現在、全国各地に続々と登場している「プレーパーク(冒険遊び場)」。普段はなかなか気軽にしにくい土遊びや水遊び、たき火体験などの自然遊びを自由に楽しめる場所として、子どもを持つ親たちの間で話題を呼んでいます。どんな場所なのか、実際にプレーパークに行って、体験してみました!
「プレーパーク」って、どんなところ?
木や落ち葉、土や水などの自然の素材と、スコップや金づちなどの道具を自由に使って、子どもたちが「やってみたいこと」をやりたいように遊ぶ場所、それがプレーパークです。冒険遊び場とも呼ばれます。国籍、年齢、性別は関係なし。誰でも無料で遊ぶことができます。パーク内にはプレーワーカー(プレーリーダー)と呼ばれる大人が常駐することが多い。子ども達がやってみたいことを見守り、時には一緒に考えたり、正しい道具の使い方を教えくれたりもします。1979年に羽根木プレーパークが開園したのをきっかけに、現在では、全国に約300箇所ものプレーパークがあります。
「羽根木プレーパーク」に行ってきました!
羽根木プレーパークは、東京都世田谷区の羽根木公園内に、日本初の常設のプレーパークとしてオープンし、 今年40周年を迎えました。広い敷地内には、たくさんの自然素材や、手作り遊具があります。夏には手作りのウォータースライダーが登場したり、冬にはお餅つきやお正月遊びができるなど、季節を体感できるイベントも。乳幼児の親子が遊べる小さなおうち「そらまめハウス」も併設されています。
自分で考えて、自分で決めていい! 自由な遊び場
『こどもたちへ』と書かれた看板に、羽根木プレーパークからのメッセージが書かれています。ボーッとしてもいい。みんなが遊んでいるのを見てるだけでもいい。おもしろがることも、こわいと感じることも、や〜めたと思うことも、すべて自由。 困ったら助けてくれる人もいる・・・日頃はどうしても「あぶないから〜しちゃだめ」と言われることの多い子ども達ですが、ここでは自由に遊べます。
どうしたらできる? 試行錯誤のチャレンジが怪我予防にも!
はしごも階段もない滑り台。「どうやったら登れるかな?」子ども自身が試行錯誤しながらチャレンジできます。
木にくくりつけられたロープでターザンごっこ。熟練者になると、本物のターザンのように、高い位置からかなりのスピード降りてくる子も!
でこぼこした地面、落ち葉や木の実、たくさんの木々。そうした環境のなかで、「穴が掘りたい」「泥だんごをつくりたい」「この木に登りたい」と、子ども達は自分で遊びを見つけていきます。
手作り遊具は、強度的に危なそうに見えますが…。 プレーワーカーさんに尋ねてみると「遊具はすべて毎日点検してメンテナンスをしています。また構造的にはたとえば、滑り台はあえて階段やはしごをつけていません。子どもたちがどうしたら登れるのかを自分で考え、試行錯誤して登れるものにしています。自分の限界を考えながら遊ぶことで、大きな怪我を自分で防ぐ力も身についていきます。」とのこと。
今回がプレーパーク初体験のママは「いつもは汚れや怪我を先に心配して制してしまいがちですが、自分で考えながらダイナミックにチャレンジしていく姿にびっくりしました」と感心の様子。
「つくってみたい」「やってみたい」が自分なりにできる!
釘打ち・釘抜きができる木工コーナー。ときには誤って指を打つこともありますが、その経験を経て力加減や距離感をつかんでいきます。
プレーパーク内の小屋ではプレーワーカーさんに相談したり、道具を借りたりできます。この小屋の屋根にだって自分の力で登ってもOK!
遊びに打ち込んでいるうちに、今度は「自分で作ってみたい」「してみたい」という意欲も生まれます。プレーパークには地域住民の方たちの協力で集められた木材などの材料や、トンカチ・くぎなどの道具があり、自由に使うことができます。
Kちゃんは木工コーナーで初めてのくぎ打ちに自ら挑戦。ママは「指を打たないかハラハラしますが、意外と1人でしっかりできるものなんですね。」と娘の新たな一面を発見したようです。プレーワーカーさんが一緒に考えてくれたり、見守ってくれるのも心強いです。
たき火で焼きいも体験!
