ひと足早く春の訪れが来る千葉県房総半島にある大多喜町。毎年2月下旬~3月中旬には菜の花が見ごろを迎えます。今回は、レトロな車両がステキないすみ鉄道や、たけのこ掘りや釣り体験、古民家での収穫体験など、春の大多喜町ならではのお楽しみを詰め込んだプランに、5歳のすみれちゃんとママが1泊2日でお出かけしました。車が便利な場所、列車でも行ける場所をうまく組み合わせて、ドライブ&鉄道旅も満喫しちゃうファミリーにぴったりな春の観光プランをご紹介します!
大多喜町ってどんなところ?
大多喜町は房総半島のほぼ中央に位置し、東京からは電車で約100分、高速バスで約1時間20分。車ならアクアラインを経由して東京から約1時間20分、横浜や川崎からも約1時間10分の距離です。滝めぐりが楽しめる養老渓谷や、徳川四天王のひとり本多忠勝ゆかりの大多喜城、城下町の面影を残す風情ある佇まいの建物が点在するなど、多彩な魅力が盛りだくさん。春はいすみ鉄道の沿線に菜の花や桜が咲き、華やいだ雰囲気に包まれます。
おすすめ1泊2日モデルコース
1日目は車移動。2日目は列車移動。施設の送迎サービスを利用したり、駅から徒歩5分圏内のお店を訪ねたりと、いすみ鉄道でのんびり列車旅を楽しむコースです。車の駐車は「デンタルサポート大多喜駅」から歩いて1分ほどの町営駐車場の利用が便利。普通車なら4時間まで300円、4時間を超え24時間まで500円で停められますよ。
●1日目
- 10:00 「養老渓谷釣堀センター」で釣り体験
↓車で約2分 - 12:30 「山の駅養老渓谷喜楽里」でランチ
↓車で約25分 - 15:00 「まるがやつ」で古民家宿泊&里山体験
●2日目(いすみ鉄道に乗って移動♪)
- 10:04着 デンタルサポート大多喜駅
↓列車で約17分 - 10:21着 momo西畑駅
↓送迎車で約10分 - 10:30「平沢たけのこ村」でたけのこ掘り
↓送迎車で約10分 - 12:24発 momo西畑駅
↓列車で約3分 - 12:27着 上総中野駅
↓徒歩約5分 - 12:45 「寺ノ下cafe COCORO」でランチ
↓徒歩約5分 - 13:50「上総中野駅」でいすみ鉄道&小湊鐵道の車両見学
- 14:00発 上総中野駅
↓列車で約23分 - 14:23着 デンタルサポート大多喜駅
↓徒歩すぐ - 14:30 「大多喜町観光本陣」
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町散策
※記載している列車の発着時刻は休日ダイヤ(土日祝)です。
※令和4年3月12日にダイヤ改正のため、発着時刻に変更が生じる場合があります。
おすすめの回り方アドバイス
1日目の車移動は、「山の駅養老渓谷喜楽里」から「まるがやつ」に向かう途中の国道465号線など、ところどころで山間のカーブの道があるので、乗り物酔いしやすいお子さんは少し酔ってしまうかもしれません。酔い止めを飲むなど、事前に準備しておくと安心です。2日目に利用するいすみ鉄道は、だいたい運行は1時間に1本なので、時刻表をしっかり確認して、乗り遅れないように余裕をもって移動するのがポイントです。
「養老渓谷釣堀センター」でお手軽フィッシング!
大多喜町に到着したら、まずは「養老渓谷釣堀センター」で釣りにチャレンジ! ここではマスかコイを釣ることができます。釣堀には養老渓谷の支流から引いてきた水が流し込まれていて、水温が一定に保たれているので、マス&コイは元気いっぱい。竿はレンタル、エサは購入できるので、手ぶらでOK。釣堀なので、小さなお子さんもママも気軽に安心して釣りが体験できるのもうれしいですね!
こちらが釣りセット。竿とエサ(魚のすり身)、そして軍手は釣った魚をつかむ際に使います。マス釣りの場合は、釣り戻し禁止なので、釣ったマスを入れておく網も借りましょう。なお竿には鋭い針が付いているので、エサを付けるときは子どもが触らないように注意してください。
すみれちゃんは初めての釣り体験。ドキドキしながら釣り竿を垂らすと、早速釣り竿にマスがヒット!ママにも手伝ってもらって釣り上げます。
マスの引きが想像以上に強いので、小さな子どもは大人のサポートがマスト。また釣堀の周りに柵がないので、滑って落ちないよう要注意です!
立派なマスが釣れました!
