三重県の特産品おもしろ雑学|ブランド牛・松阪牛はビールや焼酎で育つ!?

三重県の特産品「松阪牛」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

三重県で紹介するのは「松阪牛」。一度は食べてみたいブランド牛は、ユニークな飼育法や和牛と国産牛の違いなど、雑学も盛りだくさんです。

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目次(index)

【知る】まつさかうし?まつさかぎゅう?正しい読み方は?

神戸牛(兵庫県)、近江牛(滋賀県)と並ぶ日本三大和牛の一つで、とろけるような食感と美しい霜降り肉から「肉の芸術品」とも呼ばれている「松阪牛」。三重県松阪市周辺で生産される黒毛和牛は、国内はもちろんのこと、海外でも高い人気を誇る高級ブランドの牛肉です。

松阪牛の読み方は「まつさかうし」「まつさかぎゅう」、どちらも正解になります。「まつ“ざ”か」ではなく、市名と同じく「まつさか」と濁らないので、そこはご注意を。

そもそも松阪牛ってどんな牛?

松阪牛ってどんな牛?/三重県の特産品「松阪牛」

松阪牛は和牛の中の「黒毛和種」という品種で、神戸牛、近江牛ももとは同じ黒毛和種です。全国各地の優秀な子牛を、松阪市を中心とした松阪牛生産区域(三重県の旧22市町村)に連れてきて、900日(約2年5カ月)以上の長きにわたって肥育(ひいく)して“松阪牛を作る”のです。肥育とは食肉用家畜の肉量を増やし、肉質をよくするための飼育法です。

肥育中は、牛の食欲増進のためにビールを与えたり、肉質を柔らかくするために焼酎でマッサージを行う農家もいます。農家それぞれが独自の創意工夫と、松阪牛生産区域を流れる櫛田川(くしだがわ)や宮川といった清流のきれいな水、温暖な気候が品質のよい牛を育てるのです。

松阪牛の条件とは?オスは松阪牛になれない!

松阪牛は、子牛を産んでいないメスの牛だけに限られています。その理由は、メス牛はオス牛よりも脂肪の質がよく、出産未経験だと脂肪が多いため、深い味わいの肉になるからです。

ほかにも厳格な条件があります。まず「松阪牛個体識別管理システム」への登録が必須です。このシステムは、松阪牛一頭一頭の個体情報や生産者(農家)の情報などをデータ管理します。

松阪牛生産区域での肥育期間が一番長く、かつ最後まで同区域で肥育されることも条件。加えて、子牛は生後12カ月齢までに松阪牛生産区域に連れてきて、育てなければいけないなどの決まりも。それらの条件をすべてクリアし、安心・安全な松阪牛と認められるのです。

品評会で評価爆上がり!日本を代表するブランド牛に!

三重県の特産品「松阪牛」

松阪牛のルーツといわれているのが、兵庫県の黒毛和種、但馬(たじま)牛です。但馬地方のおとなしいメス牛は、田畑を耕したり、荷物を運搬したりする役牛(えきぎゅう)としてよく働くことで知られ、江戸時代には農耕の盛んだった松阪周辺も但馬牛を導入しました。

明治時代になると西洋文化の影響から肉の需要が高まり、それまで農耕用だった牛が食肉用に振り分けられました。すると、和牛の中でも松阪周辺で育った牛は、肉質に優れておいしいと評判に。東京の有名レストランやデパートによる松阪産牛の購入や、各地の品評会での優秀な成績によって、松阪牛の名は全国に広まったのです。

肉牛として本格的な肥育が始まったのは、第二次世界大戦後です。昭和24年(1949)からは松阪牛の品質を競う品評会、松阪肉牛共進会がスタート。また、昭和52年(1977)には松阪食肉公社が設立されたことで厳格な品質管理体制が敷かれ、ブランド化へ大きく前進しました。

和牛=国産牛ではない?

