡もある!

我が国鉄道発祥の地碑

我が国鉄道発祥の地(長崎県)

2022年は明治5年(1872年)の新橋―横浜間の鉄道開業150年で盛り上がりましたが、長崎にも「我が国鉄道発祥の地」という石碑が建てられています。

実は江戸時代末期の慶応元年(1865)、英国人貿易商トーマス・グラバーが、英国製の蒸気機関車を走らせていました。営業を目的としていなかったそうですが、蒸気機関車の運行としては日本初。日本近代化の先駆けとなったのです。

長崎市恐竜博物館のオブジェ(長崎県)

石碑はメディカルセンター電停を降りてすぐの場所にあります。すぐ近くの交差点にはこんなオブジェも。恐竜大好きっ子は、記念撮影にいかが?

廃線跡もある!

長崎臨港鉄道の廃線跡(長崎県)

現在、JR長崎駅が終着駅となっていますが、1930年代には、長崎駅から出島岸壁までは長崎臨港鉄道が走っていました。出島と中国の上海を結ぶ日華航路と接続しており、当時は「上海航路」と呼ばれていました。長崎からはパスポートが不要で、さらに東京に行くよりも短い時間で行けたことから大いににぎわったそうです。現在は橋台や線路の一部が残るのみとなっています。

実はここ、ちゃんぽん店「リンガーハット」のすぐ脇。美味しいちゃんぽんを食べながら、昔はどんな車両が走っていたのかな、などトークが弾みそうですね。

長崎市の楽しい乗り物を使いこなして、思いっきり散策を楽しみましょう!

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。