すみれちゃんもママもうれしそうです。釣ったマスは、竿と一緒に借りた網に入れて水中にぶら下げておきます。
釣ったマスは野外バーベキューガーデンで焼いて食べることができるほか、食事処では塩焼きやフライに調理してもらえます(有料)。野外バーベキューガーデンはセットメニューと持込みプランもあります。
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町葛藤163-1 |
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電話番号 | 0470-85-0031 |
営業時間 | 10~22時(釣りは~18時) |
定休日 | 火曜 |
料金 | マス釣り(7~9月利用不可)200円(貸し竿・エサ付)、マス1尾350円 コイ釣り500円(貸し竿・エサ付)、追加エサ代100円 |
駐車場 | 普通車25台 |
ランチは「山の駅養老渓谷喜楽里」でハンバーガーをパクッ♪
ランチは「山の駅養老渓谷喜楽里」の入口手前のキッチンカーで販売している「BIG ONEバーガー」で。養老渓谷釣堀センターから車ですぐの場所にあります。キッチンカーのすぐそばに半屋外のテラス席があるので、青空ランチも楽しめちゃいます。高さ約13cmの超ビッグサイズなので、ママとシェアして食べるのがおすすめです。
「BIG ONEバーガー」は、国産黒毛和牛100%のパテと自家製のスモークベーコンをライ麦100%のバンズでサンドしたこだわりいっぱいのバーガー。“肉をくらう”のコンセプト通り、ひと口頬張ると肉の旨みが口いっぱいに広がります。
「BIG ONEバーガー」はバリエーションがいろいろ。目玉焼きの入った「BIG ONEエッグバーガー」、パイナップルが入った斬新な「BIG ONEアロハバーガー」、バーガーと相性バツグンのアボカド入りの「BIG ONEアボカドバーガー」の3種類がスタンバイ。
ハンバーガーのほかにホットドッグやクラムチャウダー、各種ソフトドリンクも揃っています。
「山の駅養老渓谷 喜楽里」は養老渓谷エリアの観光拠点。大多喜町や房総のおみやげや、地元でとれた旬の野菜などを販売しています。土・日曜はアユの塩焼き、日曜はジビエを店舗前で提供しているそうです!
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町小田代148-24 |
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電話番号 | 0470-85-0005 |
営業時間 | 10~17時(10~3月は~16時)、BIGONEバーガー・養老食堂は10~15時 |
定休日 | 木曜 |
駐車場 | 普通車32台、大型車2台、二輪車30台 |
古民家を改装した「まるがやつ」で宿泊&里山体験
宿泊は築200年の古民家をリノベーションした、一棟貸し&体験型宿泊施設「まるがやつ」へ。2万㎡の広大な敷地に、一棟貸しの古民家「萱(かや)」、蔵をグランピングスタイルに改装した「蔵(くら)」、キャンプサイトの「宙(そら)」の3タイプの宿泊施設を中心に、農園の「まるがやつファーム」、田んぼ、納屋、散策路などが整備されています。
自然に包まれ、広々としていて開放感たっぷりなので、すみれちゃんのテンションもアップ! 早速お庭を駆け回ります。
今回は一棟貸しの古民家「萱」に宿泊。和室が3部屋、浴室とトイレが2カ所ずつ、調理器具付きのキッチン&ダイニングがあり、15名まで宿泊可能。2~3家族が一緒に泊まれるので、小さなお子さん連れの仲良しファミリーや、おじいちゃん&おばあちゃんと三世代で利用するなどもできます。
テレビはありませんが、お手玉やけん玉など、昔遊びの道具がいくつかあるので、この機会にいろいろ体験してみるのもおすすめ。遊びのアイデアも浮かびそうですね。
すみれちゃんが部屋の棚に置いてあったそろばんを発見。初めて目にするそろばんに興味深々です。
広いお庭で縄跳びだってできちゃいます。「まるがやつ」では、敷地内であれば手持ち花火をすることができます。都会では花火をする場所が限定されるので、子どもたちも大喜びすること間違いなしですね。
「萱」の広い縁側で、ポカポカ陽気のなか、お茶を飲みながらすみれちゃん&ママで女子トーク。春先なら鳥のさえずりが素敵なBGMになってくれます。
体験メニューにも挑戦!
そのほか、「まるがやつ」は多彩な体験メニューが用意されているのも魅力のひとつ。子どもたちにおすすめの体験メニューはこちら!
