京都らしい風情を感じながら散策を楽しめる花見小路

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花見小路通の風景(京都府/京都市)

日本ならではの風景が楽しめると、最近は日本国内ばかりでなく、海外の観光客からも人気の京都。その中でも、最も京都らしい風景を楽しむことができるのが、「花見小路」周辺です。

花見小路とは、約1kmの小路で祇園を貫いており、小路の周辺には寺社仏閣やお茶屋などの風情あるたたずまいを残す建物が散見されます。運が良ければ、小路を歩く舞妓さんや芸妓さんの姿が見られるかもしれません。

古い歴史を持つ京都ですが、花見小路の歴史は意外と浅く、完成したのは明治初期です。その後、1949年に道幅を拡幅し、2001年には電線が地中に埋められて石畳が敷かれ、より京都らしい景観が楽しめる通りとなりました。

舞妓さんが行き交う花見小路

京都に来たら、一度は舞妓さんや芸妓さんの美しい姿を見てみたいですよね。しかし、京都のお座敷は「一見さんお断り」といわれるように、格式の高さでも知られています。最近は旅行者が気軽に楽しめるお座敷ツアーがあるとはいえ、子連れで参加するのは現実的ではないでしょう。遠くからでもひと目舞妓さんの姿が見たいという場合は、舞妓さんたちが集まり、お座敷に向かうお茶屋のある街に行ってみてはいかがでしょうか。

京都には祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して「五花街」と呼ばれています。その中でも、最も規模が大きい花街が祇園甲部で、この祇園甲部のメインストリートこそが花見小路なのです。そのため、花見小路を散策していれば、舞妓さんや芸妓さんを見かける確率は高いでしょう。石畳の上に昔ながらの京町家が並び、軒先に赤い提灯が揺れる花見小路を舞妓さんたちが歩く姿を見れば、江戸時代にタイムトリップした気分にさせられます。

もちろん、花見小路に行けば必ず舞妓さんや芸妓さんに会えるというわけではありません。また、芸妓さんたちが身支度を整えて花見小路を歩いているときは、お座敷やお稽古に行く途中であることが多いです。無理に写真撮影を強要したり、子供が着物にふれたりしないよう、十分に注意してください(※地区内の私道は写真撮影禁止となっています)。

花見小路周辺の散策スポットをご紹介!

花見小路を訪ねたら、少し足を延ばして周辺の観光スポットを巡ってみましょう。

漢検 漢字博物館・図書館

漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)は、漢字の世界を見て、ふれることで、漢字の魅力を学べる体験型ミュージアムです。1階は「見て聴いて触れる」、2階は「遊び楽しみ学べる」をテーマにした展示になっており、入場してすぐの場所には、今や年末の風物詩となった「今年の漢字」の実物が展示されています。

漢字の展示物というと堅苦しく感じがちですが、漢字にふれるとその漢字の甲骨文字が出てくる「踊る甲骨文字テーブル」や「部首組み合わせタッチパネルかるた」「漢字回転すし」「体で漢字をつくろう」など、子供たちの好奇心を刺激する体験型の展示が盛りだくさん。子供はもちろん、大人も楽しめるでしょう。

さらにこの施設は、ベビー関連設備が充実している点がうれしいところ。授乳室(オムツ交換台有)があるほか、館内ではベビーカーの貸し出しもあります。寺社巡りや街の散策ではこうした設備がある場所が少ないだけに、上手に活用したい施設です。

一力亭

花見小路の代表的なフォトスポットが「一力亭」です。祇園の数あるお茶屋の中でも最も格式が高く由緒ある店で、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」の中にも登場します。子供といっしょに入って遊べる店ではありませんが、特徴的なベンガラ塗りの外壁と趣ある格子窓、そして歴史を感じさせるのれんは、外から眺めるだけでも京都の風情を感じられるでしょう。

京都祇園・弥栄会館ギオンコーナー

京都祇園・弥栄会館ギオンコーナーは、京舞・茶道・華道・箏・雅楽・狂言・文楽の7つの伝統芸能をダイジェストで鑑賞することで、気軽に日本の伝統芸能の世界にふれることができる施設です。公演日時は毎日18時からと19時からの2回で、12月から3月第2週目までは、金・土・日・祝日のみの公演となります。

ロビーには舞妓さんの花かんざしや髪型などの小物を展示する「舞妓ギャラリー」があるので、特に女の子が興味を持ってくれそうです。

子供連れでも楽しめる花見小路

夜の花街のイメージが強い花見小路だけに、子供連れには不向きと思われがちですが、ご紹介したように、周囲には子供連れでも気軽に遊びに行ける施設がたくさんあります。

また、花見小路がある祇園近辺にはレンタル着物店も多く、子供向けの着物も用意されているので、家族でレンタルして着物姿で京都散策を楽しんでみてはいかがでしょうか?

花見小路通

住所 京都府京都市東山区四条通花見小路
電話番号
料金
営業時間
定休日
アクセス

京阪本線「祇園四条駅」6番出口より徒歩4分

/JR「京都駅」より市バス4・17・205系統で14分、

バス停「四条河原町」を下車して徒歩7分

/名神高速道路「京都東IC」から府道143号経由7km

駐車場 なし
特徴