※掲載内容は取材時点での情報です。最新状況は各施設にご確認ください。

2021年、withコロナの夏休み

医師に聞く、2021夏休みのコロナ対策!旅行や帰省は?ワクチンや子どものマスクは?

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スイカを食べる子ども(イメージ)

withコロナで迎える二度目の夏。三密回避・手洗い消毒・マスクの生活が続くなか、子どもと楽しい夏を過ごすために、今あらためて気をつけるべきポイントは? 気になる変異株の流行、ワクチン接種、猛暑下のマスク、夏休みの旅行や帰省の注意点などついて、小児科医で三児のパパでもある帝京大学医学部附属溝口病院の黒澤照喜先生にお聞きしました。 

※本記事は取材時(2021年6月28日時点)の情報に基づいています。

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(監修)黒澤照喜先生(帝京大学医学部附属溝口病院小児科)
東京大学医学部卒業。同大学附属病院小児科、都立府中病院、わだ小児科・循環器内科医院などを経て、2017年より現職。

目次(index)

2021年夏のコロナ状況、昨年とのちがいは?

手指消毒をする赤ちゃん(イメージ)

Q.昨年に続き、2021年の夏休みもwithコロナで迎えます。昨年からの変化、現在のコロナの状況は?

A.昨年からの流れで、もっとも大きいトピックは「変異株の出現」と「ワクチンの普及」です。
変異株については、感染しやすさ(基本再生産数)の上昇と成人の若い世代での重症化が問題となっています。ただし、小児については明らかな重症化傾向は報告されていません

参考:「子どもと新型コロナウイルスの変異株の感染について」日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会(2021年3月23日)

ワクチンについては、高齢者を中心に接種が進んでいます。ワクチンの普及に伴い、接種した人たちの間で感染が十分に減った(先行接種した医療従事者のコロナ罹患率が減った)との明るい報告もあります。しかし、現時点でのワクチンの普及率は、社会全体が集団免疫を持つ、すなわちコロナの心配をしないで済む状況には程遠いです。

このような状況下で、自粛生活が長引くために以前より感染対策が疎かになってしまったり、逆にストレスから心身の調子を崩してしまう方も多いようです。

Q.変異株の流行により、子どもの感染が増えているというニュースを見聞きします。変異株に対する特別な対策はありますか?

A.変異株は、感染しやすさの上昇と、(特に成人での)重症化のリスクが指摘されています。ただし、感染経路は飛沫感染(咳・鼻水・大声・マスク無し・三密)と従来型と変わりありません。三密の回避、マスク・手洗い、体調が悪い時には安静にして他の人との接触をできる限り避けるなどの基本が大切です。
また、現在のところ変異株に対してワクチンの有効率が大きく下がったという報告はありません。コロナに対するもっとも確かな対策・予防でワクチン以上のものはないと思います。自分のためにも、大切な周りの人のためにも、接種可能な方はなるべく早く接種することをお勧めします。

ワクチンは何歳から?打てば安心?

医師の人形(イメージ)

Q.新型コロナウイルスのワクチンは、何歳から打てますか?

A.2021年6月25日現在、厚生労働省のHPには以下のように書かれています。

新型コロナワクチンの接種対象は、以下の通りです。

  • ファイザー社のワクチン:接種する日に12歳以上の方
  • 武田/モデルナ社のワクチン:接種する日に18歳以上の方

年齢制限は、今後の国内外の報告・検討から変更される可能性があります。最新情報をチェックして、かかりつけ医や自治体に問い合わせてください。

Q.親がワクチン接種をする場合の注意点はありますか?

A.ワクチンの副反応は、一定の確率で起きます。
まず、接種直後に起こるものとしてアナフィラキシーが知られていますが、アメリカでは20万回に1回程度と言われており、適切な治療により回復します。また、不安や緊張が強い場合には接種直後に立ち眩みなどが起こることがあり、問診の際に事情を伝えておくことが大切です。

接種翌日を中心に起こるものとして、発熱・接種部位の腫れ・倦怠感などがあります。1回目より2回目、高齢者より年齢が若い人、男性より女性の方が起こりやすいとされています。もし副反応が起きても大丈夫なように、翌日のスケジュールを調整するとよいでしょう。家族内で同時に副反応が発生しないように、パパ・ママで日付をずらして接種することも検討してください

Q.ワクチンを打てば、もう安心ですか?