●カマドご飯を炊いてみよう
地元在住のスタッフのレクチャーを受けながらカマドでご飯を炊く「かまど体験」。火の加減を確認しながら薪を投入。だんだんお米の炊ける甘い香りが広がってきます。
- 料金:5,500円/回(食材費別・萱のみ)
- 体験時間:15時30分~16時30分
前日までに要予約、お米は持参。
●まるがやつファームで収穫体験
スタッフの皆さんが愛情をたっぷり込めて育てた野菜を収穫させてもらいます。すみれちゃんが収穫しようとしているのは大根。スタッフに抜き方のコツを教えてもらいながら・・・あとひと息!
大きな大根が2本も!初めての収穫に大興奮!
季節によって野菜はいろいろで、春はキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎ、きぬさやなどが収穫できるとのこと。汚れてもよい服装と軍手のほか、長靴もあると便利ですよ。
- 料金:1100円/回(6名まで)
- 体験時間:15時30分~16時
都会ではなかなかできない自然とのふれあいや、昔懐かしい遊びなど、子どもに刺激的な体験がたくさんできました。ほかにも季節にあわせたさまざまな体験ができるので、詳しくはホームページをチェックしてくださいね。
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町下大多喜1530 |
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電話番号 | 043-301-2777(株式会社 人と古民家) |
料金 | 基本料金 萱77,000円~※6名定員(最大定員15名様まで)、蔵46,200円~ ※2名定員(最大定員4名様まで)※詳細は公式ホームページをご確認ください。 |
駐車場 | 萱:普通車10台、蔵:普通車2台 |
「いすみ鉄道」に乗って鉄道旅へ出発!
2日目は「いすみ鉄道」を利用して大多喜町を旅します。いすみ鉄道の歴史は約90年前にさかのぼり、もともと木更津と大原を内陸経由で結ぶ路線でした。1930年4月1日に大原駅~大多喜駅間が開通、1933年に大多喜駅~総元駅間、翌1934年に上総中野駅まで開通しました。
全14駅のうち大多喜町には8駅停車。3月中旬ごろからちょうど菜の花と桜が沿線を彩り、車窓からの眺めはバツグン。レトロな車内や駅舎もステキで、フォトジェニックな魅力もいっぱいです。
乗車は駐車場がある「デンタルサポート大多喜駅」から。今回は乗車するたびに購入したほうが安いので、その都度、切符を買って乗車します。
いすみ鉄道ではお得な1日フリー乗車券も用意されています。土休日用は大人1500円、子ども750円、平日用は大人1200円、子ども600円です。
「デンタルサポート大多喜駅」はCMや映画のロケ地にもなっている木造駅舎。ミントグリーンの壁がノスタルジックなムードを盛り上げてくれます。柱に設置されている竹灯籠はホームや駅舎の入口などにも置かれていて、夜になるとライトアップされキラキラと輝くのだとか。夜はロマンチックな雰囲気に包まれそうですね。
いよいよ列車に乗って出発です!次に降りる「momo西畑駅」までは所要約17分の鉄道旅。車窓からの景色を楽しみましょう。(※写真の車両はキハ20。車内はボックスシートです。)
いすみ鉄道で現在、運行している車両は5種類。こちらはいすみ300形の車内。ほかに向かい合わせのボックスシートの車両もあります。春のいすみ鉄道は、沿線に菜の花と桜が一緒に咲いている春らしい風景を車窓から楽しむことができます。
3月中旬から4月上旬にかけては、車窓から菜の花と桜が咲く景色が楽しめます。黄色とピンク色のコントラストが美しいですね。
「平沢たけのこ村」でたけのこ掘りにチャレンジ!
大多喜町は関東屈指のたけのこの産地。「しろこ」と呼ばれ、灰汁がなく、口当たりが柔らかで、品質な高さに定評があります。町のちょうど中央付近の平沢地区は、竹林面積が大多喜町の中で最も広く、たけのこの宝庫です。
そんな平沢地区にある「平沢たけのこ村」は、周囲は緑に包まれたおおらかな景色が広がっています。たけのこ掘りは4月上旬~5月上旬の約1カ月間のみ営業。たけのこの掘り方をスタッフが丁寧に教えてくれるので、初めてでも安心です。
なお、いすみ鉄道の利用者は「momo西畑駅」から送迎サービスがあるので、事前予約をお忘れなく!