かまどの石を集めるところからスタート。Kちゃんには石の重みも新鮮。
火おこしの方法を見ながら、準備から後片付けまで、自分で行うのがルール。
初めての火おこしは、親子でドキドキ体験
石でかまどを作ったら、薪を組んで、新聞紙で種火を作って火をおこします。風があり、なかなかうまくいきませんが、なんとか成功。
羽根木プレーパークでは火おこしも体験できます。Kちゃん親子は、さっそく焼き芋づくりにチャレンジ。準備から後片付けまで全部自分でするのがルールです。
プレーパーク内にある石でかまどを作り、薪を組んで火をおこします。「火おこし体験は普段はなかなかできないので、私自身もいい経験になりました。普段は危ないことから遠ざけようとしてしまいがちですが、プレーパークなら見守りながら思いっきりさせてあげられてうれしいです」とママ。
大人だけでバーベキューができないかとの問い合わせがあることもあるそうですが、「プレーパークはあくまでも子どものための遊び場ということをご理解いただきたい」とプレーワーカーさん。子どもたちが自由にのびのびと遊ぶ環境を今後も受け継いでいくために、ルールを守って利用していきたいですね。
自分で焼いたおいものおいしさは格別!!
家から持参したさつまいもを、アルミホイルで包みます。
さつまいもを火に投入。間近にある火にちょっとドキドキのKちゃん。
さつまいもが焼けるまでの待ち時間は、枝にさしたマシュマロを焼いて、おやつタイム。
ほくほくの焼きいもが完成! おいしくてあっという間に完食しました。
焼き始めて約1時間で、ほくほくの焼きいもが完成しました!「今までいろいろなところに出かけましたが、火おこしも体験ができるところは初めてでした。準備や後片付けも自分たちでしなければいけないというところが、私も娘もとても勉強になりました。今度はパパやお姉ちゃんも誘って、家族みんなで遊びに来たいです」
自発的な遊びの中で、発見力や想像力がぐんぐん育つ!
拾い集めたどんぐりをお鍋とフライパンに入れて、お料理スタート!
でこぼこ道を、手を繋いで歩くだけでも、自然と笑顔がこぼれます。
地面に無数に落ちているどんぐりを見つけたKちゃん。夢中で集めるうちに、「これでお料理したい!」とさらなる遊びを思いつきました。プレーパーク内のお鍋やフライパンを使って、水を入れて煮込んだり、炒めたり。自分で遊びを創り上げていきます。「こうしたら?ああしたら?と親が提案しなくても見守るだけで、自分で発見したり想像して遊べるんですね。遊びに夢中になる娘を見て、もっと自然の中で好きに遊べる機会を増やしてあげたいなと思いました」とママ。
プレーパークには親子連れがたくさんやってきますが、どの親子も適度な距離で子どもの遊びを見守る姿がとても印象的でした。
【スポット情報】羽根木プレーパーク
住所 | 〒153-0033東京都世田谷区代田4-38-52 羽根木公園内 |
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電話番号 | 03-3324-9284 |
料金 | 無料 |
休園日 | 火曜日 |
アクセス | 小田急線梅ヶ丘駅から徒歩3分、井の頭線東松原駅から徒歩7分 |
特徴 | 10:00~18:00はプレーワーカーや世話人がいます |
URL |
行ってみよう!全国のプレーパーク情報
現在、全国各地に約300箇所ものプレーパークがあります。多くは地域団体や自治体が協力しあって運営しており、毎日遊べるところ、定期的に開催しているところなど、そのスタイルはさまざまです。
各地のプレーパーク情報は、「日本冒険遊び場づくり協会」の公式サイトで調べることができます。住まいの近くのプレーパークを検索して、ぜひ、冒険遊びに出かけてみましょう!
日本冒険遊び場づくり協会「全国冒険遊び場検索マップ」:http://bouken-asobiba.org/play/