知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
成田国際空港のほど近く、離着陸する航空機を間近に見られるという飛行機好きにとって最高の立地に建つのが「航空科学博物館」。かつて飛行していた本物の機体やエンジンが展示され、飛行機が飛ぶ仕組みや操縦の仕方などの解説は、子ども達の好奇心をかき立てます。パイロット気分を味わえるシミュレーターは難易度の異なるものが複数あり、子どもだけでなく大人もチャレンジすることができます。自分の操縦に合わせて動く大きな模型は圧巻。ぜひ体験してみましょう。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
航空科学博物館で育つ子どもの力って?
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック!航空科学博物館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのか、確認してみましょう
ボーイング747-400の大型模型や本物の機体を使った迫力ある展示は、子ども達の「こんなに大きな乗り物がどうやって飛ぶんだろう」「飛行機の中身はどうなっているんだろう」といった興味をいただかせ、それらが想像力・思考力を育てることに繋がります。
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航空科学博物館ってこんなところ!
JR・京成線成田空港駅からバスで15分の航空科学博物館駅を下車すぐというロケーション。成田国際空港の南側、離着陸する飛行機を眺められるスポットが多数ある「スカイパークしばやま」エリア内にあります。
体験展示が豊富なので、「ボーイング747-400大型模型」、「B737-MAXシミュレーター」といったメニューから子どもの年齢・興味に合わせて内容を選ぶと良いでしょう。
所要:1時間
おすすめの年齢:4歳~
住所 | 千葉県山武郡芝山町岩山111-3 |
---|---|
電話 | 0479-78-0557 |
営業時間 | 10~17時(最終入館は閉館の30分前) |
定休日 | 月曜(月曜日が祝日の場合はその翌日)、12月29~31日 |
料金 | 700円、中学・高校生300円、4歳以上200円 |
アクセス | JR・京成線成田空港駅からバスで15分、バス停航空科学博物館下車すぐ |
駐車場 | あり(200台) |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
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おすすめのアクセス方法は?
車の場合は東関東自動車道成田IC、または圏央道松尾横芝ICからそれぞれ15分ほど。公共交通機関ではJR・京成線成田空港駅からバスで15分ほどで向かうことができます。バスは1時間に数本であることから車利用がおすすめです。東京から向かう場合は高速バスもあります。(最新の運行状況はJRバス関東の公式サイトをご確認ください)
おすすめの遊び方&過ごし方
入館したら、まずは体験展示の受付を済ませましょう。体験展示は全て先着順で有料です。本館、体験館の順番に回ると分かりやすいです。本館西棟1階中央にはボーイング747-400の大型模型が展示されており、運が良ければ不定期上映のプロジェクションマッピングが見られます。本館中央棟4階のレストランや5階の展望展示室でのんびり過ごしたら、今度は体験館に向かいましょう。難易度の高いシミュレーターにチャレンジ!
館内を楽しんだら、帰る前に屋外展示コーナーに寄るのがおすすめ。約20機の展示航空機と、まさに今降りてきた飛行機を一緒に見ることができます。
大きな模型に大興奮
入口からゲートをくぐって順路通り西棟へ進むと現れるのが「ボーイング747-400」大型模型。全長約9mで、実物の8分の1サイズです。模型後方に設置されたコックピットでは操縦体験を実施しており、自分の操縦に合わせて模型を動かすことができます。
不定期上映のプロジェクションマッピングでは、屋内の壁と床に映し出された映像により、模型が本当に空を飛んでいるかのよう。椅子があるので、座ってゆっくり展示を眺めることができます。
●エンジン
ボーイング747の本物のジェットエンジン。まずはその大きさに圧倒されます。展示の前に立つと自動でエンジンにプロジェクションマッピングが映し出され、内部構造と仕組みを分かりやすく紹介してくれます。
●ボーイング747-400大型模型 コックピット体験
受付カウンターで予約をすれば、なんと大型模型を操縦することができます。操縦体験は操縦士、副操縦士の2名まで。館内にある操縦体験展示のなかでは比較的難易度は低いそうです。年齢制限はありませんので、子どもと一緒に保護者も体験できます。
- 【体験時間】30分
- 【体験料金】1グループ200円(受付にて要予約)
見たことない!本物のジャンボジェットの輪切り
西棟展示のなかでも目を引くのが、この「ボーイング747胴体断面」。飛行機の座席のすぐ下には荷物を積んだコンテナがぴっちりとおさまっています。飛行機に乗せるためにコンテナの一部が欠けているということが一目で分かりますね。また、胴体の壁が意外と薄いことにも注目です。飛行機はとにかく軽くすることが重要なのでこんなに薄いのだとか。珍しい展示は「なぜ?」「どうして?」の気持ちを起こさせますね。
元操縦士や整備士の方によるガイドツアーが人気
西棟で模型を見たボーイング747ですが、屋外にはなんと本物の機首(通称:セクション41)が展示されています。この機体は色々な航空会社での運航を経たのち、アメリカのマラナ砂漠で整備保存されていたのを解体してここまで運んできました。中に入ると、内装が一部取り外され天井や床下の空間がどうなっているのか分かるようになっています。
セクション41で開催される機内ツアーでは、元操縦士や元整備士といった経験も知識も豊富なガイドによる解説があります。子どもたちの疑問に答えてくれるでしょう。操縦席に座ってたくさんのボタンに囲まれると、操縦士がどれだけ大変なお仕事か想像・体感することができますよ。
【ボーイング747-セクション41 機内ツアー】
- 【所要時間】50分
- 【料金】1人500円(受付にて要予約) ※4歳以上
天気のいい日は屋外展示にも注目!