収穫したたけのこは持ち帰りOK。たけのこご飯や煮物などもおすすめですが、薄切りにしたたけのこのお刺身も人気とのこと。灰汁のない大多喜町のたけのこだからこその味わえる一品です。
たけのこの掘り取り器具は準備してあるので、運動靴か長靴、軍手を用意すると便利です。
汚れても良い、動きやすい服装で行きましょう。
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町平沢986 |
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電話番号 | 0470-84-0544(夜間またはオープン前は0470-84-0424) |
営業時間 | 9~15時 |
定休日 | 5月中旬~3月末 |
料金 | 大人1,400円、子ども700円※おみやげ付き |
駐車場 | 普通車60台、大型バス10台 |
地産地消の「寺ノ下cafe COCORO」でランチ
上総中野駅から5分ほど歩くと、お寺に続く石段や竹林のある自然に囲まれたお寺が見えてきます。その真下あるのが「寺ノ下Cafe COCORO」。
ランチでは、昔ながらのナポリタンや、メインが選べるランチプレートのメニューが揃います。どれも大多喜町でとれた新鮮な野菜や卵など、なるべく地域の食材を用いた料理を提供。ちなみに飲み物の器も地元の陶芸作家によるオリジナルの器なのだとか。
店内にはベビーチェアが1台あり、子どもにはライスやスープなどが無料というのもうれしいポイント。お子様アイス150円や駄菓子も販売しています。
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町中野249-1 |
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電話番号 | 0470-83-0272 |
営業時間 | 11時30分~15時 |
定休日 | 月~木曜 |
駐車場 | 10台 |
「上総中野駅」で隣り合ういすみ鉄道&小湊鐵道の車両を見学しよう
momo西畑駅から所要約3分で上総中野駅に到着。この駅は小湊鐵道との接続駅で、いすみ鉄道と小湊鐵道の車両がホームを挟んで隣り合う、レアな風景が見られます。写真を撮って楽しめる、鉄道好きキッズ大喜びの貴重なスポットです。
「大多喜町観光本陣」を拠点に町探検へGo!
上総中野駅からデンタルサポート大多喜駅まで戻ってきました。駅の目の前には、大多喜町の観光拠点となる観光センター「大多喜町観光本陣」があります。各種パンフレットが用意されているほか、おみやげ販売コーナーやトイレもある便利なスポットです。建物の外側にコインロッカーがあるので、荷物を預けて周辺観光をするのもいいですね。
「大多喜町観光本陣」では、レンタサイクルがあり、子供用(小学生以上)2台(300円)、チャイルドシート付き自転車1台(300円)が用意されています。子供用のヘルメットもあります。数に限りがあるので、利用する場合は早めの予約を。また、いすみ鉄道1日フリー乗車券を持っているとレンタル料が100円お得になります。
最後はすみれちゃんとママで、パパのおみやげ探し。栗あんや梅あんが入ったどら焼きなど、パッケージに大多喜城をあしらった銘菓が揃っています。
「いすみ鉄道」グッズも。レトルトカレーやドロップ、キーホルダーなど、駅より品揃えが充実しているので要チェックです。
住所 | 千葉県夷隅郡大多喜町大多喜270-1 |
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電話番号 | 0470-80-1146 |
営業時間 | 9~17時(レンタサイクルは12~2月は~16時) |
定休日 | 12月29日~1月3日 |
駐車場 | 5台 |
大多喜町観光本陣から行く!フォトスポット
「大多喜町観光本陣」から南郭通りを南へ、城下町通りを右折すると歩いてすぐの場所にある三口橋(徒歩10分、車3分ほど)。大多喜城と陸橋を走る「いすみ鉄道」を一緒に撮影できるフォトスポットとして知られています。写真が撮れそうな朝から夕方までで、鉄橋を列車が通るのは1日17本。列車が鉄橋に近づくと踏切の音が鳴るのが聞こえてきます。
すみれちゃんとママも満面の笑顔でばっちり撮影! 列車はあっという間に通り過ぎてしまうので、5分前にはスタンバイしてカメラ位置をチェックしておくのがおすすめです!
釣りにチャレンジしたり、古民家に宿泊してみたり、収穫体験をしたり、レトロな列車に乗ったり……すみれちゃんにとってドキドキ&ワクワクがいっぱいの1泊2日の旅となりました。戸惑いながらも、笑顔が絶えない2日間になったのは、ママと一緒だったから。
春の大多喜町の彩り豊かな風景や、温かな地元の人との交流も楽しい思い出になったはず。
今年の春旅行は、豊かな自然の中でバラエティ豊か体験が待っている大多喜町に出かけてみませんか。
「るるぶ特別編集 大多喜」も要チェック!
『るるぶ特別編集 大多喜』では16ページにわたり、大多喜町の観光スポットやグルメ、みやげ、宿泊情報といった「見る、食べる、遊ぶ」に関する情報を掲載しています。2~3月にかけて首都圏エリアの地下鉄駅、スーパーや観光関連施設、SAPA、一部JTB店舗などで配布予定のほか、大多喜町のホームページにも近日中にPDFデータをUP予定です。ぜひチェックしてみてくださいね!
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