アトピー性皮膚炎は、とても身近な病気です。日本ではアトピーに悩んでいる人は600万人。その家族も含めると1000万人と推測されています(※)。症状には個人差がありますが、おでかけや遊びを思いっきり楽しむことができない、という方も多くいます。そこで、夏休みの遊びで気をつけるべきポイントをまとめてみました。同じお悩みを持つ親子の情報共有の方法もご紹介します!
※H12~14年度厚生労働科学研究によるアトピー性皮膚炎疫学調査より推計
(協力)NPO法人 日本アトピー協会
1995年、阪神淡路大震災時、被災されたアトピー患者さん支援で設立。患者さんやご家族への支援が会務。通信紙「あとぴいなう」の発行や関連情報の発信、イベント開催などを行う。患者会員数 約850名(R5年10月現在)
アトピーとは?どんな病気?
画像:PIXTA
アトピー性皮膚炎の「アトピー」とは、「不思議な、とらえどころのない」という意味のギリシャ語「ATOPOS」に由来する言葉。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が皮膚にあらわれ、その状態が良くなったり悪くなったりをくり返す病気です。症状の出かたには個人差がありますが、子どもが痒がっている様子は見ている方にもとてもつらいですよね。
画像:PIXTA
アトピー性皮膚炎を患っていると、水分を保ったり乾燥から肌を守ったりする「肌のバリア機能」がうまく働きません。そのため、乾燥してカサカサし、刺激物が皮膚に入りやすい状態です。
そこで、おでかけや屋外あそびでは、「刺激から肌を守る」対策がとても大切になります。
プールや海は入ってもいい?
画像:PIXTA
暑い夏には、水遊びは気持ちいいですよね。アトピー性皮膚炎だからといって、プールや海に入ってはいけないことはありません。ですが、アトピーの子にとっては、プールの塩素や海水は、肌への刺激になります。また、屋外であれば夏の強い紫外線も肌への刺激となります。
そこで、プールや海に入る際は、なるべく肌の露出を避け、日焼け対策もしっかりとするようにしましょう。プールや海からあがったら、シャワーを浴びて刺激物をよく流し、肌の保湿ケアを忘れずに。旅行の際は、施設が併設されたプールを選択し、楽しんだ後はなるべく早くケアができるように、予約の段階から考えておくことも大切です。
<プール・海のアトピー対策>
- 肌の露出を控え、塩素や海水の刺激を最小限に
- 紫外線対策をする(刺激の少ない日焼け止めやラッシュガードの使用など)
- あがったあとはシャワーで肌を清潔にし、保湿ケアをする
- 宿泊施設が併設されたプールを選ぶ等、ケアのしやすい旅先を検討する
バーベキュー・キャンプで気をつけることは?
画像:PIXTA
アトピーはストレスの影響を大きく受けると言われています。バーベキューやキャンプは、家族や友達と一緒に自然を楽しめ、ストレス発散にもなる良い機会ですね。屋外レジャーでは、プールや海同様、紫外線の刺激をなるべく避けるよう、肌の露出を少なくすることが大切。汗をかくことで、痒くなることも多い為、こまめに汗を拭いてあげる・涼しい場所へのお出かけを検討することも手段の一つです。
また、自然が豊かな場所では、虫刺されへの注意も必要です。肌に優しい虫よけを使うようにしましょう。
<バーベキュー・キャンプでのアトピー対策>
- 肌の露出をできるだけ避ける
- 紫外線対策をする(刺激の少ない日焼け止めの使用など)
- 汗をこまめに拭く
- 暑すぎない場所へのお出かけを検討する
- 虫よけをする
アトピーのお悩みを持つ親子の交流コミュニティ
アトピー性皮膚炎は、家族の既往歴がある場合も多く見られます。親子で一緒に対策工夫ができるといいですね。
安心しておでかけできるスポットや遊びの種類などを、同じアトピー性皮膚炎を持つ親子同士で情報共有できる場もあります。ぜひ活用してみましょう。
◆オンラインコミュニティ『UniTri〜ゆにとり〜』
アトピーやお肌の悩みを抱えていても、旅行やおでかけ、日常生活を楽しみたいの方々のコミュニティ。日頃工夫していること、聞きたいこと、体験談、あってよかった、嬉しかったサービス等について投稿・語り合う場で、株式会社JTBが運営しています。
このコミュニティを立ち上げたのは、同じ悩みを持つJTB社員。ぜひ今お悩みの方々も、気持ちを分かち合い、役立つ情報を交換し合ってみませんか?病気と前向きに向き合う大きな力にもなるかもしれません。
»『UniTri~ゆにとり~』の詳細はこちら
※最初にご自身のメールアドレス、任意のパスワードをご入力ください。