A.ファイザーのワクチンの有効率は95%と言われています。これは、本来100人コロナにかかる状況でワクチンを接種すれば5人のみが感染して95人が免れられるということを意味します。つまり、ワクチンを接種することで感染は20分の1になるのですがゼロにはなりません。重症化率も下げたとの報告がありますが、やはり一定確率で重症になることはあり得ます。一方で、変異株に対して有効率が大幅に落ちたという報告はありません。
モデルナのワクチンもほぼ同様と考えられます。
ワクチンを打てば、発症・重症化リスクがだいぶ下がるため安心はできますが、油断して感染してしまっては本末転倒です。社会が集団免疫を獲得してコロナウイルスの居場所がなくなって初めて安全になったと言えるでしょう。それまでは「マスク・手洗い・三密回避」の基本対策を続けることが大切です

子どものマスク、夏は熱中症対策も

母親と子ども(イメージ)

Q.特に夏特有の子どもの注意点はありますか?

A.上述の通り、自分自身がワクチン接種をしてもコロナにかかるリスクはゼロとはなりません。したがって、今までの予防策は大切です。一方で、マスクは呼吸がしづらくなり、熱をこもらせるため熱中症を引き起こしかねず、またマスクで顔が隠れると体調不良に気付きにくくなります

  • 2歳以下にはマスク着用をさせない。
  • 熱中症をおこしかねない状況ではマスク着用は慎重に。周囲が体調不良に気をつける。
  • 大人が子どもに感染させないよう、率先してマスクを着用する。

以上のことが大切です。感染と熱中症のリスクを天びんにかけながらその都度判断してください。

Q.子どもがマスクを嫌がる場合の対策はありますか?

A.まず、マスクを嫌がる理由を探りましょう。
マスクが推奨されていない2歳以下のお子さんや、マスクを着けることで苦しくなったり体調不良が起こるお子さんでしたら、マスクを着けなくても感染のリスクが低い場所で、それ以外の手洗いなどの予防を十分に行わせるようにします。
一方で、マスクを着けるのが面倒、単にいやだというお子さんには、その子にあわせたわかりやすい言葉で説明を行う、お人形などにマスクを着けて遊んでみる、周りの人がマスクを着けているのを見せる、そして着けてくれたら大げさでもよいのでほめるのがよいでしょう。また、最初から長時間着けるのではなく、外している時間は前述の通り感染のリスクが低い場所でそれ以外の手洗いなどの予防を十分に行ってもよいでしょう。

流行中のRSウイルスにも注意を!

体温を測る子ども(イメージ)

Q.コロナ以外にも、特に子どもが気をつけたい夏の感染症はありますか?

A.2021年6月末現在、子どもたちの間ではRSウイルスが大流行しています。RSウイルスは本来夏から秋にかけて流行するのですが、本年はこの時期に大流行となっています(子どもに限って言えば新型コロナよりもRSウイルス感染の方が圧倒的に多いです)。これは、昨年の新型コロナの自粛生活にともないRSウイルス感染症も流行せず、免疫を持っていない子どもが増え、そこにひとたび感染が起こると大流行になるということを意味しているのだと思います
昨年は、RSウイルスだけではなく他の感染症も圧倒的に少ない一年でした。その結果、現時点ではさまざまな感染症に対して免疫を持っていない子どもが例年以上に増加しています。夏に流行する感染症といえば、手足口病・ヘルパンギーナ・アデノウイルス感染症(プール熱)が有名ですが、これ以外にもさまざまな感染症が流行する可能性があります。今後の流行の情報に気をつけてください。

夏休みの旅行や帰省、考えるべき7つのポイント

帰省のイメージ

Q.今年の夏休みは、旅行や帰省をしたいと考えているファミリーも多くいます。あらためて、考えるべきポイントを教えてください。

A.節度のあるお出かけ・旅行は、家族の心身を健やかに保つためにもよいと思います。ただし、必ず基本の予防対策は怠らないにしましょう。また、状況は刻々と変化する可能性もあります。昨年の夏同様、以下のことを家族みんなでよく考え、判断・行動することが大切です。