牛肉(イメージ)

日本国内で流通している牛肉は、「輸入牛」「国産牛」「和牛」の3種に分けられます。

輸入牛は外国で飼育後に現地で加工され、輸入した肉を指します。

国産牛は基本的に、日本で飼育・加工された牛肉です。ただし、外国で育てられた牛を輸入し、日本でそれ以上に長く飼育した後に加工した場合も、「国産牛」として表示することが許されています。

和牛は、日本の在来種をもとに作られた食肉専用の牛のこと。品種を指して和牛と呼ぶため、必ずしも国産牛であるとは限りません。黒毛和種など在来の4品種に当てはまれば、国産でも海外産でも「和牛」に分類されます。例えば、オーストラリアで育った黒毛和牛もいるんですよ。

【つくる】松阪牛の流通経路とおいしい食べ方

松阪牛が牧場からお店に届くまでの流通の基本的な流れと、おいしい食べ方について解説します。“憧れのブランド牛肉”を食べるときの参考にしてみてくださいね。

松阪牛が食卓に届くまで

松阪牛が食卓に届くまで/三重県の特産品「松阪牛」

松阪牛は牧場で育ち、お肉になってから食卓に届くまで、どんなルートを通ってくるのでしょうか。一般的な流通経路について紹介します。

子牛市場からスタート

  1. 全国の産地から良質な子牛が子牛市場に集まります。そこで松阪市を中心とした農家が、松阪牛として育てるのに適した牛を選んで買います。
  2. 買ってきた子牛を一頭ごとに厳しく管理するため、最初に松阪牛個体識別管理システムへ登録。そして900日以上の間、大事に大きく育てられます。
  3. 農家から出荷された松阪牛は、松阪食肉公社で松坂食肉衛生検査所の検査員(獣医師)が、一頭ずつ病気になっていないかなどを厳しく検査します。
  4. 検査に合格した牛は食肉処理場で解体・脱骨作業を行い、部分肉にして全国に出荷。その際、食肉業者からの依頼に応じて、松阪食肉公社が松阪牛証明書や松阪牛シールを発行します。
  5. 販売店でスライス加工された松阪牛を、お客さんが購入し食卓に届きます。購入する際のパックなどに貼ってある松阪牛シールには、10桁の個体識別番号を記載。これをインターネットで検索すれば、松阪牛個体識別管理システムに登録された牛の情報を誰でも確認できます。

おすすめ部位&料理を紹介

すき焼(イメージ)

松阪牛はどの部分を食べてもおいしい牛肉ですが、部位ごとに脂の入り方や柔らかさ、うま味が異なります。好みに合った部位を生かした料理で、松阪牛を楽しんでみては?

肉らしさを存分に味わいたい人には、きれいにサシの入った霜降り肉を堪能できるロース(背肉の部分)とサーロイン(腰の上部の肉)がおすすめです。ロースならすき焼や焼き肉で、しっかりと肉本来の味を楽しめます。サーロインなら定番のステーキで、ガツンと味わうのがベスト。

肉の脂が苦手な人には、脂肪が少ないヒレ(骨盤内側の棒状の筋肉)やモモ肉、ランプ(下腰部の肉)、イチボ(尻の柔らかい部位)がおすすめ。ヒレは非常に柔らかい赤身なので、肉厚のステーキでも子どもも食べやすいですよ。うま味がたっぷりの赤身肉のランプやイチボも、やはりステーキにすると絶品。モモ肉は薄切りならしゃぶしゃぶ、塊肉ならローストビーフやビーフシチューなどの料理で食べてみたいですね。

【学ぶ】松阪牛について学べるスポット

親子で参加できる、松阪牛を使ったピザ作り体験施設と、“回転焼肉”ができる焼き肉店という松阪牛の新感覚グルメスポットを発見。松阪牛・和牛の歴史について深堀りできる展示施設もあります。

松阪農業公園ベルファーム(三重県/松阪市)

松阪農業公園ベルファーム(三重県/松阪市)

農業や食べ物などの多彩な体験で楽しく学べる農業公園では、「松阪牛&旬野菜のピザ作り」が注目です。三重県産の小麦粉の生地に、地元農家の旬野菜、そして松阪牛をトッピングした直径約20㎝のご当地ピザを作ることができます。持ち帰りもOK。

11月~翌年3月には、期間限定で「松阪牛の肉まん作り」も開催されます。また、おみやげで人気の「松阪牛ポテトチップス」486円は、一度食べたらやみつきに!