屋外展示では約20機の小型機が展示されています。広々とした芝生エリアは、子ども達が動き回れるスペースがあります。ひと際大きい機体は1960年代に作られた「YS-11」試作1号機。戦後の日本で初めて作られた国産旅客機です。
「YS-11」とその他いくつかの機体は内部を見学することができます。(2022年4月現在、新型コロナウイルスの影響により機内見学は休止中)
館内は遊び心満載!
館内に入ってすぐの入場ゲート。この形に見覚えはないでしょうか。
そう、これは空港の出入国検査場のゲートを模したものです。このように、館内にはよく見ると「あれ?」と思うような場所がいくつかあります。
こちらは2階エレベーター前に設置された、保安検査場のゲートです。実際に使われていたものだそう。
エントランスに入ってすぐ、画面による検温機と消毒液が台に置かれています。取材時は新型コロナウイルスが流行しているためこのような対応になっています。ところでこの台、ちょっと変わっていますよね。飛行機に何度も乗ったことがある方なら気が付くかもしれませんが、これは機内でCAさんが飲み物などを客席に運ぶためのカートなんです!
エントランス以外でも、館内の消毒液が置かれている台としてカートが使われているようです。気が付いた人が台を指さして「あっ」と声を上げる場面も。子ども達は気が付くでしょうか。
航空科学博物館ならではの体験にトライ!
航空科学博物館には多くの操縦シミュレーターがあり、どれも貴重な体験ができます。
その中でも最新の体験ができるのが「B737-MAXシミュレーター体験」です。視界いっぱいの画面はかなりの臨場感。他のシミュレーターと比べ難易度は上がるので、自信のある人はチャレンジしてみましょう。この体験のみ受付ではなく体験館で予約を行っているので注意。
●B737-MAX シミュレーター体験
自分の操縦に合わせプロジェクターの映像も変化します。水平を保とうと計器ばかり見ていると、滑走路からずれてしまうので目線は大忙し。インストラクターさんが副操縦席で指示してくれます。あまりにも乱暴な操縦をすると、墜落することもあるのだとか。
【B737-MAX シミュレーター体験】
- 【体験時間】10分
- 【体験料金】1000円(体験館2階にて要予約) ※小学生4年生以上
ほかにも知的好奇心をくすぐる貴重な体験の数々!
●5階展望展示室
成田国際空港のすぐ横に位置するため、展望室からは常に離着陸する飛行機を見ることができます。椅子に座って休憩しつつ眺められるのが嬉しいですね。
管制塔を模した展望室は360度周囲を見渡せます。空港を見下ろす形になるため、飛んでいる飛行機だけでなく空港で働く人々や車も観察できます。
●NAAコーナー
部屋の中央に置かれた空港のジオラマが目を引く、NAA(成田国際空港株式会社)紹介コーナー。大型スクリーンには空港のお仕事を紹介するアバターが映し出され、タッチパネルを押すとお仕事について学ぶことができます。他にも、今と昔のエンジンの音を聞き比べたり、環境にやさしい取り組みなど、空港について子ども向けに分かりやすく紹介しています。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
航空科学博物館には子連れならぜひ立ち寄りたいスポットがあります。ぜひ行ってみてくださいね。
●展望レストラン「バルーン」
4階にある展望レストラン。飛行機を眺めながらお食事をいただけます。お子様ランチやスイーツのほか、ぜひ食べてみたいのが、航空科学博物館ならではの機内食風ランチ。ボリュームもしっかりあるのでおすすめです。
- お子様ランチ 700円
- お子様カレー 700円
- 機内食風ランチA(和風オニオンソースハンバーグ) 1000円
- 機内食風ランチB(デミグラスソースハンバーグ) 1000円
- ほかメニューあり
●ミュージアムショップ
帰る前に立ち寄ってほしいのが、掘り出し物がありそうなミュージアムショップ。航空科学博物館限定商品や、成田国際空港グッズ、スーツケースタグ、子ども向けのおもちゃから大人向けのリアルな模型まで、あらゆる航空グッズがそろっています。
特に注目なのが、飛行機で実際に使用されていた部品などのグッズ! 取材時にはプロペラやカート、タイヤ、機体番号の外板などが期間限定で販売されていました。どんな商品が販売されるかはその時によって変わるので、ぜひチェックしてみてください。もしかすると掘り出し物があるかもしれません。
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内にはトイレ(おむつ交換台あり)が3箇所あり、場所は本館1階、4階、体験館2階です。授乳室は中央棟1階のトイレのすぐ横にあります。また、中央棟1階と体験館トイレは車椅子でも利用可能です。本館・体験館それぞれエレベーターがあるので、階の移動も安心です。
豊富なシミュレーターや本物の機体が使用された展示は、乗り物や飛行機が好きなら夢中になって楽しめるものばかり。エンジンの大きさに圧倒されたり、操縦桿を握ったりという体験は、子どもの想像力を膨らませてくれます。子どものためのワークショップなども開催されているで、訪れる前には公式サイトや公式SNSをチェックしましょう。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。