  1. 山や海など、屋外で換気のよい場所を選ぶ。
  2. 屋内の場合は、人数制限や換気対策などがしっかりされているところを選ぶ。
  3. コロナ対策がしっかりしている観光先、宿を選ぶ。また、可能なら車移動を。
  4. 旅行の予定をたてたら、その数日前からゆとりを持った生活を送るよう心がけ、体調を整える
  5. 政府や自治体が発信する、最新の移動制限情報を随時確認して、判断する。
  6. 家族の中に体調不良の人がいたら、こじらせたり周囲にうつさないためにも、キャンセルをためらわないこと。キャンセル無料の宿を探してみるのもいいでしょう。体温計を持参するなどして、旅先でも体調管理に務める。
  7. 12歳以上の家族は可能な限りワクチン接種をする。お出かけや旅行の前にワクチン接種をする場合は、接種後の数日は必ずゆとりをもてる予定を組む

2021年夏休みを楽しくすごすために

虫取りをする子ども(イメージ)

Q.今一度、withコロナ生活で大切にすべきことは?

A.長い自粛生活が続き、コロナ慣れによる気の緩みもでてくる時期です。上にも書いたとおり、子どもにとっては新型コロナや他の感染症にかかってしまうリスクがあります。昨年、子どもたちの間で感染症が劇的に減っていたのは、自粛生活だけでなく、新型コロナの予防策が他の病原体の感染も予防していたことに他なりません。昨年同様の厳しい自粛生活を行うのは誰にとってもストレスなのですが、今一度、昨年実践していた基本を振り返ってみることは大切でしょう

  • マスクや手洗いの励行
  • 3密を回避する
  • 体調不良の時は外出や登園を控えるなど、無理をしない
  • 特に大人は大人数のお酒の入った会食や大声での会話を避ける

そのうえで、子どもたちの日ごろのストレスを少しでも発散させてあげたいですね。

Q.黒澤先生は、今年の夏休みはどんなふうに家族で楽しむ予定ですか?

A.昨年できなかったことを子どもたちに経験させてあげる夏にしたいです。
一つは山奥で宿泊して子どもに昆虫三昧を体験させてあげること(るるぶkidsの堀川ランプさんの記事は子どもも夢中になって読んでいます!)。
もう一つはワクチン接種が終わった祖父母に久しぶりに直接会わせてあげること。そのためにも、今から家族全体の体調管理を行っていきたいです。

<黒澤先生の記事>
» コロナ第3波の冬休み・年末年始の旅行や帰省は?小児科医に聞く緊急対策もチェック
(配信日:2020年12月4日)
» バーベキュー・キャンプwithコロナ、リスクや安全対策は?人数など気をつけること
(配信日:2020年8月19日)
» withコロナの夏休み、旅行や帰省は大丈夫?小児科パパ医師に聞くポイントと過ごし方
(配信日:2020年7月15日)
» 小児科のパパ医師がアドバイス。緊急事態宣言下、親子で3密を避けるポイントとは?【コロナ対策】
(配信日:2020年4月23日)
» 小児科のパパ医師に質問!休校中のお出かけはどこまでOK?【コロナ対策】
(配信日:2020年3月12日)

子どもと過ごすステイホームの夏休み!おすすめのお家での遊び方は?

るるぶKidsでは、家やご近所でも夏休みを楽しめる遊びをたくさんご紹介しています!
カブトムシの採集や幼虫の育て方、野菜の切れ端でできるスタンプアート、夏の星空観察方法など、ぜひお子さんとの夏休みの過ごし方の参考にしてくださいね。

»カブトムシ・クワガタ採集ガイド!場所・時間帯・仕掛けレシピ・捕まえ方・飼育まで
»カブトムシ幼虫の育て方ガイド!水や温度・オスメス見分け方・マット交換の時期など
»野菜スタンプのやり方&アイデア集!小松菜の花束、オクラとブロッコリーの花火など
»夏休みは星空観察を!夏の大三角・天の川・さそり座の見つけ方、星座の神話も紹介