住所 三重県松阪市伊勢寺町551-3
問合先 0598-63-0050
営業時間 9~17時
定休日 水曜(祝日の場合は営業)
料金 入園無料、「松阪牛&旬野菜のピザ作り」一般2200円、会員2000円※3日前までに要予約(2名~申し込み可、4名~催行で定員40名。対象は小学生以上、小中学生のみの参加不可)
アクセス 公共機関:JR・近鉄松阪駅からタクシーで約20分
車:伊勢自動車道松阪ICから東に0.5km2分
駐車場 あり/700台/無料
URL

https://www.bellfarm.jp/

飯南和紙和牛センター(三重県/松阪市)

飯南和紙和牛センター(三重県/松阪市)

「飯南(いいなん)和紙和牛センター」は、江戸時代に生産が開始された「深野和紙」と飯南町深野が発祥の地とされる「松阪牛」の製法技術を伝えるのが目的の施設です。

和牛のコーナーでは、役牛(田畑を耕したり荷物を運搬したりする牛)だったころから肉用牛、そして松阪牛として有名になる経過を学ぶことができます。展示物では、実際に役牛が身に付けていた当時の農機具を見てみましょう。

住所 三重県松阪市飯南町深野3232
問合先 なし
営業時間 9~16時 ※施設は施錠されているので、見学の際に車で5分ほどの距離にある飯南産業文化センターでカギを借用
定休日 土・日曜、祝日、12月29日~1月3日
料金 無料
アクセス 公共機関:JR・近鉄松阪駅から三交バスで38分、バス停:深野から徒歩15分
車:伊勢自動車道松阪ICから18㎞25分
駐車場 あり/2台/無料
URL

https://www.city.matsusaka.mie.jp/soshiki/70/2016iitaka-washiwagyu.html

一升びん 宮町店(三重県/松阪市)

一升びん 宮町店(三重県/松阪市)

松阪市内を中心に14店舗を展開する「一升びん」は、A5ランクの松阪牛&黒毛和牛がリーズナブルに味わると評判の焼き肉チェーン。松阪牛のホルモンは、県外に出回らないので必食です。

宮町店では市内で唯一、皿に乗ったお肉が回ってくる“回転焼肉”専用の席を用意。定番の「松阪肉カルビ」825円やサーロイン、リブロースを盛る「松阪肉特選」1430円など、黒毛和牛も含め約50種のメニューの中から、いろんな部位を少量ずつ楽しみましょう!

<施設データ>

住所 三重県松阪市宮町144-5
問合先 0598-50-1200
営業時間 11~15時、16時30分~21時30分、土・日曜、祝日11時~21時30分(回転席は17時~21時30分、土・日曜、祝日12~15時、16時30分~21時30分) ※LO各30分前
定休日 不定休
アクセス 公共機関:JR・近鉄松阪駅から徒歩12分
車:伊勢自動車道松阪ICから8km15分
駐車場 あり/50台/無料
URL

https://www.issyoubin.com/

【SDGs】三重県の松阪牛を自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

三重県で生産される松阪牛は、環境にも配慮しながら飼育が行われています。この先も、松阪牛を変わらず自由に食べたり守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればいいのか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

三重県の子ども向けSDGsの取り組み

8:働きがいも 経済成長も/SDGsの目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう/SDGsの目標

» 株式会社エスト

3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

» ヴィアティン三重

1:貧困をなくそう/SDGsの目標2:飢餓をゼロに/SDGsの目標3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標

» 株式会社ファーストステップ